キスとパンチの流星群

湯島二雨

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第6章…性欲処理

23.でも好き

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 黙々としおりを作る作業をする2人。机に置いてある紙をまとめ、ホチキスで止めていく。

流星も意外と真面目にやっていた。真里奈はそれを見ながら作業をする。


「ねぇ……そんなに北条さんのこと気になるんだ?」

「あ?」

ホチキスで止めながら話題を振る真里奈。流星も顔を真里奈に向ける。


「当たり前だろ、好きなんだから。オレは次の提央祭で優勝して結衣を手に入れて……
そして一生結衣を守る。結衣に命を捧げる。結衣のためだけに生きる。そう決めた」

作業を続けながら淡々と答える流星。

「ふーん……かっこいいねぇ」

真里奈の声のトーンが低くなった。瞳のハイライトが消えている。


「……でもさあ……私とエッチしてるくせによくそんなこと言えるよね」


真里奈の言葉は鋭いナイフのように流星の胸にグサッと突き刺さった。
わずかに動揺するが、平静を装ってまっすぐ真里奈を見る。


「……お前に言われたくねーぞ。教師のくせに生徒と肉体関係を持って……生徒の前で服を脱いで誘惑してくる淫乱ヤリマンビッチ女が……!」

「私のせいにしないで。先に誘ってきたのは流星君でしょ? 可愛い女の子なら誰でもいいんじゃないの?」

真剣そのものの目で睨み合う。


「結衣と出会うまではそう思っていた……だが今は違う。結衣がいいんだ。結衣とヤりたいんだ。結衣以外の女とはもうヤらねーつもりだったんだ。
だがオレの欲が耐えられねぇ。結衣とセックスできるようになるまでどれほどの時間が必要なのか皆目見当もつかん。それまで我慢できるわけがない。
だからオレは……自らの欲を発散させてくれる相手がどうしても必要なんだよ」

今もなおムラムラと発情してきている流星。破裂寸前の風船のようにギリギリで堪えていた。

「……で、私に性欲処理の相手をしてほしいと? 私は北条さんの代わりってこと? 今は北条さんに相手してもらえないから今は私で我慢すると? そういうこと?」

会話のキャッチボールでズバズバと剛速球を投げ込んでくる真里奈。その球はデッドボールみたいに流星にジワジワとダメージを与えていく。

「私の気持ちを知ってるくせに。サイッテー」

「……」

真里奈の瞳から完全に光が消え、暗い視線を向けてくる。流星は何も言い返せない。ただその視線から目を逸らさないようにするだけだった。


「―――でも好き!」

「……」

真里奈の表情が一変、明るい笑顔になった。流星の表情は変わらない。

「ごめんね、ちょっとイジワルしちゃった。性欲処理の相手とか今さらだよね。
私たちはもともと都合のいい時に都合よく満たし合えるだけの関係なんだから流星君に好きな女の子がいようがいまいがそれは変わらない」

結衣が本命、真里奈は都合のいい女、それは重々承知している。それでも真里奈は自分の想いを抑えることができない。

「それに2番目の女でも私は嬉しいよ? たとえ性欲を満たすだけの道具だとしても、私を必要としてくれるなら……流星君の力になれるのなら今はそれだけでも十分。
今は北条さんに勝てなくても……いずれ勝てばいいだけの話だからね!」


