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絡んできた夫妻
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会場に入ると一斉に無数の視線が向けられた。ヴォルフ様と共に会場に入り、その後ろをフレディ様とロジーナ様がついてくるけれど、後ろを気にかける余裕なんてなかった。これだけ注目したのは前日の卒業の夜会以来だわ。あの時は一人で入場して別の意味で注目されてしまったけれど。あの時と今の落差が激し過ぎて霞の上を歩いているような気分だわ。
「ゾルガー侯爵、よく来たな。ああ、ガウス令嬢のそれはゾルガーの絹か。美しいな」
褒められたのは私なのか絹なのか、気になるけれどヴォルフ様がありがとうございますと言うのに続いて頭を下げた。王族相手に話をするなんて出来るのかしら? 恐れ多くてちゃんと受け答え出来るのかと不安になるわね。
私たちが入場すると音楽が流れ、王族がダンスのために壇上から降りて来たので移動した。一曲終われば次は私たちの番になる。前回は無我夢中で訳の分からない間に終わってしまったけれど、あれはあれでよかったのだと今は思う。こうして待つ時間があると緊張して足が動かなくなりそう。
「そう気負うな。もっと楽にしていい」
「あ、ありがとうございます」
まさか気にかけて下さるとは思わなくてまじまじと見上げてしまったわ。失礼だったかしら。でも……そんな気遣いはハリマン様の時にはなかったわ。些細なことなのに、嬉しい……
「どうかしたか?」
「え? いえ、何でもないです」
呆けて見上げていたせいか不審に思われたかしら? 気を付けないといけないわね。嫌だわ、頬から熱を感じる。これはきっと会場の熱気のせいよね。
「さ、行くぞ」
「はい」
音楽が終わって王族が壇上に戻るのが見えた。次は私たちの番ね。今回はどこも当主が出ているわね。エルマ様の姿はなかった。彼女は次期当主だから後なのよね。
ふとフレディ様の姿が視界に入って足を何度も踏んだことを思い出してしまった。どうして今思い出すのよ、余計に緊張しちゃうじゃない……ヴォルフ様は怒ったりはしないと思うけれど、だからって踏んでいいわけじゃないわ。
これがハリマン様の足なら遠慮しないけれど。そんな風に思った自分にハリマン様への怒りが思った以上にあったのだと気付いた。そうね、今にして思えば随分馬鹿にされていたのよね。それが当然と思っていたけれどそれが間違いだったんだわ。
(わ……踊りやすい……)
ヴォルフ様とのダンスが始まったけれど、フレディ様以上に踊りやすかった。先生に変な癖を直して貰ったからかしら。だったら特訓した甲斐があるわ。今回は前回に比べて周囲を見る余裕もあったせいか姉が恨みがましい目でこちらを見ているのが見えた。本来ならここにいるのは自分になる予定だったものね。でも相手の交換を願ったのは姉なのよ。私は姉が本当にハリマン様を愛しているのか怪しいと思っているけれど。
「来るぞ」
次に踊るのは公爵家。シリングス公爵夫妻が躍るのを眺めていたらヴォルフ様の声が下りて来た。なにかと思って視線を向けるとその向こう側にこちらに向かってくる男女が見えた。あれはミュンター侯爵夫妻ね。早速絡んでくるのかしら?
「これはゾルガー侯爵、久しいな」
「ああ、先日の会議以来だな」
ヴォルフ様の方が十は下だけど態度はヴォルフ様の方が偉そうだけどいいのかしら? そう思ったけれどミュンター侯爵は気にしていないように見える。いつものことなのかしら?
「これはまた……ガウス伯爵令嬢、お美しいですな」
ミュンター侯爵が馴れ馴れしい態度で声をかけてきたけれど、その間は何かしら?
「いやしかし、お若いのに随分と色っぽい」
「そうですわね。その様なドレスは結婚した夫人がよく着られるものですわ。あの噂は本当なのかしら?」
「噂?」
それは私が男好きで色んな男性と関係を持っているというあの噂かしら? 学園でそんな噂を流れているのは知っているわ。多くは我が家を妬んだ令嬢たちの仕業だけど、わざわざここで言わなくてもいいでしょうに。ああ、私たちの婚約をかき回すつもりなのね。どうしよう……ヴォルフ様はどう思われるかしら?
