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王女の再婚
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姉が無事領地に着いたとの知らせが届いたのはそれから一週間後だった。幸いにも途中で雨に遭うこともなく三日で着いたとお義姉様からの手紙にはあった。父には兄からの手紙が届いたようだけど私はその中身は知らない。父は私がヴォルフ様と通じているからと警戒しているのか尋ねても教えてくれなかった。
でも……父の抵抗は無駄なのに。姉にはヴォルフ様が付けた侍女や医師見習い、護衛がついているのよ。私が知らなくても情報はヴォルフ様に伝わっている。この人が当主で大丈夫なのかしらと思ってしまうわ。ヴォルフ様もよく我が家の申込を受けたわね。
姉を見送ってからゾルガー邸を訪れた私はティオに姉たちが無事に領地に着いたことをヴォルフ様に伝えて下さるようにお願いした。既にヴォルフ様はご存じでしょうからわざわざ仕事の手を止めてまで報告することじゃないもの。それでも伝えるのは隠し事はしないとの意思を表すため。
その日の昼食はフレディ様も交えての三人だった。風で木漏れ日がテーブルに複雑な模様を映している。こうして陽の下で二人を見比べるとあまり似ていない気がするわ。叔父と甥といってもヴォルフ様とフレディ様のお父様は異母兄弟だものね。ヴォルフ様の髪は青みがかった黒だけど、フレディ様は黒に近いこげ茶、かしら。目の色もヴォルフ様は夏の木々の葉色だけどフレディ様は新緑の緑ね。この国では濃い緑瞳はあまり好まれない。二百年ほど前にこの国を恐怖で支配した悪虐王が濃緑の瞳だったからだと言われている。
先日の会話からフレディ様との距離が少し近付いた気がする。あの話を聞いた後では無口無表情で怖そうに見えたのもゾルガーの後継者として侮られないように必死だったからかもしれないと思うようになって、彼のことを可愛いと感じてしまったせいかもしれない。中身は優しい普通の令息なのよね。ただ女性が苦手なだけで。
「イルーゼ、来月ランベルツの夜会に行くからそのつもりで」
「ランベルツの? わかりました」
そう言えば当主の誕生の祝いの話があったわね。フレディ様の婚約者になったロジーナ様の戸籍上の父親に当たるから行かない選択肢はないわ。
「フレディ、ロジーナも顔を出す予定だ。未成年だから挨拶とダンスだけになるが」
「わかりました。ドレスなどは?」
「向こうで用意するそうだ。そうだな……宝飾品でも贈っておくといい」
「はい」
フレディ様が贈り物を……本当に変わられたのね。その姿を見る度にどうして姉はと思わずにはいられないわ。アルビーナ様だって変わったのに姉だけが取り残されている。あの人の目はよっぽど大きな穴が開いているのでしょうね。今となってはこうなってよかったとしか思えない。あのままだったら社交界で恥を晒し続けたでしょうから。
「イルーゼのドレスは手配してある。そのうちガウス家に届くだろう」
「ありがとうございます」
些細なことのように仰るけれど、ヴォルフ様が贈って下さるドレスはどれも手のかかった高価な物なのよね。頂いてばかりでいいのかしらと思ってしまうけれど今度はどんなドレスなのかしらと心が躍るわ。
「危険があるかもしれないから先に伝えておく」
食後、ティオがお茶を配り終えたところでヴォルフ様が私をじっと見てそう言った。それって私が危険ってこと?
「王女の結婚が決まった。相手はガーゲルン侯爵だ」
「ガーゲルン侯爵って……」
ええっ? 確かガーゲルン侯爵様は私たちの両親よりも上の年代で国王陛下と同じくらいだったはず。既に子どもどころか孫までいたような……
「叔父上、いくら何でもそれは……リシェル様に何かあったのですか?」
フレディ様も同じことを考えたのね。でもこの婚姻ってどう考えても厄介払い、よね?
