狂うほどに愛したい ~野球部補欠のオレでも超可愛い巨乳美少女マネージャーと熱い恋をしたい~ (健全版)

湯島二雨

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第24章…クリスマスデート

ついにやってきた

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―――



 ついに、ついにやってきたクリスマスイブの日。

首を長くして勉強しまくってクリスマスになるのを待っていた。
大好きな人と過ごす、初めてのクリスマス。朝6時に起床した瞬間からドキドキワクワクがハンパじゃない。


美希とクリスマスを過ごせるなんて夢のようだ。どうしても頬が緩んでしまう。

浮かれたいのは山々だがクリスマスデートのプランはしっかりと立ててしっかりと美希をリードしてあげなきゃならないので、プレッシャーもある。
美希をガッカリさせるなんてことのないようにしないといけない。


オレは緩んだ頬をキリッと引き締め、さっさと朝食をとり、洗面所で顔を洗う。いつも以上に丁寧に何度も何度も顔を洗う。

身だしなみは完璧に整えなければならない。寝癖はないか? 鼻毛は出てないか? 目ヤニとかついてないか?
数分間鏡を見て自分の顔を隅々までチェックする。

ワックスで髪をしっかりとセットし、髪型が変じゃないか確認する。
この日のために買っておいた勝負服に着替え、姿見で自分の全身を見てシワや汚れがないか確認。

今日は特別な日だ。オレがダサいと隣にいる美希までダサく見られてしまうかもしれない。そんなことが絶対にないように細かいところまで徹底的に外見を磨く。


 姿見を見ていると、後ろから麻耶が近づいてくるのに気づいた。


「おはよー、お兄ちゃん」

「おはよう麻耶」


「お兄ちゃんすごく気合い入った格好してるね。そっか、今日クリスマスイブだもんね。美希さんとデートするんだ?」

「ああ。今日は家に帰らないかもしれない」

「え、もしかしてお泊まり!? すごいなぁお兄ちゃん」

「麻耶も今日はかなりオシャレしてるじゃないか。トミー君とデートか?」

「うん、そうだよ! どう? お兄ちゃん。私の服似合う?」


スカートをヒラヒラさせながら、クルリと1回転する麻耶。

すげー似合ってる。可愛い。麻耶って自分のことよくわかってるんだな。麻耶の雰囲気にぴったりな服って感じだ。

私服のセンスの良さは美希といい勝負だ。


「めっちゃ似合ってるぞ」

「ホント!? ありがとう!」

なんか麻耶の服装がバッチリすぎて自分の服が似合ってるかどうか不安になってきた。


「お兄ちゃんもすごく似合ってるから自信持って!」

「そ、そうか?」

「うん!」


心が読めるのかってくらいオレが欲しい言葉をすぐにくれた麻耶。

確かに自信は持たないといけない。美希に楽しんでもらうためにも不安になるのはもうやめて堂々としよう。麻耶のおかげでさらに気合いが入った。


「お兄ちゃんデート頑張ってね応援してるよ!」

「ああ、麻耶も頑張れ!」


お互いのデート成功を祈ってオレたち兄妹はハイタッチした。



―――



 オレは着替え終わったあとすぐに家を出て美希と約束した待ち合わせ場所に到着した。

待ち合わせ場所は駅前の噴水の前。待ち合わせ時間は午前9時。
午前9時に待ち合わせなのだがオレはそれより1時間早い午前8時に来てしまった。

1時間も早く来るのは夏祭りの時と同じだ。オレには進歩がないのだろうか。
いや、遅刻するよりはマシだ。どうせ楽しみすぎて他のことをやる気もないしこれでいい。


ここで美希が来るのを待つ。クリスマスイブなだけあって、周りはカップルがいっぱいいる。

その中に、彼女にプレゼントを渡している男を見かけた。


…………
そうだ、オレも美希に何かクリスマスプレゼントをあげるべきだ。
プレゼント何にしようかと考えた結果、お花を買おうと思った。


待ち合わせ場所からすぐ近くにある花屋へ行ってみる。

店内にいた店員の中年女性がオレに声をかけた。


「いらっしゃいませ」

「すいません、お花を一輪お願いします」

「あらまぁ、デートですか? この色男~♪」


オレにニヤニヤした表情を向ける店員のおばさん。バレバレでオレは苦笑いした。

オレは一輪のバラを買った。
バラが美希に合うかどうかはわからないが、花屋にある花の中でバラが一番美しかったような気がしたのでバラにした。



綺麗にラッピングしてもらった真っ赤なバラを手に持ち、待ち合わせ場所で美希が来るのを待つ。


…………

刻一刻と約束の時間が近づいてくる。
時間が近づけば近づくほどドキドキと緊張が強くなってきた。美希とのデートは夏以来で、すごく楽しみだ。オレが連れていく予定の店とか美希に気に入ってもらえたらいいなぁ……

そわそわして全く落ち着かない感じででひたすら待ち合わせ場所で突っ立って美希を待つ。


8時45分くらいになった頃、突然視界が真っ暗になった。


―――ん!? なんだ!? 何も見えない。何があったんだ!?