「ああ、イルーゼを妬んだ者が流しているあの噂か」
「まぁ、ゾルガー様のお耳に入るほど広がっていましたのね」
夫人が上機嫌で答えた。アルビーナ様を私の代わりにしようと躍起になっているのね。
「ああ、何の根拠もない戯言だがな」
ヴォルフ様が断言した。ミュンター夫人が目を見開き侯爵が眉をひそめたけれど、私も驚いたわ。ヴォルフ様、信じて下さるの?
「まぁ、でも火のない所に煙は立たぬと申しますわ。それに貴族の夫人となるもの、疑わしい行動をとることが問題なのです」
「そうですな。貞操が疑わしくては安心して妻に迎えられませんからな」
夫人に侯爵が被せるように言った。よほど私の足を引っ張りたいのね。
「無用な心配だ。身辺調査では何も出てこなかった」
「どうでしょうか? このご令嬢の姉君はフレディ様という婚約者がありながらシリングス小侯爵様と恋仲になられたとか。気が多いのは血筋ではありませんか?」
「ああ、そうでしたな。姉は婚約者がある身で妹の婚約者に手を出したというではないか。全く、ガウス家の教育はどうなっているのだ」
芝居がかった侯爵の態度に周りの視線が集まったわ。この方、わざと聞こえるように言ったわね。困ったわ、事実なだけに何も言い返せないわよ……
「余計な心配だ。人の心配をする前に自分の娘の心配をしたらどうだ?」
「まぁっ! うちの娘が何だと仰るの?」
「そうですぞ、ゾルガー殿。身持ちの悪い娘を庇ってもいいことはありませんぞ」
二人が抗議したけれどヴォルフ様が軽く睨むと表情をこわばらせた。身長差もあるから険しい顔で見下ろされると怖いわね。
「調べたが何も出てこなかったのだ、問題はない。それよりも前から気になっていたが、成人する娘にロジーナが着るような子どもの服を着せているのは何故だ?」
え? それを今ここで出されるの? 夫人の口の端が引き攣っているわ。そりゃあアルビーナ様はあのファッションの中心の一人だけど。
「それが何か? 今の流行はあのようなドレスですぞ?」
「ゾルガー様はあまり流行にはお詳しくないのかしら?」
二人が目を向けたのは会場内にいる姉と同類の令嬢たちだった。確かに多くの令嬢は姉が着るようなドレスを身に着けているわ。
「流行など知らんが、成人を迎える娘に子どもの格好をさせて喜ぶのは理解出来ぬな。この国は幼女趣味が多いのかと、以前他国の大使に尋ねられたぞ? しかも複数だ」
「な……」
ミュンター侯爵が声を詰まらせ、夫人は笑顔だけど口元が引き攣っているわ。他国を引き合いに出されたら言い返せないわよね。
「まぁ、ほほほ、国によって流行りは変わりますわ」
「そうだな。我が国には我が国の好みがある」
「そうか。理解出来んな。俺はあんな子ども染みた服を着る令嬢に興味は持てん」
ヴォルフ様の言葉に二人が一層顔を引きつらせたけれど、それってアルビーナ様に興味がないと言っているも同然だものね。ヴォルフ様にアルビーナ様を宛がおうとしている夫妻にとっては困るわよね。そんなことを考えていたら急に腕を取られたわ。
「え? きゃっ!」
気が付けばヴォルフ様の腕の中に倒れ込んでいた。えっと、もしかして、抱きしめられているの?
「ちょ、ヴォ、ヴォルフ様っ! 放してくださいっ!」
人前でこれは恥ずかしすぎるわ。皆がこっちを見ているじゃないの。なぜ? どうしてこんなことになっているのよ?
