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初めてのお茶会
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リシェル様のお茶会の三日前、優しい風が吹く晴天の下でゾルガー邸で初めてのお茶会を開いた。
ここに来るまでの半月の間、本当に忙しかった。夫人教育はお茶会に関する内容に講師の方が代えて下さったけれど、実家でもお茶会をした経験なんてなかったから大変だったわ。会場の準備や招待状の手配はティオをはじめとしてザーラやマルガに手伝って貰って、招待客の選別はエルマ様にも助言を仰いだ。あまり大業なものではなく、あくまでも私的なものとして十五人に招待状を送ったけれど、そのうちの三人はリシェル様のお茶会にも呼ばれている方。どうするかしらと思ったけれど三人とも参加すると返事があった。
「まぁ、なんて素敵なお庭……」
「初めて中に入りましたわ。これがゾルガー侯爵様の……」
「ベルトラム様のお庭も素敵ですが……こちらも甲乙つけ難いですわ」
参加者は初めて足を踏み入れるゾルガー家の庭にため息をつきながら目を輝かせた。何度見てもここの庭は素晴らしいわ。ヴォルフ様はご自身を飾ることには興味がなさそうだけどお屋敷にはそれなりにお金をかけていらっしゃる。他家に侮られないための投資だと仰っていたけれど、出せるお金があるのだから凄いわ。
「ガウス様、今日はお招きありがとうございます」
「こちらこそ来て下さって嬉しいわ。どうか私のことはイルーゼとお呼び下さい」
「よろしいのですか?」
「ええ。今日お招きしたのは親しい方やこれからお付き合いを深めたいと考えている方ですもの。是非仲良くして頂きたいわ」
あまりこんな言い方はしたくないけれど、近いうちに立場が上になるだけに下手に出ることも出来ない。中々さじ加減が難しいわね。
今日招待したのはエルマ様とリーゼ様、ザーラとマルガ、私の親族では父の妹の娘でいとこにあたるエーベル伯爵家のマヌエル様。彼女と叔母様は私に優しくして下さる穏やかな方で、マヌエル様は一つ下だから妹のように思っていた。婚約のいざこざで随分心配をかけたから今日はそのお詫びも兼ねている。後はエルマ様の家門の方とリーゼ様と親しい方、ゾルガー家に仕える伯爵家の令嬢が二人と、後は学園で親しくしていた方だ。そして……
「ようこそ、アルビーナ様。お待ちしていましたわ」
今日一番の大目玉はアルビーナ様だった。彼女を呼ぶかどうか悩んだけれど、話がしたかったから招待状を送ったのよね。どうするかと思っていたけれど出席との返事があった。
「どういうつもりかしら? 私を招待するなんて」
「来て下さって嬉しいですわ」
「何を企んでいるのか気になったからよ。他意はないわ」
「アルビーナ様にはご相談がありますの。詳しいことは後ほど」
そう言うと彼女は益々表情を固くして疑いの目を向けてきた。それでも険悪にならないのは彼女なりの矜持かしら。滅多に入れないゾルガー邸となれば侯爵は絶対に出席しろと言うだろうと招待状を送ったのだけど正解だったわね。でも、こっちにも招待する理由はあるのよ。
「さぁ、皆様。お茶とお菓子をご用意いたしましたわ。どうかお寛ぎくださいね」
ホストとして今日は私にとっても大切な日なのよ。この日のためにヴォルフ様はディドレスを用意して下さったわ。若草色に鮮やかな緑と金をあしらったドレスはテーブルの間を行き来しやすいように広がりを抑えたもの。レースはひっかけるかもしれないと控えめだけどその分刺繍が胸元やスカート部分に施されていて相当手間がかかっているわ。半月でこれを用意させたのだとしたら相当無理をさせたのではないかしら。日差しを避けるための日傘もホスト役では差せないかもしれないと、同じ生地で作ったつばの広い帽子もあるわ。今日は天気がいいから日差しを遮ってくれる帽子はありがたいわね。
「イルーゼ様、その帽子、素敵ですわ」
「ええ。日傘は手が塞がってしまいますし、テーブルでは使えませんものね」
「ふふ、ヴォルフ様が用意して下さいましたの。私も初めてですけれど、軽くて便利ですわ」
