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だって君が大切だから
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しおりを挟む「いやー、にしてもさ。昨日のめーちゃんのあの意味不明で必死なジェスチャー、思い出しても笑えるんだけど」
「ほんとほんと。顔がまたすごい形相でさ、何をそんなすごい表情してるのかと思えば…ッ」
「だって、こっ、告白現場に水をさしちゃいけないでしょ?!」
次の日。
今日は日曜日だから5人で集まって昼ごはんを食べていた。
明日も土曜日が学園祭だったからその振替休日で休みで、なんだかまだまだ楽しい気分は続いている。
昨日はと言うと結局3人にも優斗が告白されていたのはバレるし、優斗にも私が盗み聞いていたのがバレるしでとにかく弄られまくっている。
「にしても優斗ってやっぱモテるんだよねえ。そういえば修学旅行でも他クラスの女子に告られてたって、私噂聞いたんだけどそこんとこどうなのよ」
「さーな」
「うわ、こいつ誤魔化した!」
キキと翔太に突かれても平然としてジュースをズズズとすする優斗。
修学旅行でも告白されてたのか。
マジでモテ期きてるんじゃないの?
「結局女子は俺みたいによく喋るやつより寡黙な方が好きなんだよなあ」
「いいじゃん翔太は私だけがかっこいいと思ってるんだから」
「ほんと?思ってくれてる?」
「………うんっ」
「間、なに今の、間」
キャイキャイしている2人はさておき、昨日の優斗の言ってたことがちょっと気になっていたり。
『俺ずっと前から好きな人がいるから』
……え、誰よ?
ていうのが正直な感想。
ずっとって何。
ずっとってどんくらい前?
…待って。
……待って、もしかして。
「あ、俺そろそろ行くわ」
「ああ。優斗、今日お母さんの誕生日なんだっけ」
「うん。久々にたまたま今日ちゃんと休みが取れたみたいで、そろそろ仕事終わって帰ってくるからケーキ買っていかないと」
「え、めちゃ優じゃん」
「いや、母さん自分で予約しててそれ取りに行くだけだから」
とか言いつつちゃんと帰ってあげるのが優斗の優しいところ。
「優斗、おばちゃんにおめでとうって伝えといて!」
「おう」
「あ、明子。うちらもバイトそろそろ行かないと」
「わ、確かに」
私とななも優斗を見送ると帰り支度を始める。
キキと翔太はもう少しゆっくりしていくらしく、私たちは先に店を後にした。
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