転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!

煮卵

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転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!第四話

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着替えて階段を降りていくと、1階にゼムクがいた。
「なぜここに?」
「お嬢様がアルノルト殿下を説得して私だけこちらに。王の許可を得たらいらっしゃる予定です。
王宮に一度逃げましょう」
「悪いな。おい、アーベル早く・・・」
俺がアーベルを振り返ると、アーベルは首を横に振った
「アーベル?」
「ゼムクさん、リュシアンをよろしくお願いします」
「え?」
ゼムクが、驚いてアーベルを見上げた。俺も同じ気持ちだった。
「僕は枢機卿のところに行く」
「どうして……」
「小さいけれど、ここは父さんにもらった狩用の僕の領地だ。王宮に戻ったところで彼とは対峙しないといけない。
領地じゃない王宮で対応するより、ここで話をした方が良い」
結局ゼムクと俺が姿を消して、枢機卿を中へ迎え入れることになった

緋色の司教服を着た細身の小男が馬車からゆっくりとした足取りで出てきた。
敵を追跡して追い詰めるというよりは、舞踏会にでも呼ばれたかのような優雅さだった。
アルマン=ジャック・ポワトゥール・ド・プレシー枢機卿。地方の貧乏貴族の三男に生まれながら30前に司教に、その数年後に枢機卿に上り詰めた実力のある人物だ、切れ長の目に細面の神経質そうな顔は何を企んでいるのか柔和に微笑んでいた。
アーベルが近づくと恭しく大仰な仕草で膝をつく
「大したもてなしもできないですが、中へ」
アーベルが枢機卿を案内して中に入ってくる。
兵隊たちはついてこないようだった。
「出てきていただけるとは思いませんでした」
「王宮に追い詰めれば、父上がいますからね、貴方には都合が良かったでしょう」
「なるほど、読まれていましたか」
ふと、枢機卿が俺たちの方に視線をあげた。

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