1 / 1
ep.1
しおりを挟む
朝、スマホの目覚ましで6:30に目を覚ます。起きたら顔を洗って朝食を作り、今日のバイトに向けてメイクする。そんな何気無いごく普通のスピードで時間が過ぎていく。
ただ、それは私にとってすごく退屈なんだ。『退屈な時間がある事が幸せだよ』と幼い頃よく遊んでもらった近所のおばあちゃんに言われた。思い出し懐かしい気持ちになるけどそれはそれ、私はここ最近環境がガラッと変わるような刺激を求めている。
その刺激が願っていた刺激より更に大きな形で現れると知っていればもしかしたらあの時あのまま幸せでいられたのかもしれない…。
バイト終わり。
「うーんっ、疲れたから今日はコンビニ飯ですまそうかな」
パスタとつまみ、カクテルをカゴに入れレジに持っていく。するとコンビニ店員の様子がおかしい。顔の肌は青黒く目以外のパーツがぼやけじっとりとした目で見てくるのだ。
「あの、大丈夫ですか?」
声を掛けるつもりは無かったが顔色だけでなく雰囲気も含め体調が悪いのであればすぐにでも倒れそうにみえた。
「…大丈夫、心配しなくていい」
返事がかえってきた。瞬間、目の前の光景が渦を巻き真っ暗な闇に飲み込まれた。
淡い光がまぶたをくすぐる。目を開けると辺り一面白い霧に覆われていた。
(夢、の中なのかな?でもなんでこんな夢を?)
何が何だか分からない。
私は目を覚ます前の記憶を思い出してみる、バイト帰りにコンビニでその日の夜食を買い部屋の鍵を手にしたところまでははっきり覚えている。
だが、何かに遮られているようなモヤモヤした感覚も同時に確かにあるのだ。
「まぁ、夢ならそのうち覚めるよね」
困惑しているのを隠す様に一人言を呟いた。
「そういえば、ずっと移動してる…っひ!」
急に恐怖に襲われた。私はなんと黒い毛の生えた背中に乗せられて移動していたのだ。
(どうして今まで気が付かなかったんだろう!しかもさっきよりどんどん霧も濃くなってる。私の夢なら私自身の想像力でどうにでもなるよね?)
「………もっと開けた、空。空のような場所に。私が乗っているのは翼の生えた賢く黒いユニコーン。」
声に出して唱えるとより想像しやすいような気がして何度も唱える。
すると、ボフッとゆう音と共にまぶたに強烈な光を感じた。
「っ!……」
目を開けるとそこは、辺り一面の森、森、森!
みどりに包まれた大地が現れた。それに今まで乗っていた黒い毛の乗り物は青い鬣をなびかせ白い翼で飛ぶ大きな黒い犬だった。
「…緑は、目に良いと聞いたことがあるけど。はぁ、さっきまで怖がってたのが馬鹿みたい、綺麗な景色じゃない。馬では無いけど大きくて凛々しいわんちゃんだし。とりあえず悪い夢じゃなさそうね!」
眺めを楽しみながらそんな事を言っていると遠くに山脈が見え、その下に大きな集落があることに気づいた…。
next ep.2
ただ、それは私にとってすごく退屈なんだ。『退屈な時間がある事が幸せだよ』と幼い頃よく遊んでもらった近所のおばあちゃんに言われた。思い出し懐かしい気持ちになるけどそれはそれ、私はここ最近環境がガラッと変わるような刺激を求めている。
その刺激が願っていた刺激より更に大きな形で現れると知っていればもしかしたらあの時あのまま幸せでいられたのかもしれない…。
バイト終わり。
「うーんっ、疲れたから今日はコンビニ飯ですまそうかな」
パスタとつまみ、カクテルをカゴに入れレジに持っていく。するとコンビニ店員の様子がおかしい。顔の肌は青黒く目以外のパーツがぼやけじっとりとした目で見てくるのだ。
「あの、大丈夫ですか?」
声を掛けるつもりは無かったが顔色だけでなく雰囲気も含め体調が悪いのであればすぐにでも倒れそうにみえた。
「…大丈夫、心配しなくていい」
返事がかえってきた。瞬間、目の前の光景が渦を巻き真っ暗な闇に飲み込まれた。
淡い光がまぶたをくすぐる。目を開けると辺り一面白い霧に覆われていた。
(夢、の中なのかな?でもなんでこんな夢を?)
何が何だか分からない。
私は目を覚ます前の記憶を思い出してみる、バイト帰りにコンビニでその日の夜食を買い部屋の鍵を手にしたところまでははっきり覚えている。
だが、何かに遮られているようなモヤモヤした感覚も同時に確かにあるのだ。
「まぁ、夢ならそのうち覚めるよね」
困惑しているのを隠す様に一人言を呟いた。
「そういえば、ずっと移動してる…っひ!」
急に恐怖に襲われた。私はなんと黒い毛の生えた背中に乗せられて移動していたのだ。
(どうして今まで気が付かなかったんだろう!しかもさっきよりどんどん霧も濃くなってる。私の夢なら私自身の想像力でどうにでもなるよね?)
「………もっと開けた、空。空のような場所に。私が乗っているのは翼の生えた賢く黒いユニコーン。」
声に出して唱えるとより想像しやすいような気がして何度も唱える。
すると、ボフッとゆう音と共にまぶたに強烈な光を感じた。
「っ!……」
目を開けるとそこは、辺り一面の森、森、森!
みどりに包まれた大地が現れた。それに今まで乗っていた黒い毛の乗り物は青い鬣をなびかせ白い翼で飛ぶ大きな黒い犬だった。
「…緑は、目に良いと聞いたことがあるけど。はぁ、さっきまで怖がってたのが馬鹿みたい、綺麗な景色じゃない。馬では無いけど大きくて凛々しいわんちゃんだし。とりあえず悪い夢じゃなさそうね!」
眺めを楽しみながらそんな事を言っていると遠くに山脈が見え、その下に大きな集落があることに気づいた…。
next ep.2
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる