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10 初めて
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-10- ムラサキ
保存してくれた家の住所。
彼は積極的に僕の家に来ようとは少しも思っていないだろうが、絶対に何が何でもどうしても嫌だとまでは思われていない。だから保存してくれたのだろう。何かあれば来れるように。
友人が増えるのは嬉しいことだ。
彼はゲームに熱中していて、きっとその話だったらもっとしてくれるだろう。
だけど僕にはあまりにも知識がないから、せめて少しくらいは予習をしておいたほうが良いと思う。
家にあるパズルやRPGとは違うオンライン対人戦を彼はしているようだし、本当に一切何も知らない分からないでは教えてもらいようもない。
まず家にあるゲーム機と回線の確認をして、話していたゲームを再び調べる。
公式サイトのストーリーも動画も見て、購入方法とDLの確認をする。
出来ると思うけれど初めてのことだから不安はある。このゲーム機をくれた友人に聞いたほうが確実かも知れない。でも検索するすべはあるのだし、とりあえずいけるところまではやってみよう。
こんな事もできませんでしたっていうのもかっこ悪いし。
***
相変わらずべっ甲色のメガネの奥は真剣で熱を持っている。
「ムラサキとは違う印象になっていいなぁ」
撮影用の白い背景と白い光。
初めてそこに立ち、眉をひそめどこに視線を置けば良いのやらと悩む優弥くんと目があった。お返しに微笑む。
努さんの事務所兼自宅。生きたマネキンとして、来て早々に彼は着せ替え祭りだ。
「ムラサキムラサキ! 隣に立って」
「はい」
優弥くんはちらりと隣に立った僕を見やり、なんだか所在なさげだった。
「思ってたのと違いました?」
「いや、そーじゃなくて、思ってたよりも恥ずかしいから」
黒い瞳は僕を置き捨て前を向き睫毛に隠されてしまった。
「やっぱり二人いるほうが目安として見やすくていいな。ムラサキ離れて。藍染くんは次これ着てくれるかい」
彼の隣を離れると、またちらと視線に追われた。
前後ろ横、身長に対しての着用イメージ、ラフに撮ったもの。
写真がどんどん増えていく。定期的にパソコンに送られるデータ。正面をなかなか見ることができていない彼が、だんだんと慣れて何でもどうぞと力を抜いていくさまが読み取れて面白かった。
過去に遡れば僕だけの写真がいつもと変わらず淡々と存在している。特に面白くはない。
また新しくデータが取り込まれた。
更新をかけると比較のために先程二人並んで撮った写真が入ってくる。優弥くんを見る自分の表情に引っかかる。
何がいつもと違うんだろう。見慣れた自分の顔がそこにあるだけなのに。
「努さん、後でこの写真ください」
「いいよー。あとでね」
振り返りもせず、どの写真かも確認せずに承諾された。
ふと、おそらく緊張しているんだろう彼に、馴染みの炭酸でも持ってきてあげたら良かったなと思った。
今度ここに買って持ってこようか、もしくは努さんに頼んでおこうか。
次々と着せ替え人形から服を受け取りハンガーに通し、すぐ後ろに置かれたステンレスの物干しにかけていく。
「それ似合いますね」
スタンダードで小さめの襟がついた黒いシャツ。一番上までボタンはしまっている。
褒めれば俯いていた彼の黒い瞳は僕を見て光を取り込み、口元が少し恥ずかしそうに緩んだ。
撮影を終えた篠原さんに席を譲る。
撮影中からずっと楽しいねぇと繰り返しテンションを上げていたが、写真選択でも更に饒舌になっていた。自分の作る服を素敵に着てくれる人がそこに現れたのだから当然だろう。楽しそうで何より。
「お疲れ様」
どうでした? と脱いだ服を受け取る。
「俺じゃなくて服が撮られてるって慣れれば別に」
横では篠原さんがこれかっこいいなとはしゃいでいる。貴方の服ですよとは言わないでおく。
「ムラサキさんは」
「呼び捨てでいいですよ」
優弥くんの言葉に割り込む。
「あー、ムラサキは、服のために体鍛えてるって言ってたよな」
一瞥され頷き「僕はそれに対してもお金払われてるんですよ」と苦笑する。
過剰を求められてはいない。
ただそれなりに様になるようにと曖昧で厳しい指示があり、僕はそれに従っているだけ。
「一緒にジム行きますか?」
何気なく誘ったが、
「行かない。絶対続かないから」
あっさりと断られた。
「でも優弥くんも結構筋肉ついてますよね」
「体動かすバイトがさ、金もいいから。あとは家でも気が向いたらちょっとやる、くらい」
それに比べ同じようなことしても全然駄目な友だちがいるんだよと彼はいう。
写真を撮られることには迷いが見られたが、人前での着脱に関しては見られなかった。
友達と体を見せあい比べているのだろうかと頭をよぎる。
「バイト増やそうかな」と彼が呟く。
「これから年末に向けて努さんにもっと頼まれると思いますよ」
他に行かれたら困る。
――困る?
