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目覚めない父
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一夜が明けた。あれからベッドに入ったけれど気になることが多すぎて眠れなかったわ。父の怪我と、姉の妊娠。特に姉は領地に送って大人しくしていると聞いていたから落胆が大きいわ。
子どもが可哀相なのもある。生まれることを生まれる前から望まれないのだから。その責を負うのは姉であるべきだけど、あの姉が子どもを大切にするとの確信がないだけに余計に心配になる。自分しか愛していないあの姉が子どもを大切にすると思えないから。
父も怪我は大したことがなかったし、後は目覚めを待つだけ。もし目覚めなかったり記憶を失っていたら……爵位は兄に譲って領地で療養かしら。目覚めなければ移動も難しいでしょうからこの屋敷か離れでってことになるかしら。目覚めなければこれ以上問題を起こすことはないからかえって気が楽かもしれない、なんて思ってしまったわ。
そしてあの絵の女性は誰なのかしら? バナンは知っているみたいだったけれどあの様子では話してくれそうにないわね。母も知っているのかしら? 侍女頭は? 気になるけれどそれよりも父の怪我の方が先ね。目が覚めたら聞けばいいわ。
朝になっても父の目は覚めなかった。朝食後に父の様子を見に行ったけれど、昨日と変わらずベッドに眠っている。侍医が一晩中ついていてくれたけれど父は一度も目覚めることはなかった。それでも少しずつ水を飲ませたからお酒の中毒の心配はかなり薄れたらしい。侍医には無理をかけてしまったわね。
明るい室内で父の寝室を改めてあの絵をじっくり見た。やっぱり姉に似ているけれど姉ではないように見えるわ。母にも似ているかしら? お祖母様の若い頃、でもないわね。お祖母様は金髪ではなかったもの。
侍医の先生が帰った後、父の顔を拭くバナンを見ながら部屋を見渡した。ふとサイドテーブルと壁の間に何かが光って見えたので近付いてみると、そこにあったのは空になったワインの瓶だった。片付け忘れていたみたいね。うまく隠れていたから見つけられなかったのかもしれない。
「お嬢さま?」
バナンが声をかけてきたので空瓶を片付け忘れていると伝えるとバナンが恐縮しながらそれを手に取って、動きを止めたわ。何事かとバナンを見上げて私も息を止めた。その瓶には赤黒いものがこびりついていたからだ。
「……もしかして、これでお父様を?」
「まさか……ですが……」
父はサイドテーブルに頭をぶつけて倒れたのだと思ったけれど、これが血なら誰かがこの瓶で父を殴ったのかしら? だったらこれは事故ではなく事件だわ。一体誰が? いつの間に? バナンと暫く顔を見合わせてしまった。
「バナン、これ、お父様の血かしら?」
「私には何とも……ですが、隠すように置かれていたのであれば……」
「そうなるわよね」
こういう時どうしたらいいのかしら? やはり騎士団に通報して調べて貰うべきよね。もし誰かに襲われたのなら犯人を見つけなきゃいけないもの。
「旦那様の部屋の前には護衛が立っています。その護衛が騒がなかったのであれば……この屋敷にお仕えする使用人かもしれません」
やはりそうなるわよね。部屋のカーテンは今は開いているけれど窓は鍵が閉まっているわね。入り込もうにもこの部屋は二階だし窓の外にバルコニーなどはないから侵入するのは難しいわ。となれば犯人はこの扉から出入りしたのよね。
「イルーゼ様」
犯人を探さなければいけない。どこから手を付けたらいいのかと思っていたらザーラに呼ばれたわ。どうかしたかしら? そう思いながら声の方に振り返ったら彼女は部屋の入り口を見ていた。何かと思って視線を向けて息を呑んだわ。
「……ヴォルフ様……」
そこにはいつもよりも少し改まった装いのヴォルフ様が立っていた。お忙しいのに来て下さったの? 私が茫然としている間に直ぐ側までいらっしゃった。
「伯爵の様子が気になったのでな」
「それは……わざわざありがとうございます」
「彼は騎士団の副団長だ。事件の可能性もあるので同行を頼んだ。伯爵の具合はどうだ?」
ヴォルフ様の後ろにいたのは茶の髪と瞳を持つ中年の男性だった。ヴォルフ様よりも身体は細いけれど鍛えられたとわかる騎士だった。副団長だなんて驚いたわ。昨日の今日で同行して貰えるなんてゾルガー家の力は凄いのね。
「お忙しいのにありがとうございます。父の傷は大したことがなかったのですが、意識がまだ……」
「そうか」
ヴォルフ様と副団長様に父の顔を見せ、これまでの経緯や傷の様子、侍医の見立てなどを説明した。そしてこの瓶のことも……
「これで殴った?」
「まだはっきりしません。ですが、隠すように置いてあったのでその可能性はあるかと……」
「そうか。バナンと言ったな。この部屋に出入りしたおそれのある使用人を別室に集めてくれ」
「は、はいっ! ただ今」