「公には出来ないがあれと親しくしていたクラウスが麻薬に関わっていた」
「麻薬に? ではフィリーネも?」
「ああ。他にも夫人が何人かやられている。それと同じ時期に王女がサロンで内々に薬を売っていた。薬自体には問題がなかったが、疑われるようなことをしたことを王は問題視した」
「陛下が……」
「グレシウス人の侍女を連れて帰ったのもよくなかった。軽微とはいえスパイ容疑がかかっている」
「そんなことが……」
フレディ様が目を丸くしているけれど、スパイのことは私も知らなかったわ。でも、サロン限定で持ち出し禁止の薬を売っていたら怪しまれるわよね。
「リシェル様がイルーゼ嬢を害すると?」
「ああ。あれは俺に嫁ぎたいと言っていた。辺境を厭って強硬手段に出る可能性もある。いいな?」
最後の言葉は私に向けられたものだった。気を付けろと仰るのね。私だって面倒事は遠慮したいわ。ヴォルフ様の目を見て頷いた。
「夜会でも絡んでくるかもしれん。ザーラとマルガを連れて行くがフレディ、俺が側を離れた時はお前が守れ」
「わかりました」
フレディ様が神妙な面持ちで頷いた。そうね、ヴォルフ様が側にいない時が危険よね。出来るだけ人を側に置いておいた方がいいってことね。エルマ様やリーゼ様に側にいて貰った方がいいかしら? でも危険な目に遭わせたくはないし悩むわね。
「夜会で事を起こしたりはしないだろうが外に出る時は気を付けろ。当面茶会なども避けろ。会いたい者がいるならここに呼べばいい」
「わ、わかりました」
一度エルマ様たちを誘って話をした方がいいかしら? 姉のこともあるし一度お誘いした方がいいかもしれないわね。
それから三日後、エルマ様とリーゼ様をゾルガー邸にお誘いした。麻薬のこと、姉が領地に向かったことを話すと二人は表情に影を落とした。
「フィリーネ様が……」
「クラウス様も悪い噂が流れていましたが……まさか売人だったなんて……」
お二人には口止めした上でこれまでの経緯を話した。クラウス様に関してはやっぱり……との空気が流れて、そんな彼に引っかかった姉が情けなく思えたわ。
「リシェル様も困った方ね」
「そうですわね。お子がいらっしゃらなかったとはいえ関係強化のための婚姻だったのですもの。王子殿下が亡くなった後も橋渡し的な存在として残るものでしょうに」
「帰国されたということはあちらで持て余されたのでしょうね」
そうなるとかなりの問題児だったってこと? あちらも体裁があるから留めようとするのが一般的だけど……帰国を許したってことは何かあったのかしら。
「しかも嫁ぎ先がガーゲルン侯爵様ですか」
「侯爵様は……奥様を想って再婚なされなかったと噂の方ですわ。こうなると実質上軟禁、ってことでしょうね」
「ガーゲルンは昨年の水害でかなりの被害を受けたとか。その援助と王家がガーゲルンを見捨てていないと示すためでしょうね」
表面的にはちゃんとした理由があるようになっているのね。確かに水害がかなりの規模だったとは聞いている。でも辺境は財政的に厳しいところが多いから援助は有難いのでしょうね。
「リシェル様が辺境に向かうまでは要注意ですわね」
「ええ。ヴォルフ様からもそう言われています」
「だったら大人しくなさっていて。イルーゼ様ったら時々思いがけないことをなさるから……」
エルマ様が頬に手を当ててしみじみとそう言ったけれど、そんなに無鉄砲ではないと思うのだけど。
「イルーゼ様、普通の令嬢は格上の当主に妻にして欲しいなんて言いませんわよ」
そう言われるとぐうの音も出なかったわ。そう言えばそうだったわね。リーゼ様もうんうん頷いていらっしゃるわ。でもあの時は仕方なかったのよ。私も必死だったのだから……
でも……父の抵抗は無駄なのに。姉にはヴォルフ様が付けた侍女や医師見習い、護衛がついているのよ。私が知らなくても情報はヴォルフ様に伝わっている。この人が当主で大丈夫なのかしらと思ってしまうわ。ヴォルフ様もよく我が家の申込を受けたわね。
姉を見送ってからゾルガー邸を訪れた私はティオに姉たちが無事に領地に着いたことをヴォルフ様に伝えて下さるようにお願いした。既にヴォルフ様はご存じでしょうからわざわざ仕事の手を止めてまで報告することじゃないもの。それでも伝えるのは隠し事はしないとの意思を表すため。
その日の昼食はフレディ様も交えての三人だった。風で木漏れ日がテーブルに複雑な模様を映している。こうして陽の下で二人を見比べるとあまり似ていない気がするわ。叔父と甥といってもヴォルフ様とフレディ様のお父様は異母兄弟だものね。ヴォルフ様の髪は青みがかった黒だけど、フレディ様は黒に近いこげ茶、かしら。目の色もヴォルフ様は夏の木々の葉色だけどフレディ様は新緑の緑ね。この国では濃い緑瞳はあまり好まれない。二百年ほど前にこの国を恐怖で支配した悪虐王が濃緑の瞳だったからだと言われている。
先日の会話からフレディ様との距離が少し近付いた気がする。あの話を聞いた後では無口無表情で怖そうに見えたのもゾルガーの後継者として侮られないように必死だったからかもしれないと思うようになって、彼のことを可愛いと感じてしまったせいかもしれない。中身は優しい普通の令息なのよね。ただ女性が苦手なだけで。
「イルーゼ、来月ランベルツの夜会に行くからそのつもりで」
「ランベルツの? わかりました」
そう言えば当主の誕生の祝いの話があったわね。フレディ様の婚約者になったロジーナ様の戸籍上の父親に当たるから行かない選択肢はないわ。
「フレディ、ロジーナも顔を出す予定だ。未成年だから挨拶とダンスだけになるが」
「わかりました。ドレスなどは?」
「向こうで用意するそうだ。そうだな……宝飾品でも贈っておくといい」
「はい」
フレディ様が贈り物を……本当に変わられたのね。その姿を見る度にどうして姉はと思わずにはいられないわ。アルビーナ様だって変わったのに姉だけが取り残されている。あの人の目はよっぽど大きな穴が開いているのでしょうね。今となってはこうなってよかったとしか思えない。あのままだったら社交界で恥を晒し続けたでしょうから。
「イルーゼのドレスは手配してある。そのうちガウス家に届くだろう」
「ありがとうございます」
些細なことのように仰るけれど、ヴォルフ様が贈って下さるドレスはどれも手のかかった高価な物なのよね。頂いてばかりでいいのかしらと思ってしまうけれど今度はどんなドレスなのかしらと心が躍るわ。
「危険があるかもしれないから先に伝えておく」
食後、ティオがお茶を配り終えたところでヴォルフ様が私をじっと見てそう言った。それって私が危険ってこと?