ふと湧いた思いだけれど『寂しい』だろうか。せっかく仲良くなってきたと思うのに。
「じゃあ家でもう少しやるかなぁ」
なにか思うところでもあったのだろうか。
今のところ他で忙しいからとこのバイトが無くされてしまうことは避けられそうだが、日の決まっていないこれよりも、シフトが決まっていたり彼に都合のいいバイトのほうが選ばれるに決まっている。
「ふたりともあれ検品して」
指された先にある積まれた箱。
写真をすべて取り込み整理する間の仕事、ネット販売している服のチェックだ。
「結構数ありますね」
僕だけが来ている時にも処理しているけれどそれが山になっている。
「こないだの写真の反響に伴いって感じ。ありがたいねぇ嬉しいねぇ」
ニコニコ顔の努さんは僕たち用のお茶が入ったグラスを隣の部屋のテーブルに移す。
「こっちでねー」
お茶を一口飲み、優弥くんが僕のすぐ隣に座る。
「教えて」
手元の注意点を知るためとはいえ触れるほどの近い距離に心臓が跳ねた。
特に考えの要らない作業となるこれは、僕にとっては優弥くんと話せる時間ができて都合が良かった。
たわいのないことを話しながらも手袋を付けた彼の手は服の上を滑るように動き、黒い瞳は手元を注視している。単調な作業だけども嫌がらず、そして素早くこなしていた。
「早いし綺麗ですね」
「ん?」
「畳むの」
時間をかけずともきっちり畳まれた服たち。僕がやるのよりも倍は早いんじゃないだろうか。
「ムラサキ不器用だからねぇ」
篠原さんがあっちの部屋から覗き見て声を出し笑う。不器用な自覚はないがこう比べると確かに。
言われ、優弥くんにじっくり見られると恥ずかしくなってくる。でもお客さんにお渡しするものだから、早さを取って適当になるのも良くない。
「俺モデルしなくてもこれで雇ってもらえるかな」
できればかっこ悪いところは見なかったことにして欲しい。
「雇うよ! モデルもしてほしいけど!」
離れた努さんに彼は小さく笑い返した。
幸い不良品はなく作業は滞り無く済んだ。優弥くんがバイト代の入った封筒を受け取るのを待ち帰路につく。
「あのゲーム、DLしてみたんです。いっぱいキャラクターが居て、何が良いのかもわからないから全部やってみようかと」
「合うのあるといいなー」
日が暮れるにはまだ早い。それでもすぐに太陽は消え冷えるようになるだろう。
「合う合わないもどうやったらわかるのか……」
努さんの家から僕たちの家までは電車で約一時間。話せる時間はたくさんあった。
「そーだなぁ。敵に突っ込んで暴れたいとか、食らってる人が気になるから助けてあげたいとか、できればすぐに死なないように耐えられるのがいいとか」
好みだよと彼は言う。
「優弥くんは? あるんですか?」
まばらに立っている人がいる車内。二つ揃って席が空くことはなく、ドアの近くに立つ。
「あのゲームはやってないからわかんないけど、俺は盾職はやらないなぁ」
スマホでゲームのサイトを開き、キャラクターのスキルを見ていた。
例えばこういうの、と出される画面を覗き込む。
「こいつはシールドあるし体力多いから打ち合いで死ににくいよ」