ご令嬢よりもご夫人方が興味津々ね。歳をとるとシミなどが出来やすくなるから気になるのね。見せてほしいというので帽子を渡すと、皆さま手に取ってすっかり夢中になっているわ。アルビーナ様までその輪に入っているわよ。彼女そばかすを気にしていて美容には敏感なのよね。
今日用意したのは希少なお茶を数種類と果実水、お菓子は王都の有名な店の物だけでなくゾルガー家の料理人が趣向を凝らしたもの、他国から取り寄せた珍しい果物などもある。それだけでもゾルガー家の財力と交易の広さが伺えるわ。
最初は椅子を五、六脚置いたテーブルを三つ用意し、家格と交友関係を配慮して座って貰ったわ。エルマ様やリーゼ、ザーラやマルガにお願いして孤立する人が出ない様に見てもらっている。私一人では目が届かないから彼女たちの存在は心強いわ。今日は私がゾルガー夫人になることを印象付けるためのものだから失敗は許されないもの。
「心配は要らなかったみたいですわね。皆さまゾルガー家の力を目の当たりにして驚いていらっしゃるわ」
「だったら嬉しいのですけれど……」
エルマ様がこそっと耳打ちしたけれど、ヴォルフ様が用意して下さった料理や飲み物は普通の貴族家では手に入らないものも多い。それをまだ婚約者でしかない私が茶会で振舞ったとなればこの婚約は覆らないと印象付けられるわ。姉ですらこの屋敷でお茶会なんて開いたことはなかったのだから。
中盤に差し掛かると固かった態度も随分砕けてきて会話が弾むようになった。日差しが強いけれど木陰になったから日傘も帽子も不要になってありがたい。ずっと座っているのが疲れてくるとそれぞれに庭を散策したり集まって会話に花を咲かせたりと和やかに時間が過ぎていく。
「イルーゼお姉様、素晴らしいお庭ですね」
「ええ、本当に。私も初めて案内していただいた時には驚きましたわ」
マヌエラ様はさっきから目を輝かせて庭に見入っているわ。内気なところが心配だったけれど好奇心は強かったわね。こんなに喜んでくれるのならお誘いしてよかったわ。
「ベルトラム様のお庭も素晴らしいのでしょう? 王国一とも言われていますわよね」
「そうね、エルマ様のお父様がお力を入れていらっしゃるわ。私も伺ったことがあるけれど素晴らしいお庭よ」
ベルトラム侯爵の庭道楽は有名で、他国の植物なども仕入れているという。確かに見たこともない形の花や珍しい葉色をした木がたくさんあって、それらを見ているだけでも時間を忘れるわ。
「まぁ、お姉様は見たことがありますのね。羨ましいわ」
マヌエラ様がこんなに庭をお好きだとは意外だったわ。でも彼女、昔から図鑑をよく眺めていたわね。自然が好きなのかしら。
「あら、だったら一度ご招待しますわ」
エルマ様が気前よくマヌエラ様を招待して下さった。
「ええ? よろしいのですか?」
「もちろんよ。あなたはいずれ我が一門に加わるのですもの。今度イルーゼ様と一緒にいらっしゃい」
「あ、ありがとうございます」
マヌエラ様は飛び上がりそうなほど喜んでいるわ。人見知りするかと心配だったけれど大丈夫そうね。
「ふふっ、エルマ様はお優しいのですね」
穏やかな声は私たちよりも一回り程上の夫人のものだった。レナーテ=フェルマー伯爵夫人。ベルトラム一門に嫁がれた方でリシェル様のご学友、そして三日後に開かれるお茶会に招待されている方。艶やかな栗毛と澄んだ空のような鮮やかな瞳を持ち、暗めの色合いのドレスが落ち着いた大人の魅力を引き出しているように見えるわ。
「イルーゼ様のいとこですもの。我が一門に嫁がれればお付き合いも増えるでしょうからね」
突然会話に入り込んできたレナーテ様だったけれど、エルマ様は気を悪くした風もなくにこやかに答えていた。
「そうでしたわね。でも、まだ爵位を継いでいないのに侯爵様の庭をご自分の物のように扱うのはいかがかと思いますわ」
やんわりとエルマ様を嗜めたのは年長者としての助言かしら? おっとりとした物言いは嫌味を感じないわ。
「あら、ご心配には及びませんわ。本当のことを言うと父は庭を見せびらかしたくてうずうずしていますもの」
レナーテ様にエルマ様がにっこり笑顔を浮かべて返した。ベルトラム邸の庭は有名だけど侯爵が出し渋っているから中々入れないと聞く。でも、本当は自慢したくて仕方なかったのね。