「王女の結婚が決まった。相手はガーゲルン侯爵だ」
「ガーゲルン侯爵って……」
ええっ? 確かガーゲルン侯爵様は私たちの両親よりも上の年代で国王陛下と同じくらいだったはず。既に子どもどころか孫までいたような……
「叔父上、いくら何でもそれは……リシェル様に何かあったのですか?」
フレディ様も同じことを考えたのね。でもこの婚姻ってどう考えても厄介払い、よね?
「公には出来ないがあれと親しくしていたクラウスが麻薬に関わっていた」
「麻薬に? ではフィリーネも?」
「ああ。他にも夫人が何人かやられている。それと同じ時期に王女がサロンで内々に薬を売っていた。薬自体には問題がなかったが、疑われるようなことをしたことを王は問題視した」
「陛下が……」
「グレシウス人の侍女を連れて帰ったのもよくなかった。軽微とはいえスパイ容疑がかかっている」
「そんなことが……」
フレディ様が目を丸くしているけれど、スパイのことは私も知らなかったわ。でも、サロン限定で持ち出し禁止の薬を売っていたら怪しまれるわよね。
「リシェル様がイルーゼ嬢を害すると?」
「ああ。あれは俺に嫁ぎたいと言っていた。辺境を厭って強硬手段に出る可能性もある。いいな?」
最後の言葉は私に向けられたものだった。気を付けろと仰るのね。私だって面倒事は遠慮したいわ。ヴォルフ様の目を見て頷いた。
「夜会でも絡んでくるかもしれん。ザーラとマルガを連れて行くがフレディ、俺が側を離れた時はお前が守れ」
「わかりました」
フレディ様が神妙な面持ちで頷いた。そうね、ヴォルフ様が側にいない時が危険よね。出来るだけ人を側に置いておいた方がいいってことね。エルマ様やリーゼ様に側にいて貰った方がいいかしら? でも危険な目に遭わせたくはないし悩むわね。
「夜会で事を起こしたりはしないだろうが外に出る時は気を付けろ。当面茶会なども避けろ。会いたい者がいるならここに呼べばいい」
「わ、わかりました」
一度エルマ様たちを誘って話をした方がいいかしら? 姉のこともあるし一度お誘いした方がいいかもしれないわね。
それから三日後、エルマ様とリーゼ様をゾルガー邸にお誘いした。麻薬のこと、姉が領地に向かったことを話すと二人は表情に影を落とした。
「フィリーネ様が……」
「クラウス様も悪い噂が流れていましたが……まさか売人だったなんて……」
お二人には口止めした上でこれまでの経緯を話した。クラウス様に関してはやっぱり……との空気が流れて、そんな彼に引っかかった姉が情けなく思えたわ。
「リシェル様も困った方ね」
「そうですわね。お子がいらっしゃらなかったとはいえ関係強化のための婚姻だったのですもの。王子殿下が亡くなった後も橋渡し的な存在として残るものでしょうに」
「帰国されたということはあちらで持て余されたのでしょうね」
そうなるとかなりの問題児だったってこと? あちらも体裁があるから留めようとするのが一般的だけど……帰国を許したってことは何かあったのかしら。
「しかも嫁ぎ先がガーゲルン侯爵様ですか」
「侯爵様は……奥様を想って再婚なされなかったと噂の方ですわ。こうなると実質上軟禁、ってことでしょうね」
「ガーゲルンは昨年の水害でかなりの被害を受けたとか。その援助と王家がガーゲルンを見捨てていないと示すためでしょうね」
表面的にはちゃんとした理由があるようになっているのね。確かに水害がかなりの規模だったとは聞いている。でも辺境は財政的に厳しいところが多いから援助は有難いのでしょうね。
「リシェル様が辺境に向かうまでは要注意ですわね」
「ええ。ヴォルフ様からもそう言われています」
「だったら大人しくなさっていて。イルーゼ様ったら時々思いがけないことをなさるから……」
エルマ様が頬に手を当ててしみじみとそう言ったけれど、そんなに無鉄砲ではないと思うのだけど。
「イルーゼ様、普通の令嬢は格上の当主に妻にして欲しいなんて言いませんわよ」
そう言われるとぐうの音も出なかったわ。そう言えばそうだったわね。リーゼ様もうんうん頷いていらっしゃるわ。でもあの時は仕方なかったのよ。私も必死だったのだから……
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