ヴォルフ様に頼まれたバナンが急いで出て行ったので、私はヴォルフ様と副団長様を近くの客間に案内した。ザーラがお茶を淹れてくれたのでこれまでのことを説明しながら待っていると、バナンが昨日からこの部屋に入った使用人を集めてきた。
「あの部屋に出入りした者たちです」
やって来たのはバナンの息子で執事見習のロルフ、侍女頭のラウラ、掃除係のアイラ、そして扉を守っていた二人の護衛だった。
「侯爵様、申し訳ございません。一人姿が見えない者がおりまして」
「それは誰? 姿が見えないって外出を?」
使用人も一日中拘束しているわけじゃないわ。交代で仕事をしているから休憩中だったり休日だったりする者もいる。
「旦那様付のカリーナです。昨夜は遅くまで旦那様のお世話をしていたので今日は午後からの勤務ですが、出かけたらしく姿が……」
「珍しいわね、朝から出かけるなんて。どこへ行ったの?」
「それが……届け出がないのです。そんなことはこれまでなかったのですが……」
カリーナは古参の侍女でここでの務めは私の年齢よりも長い。真面目で勤務態度もよく口も堅いからと父付の侍女を務めてもう五年は経っているかしら。外出する際は行き先を告げていく決まりになっている。そんな彼女がそれをせず、しかもこのタイミングで出かけるなんて……
「そうか。その者は騎士団で探す。後で行きそうな場所を教えろ」
「かしこまりました」
ヴォルフ様はそう言うと他の五人の聞き取りを始めた。我が家とは無関係のヴォルフ様だけど筆頭侯爵の一声は使用人たちを震え上がらせるのに十分だった。六人とも顔色を無くして佇む中、副団長様からの聞き取りが始まった。
ラウラとアイラは共に部屋に入ったことを護衛が確認していた。二人は日中、ベッドのシーツを交換した後で部屋の掃除をしていた。バナンは父に手紙を渡しに来ていて、これはあの床に落ちていた兄からのものだった。三人が出た後、父は護衛に酒を持ってくるように命じていたため、この三人が父を害する可能性はないとみなされた。
一方でカリーナは暫くの間父の部屋に留まっていたと護衛が証言した。しかもその後、私たちが部屋に入るまでは誰もあの部屋を訪れていないとも。
「それじゃ、カリーナが何か知っているかもしれないわね。バナン、彼女が行きそうなところを書き出してくれる?」
「はい、ただ今」
まだ彼女が怪しいと決まったわけじゃないけれど話を聞かないわけにはいかないわね。伯爵家の当主が怪我を負ったのだから。父が目を覚ましてくれたらはっきりしそうなのだけど。全く、ヴォルフ様たちのお手を煩わせているのに寝ているなんて……酔って覚えていないなんて言わないでしょうね。
子どもが可哀相なのもある。生まれることを生まれる前から望まれないのだから。その責を負うのは姉であるべきだけど、あの姉が子どもを大切にするとの確信がないだけに余計に心配になる。自分しか愛していないあの姉が子どもを大切にすると思えないから。
父も怪我は大したことがなかったし、後は目覚めを待つだけ。もし目覚めなかったり記憶を失っていたら……爵位は兄に譲って領地で療養かしら。目覚めなければ移動も難しいでしょうからこの屋敷か離れでってことになるかしら。目覚めなければこれ以上問題を起こすことはないからかえって気が楽かもしれない、なんて思ってしまったわ。
そしてあの絵の女性は誰なのかしら? バナンは知っているみたいだったけれどあの様子では話してくれそうにないわね。母も知っているのかしら? 侍女頭は? 気になるけれどそれよりも父の怪我の方が先ね。目が覚めたら聞けばいいわ。
朝になっても父の目は覚めなかった。朝食後に父の様子を見に行ったけれど、昨日と変わらずベッドに眠っている。侍医が一晩中ついていてくれたけれど父は一度も目覚めることはなかった。それでも少しずつ水を飲ませたからお酒の中毒の心配はかなり薄れたらしい。侍医には無理をかけてしまったわね。
明るい室内で父の寝室を改めてあの絵をじっくり見た。やっぱり姉に似ているけれど姉ではないように見えるわ。母にも似ているかしら? お祖母様の若い頃、でもないわね。お祖母様は金髪ではなかったもの。
侍医の先生が帰った後、父の顔を拭くバナンを見ながら部屋を見渡した。ふとサイドテーブルと壁の間に何かが光って見えたので近付いてみると、そこにあったのは空になったワインの瓶だった。片付け忘れていたみたいね。うまく隠れていたから見つけられなかったのかもしれない。
「お嬢さま?」
バナンが声をかけてきたので空瓶を片付け忘れていると伝えるとバナンが恐縮しながらそれを手に取って、動きを止めたわ。何事かとバナンを見上げて私も息を止めた。その瓶には赤黒いものがこびりついていたからだ。
「……もしかして、これでお父様を?」
「まさか……ですが……」
父はサイドテーブルに頭をぶつけて倒れたのだと思ったけれど、これが血なら誰かがこの瓶で父を殴ったのかしら? だったらこれは事故ではなく事件だわ。一体誰が? いつの間に? バナンと暫く顔を見合わせてしまった。
「バナン、これ、お父様の血かしら?」
「私には何とも……ですが、隠すように置かれていたのであれば……」
「そうなるわよね」
こういう時どうしたらいいのかしら? やはり騎士団に通報して調べて貰うべきよね。もし誰かに襲われたのなら犯人を見つけなきゃいけないもの。
「旦那様の部屋の前には護衛が立っています。その護衛が騒がなかったのであれば……この屋敷にお仕えする使用人かもしれません」
やはりそうなるわよね。部屋のカーテンは今は開いているけれど窓は鍵が閉まっているわね。入り込もうにもこの部屋は二階だし窓の外にバルコニーなどはないから侵入するのは難しいわ。となれば犯人はこの扉から出入りしたのよね。
「イルーゼ様」
犯人を探さなければいけない。どこから手を付けたらいいのかと思っていたらザーラに呼ばれたわ。どうかしたかしら? そう思いながら声の方に振り返ったら彼女は部屋の入り口を見ていた。何かと思って視線を向けて息を呑んだわ。
「……ヴォルフ様……」
そこにはいつもよりも少し改まった装いのヴォルフ様が立っていた。お忙しいのに来て下さったの? 私が茫然としている間に直ぐ側までいらっしゃった。
「伯爵の様子が気になったのでな」
「それは……わざわざありがとうございます」
「彼は騎士団の副団長だ。事件の可能性もあるので同行を頼んだ。伯爵の具合はどうだ?」
ヴォルフ様の後ろにいたのは茶の髪と瞳を持つ中年の男性だった。ヴォルフ様よりも身体は細いけれど鍛えられたとわかる騎士だった。副団長だなんて驚いたわ。昨日の今日で同行して貰えるなんてゾルガー家の力は凄いのね。
「お忙しいのにありがとうございます。父の傷は大したことがなかったのですが、意識がまだ……」
「そうか」
ヴォルフ様と副団長様に父の顔を見せ、これまでの経緯や傷の様子、侍医の見立てなどを説明した。そしてこの瓶のことも……
「これで殴った?」
「まだはっきりしません。ですが、隠すように置いてあったのでその可能性はあるかと……」
「そうか。バナンと言ったな。この部屋に出入りしたおそれのある使用人を別室に集めてくれ」
「は、はいっ! ただ今」
ヴォルフ様に頼まれたバナンが急いで出て行ったので、私はヴォルフ様と副団長様を近くの客間に案内した。ザーラがお茶を淹れてくれたのでこれまでのことを説明しながら待っていると、バナンが昨日からこの部屋に入った使用人を集めてきた。
「あの部屋に出入りした者たちです」
やって来たのはバナンの息子で執事見習のロルフ、侍女頭のラウラ、掃除係のアイラ、そして扉を守っていた二人の護衛だった。
「侯爵様、申し訳ございません。一人姿が見えない者がおりまして」
「それは誰? 姿が見えないって外出を?」
使用人も一日中拘束しているわけじゃないわ。交代で仕事をしているから休憩中だったり休日だったりする者もいる。
「旦那様付のカリーナです。昨夜は遅くまで旦那様のお世話をしていたので今日は午後からの勤務ですが、出かけたらしく姿が……」
「珍しいわね、朝から出かけるなんて。どこへ行ったの?」
「それが……届け出がないのです。そんなことはこれまでなかったのですが……」
カリーナは古参の侍女でここでの務めは私の年齢よりも長い。真面目で勤務態度もよく口も堅いからと父付の侍女を務めてもう五年は経っているかしら。外出する際は行き先を告げていく決まりになっている。そんな彼女がそれをせず、しかもこのタイミングで出かけるなんて……
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ラウラとアイラは共に部屋に入ったことを護衛が確認していた。二人は日中、ベッドのシーツを交換した後で部屋の掃除をしていた。バナンは父に手紙を渡しに来ていて、これはあの床に落ちていた兄からのものだった。三人が出た後、父は護衛に酒を持ってくるように命じていたため、この三人が父を害する可能性はないとみなされた。
一方でカリーナは暫くの間父の部屋に留まっていたと護衛が証言した。しかもその後、私たちが部屋に入るまでは誰もあの部屋を訪れていないとも。
「それじゃ、カリーナが何か知っているかもしれないわね。バナン、彼女が行きそうなところを書き出してくれる?」
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4,516
読んで下さってありがとうございます。
感想・お気に入り登録・エールも励みになります。
また誤字脱字を報告して下さる皆様に感謝申し上げます。
新たに「黒茨の魔女と金眼の下僕」の連載も始めました。
こちらもよろしくお願いします。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/687112907/698925653
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