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歓迎お断りッ?
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しおりを挟むそうして私は早速皆に声をかけて、次の定休日の水曜日にやる事が早々に決まった。
類くんはかなり面倒そうで渋られたけど、私がしつこく言い続けたら来てくれることになった。
そういえば私に以前迫ってきていた社員の吉田さんは、あれから私にはそんなに近づかず、なんとなく類くんにビビってるみたいで私はありがたかったりして。
今回の歓迎会もなんだかんだ理由をつけて参加しないらしい。
そしてあっという間に定休日がやってきた。
「ま、歓迎会って言っても何するわけじゃないし、仲良く食って食っておけばいいから」
「食べてしかないじゃんそれ」
「だって店長の奢りだよー!いつも賄いで食べらんないシャトーブリアンいっちゃう?」
「それはさすがに無理」
私のテーブルは結局ななと優斗になってて、でも優斗は通路側に座ってるから他のバイトの子にも話しかけられてて打ち解けてはいるみたい。
…ま、問題は私の隣で黙々と酒を飲んでるこの人で。
「類くんもせっかく歓迎会なんだから、もっと皆と交流しようよ」
「初めからこういうのはめんどくさいって言ってんだろ。酒飲んで肉つまんだら帰る」
何つー協調性が欠如している人間なんだ。
絶対この人大学でも田辺さん以外に男の友達いないだろうな、と思ってしまう。
「あ、優斗。この極太カルビめっちゃ美味しいからオススメだよ!焼いてあげるね」
「ああ」
壺から出した切れていない大きなカルビをジュージューと網で焼く。
やっぱ商品は食べておかないと、お客さんに聞かれた時に話せないしね。
焼けたそれを切り分けて、また少し焼いて皆に配る。
「ほら、類くんも」
「俺カルビ好きじゃない」
「うるさいなー。うちのカルビは脂っぽくないんだから食べてみて!」
と、無理矢理口の中に突っ込むと一応もぐもぐ食べてくれて、どう?と覗き込むとまた睨まれた。
「まあ、…普通に美味しい」
「そこは素直にめっちゃ美味しいって言えばいいのに」
アハハ!と私が笑うとその様子を眺めていたなながふふ、と笑う。
「どしたの?なな」
「いやなんか、一条さんもそんな顔するんだって、初めて見たから可愛い表情するんだなって思って」
なながそう言うから類くんは余計に耳を赤くさせちゃって、視線を遮るように残りのチューハイをグビッと一気に飲み干した。
そして立ち上がって鞄を持つ。
「帰る」
……だーっ!
もう、この人は何でこう自己中なのかねー!
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