「ははっ、顔が赤くなったな」
「ヴォルフ様っ!」
「そういうことだ、ミュンター。このくらいのことで赤くなる娘が男好きなわけがないだろう?」
「な……!」
なんて事を仰るのですか!! そうは思うけれどヴォルフ様は放してくれないし、もう恥ずかしいじゃないの。今すぐ逃げ出したいわ。
「根も葉もない噂を信じる者とは今後の付き合いも考えねばならんな」
ヴォルフ様がそう言うとミュンター夫妻が表情を強張らせ、周りの人たちから軽いざわめきが上がった。
「ゾルガー侯爵、よく来たな。ああ、ガウス令嬢のそれはゾルガーの絹か。美しいな」
褒められたのは私なのか絹なのか、気になるけれどヴォルフ様がありがとうございますと言うのに続いて頭を下げた。王族相手に話をするなんて出来るのかしら? 恐れ多くてちゃんと受け答え出来るのかと不安になるわね。
私たちが入場すると音楽が流れ、王族がダンスのために壇上から降りて来たので移動した。一曲終われば次は私たちの番になる。前回は無我夢中で訳の分からない間に終わってしまったけれど、あれはあれでよかったのだと今は思う。こうして待つ時間があると緊張して足が動かなくなりそう。
「そう気負うな。もっと楽にしていい」
「あ、ありがとうございます」
まさか気にかけて下さるとは思わなくてまじまじと見上げてしまったわ。失礼だったかしら。でも……そんな気遣いはハリマン様の時にはなかったわ。些細なことなのに、嬉しい……
「どうかしたか?」
「え? いえ、何でもないです」
呆けて見上げていたせいか不審に思われたかしら? 気を付けないといけないわね。嫌だわ、頬から熱を感じる。これはきっと会場の熱気のせいよね。
「さ、行くぞ」
「はい」
音楽が終わって王族が壇上に戻るのが見えた。次は私たちの番ね。今回はどこも当主が出ているわね。エルマ様の姿はなかった。彼女は次期当主だから後なのよね。
ふとフレディ様の姿が視界に入って足を何度も踏んだことを思い出してしまった。どうして今思い出すのよ、余計に緊張しちゃうじゃない……ヴォルフ様は怒ったりはしないと思うけれど、だからって踏んでいいわけじゃないわ。
これがハリマン様の足なら遠慮しないけれど。そんな風に思った自分にハリマン様への怒りが思った以上にあったのだと気付いた。そうね、今にして思えば随分馬鹿にされていたのよね。それが当然と思っていたけれどそれが間違いだったんだわ。
(わ……踊りやすい……)
ヴォルフ様とのダンスが始まったけれど、フレディ様以上に踊りやすかった。先生に変な癖を直して貰ったからかしら。だったら特訓した甲斐があるわ。今回は前回に比べて周囲を見る余裕もあったせいか姉が恨みがましい目でこちらを見ているのが見えた。本来ならここにいるのは自分になる予定だったものね。でも相手の交換を願ったのは姉なのよ。私は姉が本当にハリマン様を愛しているのか怪しいと思っているけれど。
「来るぞ」
次に踊るのは公爵家。シリングス公爵夫妻が躍るのを眺めていたらヴォルフ様の声が下りて来た。なにかと思って視線を向けるとその向こう側にこちらに向かってくる男女が見えた。あれはミュンター侯爵夫妻ね。早速絡んでくるのかしら?
「これはゾルガー侯爵、久しいな」
「ああ、先日の会議以来だな」
ヴォルフ様の方が十は下だけど態度はヴォルフ様の方が偉そうだけどいいのかしら? そう思ったけれどミュンター侯爵は気にしていないように見える。いつものことなのかしら?
「これはまた……ガウス伯爵令嬢、お美しいですな」
ミュンター侯爵が馴れ馴れしい態度で声をかけてきたけれど、その間は何かしら?
「いやしかし、お若いのに随分と色っぽい」
「そうですわね。その様なドレスは結婚した夫人がよく着られるものですわ。あの噂は本当なのかしら?」
「噂?」
それは私が男好きで色んな男性と関係を持っているというあの噂かしら? 学園でそんな噂を流れているのは知っているわ。多くは我が家を妬んだ令嬢たちの仕業だけど、わざわざここで言わなくてもいいでしょうに。ああ、私たちの婚約をかき回すつもりなのね。どうしよう……ヴォルフ様はどう思われるかしら?