大きな体をしたそのキャラは、自分の前方に一定のダメージ吸収シールドを張れると書かれている。
「でもほら、近接攻撃だから敵に突っ込んでいくしかないよ」
やられる前にやれず、耐えられなければ死ぬということ。
「一長一短なんですね」
「そうそう。俺は足が速いやつが好き」
「体力少ないとすぐ死んじゃうけど、足が遅いと皆についていけなくて迷子になるかも」
数度やった試合。わからないなりに付いていこうとした。皆きっと考えがあって動いているのだろう。僕には目指す場所はわかれど、道中の立ち回りがわからずすぐに死んでしまった。
「突っ込んで、先行して皆を引っ張っていくキャラは初心者向きじゃないかもな。それが好きだってんなら問題ないけど」
先頭に立ち相手を抑えられたらかっこいいだろうが、そこまでたどり着ける気もしない。
「スキルCT……クールタイム。スキルが使えない時間ってか、使うタイミングも考えないといけないからな。シールド無かったら流石に集中砲火は耐えられないだろうし」
こうやって丁寧に説明されると、無理なところがわかってくる。
「優弥くん、うちで教えてくれませんか」
電車は順調に進み、一駅一駅終わりに近づく。
「明日の予定もあると思うので、一時間位」
長時間拘束するのもよくないだろう。
「良ければもっと長くいて、ご飯一緒に食べるのはどうですか。この前買った優弥くん用の炭酸もありますよ」
スマホの画面を見たままの彼は「じゃあ一時間だけ」と時間をくれた。
保存してくれた家の住所。
彼は積極的に僕の家に来ようとは少しも思っていないだろうが、絶対に何が何でもどうしても嫌だとまでは思われていない。だから保存してくれたのだろう。何かあれば来れるように。
友人が増えるのは嬉しいことだ。
彼はゲームに熱中していて、きっとその話だったらもっとしてくれるだろう。
だけど僕にはあまりにも知識がないから、せめて少しくらいは予習をしておいたほうが良いと思う。
家にあるパズルやRPGとは違うオンライン対人戦を彼はしているようだし、本当に一切何も知らない分からないでは教えてもらいようもない。
まず家にあるゲーム機と回線の確認をして、話していたゲームを再び調べる。
公式サイトのストーリーも動画も見て、購入方法とDLの確認をする。
出来ると思うけれど初めてのことだから不安はある。このゲーム機をくれた友人に聞いたほうが確実かも知れない。でも検索するすべはあるのだし、とりあえずいけるところまではやってみよう。
こんな事もできませんでしたっていうのもかっこ悪いし。
***
相変わらずべっ甲色のメガネの奥は真剣で熱を持っている。
「ムラサキとは違う印象になっていいなぁ」
撮影用の白い背景と白い光。
初めてそこに立ち、眉をひそめどこに視線を置けば良いのやらと悩む優弥くんと目があった。お返しに微笑む。
努さんの事務所兼自宅。生きたマネキンとして、来て早々に彼は着せ替え祭りだ。
「ムラサキムラサキ! 隣に立って」
「はい」
優弥くんはちらりと隣に立った僕を見やり、なんだか所在なさげだった。
「思ってたのと違いました?」
「いや、そーじゃなくて、思ってたよりも恥ずかしいから」
黒い瞳は僕を置き捨て前を向き睫毛に隠されてしまった。
「やっぱり二人いるほうが目安として見やすくていいな。ムラサキ離れて。藍染くんは次これ着てくれるかい」
彼の隣を離れると、またちらと視線に追われた。
前後ろ横、身長に対しての着用イメージ、ラフに撮ったもの。
写真がどんどん増えていく。定期的にパソコンに送られるデータ。正面をなかなか見ることができていない彼が、だんだんと慣れて何でもどうぞと力を抜いていくさまが読み取れて面白かった。
過去に遡れば僕だけの写真がいつもと変わらず淡々と存在している。特に面白くはない。
また新しくデータが取り込まれた。
更新をかけると比較のために先程二人並んで撮った写真が入ってくる。優弥くんを見る自分の表情に引っかかる。
何がいつもと違うんだろう。見慣れた自分の顔がそこにあるだけなのに。
「努さん、後でこの写真ください」
「いいよー。あとでね」
振り返りもせず、どの写真かも確認せずに承諾された。
ふと、おそらく緊張しているんだろう彼に、馴染みの炭酸でも持ってきてあげたら良かったなと思った。
今度ここに買って持ってこようか、もしくは努さんに頼んでおこうか。
次々と着せ替え人形から服を受け取りハンガーに通し、すぐ後ろに置かれたステンレスの物干しにかけていく。
「それ似合いますね」
スタンダードで小さめの襟がついた黒いシャツ。一番上までボタンはしまっている。
褒めれば俯いていた彼の黒い瞳は僕を見て光を取り込み、口元が少し恥ずかしそうに緩んだ。
撮影を終えた篠原さんに席を譲る。
撮影中からずっと楽しいねぇと繰り返しテンションを上げていたが、写真選択でも更に饒舌になっていた。自分の作る服を素敵に着てくれる人がそこに現れたのだから当然だろう。楽しそうで何より。
「お疲れ様」
どうでした? と脱いだ服を受け取る。
「俺じゃなくて服が撮られてるって慣れれば別に」
横では篠原さんがこれかっこいいなとはしゃいでいる。貴方の服ですよとは言わないでおく。
「ムラサキさんは」
「呼び捨てでいいですよ」
優弥くんの言葉に割り込む。
「あー、ムラサキは、服のために体鍛えてるって言ってたよな」
一瞥され頷き「僕はそれに対してもお金払われてるんですよ」と苦笑する。
過剰を求められてはいない。
ただそれなりに様になるようにと曖昧で厳しい指示があり、僕はそれに従っているだけ。
「一緒にジム行きますか?」
何気なく誘ったが、
「行かない。絶対続かないから」
あっさりと断られた。
「でも優弥くんも結構筋肉ついてますよね」
「体動かすバイトがさ、金もいいから。あとは家でも気が向いたらちょっとやる、くらい」
それに比べ同じようなことしても全然駄目な友だちがいるんだよと彼はいう。
写真を撮られることには迷いが見られたが、人前での着脱に関しては見られなかった。
友達と体を見せあい比べているのだろうかと頭をよぎる。
「バイト増やそうかな」と彼が呟く。
「これから年末に向けて努さんにもっと頼まれると思いますよ」
他に行かれたら困る。
――困る?
ふと湧いた思いだけれど『寂しい』だろうか。せっかく仲良くなってきたと思うのに。
「じゃあ家でもう少しやるかなぁ」
なにか思うところでもあったのだろうか。
今のところ他で忙しいからとこのバイトが無くされてしまうことは避けられそうだが、日の決まっていないこれよりも、シフトが決まっていたり彼に都合のいいバイトのほうが選ばれるに決まっている。
「ふたりともあれ検品して」
指された先にある積まれた箱。
写真をすべて取り込み整理する間の仕事、ネット販売している服のチェックだ。
「結構数ありますね」
僕だけが来ている時にも処理しているけれどそれが山になっている。
「こないだの写真の反響に伴いって感じ。ありがたいねぇ嬉しいねぇ」
ニコニコ顔の努さんは僕たち用のお茶が入ったグラスを隣の部屋のテーブルに移す。
「こっちでねー」
お茶を一口飲み、優弥くんが僕のすぐ隣に座る。
「教えて」
手元の注意点を知るためとはいえ触れるほどの近い距離に心臓が跳ねた。
特に考えの要らない作業となるこれは、僕にとっては優弥くんと話せる時間ができて都合が良かった。
たわいのないことを話しながらも手袋を付けた彼の手は服の上を滑るように動き、黒い瞳は手元を注視している。単調な作業だけども嫌がらず、そして素早くこなしていた。
「早いし綺麗ですね」
「ん?」
「畳むの」
時間をかけずともきっちり畳まれた服たち。僕がやるのよりも倍は早いんじゃないだろうか。
「ムラサキ不器用だからねぇ」
篠原さんがあっちの部屋から覗き見て声を出し笑う。不器用な自覚はないがこう比べると確かに。
言われ、優弥くんにじっくり見られると恥ずかしくなってくる。でもお客さんにお渡しするものだから、早さを取って適当になるのも良くない。
「俺モデルしなくてもこれで雇ってもらえるかな」
できればかっこ悪いところは見なかったことにして欲しい。
「雇うよ! モデルもしてほしいけど!」
離れた努さんに彼は小さく笑い返した。
幸い不良品はなく作業は滞り無く済んだ。優弥くんがバイト代の入った封筒を受け取るのを待ち帰路につく。
「あのゲーム、DLしてみたんです。いっぱいキャラクターが居て、何が良いのかもわからないから全部やってみようかと」
「合うのあるといいなー」
日が暮れるにはまだ早い。それでもすぐに太陽は消え冷えるようになるだろう。
「合う合わないもどうやったらわかるのか……」
努さんの家から僕たちの家までは電車で約一時間。話せる時間はたくさんあった。
「そーだなぁ。敵に突っ込んで暴れたいとか、食らってる人が気になるから助けてあげたいとか、できればすぐに死なないように耐えられるのがいいとか」
好みだよと彼は言う。
「優弥くんは? あるんですか?」
まばらに立っている人がいる車内。二つ揃って席が空くことはなく、ドアの近くに立つ。
「あのゲームはやってないからわかんないけど、俺は盾職はやらないなぁ」
スマホでゲームのサイトを開き、キャラクターのスキルを見ていた。
例えばこういうの、と出される画面を覗き込む。
「こいつはシールドあるし体力多いから打ち合いで死ににくいよ」
大きな体をしたそのキャラは、自分の前方に一定のダメージ吸収シールドを張れると書かれている。
「でもほら、近接攻撃だから敵に突っ込んでいくしかないよ」
やられる前にやれず、耐えられなければ死ぬということ。
「一長一短なんですね」
「そうそう。俺は足が速いやつが好き」
「体力少ないとすぐ死んじゃうけど、足が遅いと皆についていけなくて迷子になるかも」
数度やった試合。わからないなりに付いていこうとした。皆きっと考えがあって動いているのだろう。僕には目指す場所はわかれど、道中の立ち回りがわからずすぐに死んでしまった。
「突っ込んで、先行して皆を引っ張っていくキャラは初心者向きじゃないかもな。それが好きだってんなら問題ないけど」
先頭に立ち相手を抑えられたらかっこいいだろうが、そこまでたどり着ける気もしない。
「スキルCT……クールタイム。スキルが使えない時間ってか、使うタイミングも考えないといけないからな。シールド無かったら流石に集中砲火は耐えられないだろうし」
こうやって丁寧に説明されると、無理なところがわかってくる。
「優弥くん、うちで教えてくれませんか」
電車は順調に進み、一駅一駅終わりに近づく。
「明日の予定もあると思うので、一時間位」
長時間拘束するのもよくないだろう。
「良ければもっと長くいて、ご飯一緒に食べるのはどうですか。この前買った優弥くん用の炭酸もありますよ」
スマホの画面を見たままの彼は「じゃあ一時間だけ」と時間をくれた。
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