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転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!第二話
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二人で部屋に取り残され、気まずい空気が漂う。
「あの・・・リュシアン・・・」
口を開いたのはアーベルの方だった
「お、おう・・・」
「まだ、告白の答えを聞いていないよね・・・」
真っ直ぐに俺を見つめられて、息がつまる
「そ・・・それは・・・・いや、そりゃ、お前・・・」
アーベルの様子だと、このまま俺が気持ちを受け入れなくても、
婚約は破棄されるだろう。そう考えれば、あとは俺の気持ちひとつな訳で・・・
「くそ、策士め……こうなっちゃ、拒めねえじゃねえか」
アーベルは、え?と意外そうな表情を浮かべた。
「俺も……多分、同じ気持ちなんだと思う」
「……え?」
「だから、お前の事が好きだって……言ってるんだよ」
アーベルはぽかんとした表情を浮かべていた。しばらくたってようやく意味が分かったのか、
大きく目を見開く。
抱きしめられた。その衝撃で、ベッドに座ったままだった俺は
アーベルに寄りかかるような体勢になる。
「ちょ・・・苦しい!」
慌てて離れようとするとさらに強く抱きしめられた。
息の詰まりそうな抱擁に顔を赤くしながら抗議する。
「な・・・っ!」
その時、口に柔らかいものが触れる感触があった。
びっくりして口をあけるとぬるりとしたものが入り込んでくる。
それがアーベルの舌だと気づいた時にはもう遅かった。
口内を蹂躙され、舌を絡めとられる。貪るように激しい口づけだった。
「・・・ふ・・・はっ」
ようやく解放されて酸素を取り込もうとすると今度は首筋に吸い付かれる感触がした。
チリッと軽い痛みが走り、そこを舐められる。
「ひっ・・・あっ」
思わず声がもれると、アーベルがクスリと笑った気配がした。
「可愛い」
「な・・・何言って・・・」
「ねえ、もう一回キスしてもいいかな?」
「は?いや、ちょ・・・んんっ!」
再び口を塞がれる。今度は先ほどよりも優しく、ゆっくりと舌を絡ませられた。
唾液を交換しあいながら深い口付けを交わす。頭がぼうっとしてくるようだった。
(だめだ・・・このままじゃ流される)
俺はなんとか理性を保とうとアーベルの胸を押した。
「も・・・やめろって」
「・・・どうして?」
アーベルは不満そうな顔でこちらを見た。
「今は、とりあえず、これからどうするか考えねえと」
アーベルは少し考えてから答え、俺の鎖骨に額を押し付ける。
首筋に顔を埋めてすんすんと匂いを嗅いでいる気配がする。
なんだか犬みたいだな……。
「おい、アーベル」
「ごめん……もう少しこうさせて?」
切実な声で言われてしまえば抵抗することもできなくて、
俺は大人しくされるがままになっていた。
しかし、だんだんと妙な気分になってきてしまいそうになる。
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「あの・・・リュシアン・・・」
口を開いたのはアーベルの方だった
「お、おう・・・」
「まだ、告白の答えを聞いていないよね・・・」
真っ直ぐに俺を見つめられて、息がつまる
「そ・・・それは・・・・いや、そりゃ、お前・・・」
アーベルの様子だと、このまま俺が気持ちを受け入れなくても、
婚約は破棄されるだろう。そう考えれば、あとは俺の気持ちひとつな訳で・・・
「くそ、策士め……こうなっちゃ、拒めねえじゃねえか」
アーベルは、え?と意外そうな表情を浮かべた。
「俺も……多分、同じ気持ちなんだと思う」
「……え?」
「だから、お前の事が好きだって……言ってるんだよ」
アーベルはぽかんとした表情を浮かべていた。しばらくたってようやく意味が分かったのか、
大きく目を見開く。
抱きしめられた。その衝撃で、ベッドに座ったままだった俺は
アーベルに寄りかかるような体勢になる。
「ちょ・・・苦しい!」
慌てて離れようとするとさらに強く抱きしめられた。
息の詰まりそうな抱擁に顔を赤くしながら抗議する。
「な・・・っ!」
その時、口に柔らかいものが触れる感触があった。
びっくりして口をあけるとぬるりとしたものが入り込んでくる。
それがアーベルの舌だと気づいた時にはもう遅かった。
口内を蹂躙され、舌を絡めとられる。貪るように激しい口づけだった。
「・・・ふ・・・はっ」
ようやく解放されて酸素を取り込もうとすると今度は首筋に吸い付かれる感触がした。
チリッと軽い痛みが走り、そこを舐められる。
「ひっ・・・あっ」
思わず声がもれると、アーベルがクスリと笑った気配がした。
「可愛い」
「な・・・何言って・・・」
「ねえ、もう一回キスしてもいいかな?」
「は?いや、ちょ・・・んんっ!」
再び口を塞がれる。今度は先ほどよりも優しく、ゆっくりと舌を絡ませられた。
唾液を交換しあいながら深い口付けを交わす。頭がぼうっとしてくるようだった。
(だめだ・・・このままじゃ流される)
俺はなんとか理性を保とうとアーベルの胸を押した。
「も・・・やめろって」
「・・・どうして?」
アーベルは不満そうな顔でこちらを見た。
「今は、とりあえず、これからどうするか考えねえと」
アーベルは少し考えてから答え、俺の鎖骨に額を押し付ける。
首筋に顔を埋めてすんすんと匂いを嗅いでいる気配がする。
なんだか犬みたいだな……。
「おい、アーベル」
「ごめん……もう少しこうさせて?」
切実な声で言われてしまえば抵抗することもできなくて、
俺は大人しくされるがままになっていた。
しかし、だんだんと妙な気分になってきてしまいそうになる。
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