何ともいえない不安感に襲われたオレだったが、この直後に背後から聞こえてくる声を聞いて安心する。


「だーれだ?」


とても優しくて身体の芯から癒される、聞き慣れた可愛い声。そして、オレが大好きな愛しい匂いがふわりと広がる。

オレは大好きな人に目隠しされている。不安感など一瞬で消し飛び心は安心で満たされた。


「……美希」

「あったりー! さすが竜先輩っ」


美希は両手を離し、オレの両目は開放され、オレはすかさず後ろを向く。
そこには、眩しすぎる笑顔でオレを見る美希の姿があった。


「おはようございますっ、竜先輩!」

「お……は、よう」


オレはもうすでに顔を赤く染めた。

今日の美希の服装がオレの想像を軽く超えて可愛すぎる。オレも相当気合い入れてきたはずだが美希の圧倒的な私服姿を前にしたら完全に霞んでしまった。


美希は寒い冬でも露出度高めの可愛い服を着ていた。防寒よりオシャレを優先してて女の子ってすごいと心から思う。

悩ましい白い太ももが強調されるミニスカート。胸の谷間もチラッと見えてるのがオレのストライクゾーンど真ん中に突き刺さった。

男が好きそうなのを美希はよくわかっている。服だけでも色っぽいのに美希が着ると艶かしさが何倍にも上がってパーフェクトな可愛さと色気を両立させている。

色っぽい艶かしいとは言っても決して下品な服ではなく清楚なイメージも兼ね備えた可愛い服。清楚っぽいけどエロい美希にはぴったりな服だ。


「あれ、竜先輩どうしたんですかそのお花」


美希がオレの手に握られているバラに気づいた。
オレはバラをそっと美希に差し出す。


「え……私に……?」

「ああ、クリスマスプレゼント。受け取って欲しい」


オレはドキドキMAXになりながらも精一杯平静を装って美希に一輪のバラをプレゼントした。
いらないとか言われたらどうしようかとヒヤヒヤしたが、美希は照れながらも受け取ってくれた。


「あ、ありがとうございます。赤いバラ、ですか……
知ってますか竜先輩。赤いバラには『情熱』とか、『愛情』とか『あなたを愛します』っていう意味の花言葉があるんですよ」

「えっ……!?」


……知らなかった……
オレはそれを聞いて赤面。確かにバラってなんか大人っぽいというか、エロいイメージはあるけど花言葉とか知らなかったからびっくりした。


「ふふっ、エッチですね竜先輩」

「っ……」

オレはさらに赤面してしまった。こんなに寒いのにオレだけこんなに熱くて恥ずかしい。


「なんて、冗談ですよ。プレゼントありがとうございます! すごく嬉しいです。
私も竜先輩に何かプレゼントしますよ! 何か欲しいものありますか?」

「―――えっ!?」

「そんな意外そうな顔しないでください。私だって竜先輩に何かプレゼントしたい……なんでもいいですよ。遠慮なく言ってください」


美希は満面の笑顔でそう言ってくれた。

美希がオレにプレゼント……!? 何か欲しいもの……!?
なんでも!? なんでもいいのか!?

そう言われてオレは裸にリボンを巻いた美希を妄想してしまった。
『プレゼントは、わ・た・し♪』なんて言われたらオレはもう……


……いや、その妄想はキモすぎる。いくらなんでもこんなこと言ったらドン引きされる。オレはブンブンと顔を横に振った。

真面目に考えよう。オレの欲しいものはなんだ。

美希だ。美希が欲しい。
他に欲しいものはないのか。ない。
美希がいてくれるだけで狂うほどに幸せで、それ以上を望もうなんて傲慢だ。

とにかくオレは美希以外に欲しいものが思いつかない。
しかし美希がせっかくプレゼントしてくれると言っているんだ。遠慮するのもなんか空気読めない感じだしお言葉に甘えた方がいい。

そして早く答えを出さなければいけない。優柔不断は嫌われる。


ひたすらう~んと悩んでいると美希はクスクスと微笑んだ。


「なーんて。実はもうすでにプレゼントは用意してあるのです」


「え!?」
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