「そうですの。確かに自慢したくなるほどの素晴らしさですわね。でも、ガウス様はどうかしら? まだ嫁いでもいないのにこちらで茶会を開くのは時期尚早ではありませんこと?」
ここに来るまでの半月の間、本当に忙しかった。夫人教育はお茶会に関する内容に講師の方が代えて下さったけれど、実家でもお茶会をした経験なんてなかったから大変だったわ。会場の準備や招待状の手配はティオをはじめとしてザーラやマルガに手伝って貰って、招待客の選別はエルマ様にも助言を仰いだ。あまり大業なものではなく、あくまでも私的なものとして十五人に招待状を送ったけれど、そのうちの三人はリシェル様のお茶会にも呼ばれている方。どうするかしらと思ったけれど三人とも参加すると返事があった。
「まぁ、なんて素敵なお庭……」
「初めて中に入りましたわ。これがゾルガー侯爵様の……」
「ベルトラム様のお庭も素敵ですが……こちらも甲乙つけ難いですわ」
参加者は初めて足を踏み入れるゾルガー家の庭にため息をつきながら目を輝かせた。何度見てもここの庭は素晴らしいわ。ヴォルフ様はご自身を飾ることには興味がなさそうだけどお屋敷にはそれなりにお金をかけていらっしゃる。他家に侮られないための投資だと仰っていたけれど、出せるお金があるのだから凄いわ。
「ガウス様、今日はお招きありがとうございます」
「こちらこそ来て下さって嬉しいわ。どうか私のことはイルーゼとお呼び下さい」
「よろしいのですか?」
「ええ。今日お招きしたのは親しい方やこれからお付き合いを深めたいと考えている方ですもの。是非仲良くして頂きたいわ」
あまりこんな言い方はしたくないけれど、近いうちに立場が上になるだけに下手に出ることも出来ない。中々さじ加減が難しいわね。
今日招待したのはエルマ様とリーゼ様、ザーラとマルガ、私の親族では父の妹の娘でいとこにあたるエーベル伯爵家のマヌエル様。彼女と叔母様は私に優しくして下さる穏やかな方で、マヌエル様は一つ下だから妹のように思っていた。婚約のいざこざで随分心配をかけたから今日はそのお詫びも兼ねている。後はエルマ様の家門の方とリーゼ様と親しい方、ゾルガー家に仕える伯爵家の令嬢が二人と、後は学園で親しくしていた方だ。そして……
「ようこそ、アルビーナ様。お待ちしていましたわ」
今日一番の大目玉はアルビーナ様だった。彼女を呼ぶかどうか悩んだけれど、話がしたかったから招待状を送ったのよね。どうするかと思っていたけれど出席との返事があった。
「どういうつもりかしら? 私を招待するなんて」
「来て下さって嬉しいですわ」
「何を企んでいるのか気になったからよ。他意はないわ」
「アルビーナ様にはご相談がありますの。詳しいことは後ほど」
そう言うと彼女は益々表情を固くして疑いの目を向けてきた。それでも険悪にならないのは彼女なりの矜持かしら。滅多に入れないゾルガー邸となれば侯爵は絶対に出席しろと言うだろうと招待状を送ったのだけど正解だったわね。でも、こっちにも招待する理由はあるのよ。
「さぁ、皆様。お茶とお菓子をご用意いたしましたわ。どうかお寛ぎくださいね」
ホストとして今日は私にとっても大切な日なのよ。この日のためにヴォルフ様はディドレスを用意して下さったわ。若草色に鮮やかな緑と金をあしらったドレスはテーブルの間を行き来しやすいように広がりを抑えたもの。レースはひっかけるかもしれないと控えめだけどその分刺繍が胸元やスカート部分に施されていて相当手間がかかっているわ。半月でこれを用意させたのだとしたら相当無理をさせたのではないかしら。日差しを避けるための日傘もホスト役では差せないかもしれないと、同じ生地で作ったつばの広い帽子もあるわ。今日は天気がいいから日差しを遮ってくれる帽子はありがたいわね。
「イルーゼ様、その帽子、素敵ですわ」
「ええ。日傘は手が塞がってしまいますし、テーブルでは使えませんものね」
「ふふ、ヴォルフ様が用意して下さいましたの。私も初めてですけれど、軽くて便利ですわ」
ご令嬢よりもご夫人方が興味津々ね。歳をとるとシミなどが出来やすくなるから気になるのね。見せてほしいというので帽子を渡すと、皆さま手に取ってすっかり夢中になっているわ。アルビーナ様までその輪に入っているわよ。彼女そばかすを気にしていて美容には敏感なのよね。
