124 / 155
そして追いかけた
10
しおりを挟む何度も何度も。
強く抱きしめたまま私の舌を絡め取って唇を重ねる。
寒いのも忘れるくらい。
頬が涙で濡れても類くんの唇で暖まっていく。
「……っはッ、…る、いくん……っ」
視界が涙でぼやけて、吐息が白く上がって。
それでも類くんの唇が気持ちよくて身体を任せてしまう。
すると店の方から店長たちの声が聞こえてきてはっとした。
「類くん、皆来ちゃう……」
「こっち」
やっと類くんは私を離して、今度は手を握って駆け足でその場を離れていく。
向かう先は何となくわかってる。
駅裏のホテル街だ。
とは言ってもクリスマスイブといえばラブホテルはかきいれどき。
ましてや土日なんて空いてるはずもない。
「…空いてねえな」
「だよね」
2人して目を合わせて、それでも昂ったままの私たちがおさまるはずもなくそわそわしながら探し続け、やっと見つかったのは駅から離れたビジネスホテルだった。
受付の人にはきっとラブホ難民だと思われたとは思うけど、そんなこと構っていられない。
エレベーターに乗っても類くんがくっついてこようとするから、一応ビジホだからと落ち着かせてなんとか部屋にたどり着く。
そして部屋に入った途端類くんは私を壁に追いやって乱暴にキスをした。
「ちょ……っ、待って、るいく……ッ」
舌がぬるりと滑って唾液が溢れる。
柔らかく蠢く舌に溶かされて、抵抗する力さえ奪われて脚から力が抜けていく。
「ん……っ、は…ぁ、類く…、中、行こ……?」
見つめ合って、少し類くんは落ち着いたのか私を抱きしめてすりすりと頬を髪に擦り付ける。
まるでライオンに抱きつかれているような気分になりつつ、やっと離れてくれた類くんに手を引かれて廊下を進むと、類くんは私を引っ張ったまま浴室に入っていった。
「お風呂沸かすの?」
「寒いだろ」
「うん」
類くんはお湯を沸かすボタンを押すと、その待つ時間さえ惜しいように脱衣所で私に再びキスをする。
「え、待って、向こうで待とうよ?」
ベットのある部屋に行こうと促しても彼は止まらなくて、私のシャツのボタンを外してブラをたくし上げた。
類くんの冷たい手が肌に触れて私はビクッとする。
「類くん、手、冷たい……っ」
「じゃああっためて」
そう言うと類くんは私に指を舐めさせる。
そして片方の手は私の腰に回して優しくお尻を揉んでいた。
「ん……っ、ん、ぅ、……っは……っ」
れろれろと舐めて、類くんは指を抜いてまた唇を落とす。
私の唾液まみれになった指は胸へと移動し、寒さでピンと立った乳首をぐにぐにと弄った。
指先で下乳をなぞられ余計鳥肌が立つ。
「ぁ……っ、るい、くん……っ」
類くんに触られているところ全てが気持ちいい。
まだ寒いのに身体の芯は熱くなってきて、壁に背中を預けてもっともっとと類くんを欲してしまう。
0
お気に入りに追加
32
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

今日の授業は保健体育
にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり)
僕は家庭教師として、高校三年生のユキの家に行った。
その日はちょうどユキ以外には誰もいなかった。
ユキは勉強したくない、科目を変えようと言う。ユキが提案した科目とは。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる