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ストーカー上等!
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しおりを挟む「おおーーーっきー!」
ズンと目の前にそびえ立つ立派なマンション。
エントランスには受付の人がいてちょっとしたホテルみたいな感じ。
きょろきょろしながら類くんの後ろをついて歩いていると、エレベーターのボタンを押した類くんの背中に激突する。
「いてっ」
「どこまでついてくんだよ」
「ここまで来て中に入らないとかなくない?」
キリッと睨みつけられるからあははと笑って返す。
エレベーターが開いて中に入り、類くんが1番上のボタンを押した。
「最上階なの?!」
「たまたま空いてたのがここしかなかったんだよ」
「すっごいねー!どこもかしこも綺麗だし、広いし、こんなマンションに一人暮らしだなんて」
類くん曰く、親が建てたマンションの内の一つで学校に一番近かったここに、大学入学当初から1人で住んでいるとのこと。
こんな素敵なマンションで一人暮らしなら、さぞ女の子をたくさん連れ込んできたに違いない。
それはそれで妬けちゃうなーと考えてると、おもむろに類くんが私の首筋に触れて髪を上げる。
「わっ!なに?」
「別に」
ちらっと首を確認したかと思うとすぐに目を逸らした。
そしてエレベーターが着いて私も類くんについて行く。
廊下を歩いて1番端の部屋に、彼は鍵を差し込んだ。
「お邪魔しまーす!おお!勝手に電気ついた!」
「……うっぜぇ…」
パタパタと上がり込んで廊下を抜ける。
ドアを開けると一人暮らしにしては広すぎるほどの部屋に、ベットなのか見違えるくらい大きなソファがドンと置いてあった。
生活感があまりない、だだっ広くて綺麗な部屋。
「わ!ベランダ!開けてもいい?」
「勝手にしろ」
いろいろと諦めた様子の彼を置いて私はガラッと窓を開ける。
今日は天気がいいからか遠くまでよく見えて、ぽかぽかと日差しも暖かくてうっとりしてしまう。
「すっごいなー。大学生ってこういうもんなのかなー」
しばしベランダで陽を浴びて、気が済んで部屋に戻ると類くんはシャワーを浴びてるらしく、廊下から音が聞こえてきた。
私はきょろきょろと物珍しげにキッチンを覗いたりソファに腰を下ろしたり。
ぼうっとしていたらトイレに行きたくなって廊下に出て、いくつかドアがある内の一つをトイレかと思って開けたらベットルームが広がっていた。
「あっ、間違えちゃった」
「何勝手に部屋入ろうとしてんの」
背後にそんなドスの効いた声を降らされてヒッと振り返ると、シャワーを浴びて出てきた半裸の類くんがいた。
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