今日用意したのは希少なお茶を数種類と果実水、お菓子は王都の有名な店の物だけでなくゾルガー家の料理人が趣向を凝らしたもの、他国から取り寄せた珍しい果物などもある。それだけでもゾルガー家の財力と交易の広さが伺えるわ。
最初は椅子を五、六脚置いたテーブルを三つ用意し、家格と交友関係を配慮して座って貰ったわ。エルマ様やリーゼ、ザーラやマルガにお願いして孤立する人が出ない様に見てもらっている。私一人では目が届かないから彼女たちの存在は心強いわ。今日は私がゾルガー夫人になることを印象付けるためのものだから失敗は許されないもの。
「心配は要らなかったみたいですわね。皆さまゾルガー家の力を目の当たりにして驚いていらっしゃるわ」
「だったら嬉しいのですけれど……」
エルマ様がこそっと耳打ちしたけれど、ヴォルフ様が用意して下さった料理や飲み物は普通の貴族家では手に入らないものも多い。それをまだ婚約者でしかない私が茶会で振舞ったとなればこの婚約は覆らないと印象付けられるわ。姉ですらこの屋敷でお茶会なんて開いたことはなかったのだから。
中盤に差し掛かると固かった態度も随分砕けてきて会話が弾むようになった。日差しが強いけれど木陰になったから日傘も帽子も不要になってありがたい。ずっと座っているのが疲れてくるとそれぞれに庭を散策したり集まって会話に花を咲かせたりと和やかに時間が過ぎていく。
「イルーゼお姉様、素晴らしいお庭ですね」
「ええ、本当に。私も初めて案内していただいた時には驚きましたわ」
マヌエラ様はさっきから目を輝かせて庭に見入っているわ。内気なところが心配だったけれど好奇心は強かったわね。こんなに喜んでくれるのならお誘いしてよかったわ。
「ベルトラム様のお庭も素晴らしいのでしょう? 王国一とも言われていますわよね」
「そうね、エルマ様のお父様がお力を入れていらっしゃるわ。私も伺ったことがあるけれど素晴らしいお庭よ」
ベルトラム侯爵の庭道楽は有名で、他国の植物なども仕入れているという。確かに見たこともない形の花や珍しい葉色をした木がたくさんあって、それらを見ているだけでも時間を忘れるわ。
「まぁ、お姉様は見たことがありますのね。羨ましいわ」
マヌエラ様がこんなに庭をお好きだとは意外だったわ。でも彼女、昔から図鑑をよく眺めていたわね。自然が好きなのかしら。
「あら、だったら一度ご招待しますわ」
エルマ様が気前よくマヌエラ様を招待して下さった。
「ええ? よろしいのですか?」
「もちろんよ。あなたはいずれ我が一門に加わるのですもの。今度イルーゼ様と一緒にいらっしゃい」
「あ、ありがとうございます」
マヌエラ様は飛び上がりそうなほど喜んでいるわ。人見知りするかと心配だったけれど大丈夫そうね。
「ふふっ、エルマ様はお優しいのですね」
穏やかな声は私たちよりも一回り程上の夫人のものだった。レナーテ=フェルマー伯爵夫人。ベルトラム一門に嫁がれた方でリシェル様のご学友、そして三日後に開かれるお茶会に招待されている方。艶やかな栗毛と澄んだ空のような鮮やかな瞳を持ち、暗めの色合いのドレスが落ち着いた大人の魅力を引き出しているように見えるわ。
「イルーゼ様のいとこですもの。我が一門に嫁がれればお付き合いも増えるでしょうからね」
突然会話に入り込んできたレナーテ様だったけれど、エルマ様は気を悪くした風もなくにこやかに答えていた。
「そうでしたわね。でも、まだ爵位を継いでいないのに侯爵様の庭をご自分の物のように扱うのはいかがかと思いますわ」
やんわりとエルマ様を嗜めたのは年長者としての助言かしら? おっとりとした物言いは嫌味を感じないわ。
「あら、ご心配には及びませんわ。本当のことを言うと父は庭を見せびらかしたくてうずうずしていますもの」
レナーテ様にエルマ様がにっこり笑顔を浮かべて返した。ベルトラム邸の庭は有名だけど侯爵が出し渋っているから中々入れないと聞く。でも、本当は自慢したくて仕方なかったのね。
「そうですの。確かに自慢したくなるほどの素晴らしさですわね。でも、ガウス様はどうかしら? まだ嫁いでもいないのにこちらで茶会を開くのは時期尚早ではありませんこと?」
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