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ふたりの秘密
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しおりを挟む「自分で挿れて」
俺は麗華が逃げないように腰に手を置いて彼女を見上げる。
麗華はゆっくりと腰を下ろし、浅く息をしながら中に収めていく。
ぴったりと全て入り切って彼女は脚の力を抜きふう、と息をついた。
そんな彼女の腰を俺は不意にぎゅっと掴んでグリグリと揺さぶる。
「アッ、や、ちょっと…っ類……っ!やだ、やめて……っ」
拒否るように身体を押されて逃げようとしても、わざともっと奥に当たるように腰を突き上げる。
ぴったりと中に収まったまま、奥だけを突くようにトントンと押し上げた。
「ん……っ、ん、んぅ…ッ、ぁっ、ぁああ…っ、や、んん……っ」
ビクビクする彼女をリズムよく突き上げ、嫌だともがかれても腰を引かれても離さないでしつこく腰を振る。
「やだ……っ、や、るい……っ、も、ぅ、う……っ、んぁ……っ」
これで終わり。
全部、終わる。
そう思うと何とも言えない感情が心の中を渦巻いて、もっと俺を簡単には忘れられないようにしてやりたくてぐちゃぐちゃに掻き回す。
「ぁああ…ッ、やっ、る……っ、ぁあっ、あ、はあ…っ、」
ぐぽぐぽと音が鳴って、触れ合う肌と肌の間に汗がじっとりと溜まってねちゃねちゃと液体と混じる。
気持ちいいとかそんな単純な感想なんて浮かばないくらい、麗華の表情を目に焼き付けていた。
「だめ…っ、るい、とまって……っ!おねが…、もっ、ぃ、きそ……っ」
「やだ……ッ」
イったら終わってしまいそうで。
この時間が終わるのが怖くて、俺は身体を起こして麗華を抱きしめたまま腰を強く振る。
逃げる麗華の腰を掴んで、もう片方の手は麗華の頭を固定して勢い任せのキスをした。
舌がぬるぬると絡んで、汗と唾液で口周りも濡らしながら夢中で貪る。
「や、ぁ、あああっ、いくっ、い、くっあ、…っ、いっ、く、いくいく……っ」
彼女はビクビクと身体を震わせて汗をじっとりと流したけど、こっちはまだ終わらなくてそのまま続ける。
麗華は首を振りながら止めてと言うけど、構わずキスして突き続けたらまたビクビクと身体を跳ねさせていた。
「い、また…っ、ぃく、の……っ、イ……ッ」
きゅんきゅんと連続させて中を締め付けて、俺も中が擦れて奥に押し付けた。
グッと中を押して、ピッタリと擦り付けたまま奥で止まって麗華を抱きしめる。
お互い荒い息を吐いて、やっとおさまった頃にはすっかり日は暮れていた。
それでも俺はまだ彼女の中から抜きたくなくて、往生際も悪く抱きしめて顔を首筋に埋めたままつぶやく。
「……もう、会えないのか?」
何度聞いても同じなのに。
それでも嘘だって思いたかった。
「…ごめんね、類」
麗華はそう言って、優しく最後にキスをした。
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