真里奈はニコニコしながら話していたが、少しずつ視線が下がっていき、俯き加減になる。嬉しそうな顔が、少しずつ悲しい顔に変化していく。


―――その時、流星が、真里奈の身体を背後からそっと抱きしめた。


「えっ……!? いつの間に背後に!?」

真里奈は驚きの表情で後ろを向く。ついさっきまで流星は机の向こう側にいて正面で向かい合っていたのにいつの間にか背後に来ていてびっくりしていた。

「オレのスピードナメんな。不良が反応できない速さだぞ」

流星はそのまま真里奈を優しく抱きしめ続けた。


「ちょ……ちょっと待って。私にこんなことしちゃっていいの? そういうことは北条さんと両想いになってから北条さんにしてあげなよ……!」

ドキドキしながら離れようとする真里奈だが、がっしりとした両腕に捕らえられ逃げられない。

「そ……それとも私が本命になってくれたの!?」

「イヤそれはない。オレが好きなのは結衣だ」

わずかな期待を込めた真里奈の言葉はバッサリ切り捨てられ、わかってはいたが少し落ち込む。

「―――だが……今はお前のことだけを見る……
……ように努力はする」

「……ッ!」

真里奈の心臓がドクンと高鳴る。今だけでも、彼は自分のものになる。自分だけのものになる。それだけで嬉しい気持ちになってしまう自分が少し憎らしかった。


真里奈の髪に顔を埋め、真里奈の匂いをたっぷりと吸い込み肺の中を真里奈で満たす。真里奈のいい匂いは流星の情欲を煽り立てるには十分すぎた。

髪の匂いを嗅ぎながら、大きな双丘を鷲掴みにする。

「ひゃっ……!?」

胸を掴まれただけで真里奈はいやらしい声で鳴いた。むにゅ、むにゅと、いやらしい手つきで揉む。

「まっ……待って待って! まだしおり作る仕事終わってないから……!」

「そんなもんあとでいいだろ」

むにゅむにゅ

「ダメだよ……っ、んんっ……!!」


ホチキスがカタンと机に落ちる音がした。

ダメと言いながら抵抗しなくなった真里奈に容赦なく流星の手が襲ってくる。揉まれる乳房は形を変えて熱を帯びていく。

「ホント柔らかい乳だなお前……」

「やっ……やぁ……っ」

どういう触り方をすれば真里奈が気持ちよくなるのか、流星は熟知している。荒い呼吸をしながら飽きもせず豊かな乳房を揉み続けた。


もっこりと熱く膨らんだ流星の股間が真里奈のお尻に当たる。お尻の割れ目にスリスリと擦りつけられ真里奈はビクッと感じた。

「あ……っ、っ……!」

真里奈は力が抜けて立っていられなくなりダンッと机に手をついた。流星はニヤリと微笑する。


「なんだよもう立っていられなくなったのか? 早えな」

「しっ……仕方ないじゃん! 私と流星君はとっても相性いいんだから……ッ、ちょっとしたことで感じやすいんだよっ……!」


ビクビク震えながら恥ずかしそうに言う真里奈。流星に尻を突き出しているような体勢になり、誘っているようになってて流星の情欲をまた煽った。

「そうか……ならもっと感じさせてやる」

真里奈の身体に手を伸ばす流星。

「あっ、ちょっ、待って待って!! 私のことは気にしないで! 私のことはいいから!」

「あ?」

「私を気持ちよくさせるとかはいいから……! 流星君溜まってるんでしょ!? 私が発散させてあげる! なんでもするから遠慮なく言って!」


上目遣いで流星を見る真里奈。そんな紅潮した頬で、そんな息を荒くして、潤んだ瞳で見つめられて。完全に流星のスイッチが入った。


「そうか……じゃあお言葉に甘えて……」

ズボンのチャックを下ろしながら熱視線を向けた。


「まずは谷間を出せ」


流星はそう命令した。真里奈はキョトンとしている。

「え? 谷間……? 胸じゃなくて?」

「谷間だけでいい」


真里奈は言われた通りにブラウスのボタンを数個開けた。ブラジャーに包まれた谷間が顔を出す。
その谷間に人差し指をむにゅっと差し込んだ。

「この状態で動かして擦ってくれ」

「う……うん」


