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転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!第四話
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マリーテレーズはそのまま母国に帰ることになった。
慌ただしく見送りが終わり、俺はそのまま、王子の部屋で一晩過ごすことになった。
俺の部屋は枢機卿の見張りがまだついているかも知れないからとのことだった。
ベッドの淵に座って、俺はーーものすごく緊張していた
(いや、これって、やっぱりそういう展開になるんだよな……?)
隣に座ったアーベルも心なしか表情が固い。
そっと肩を抱き寄せられた。びくりと体が震える。
「怖い?」
「……アーベル」
「うん」
「一応、確認していいか? その、そう言うことをするってことは、俺をそう言う対象でみているってことで間違いないんだよな?」
「……うん」
(マジか)
今一度深呼吸する。覚悟を決めるために。
「正直言って、俺はあんまり男色に興味はないんだが…お前にならいいっていうか……」
恥ずかしくてごにょごにょ言っているとぎゅっと抱きしめられた。
「嬉しい。僕もだよ」
顔が熱い・・・赤いだろうなぁと思ってアーベルの胸に顔を隠す
「キスしてもいい?」
「・・・いちいち聞くなよ」
笑いながら顎に手をかけられ、上を向かされる。
唇に唇が触れた。優しく何度も触れてから、唇を舌で舐められる。
ゾクゾクと痺れるような感覚にびっくりしてアーベルの胸をドンと叩くと、唇が離れた。
「ごめん」
笑いながらも潤んだ目でじっと見つめてくるので、それ以上怒れなくなる。
「リュシアン……」
切なく名前を呼ばれて胸がきゅっと締め付けられる。
(なんだこれ……)
「ちょ…ちょっと、待て」
心臓がもたない。思わず手でアーベルの体を押しのけた。
「まだ…こういうことしたくない?」
また顔が熱くなったが、もうここまで来たら腹を括るしかない。
いや、むしろ据え膳食わぬは男の恥……いや、この場合俺が据えられている膳なのかも知れないが……ともかく。
俺は小さく深呼吸して覚悟を決めた。
「……嫌じゃない」
恥ずかしくて顔は見れなかったがそう伝えるとアーベルはぎゅっと俺を抱き寄せた。
また唇が重なった。今度は舌が入ってくる。
(うわ!)
動揺して逃げようとするが、腰に回された腕ががっちりホールドしているせいで逃げられない。
「んん・・・」
息が苦しくて思わずアーベルの胸を押すとようやく離してもらえた。はぁはぁと息切れをしていると、そのままベッドに押し倒された。覆いかぶさったアーベルの目はやけに爛々と輝いていて、俺はごくりと唾を飲んだ。指が、シャツのボタンを外していく
(なんだこれ・・・めちゃくちゃ怖い)
思わず目を伏せると、耳元に優しく口づけが降ってきた。
「怖い?」
「いや・・・怖いっていうか・・・」
(エロい!!)
心臓がバクバク跳ねていて、顔が熱い。恥ずかしくてアーベルの顔を見られずに横を向くと今度は耳に口付けをされた。いつの間に化ボタンを外されたシャツの内側に手が入ってきてまた体が震える。
「ん…ふぁ」
(俺こんな声出んの?)
自分が出しているとは思えないような艶めいた声に自分で動揺する。
そんな俺を宥めるように頰に優しく唇が触れた。
「大丈夫、怖がらないで」
「う・・・うん」
優しく抱きしめられて、頭をなでられる。それが心地よくてほっと肩の力が抜けた。アーベルも緊張しているのだろう。俺を抱きしめている手が少し汗ばんでいたが、それすらも愛おしく感じる。
「好きだよ・・・リュシアン」
と返そうとして、やっぱり恥ずかしくて黙ってしまう。代わりにアーベルの背中に手を回すと強く抱きしめ返された。
そのまままた唇を塞がれる。俺はゆっくり目を閉じた。
ーーーー
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慌ただしく見送りが終わり、俺はそのまま、王子の部屋で一晩過ごすことになった。
俺の部屋は枢機卿の見張りがまだついているかも知れないからとのことだった。
ベッドの淵に座って、俺はーーものすごく緊張していた
(いや、これって、やっぱりそういう展開になるんだよな……?)
隣に座ったアーベルも心なしか表情が固い。
そっと肩を抱き寄せられた。びくりと体が震える。
「怖い?」
「……アーベル」
「うん」
「一応、確認していいか? その、そう言うことをするってことは、俺をそう言う対象でみているってことで間違いないんだよな?」
「……うん」
(マジか)
今一度深呼吸する。覚悟を決めるために。
「正直言って、俺はあんまり男色に興味はないんだが…お前にならいいっていうか……」
恥ずかしくてごにょごにょ言っているとぎゅっと抱きしめられた。
「嬉しい。僕もだよ」
顔が熱い・・・赤いだろうなぁと思ってアーベルの胸に顔を隠す
「キスしてもいい?」
「・・・いちいち聞くなよ」
笑いながら顎に手をかけられ、上を向かされる。
唇に唇が触れた。優しく何度も触れてから、唇を舌で舐められる。
ゾクゾクと痺れるような感覚にびっくりしてアーベルの胸をドンと叩くと、唇が離れた。
「ごめん」
笑いながらも潤んだ目でじっと見つめてくるので、それ以上怒れなくなる。
「リュシアン……」
切なく名前を呼ばれて胸がきゅっと締め付けられる。
(なんだこれ……)
「ちょ…ちょっと、待て」
心臓がもたない。思わず手でアーベルの体を押しのけた。
「まだ…こういうことしたくない?」
また顔が熱くなったが、もうここまで来たら腹を括るしかない。
いや、むしろ据え膳食わぬは男の恥……いや、この場合俺が据えられている膳なのかも知れないが……ともかく。
俺は小さく深呼吸して覚悟を決めた。
「……嫌じゃない」
恥ずかしくて顔は見れなかったがそう伝えるとアーベルはぎゅっと俺を抱き寄せた。
また唇が重なった。今度は舌が入ってくる。
(うわ!)
動揺して逃げようとするが、腰に回された腕ががっちりホールドしているせいで逃げられない。
「んん・・・」
息が苦しくて思わずアーベルの胸を押すとようやく離してもらえた。はぁはぁと息切れをしていると、そのままベッドに押し倒された。覆いかぶさったアーベルの目はやけに爛々と輝いていて、俺はごくりと唾を飲んだ。指が、シャツのボタンを外していく
(なんだこれ・・・めちゃくちゃ怖い)
思わず目を伏せると、耳元に優しく口づけが降ってきた。
「怖い?」
「いや・・・怖いっていうか・・・」
(エロい!!)
心臓がバクバク跳ねていて、顔が熱い。恥ずかしくてアーベルの顔を見られずに横を向くと今度は耳に口付けをされた。いつの間に化ボタンを外されたシャツの内側に手が入ってきてまた体が震える。
「ん…ふぁ」
(俺こんな声出んの?)
自分が出しているとは思えないような艶めいた声に自分で動揺する。
そんな俺を宥めるように頰に優しく唇が触れた。
「大丈夫、怖がらないで」
「う・・・うん」
優しく抱きしめられて、頭をなでられる。それが心地よくてほっと肩の力が抜けた。アーベルも緊張しているのだろう。俺を抱きしめている手が少し汗ばんでいたが、それすらも愛おしく感じる。
「好きだよ・・・リュシアン」
と返そうとして、やっぱり恥ずかしくて黙ってしまう。代わりにアーベルの背中に手を回すと強く抱きしめ返された。
そのまままた唇を塞がれる。俺はゆっくり目を閉じた。
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