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転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!第三話
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「聖女様について、お話ししておりませんでしたね」
「あ・・・ああ・・」
ゲームの主人公である聖女についてはある程度わかっていた。確かいくつかの星人の中から守護聖人を選ぶシステムで、ものによってパラメーターが変わる仕様だった。
「神はただ一つですが、掲げる聖人によってその魔法の系統は大きく違います。聖人は、ユニベルシダ教に飲み込まれた人々が元々信仰していた神々を聖人化したものと言われています。山の聖人クレンティヌスは元々山岳信仰のあった民族の神々を聖人かしたものと言われています。海の聖人は海洋民族の信仰の対象であったソーマ、炎を崇める民族の神であったアマンヌ・・・彼らの信仰心は深く、それぞれの領域魔法は強大です」
ああ、そんな設定をしたな。パラメータ設定は別の人間にやらせていたけど
大体の傾向は覚えている
「で、あいつの守護聖人は」
「筋肉の聖人ですね」
「筋肉・・・・?」
「ええ、『筋肉は裏切らない』がモットーだそうですよ」
「・・・で、どんな領域魔法を使うんだ?」
「魔法は使えません。ただ」
ドドドと大型生物が走ってくるような音がして、馬車がわずかに揺れる。
後ろを振り返ると全身鎧の人物が金髪のツインテールを靡かせ馬車に追いつことしていた
「筋力と体力が通常の人間の12倍になります」
「炎よ!」
窓の後ろの席から魔法を放つ。槍状になった炎が全身鎧の前方の地面を抉った。
さらに大きな爆発が全身鎧を襲う
「逃げ切れそうですね。撒きましょう」
ゼムクが御者に速度を上げるように指示を出した。
馬車は加速し、後ろを走る全身鎧との距離を詰める。
ちらりと見ると、全身鎧がこちらに向かって走ってきているのが見えた。
明らかに人間離れした動きで走るその姿に恐怖を感じつつも、俺は魔術を紡ぐ
地面から岩でできた壁が出現して全身鎧にぶつかる。
すぐに壁を拳で突き破るが、その先にゼムクが棘のある巨大植物を召喚する。
馬車は速度を上げたまま森を抜けた。
「・・・助かった・・・けど、なんだありゃ」
「聖女様の襲撃がこんなに早くあるとは」
「ああ・・・やっぱりアレが・・・」
「聖女リーゼロッテ様です。馬車が加速してからもしばらく諦めずに走っていましたのでここを突き止めるかもしれませんね」
「精霊魔法と黒魔法なら、籠城した方が有利だろ。とりあえず
館に入ろうぜ」
精霊魔法も黒魔法も詠唱から発動までに時間がかかると言う決定があるが、その代わりある条件下で発動するという発動魔法陣を作ることができる。
館中にトラップよろしく張り巡らせておけば、かなり効果が期待できそうだった。
館に入ろうとすると、ゼムクが険しい顔で俺の腕を掴んで引き留めた
「館の中に、誰かいます」
ーーーー
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「あ・・・ああ・・」
ゲームの主人公である聖女についてはある程度わかっていた。確かいくつかの星人の中から守護聖人を選ぶシステムで、ものによってパラメーターが変わる仕様だった。
「神はただ一つですが、掲げる聖人によってその魔法の系統は大きく違います。聖人は、ユニベルシダ教に飲み込まれた人々が元々信仰していた神々を聖人化したものと言われています。山の聖人クレンティヌスは元々山岳信仰のあった民族の神々を聖人かしたものと言われています。海の聖人は海洋民族の信仰の対象であったソーマ、炎を崇める民族の神であったアマンヌ・・・彼らの信仰心は深く、それぞれの領域魔法は強大です」
ああ、そんな設定をしたな。パラメータ設定は別の人間にやらせていたけど
大体の傾向は覚えている
「で、あいつの守護聖人は」
「筋肉の聖人ですね」
「筋肉・・・・?」
「ええ、『筋肉は裏切らない』がモットーだそうですよ」
「・・・で、どんな領域魔法を使うんだ?」
「魔法は使えません。ただ」
ドドドと大型生物が走ってくるような音がして、馬車がわずかに揺れる。
後ろを振り返ると全身鎧の人物が金髪のツインテールを靡かせ馬車に追いつことしていた
「筋力と体力が通常の人間の12倍になります」
「炎よ!」
窓の後ろの席から魔法を放つ。槍状になった炎が全身鎧の前方の地面を抉った。
さらに大きな爆発が全身鎧を襲う
「逃げ切れそうですね。撒きましょう」
ゼムクが御者に速度を上げるように指示を出した。
馬車は加速し、後ろを走る全身鎧との距離を詰める。
ちらりと見ると、全身鎧がこちらに向かって走ってきているのが見えた。
明らかに人間離れした動きで走るその姿に恐怖を感じつつも、俺は魔術を紡ぐ
地面から岩でできた壁が出現して全身鎧にぶつかる。
すぐに壁を拳で突き破るが、その先にゼムクが棘のある巨大植物を召喚する。
馬車は速度を上げたまま森を抜けた。
「・・・助かった・・・けど、なんだありゃ」
「聖女様の襲撃がこんなに早くあるとは」
「ああ・・・やっぱりアレが・・・」
「聖女リーゼロッテ様です。馬車が加速してからもしばらく諦めずに走っていましたのでここを突き止めるかもしれませんね」
「精霊魔法と黒魔法なら、籠城した方が有利だろ。とりあえず
館に入ろうぜ」
精霊魔法も黒魔法も詠唱から発動までに時間がかかると言う決定があるが、その代わりある条件下で発動するという発動魔法陣を作ることができる。
館中にトラップよろしく張り巡らせておけば、かなり効果が期待できそうだった。
館に入ろうとすると、ゼムクが険しい顔で俺の腕を掴んで引き留めた
「館の中に、誰かいます」
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