真里奈は胸に流星の指を挟みながら前後に動く。むにゅむにゅと指と乳房が擦れ合う。

ブラジャーを着けているのに無理に差し込んでいるため乳圧がすごく、流星の指を押し潰すような柔らかい弾力だ。

「ど……どう?」

「ああ……最高……」

真里奈は上目遣いで流星の様子を窺う。流星はどこからどう見ても欲情した顔をしていた。


「ねぇ……服邪魔じゃない? 脱いだ方がいいんじゃ……」

「いや、このままでいい。なんかこう……学校で女教師の胸を犯すみてーなそういうシチュを楽しみてーんだ!」

「そ……そっか……」


しばらく真里奈に指を挟んでもらう行為をしたあと、流星は本番をしたくなった。

「よし……次はそこの壁に手をついてケツを突き出せ」

「う……うん」


真里奈は流星の指示通りにする。すぐに下着をずらされ、行為が始まる。


「―――あっ……!!」


真里奈は嬌声を上げる。真里奈の乳がぷるんぷるんと揺れるのが行為の激しさを物語る。
そのまま流星は自分の欲を満たすためだけにひたすら真里奈の女体を貪り尽くした。



―――



 流星はその後も真里奈のカラダを好き勝手に使って欲を発散した。

流星が満足するまで行為したあと、真里奈は床に飛び散った体液の掃除をして、流星は暴走しすぎて燃え尽きていた。


「あー……スッキリした。でもその代わりなんかダルくなってきたな……しおり作るのめんどくせえよもう帰りてぇ……」

「コラーーーッ!!!!!!」

尻もちをついて休む流星に怒涛の雷を落とす真里奈。

「もーっ! だから仕事が終わってからにしようって言ったのに!!」

「今日中じゃなくてもよくね?」

「ダメだよ後回しにしちゃ! ギリギリまでやってなくて焦るパターンだよそれ!!」

しおりを作る作業はまだ半分も終わっていない。やる気をなくした流星をなんとか立たせようとする。

「へっ、ついさっきまでアンアン鳴いてたくせに教師面すんなよ」

「うるさいなっ! 教師面じゃなくて教師だよ!!」

顔を真っ赤にしてプンプンと怒る真里奈。行為の余韻が残っていて彼女の身体にはまだ熱が残っていた。


「ったくしょうがねえな。もう1回ヤらせてくれたらしおり作ってやるよ」

「まだやんの!? もう十分ヤったじゃん! 服も着ちゃったしもうダメ!」

「ダメなのか? もうオレが欲しくねえのか?」

「っ……!」

流星はスッと立ち上がり、真里奈に詰め寄る。
ダルいとか言ってたくせにまだまだ元気いっぱいだった。目も股間もギラギラさせる。
真里奈はさらに顔を赤く染めて俯く。彼女の下半身が疼く。彼女の本能はまだ彼を求めていた。流星に迫られては何も言い返せないし逆らえなかった。

せっかく着た服をまた脱がされ、結局また身体を重ねた。



―――



 「あーダリぃ……しおり作るのめんどくせーよもう帰りてぇ……」

「これループすんの!? もうキリがないよ!」

結局やる気を出さない流星にまた雷を落とした。

「ったくしょうがねえな。もう1回……」

「もうええわ!! もう時間だしそろそろ真面目にしおり作ろうよお願い!」

「じゃあせめておっぱい見せろ……そしたらやる気出る」

「もう十分見たし触ったでしょ!? あのねえ流星君! キミは欲望に忠実になりすぎ! 少しは我慢することも覚えないと!」

真里奈の説教が始まった。まーた始まったよと思いため息をつく流星だが重い腰を上げ今度こそちゃんとしおり作りを本格的に進めた。なんだかんだで結局は彼女の言うことは聞くのだ。


欲を満たすだけの関係―――のはずが、流星は真里奈と一緒にいる時間がとても心地よく感じている。
素行不良の流星を教師の真里奈が教師らしく真面目に叱る。彼女になら叱られる時間も全く苦じゃなく、むしろ楽しいとさえ感じている。

流星は自分ではまだそのことを自覚していない。
そのことに気づくのは、もう少し先のお話だ。
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