「ああ、イルーゼを妬んだ者が流しているあの噂か」
「まぁ、ゾルガー様のお耳に入るほど広がっていましたのね」
夫人が上機嫌で答えた。アルビーナ様を私の代わりにしようと躍起になっているのね。
「ああ、何の根拠もない戯言だがな」
ヴォルフ様が断言した。ミュンター夫人が目を見開き侯爵が眉をひそめたけれど、私も驚いたわ。ヴォルフ様、信じて下さるの?
「まぁ、でも火のない所に煙は立たぬと申しますわ。それに貴族の夫人となるもの、疑わしい行動をとることが問題なのです」
「そうですな。貞操が疑わしくては安心して妻に迎えられませんからな」
夫人に侯爵が被せるように言った。よほど私の足を引っ張りたいのね。
「無用な心配だ。身辺調査では何も出てこなかった」
「どうでしょうか? このご令嬢の姉君はフレディ様という婚約者がありながらシリングス小侯爵様と恋仲になられたとか。気が多いのは血筋ではありませんか?」
「ああ、そうでしたな。姉は婚約者がある身で妹の婚約者に手を出したというではないか。全く、ガウス家の教育はどうなっているのだ」
芝居がかった侯爵の態度に周りの視線が集まったわ。この方、わざと聞こえるように言ったわね。困ったわ、事実なだけに何も言い返せないわよ……
「余計な心配だ。人の心配をする前に自分の娘の心配をしたらどうだ?」
「まぁっ! うちの娘が何だと仰るの?」
「そうですぞ、ゾルガー殿。身持ちの悪い娘を庇ってもいいことはありませんぞ」
二人が抗議したけれどヴォルフ様が軽く睨むと表情をこわばらせた。身長差もあるから険しい顔で見下ろされると怖いわね。
「調べたが何も出てこなかったのだ、問題はない。それよりも前から気になっていたが、成人する娘にロジーナが着るような子どもの服を着せているのは何故だ?」
え? それを今ここで出されるの? 夫人の口の端が引き攣っているわ。そりゃあアルビーナ様はあのファッションの中心の一人だけど。
「それが何か? 今の流行はあのようなドレスですぞ?」
「ゾルガー様はあまり流行にはお詳しくないのかしら?」
二人が目を向けたのは会場内にいる姉と同類の令嬢たちだった。確かに多くの令嬢は姉が着るようなドレスを身に着けているわ。
「流行など知らんが、成人を迎える娘に子どもの格好をさせて喜ぶのは理解出来ぬな。この国は幼女趣味が多いのかと、以前他国の大使に尋ねられたぞ? しかも複数だ」
「な……」
ミュンター侯爵が声を詰まらせ、夫人は笑顔だけど口元が引き攣っているわ。他国を引き合いに出されたら言い返せないわよね。
「まぁ、ほほほ、国によって流行りは変わりますわ」
「そうだな。我が国には我が国の好みがある」
「そうか。理解出来んな。俺はあんな子ども染みた服を着る令嬢に興味は持てん」
ヴォルフ様の言葉に二人が一層顔を引きつらせたけれど、それってアルビーナ様に興味がないと言っているも同然だものね。ヴォルフ様にアルビーナ様を宛がおうとしている夫妻にとっては困るわよね。そんなことを考えていたら急に腕を取られたわ。
「え? きゃっ!」
気が付けばヴォルフ様の腕の中に倒れ込んでいた。えっと、もしかして、抱きしめられているの?
「ちょ、ヴォ、ヴォルフ様っ! 放してくださいっ!」
人前でこれは恥ずかしすぎるわ。皆がこっちを見ているじゃないの。なぜ? どうしてこんなことになっているのよ?
「ははっ、顔が赤くなったな」
「ヴォルフ様っ!」
「そういうことだ、ミュンター。このくらいのことで赤くなる娘が男好きなわけがないだろう?」
「な……!」
なんて事を仰るのですか!! そうは思うけれどヴォルフ様は放してくれないし、もう恥ずかしいじゃないの。今すぐ逃げ出したいわ。
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