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転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!第一話
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「ついに明日ね」
眠りに落ちた夢の中、一条の光が差し込むなかで、女神(♂)が声をかける。
スキンヘッドで褐色の肌をした大男(いや、大女なのか、この場合)が、一枚の白布でできた簡素なローブを身にまとい、仁王立ちしている。
タッパもあって威圧感抜群だが、悪いやつじゃない。
15歳の頃、夢枕に立って以来、運命が変わるたびにその運命を告げにくる。
正直、最初のうちはこんな大柄なオカマが夢に出てきてかなりビビったが、最近では見慣れてきた。
運命が好転してきたということもあり、今では姿が出てくると気分がいいくらいだった。
「まあな」
得意げにそう言うと、女神の顔が曇った。
「あんまり有頂天になっていると、裏をかかれるわよ」
「うるせえな。俺の運命は変わったんだろ?」
「それがね……」
「なんだよ? まだ何かあるってのか?」
「よくわからないんだけど……あんたの死亡フラグ、まだなくなってないのよ」
「え……?」
「王子は本当に、明日婚約を破棄しないのかしら」
「そりゃそうだろ。今さらどこに婚約破棄する理由があるっていうんだ」
「他に好きな人がいるとか」
なんだよそれ、ちょっとショックじゃねえか。
「誰だよ、それ」
「あら、気になるの?」
「いや、別に気にならねえけど?」
「ふーん、へー、そー?? まあ頑張ってね。一応忠告はしたから」
そう言って女神は消えた。
目を開けると、変わらぬ薄暗い時計塔の裏の自室だった。
窓の外に見える王宮は、心なしか明るい光が差し込んでいるように見え、祝福されているようだった。
ーーーー
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眠りに落ちた夢の中、一条の光が差し込むなかで、女神(♂)が声をかける。
スキンヘッドで褐色の肌をした大男(いや、大女なのか、この場合)が、一枚の白布でできた簡素なローブを身にまとい、仁王立ちしている。
タッパもあって威圧感抜群だが、悪いやつじゃない。
15歳の頃、夢枕に立って以来、運命が変わるたびにその運命を告げにくる。
正直、最初のうちはこんな大柄なオカマが夢に出てきてかなりビビったが、最近では見慣れてきた。
運命が好転してきたということもあり、今では姿が出てくると気分がいいくらいだった。
「まあな」
得意げにそう言うと、女神の顔が曇った。
「あんまり有頂天になっていると、裏をかかれるわよ」
「うるせえな。俺の運命は変わったんだろ?」
「それがね……」
「なんだよ? まだ何かあるってのか?」
「よくわからないんだけど……あんたの死亡フラグ、まだなくなってないのよ」
「え……?」
「王子は本当に、明日婚約を破棄しないのかしら」
「そりゃそうだろ。今さらどこに婚約破棄する理由があるっていうんだ」
「他に好きな人がいるとか」
なんだよそれ、ちょっとショックじゃねえか。
「誰だよ、それ」
「あら、気になるの?」
「いや、別に気にならねえけど?」
「ふーん、へー、そー?? まあ頑張ってね。一応忠告はしたから」
そう言って女神は消えた。
目を開けると、変わらぬ薄暗い時計塔の裏の自室だった。
窓の外に見える王宮は、心なしか明るい光が差し込んでいるように見え、祝福されているようだった。
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