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第12章…処女★

トイレ

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 「千佐子ちゃん! お願い、トイレに行かせて!! なんでもするから!! お願い!!!!!!」


仕方なく、隣にいる千佐子ちゃんに必死に頼む。
しかしまたしても千佐子ちゃんに無視されて徒労に終わった。

「……っ、ううっ……」

あまりの辛さに涙が溢れ、頬を伝っていく。



もうダメかと思ったが、意外にも佐野孝昭はすぐに戻ってきた。
一瞬だけ安堵したが、私はさらなる恐怖を味わうことになる。


……!?
佐野孝昭だけでなく、10人くらいの男たちが、一気に部屋に入ってきた。


え……誰……? この人たち誰!?

全員見たこともない。全く知らない人。やけにみんな体格がよくて、ガラ悪そう。
不良……? チンピラ?


手錠で繋がれ、漏れそうになり、知らない男たちに囲まれる。
何これ……なんなのこの最悪すぎるシチュエーション……


「お願いします! 手錠外して!! トイレに行かせてください!! お願いだから!! 漏れそう!! 漏れそうなの!!!!!!」


初対面の男性たちの前でこんなことを言うのは非常に恥ずかしい。しかし恥ずかしいと思う余裕すら全くない私はなりふり構わず必死にお願いする。

佐野孝昭が取り乱す私を見てニヤニヤしながらこう言った。


「お待たせ~お嬢ちゃん。相当オシッコ我慢してたみたいだね。そんなキミのために、トイレを持ってきてあげたよ~♪」


……は?
トイレを持ってきた……? な、何言って……

ふと、佐野孝昭の隣にいる無精ヒゲを生やした男が手に何かを持っていることに気づいた。


「……!?」


私は一気に血の気が引いた。思わずガタガタと震えてしまう。火事場の馬鹿力でなんとか自力でガチャガチャと手錠を外そうとする。それが無駄だとわかっていても、抵抗せずにはいられない。


男が持ってきたモノ。それは、アヒルの形をしたおまるだった。


つまり、この人たちの目の前で、このおまるにトイレをしろということ?

……いやいやいやいや、あり得ないから。無理。絶対無理!


ヒゲ男は、おまるを私の足下に置き、手錠をしたままおまるに座らせようとする。


「えっ、ちょ、イヤ、イヤッ!! やめて!!」


私はジタバタと暴れて抵抗するが、男の力に敵うはずもなく、強引に座らされた。


「さあ、ここにオシッコして♪」


ヒゲ男はニコリと笑って私に言う。

冗談じゃない。私は赤ちゃんじゃない中学生だぞ。いくら我慢の限界でもおまるを使うなんて無理だ。
ましてや知らない男たちが見ている。絶対にここでするわけにはいかない。


「冗談はやめて! こんなトコにトイレできるわけないでしょ!! 手錠を外してよ! お願いだから外して!!」


泣きながら大声で懇願しても、こいつらは全然聞く耳を持たない。

私が我慢できなくなるまで待つつもりだ。泣くことしかできない自分の弱さ情けなさを呪った。


佐野孝昭が私の肩に手をおいて話しかけてくる。

「どうしたのお嬢ちゃん? せっかくトイレ用意してあげたのに、オシッコしないの? 我慢は身体に毒だよ? ホラ、しちゃいなよ。オシッコしちゃえば楽になるよ?」


誰がするもんか。こいつらの思い通りになんて絶対にさせない。絶対に漏らさない! 我慢してやる!!


……我慢してやると決意した数秒後にはもうすでに心が折れそうだった。
膀胱が爆発寸前だ。30分以上我慢した膀胱を褒めてあげたい。

ただし、ここで漏らしたら今までの我慢がすべて水の泡になる。ここまで来たからにはもう頑張って耐えるしかない。


「お嬢ちゃん、いつまで我慢するつもりなの? ここまで耐えるのは立派だと思うけど、いい加減出した方がいいと思うよ?」

「……うるさい。私は漏らさない。こんなこと……してたって時間の無駄だよ。トイレ……行か……せて……よ」

口では強がっていても、身体はもう悲鳴をあげている。


「バカみたいねそんな意地張っちゃって。我慢したって無駄なのに。ここでするしかないんだからさっさとしちゃえばいいのに」

千佐子ちゃんがなんか言ってるが言い返すこともできない。

いよいよ来るところまで来た尿意。全力を振り絞って下半身に蓋をするように耐え続ける。


なかなか失禁しない私を見て、佐野孝昭は痺れを切らしてハァッとため息をついた。

「全くしょうがないなぁ、1人じゃできないんだね。オレがキミのオシッコを手伝ってあげるよ」


そう言って佐野孝昭は私の股間に手を伸ばしてきた。

え……ちょっと……何……!? 何するの……!?


恐怖のあまり声が出なくなる。

佐野孝昭は私の下腹部をグッと押してきた。


「いやああああぁぁっ!! やめてお願い!! 出ちゃう!! 出ちゃうよおぉぉぉっ!!!!!!」


痛い!! 痛すぎて泣き叫ぶ私。

膀胱を圧迫される。ただでさえ尿が溜まりに溜まった膀胱は、とても敏感になっており、ほんの少しの刺激でも失禁するには十分だった。

最後の力を振り絞り、身体を捻ったり足をバタバタさせたりしてなんとか振り切ろうとする。でも、それは全く無意味だった。


ヒゲ男が私のスカートをめくり上げ、一気にパンツを脱がせる。誰にも見せたことのなかった大事な部分を、男たちの目の前で露出してしまった。

「イヤァァ!! ダメ、見ないで!!!!!!」

「ホラ、出しちゃえ」


ググッ

佐野孝昭が力を入れてトドメと言わんばかりに下腹部を押す。


「やああああああっ―――!!!!!!」



――ブシュッ!!!!!!
ジョロロ……!!


私の股から勢い良く液体が噴き出した。


「―――あ、ああっ、あああ……!!」


一度出てしまった尿はもう止めることはできない。滝のように大量の尿が流れ落ちていく。おまるに黄色の液体が溜まっていく。

やってしまった。漏らしてしまった。出してしまったものはもう取り返しがつかない。

佐野孝昭らは、私の尿を見て嬉しそうな表情をしている。


「すっげー! いっぱい出たねぇ。こんなに豪快なオシッコ初めて見たぜ。スッキリしただろ、お嬢ちゃん」


今目の前にある事実を受け入れられない。頭の中が真っ白になる。恥ずかしいなんてレベルじゃない。辛いなんてレベルじゃない。


「ひぐっ……ひくっ、ひどい、ひどいよぉ……わあああぁぁん……!!!!!!」


私は大粒の涙を溢し、近所迷惑になるくらいの大声で泣いた。

中学生になってちょっと大人になれた気分だったけど私はまだまだ子どもだ。子どもにとってこの仕打ちはキツすぎる。


「うるさいっ!! 静かにしなさい!!!!!!」


いきなりの怒声に、ビクッとして泣き止んだ私。

怒声を上げたのは千佐子ちゃんだった。千佐子ちゃんは氷のような目で私を睨む。


「……千佐子ちゃん……!」

「何よ」

私も負けじと千佐子ちゃんを睨むが、千佐子ちゃんは全く怯まない。


「……千佐子ちゃん、どうして……? どうしてこんなひどいことするの? キミは一体、何がしたいの……?」


まだほんの少しの付き合いだったけど友達だと思っていた千佐子ちゃんに裏切られ、私は精神的に大きなショックを受けた。


千佐子ちゃんは少し間を置いて私を見下しながら話し始める。


「……美希ちゃん。私はね、あんたが憎いのよ。ぶっちゃけゴキブリより嫌いなの」


……憎い……嫌い……?

どうして? 私何かしたっけ? まだ出会って1週間ちょっとの短い時間で千佐子ちゃんの恨みを買うようなことをした覚えはない。
友達と思っていた人に憎いと言われ、心の奥底を大きな爪で引き裂かれた。

千佐子ちゃんは話を続ける。


「あんたみたいに可愛くて周りの男子にチヤホヤされてる女を見てると、すごくイライラするのよね。
可愛いからって調子に乗ってるんでしょ? 私みたいなブスを見下してんでしょ? 自分よりもはるかに劣る人間だと思ってんでしょ?」


……何言ってるの? 見下してるって何のこと? 私そんなこと言った? そんなに嫌われるような態度だった?


「そんな……! 私、そんなこと思ってないよ……!!」

「黙れ。今のあんたに発言する権利はないわ。黙って私の話を聞きなさい」


私は本当に、千佐子ちゃんをブスだなんて思ったことは一度もない。千佐子ちゃんの勘違いだよ。そんな理由で私はこんなひどいことされたの?


「ていうかその乳なんなの? 中1の乳じゃないわよね。何食ったらそんなに発育するのよ」

千佐子ちゃんはゴキブリを見るような目で私の胸を見た。
佐野孝昭も野獣のようないやらしい目で私の胸を見る。


「そうだな~中1ってことはつい最近までランドセル背負ってたんだろ? それでそのオッパイはマジですげーよ。もうすでにDカップくらいはあんじゃねーの? まだまだ成長しそうじゃん将来有望だな~」

「兄貴は黙ってて」

ニヤニヤしながらセクハラ発言する佐野孝昭を千佐子ちゃんが黙らせる。


「いいご身分よねー、その乳があれば人生超イージーでしょ?」

千佐子ちゃんはそう言って私の胸を強く掴む。痛みを感じて私は顔をしかめた。


「あー! 千佐子てめえ何触ってんだよずりい! オレも触りてーよ~」

「兄貴は黙っててって言ったでしょ。あーあ! なんで私はこんなに可愛くなくて乳も平らなんだろ。おかしくない? こんなにも不平等なことある? 顔も乳も格差がありすぎてマジ腹立つわ」

不愉快そうに歯ぎしりする千佐子ちゃん。黙って聞けって言われたから言う通りにしてるけど、恨みばっかりぶつけられて耳を塞ぎたい。


「……まあいいわ、話の要点は顔とか乳じゃない。美希ちゃんを憎む本当の理由は他にある。
話は変わるけど、私には片想いしていた男子がいたの」


千佐子ちゃんの好きな人……? 知らないよ、知るわけない。


「私の好きな人は豊田とよだ大貴だいき君っていうんだけど。同じ小学校でね、サッカー部のキャプテンだった人なのよ」


豊田大貴君……?
知らない。会ったこともない。
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