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[2]の後日談
VSアイリス2
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雷の放電により、一部の観客達が会場から出て行った。シリウス自身はプレッシャーが減り、少し気楽になる。
アイリスが聖剣を抜きフェンシングの様に真っ直ぐ突きを放ち、シリウスは身体を半身にして躱す。
アイリス「くっ!」
そのまま立て続けに突きを放つが、シリウスは身体を右、左と無駄無く躱していく。
アイリスは魔法剣士として見ればかなり優れている。保有している魔力も多く、扱える属性も複数ある。そして己のアイディアで新たな魔法を作るうえ、白兵戦においてもかなりの実力がある。
しかし純粋に剣だけの実力となると、自身の肉体のみで戦場を生き延びて来たシリウスには劣る。
その差はアイリスに取って悔しい出来事だった。試合というカテゴリーで言えば『地球』でもかなり経験しているアイリスだが、この『世界』での実戦経験は少ない。
シリウスは当たるか、当たらないかのギリギリで躱しアイリスの体力を削って行く。
アイリス「はぁ!」
アイリスは聖剣を思いっ切り振り被る。それをシリウスが作業の様に受け止めに行く。聖剣が刀に当たる瞬間、受け流す為にある程度の力を抜く。
シリウス「!」
刃の上を走らせ下に落とした筈だった。
しかし、下から素早く引き戻された聖剣はシリウスの刀を跳ね上げる。アイリスと初めて会った頃、彼女が使ったアレンジの"燕返し"だ。すっかり忘れていた技。そして彼女の攻撃はそれだけで終わらない。
アイリス「はぁぁぁ!」
空いた左手でもう1本の剣を引き抜く。アイリスの母が、アイリスに送った形見のレイピアだ。もう結界の魔力は無い。だがお守りとしていつも持ち歩いている。その剣が聖剣の影からシリウスへ迫る。
シリウス「おっと!」
上半身を後ろに反らし最小限の動きで躱す。
アイリス「外した!・・・この!」
アイリスが聖剣を振り下ろし、レイピアで突きを繰り出す。シリウスは聖剣を払い除け鎬でレイピアの突きの軌道を逸らす。
今度はレイピアを袈裟斬りに振り下ろし、続けて聖剣で突きを放つ。シリウスは伏せて袈裟斬りを躱すと防御体勢に入る。刀で聖剣の突きの軌道を変えると刃同士が擦れ火花を散らす。そしてそのまま鍔迫り合いになる。
アイリス「流石に正面から闘うのはキツいわね。でもここからよ!」
シリウス「まだやんのかよ。いい加減、終わらせよう?」
アイリス「駄目よ!ちゃんと本気で決着を付けるの!私は今の自分がこの国の"最強"とどれだけ闘えるか確かめたい!」
シリウス「何言ってんだよ。」
互いに右脚へ力を入れ距離を取る。アイリスが聖剣を振り被りつつ踏み込み、シリウスは迎え打つ為に構える。シリウスは真上、聖剣に向いている。すると風切り音、下からレイピアの斬り上げが迫る。
シリウス「ぬぉ!」
シリウスは意表を突かれたが、ギリギリでなんとか躱す。アイリスは読んでいたのか、気にする事無く、斬り上げたレイピアを今一度振り下ろす。シリウスは受け流す為に刀を構える。しかし、状況はシリウスの思っていた様にはならなかった。
アイリスがレイピアの軌道を変え、刀の鍔に当てると弾き落とす。
シリウス「な!マジか!」
アイリス「はっ!」
ここで最初に振り被った聖剣を振り下ろすアイリス。シリウスの動きを予測しつつ流れを組み立てる。
シリウス「チッ!」
シリウスは身体を半身にし、左の掌底でアイリスの右手を弾く。
アイリス「くっ!」
アイリスは更に踏み込み、今度は聖剣を下から振り上げる。シリウスは聖剣の下に刀を当てて刃の上を走らせる。そしてそのまま聖剣の下を潜り躱す。
アイリス「まだまだ!」
アイリスの左手にあるレイピアが真っ直ぐシリウスへと向かう。
シリウス「くそっ!」
シリウスは堪らず後ろに倒れ込み回避する。そして、いつの間にかリングの端に立っていた。
アイリス「ちょっと!防戦一方じゃない!このまま負ける気?」
シリウス「いや、ここが戦場で相手が明確に敵なら戦うけど。それに刀を峰に返しても、それで婚約者を叩くって何か違くないか?」
アイリス「はぁ、何ごちゃごちゃ言ってんのよ。さぁ、続けるわよ!」
不味いなとシリウスは思う。正直勝ち負けはどうでも良い。しかしここで何もしないで負けるのは後が怖い。だけど刀でアイリスを叩くの嫌だ。考えた末、シリウスの出した結論は刀を使わずに勝つ。どう勝つか、もうプランは出来ていた。
アイリスが深く踏み込んだ瞬間だった。シリウスは刀を関係の無い方へと投げる。
アイリス「な!嘘っ!」
シリウスが何の前触れも無く丸腰になる。勢いが付いた身体を無理矢理止め様とするアイリス。シリウスがスッと横に躱すと今度はアイリスがリングの端に立つ。
アイリス「うわ!ちょ、ちょっと!あ!」
シリウスがアイリスの背中を軽く押し、彼女を場外に押し出した。そこで観衆の歓声と共に試合の決着が付いた。
アイリスが聖剣を抜きフェンシングの様に真っ直ぐ突きを放ち、シリウスは身体を半身にして躱す。
アイリス「くっ!」
そのまま立て続けに突きを放つが、シリウスは身体を右、左と無駄無く躱していく。
アイリスは魔法剣士として見ればかなり優れている。保有している魔力も多く、扱える属性も複数ある。そして己のアイディアで新たな魔法を作るうえ、白兵戦においてもかなりの実力がある。
しかし純粋に剣だけの実力となると、自身の肉体のみで戦場を生き延びて来たシリウスには劣る。
その差はアイリスに取って悔しい出来事だった。試合というカテゴリーで言えば『地球』でもかなり経験しているアイリスだが、この『世界』での実戦経験は少ない。
シリウスは当たるか、当たらないかのギリギリで躱しアイリスの体力を削って行く。
アイリス「はぁ!」
アイリスは聖剣を思いっ切り振り被る。それをシリウスが作業の様に受け止めに行く。聖剣が刀に当たる瞬間、受け流す為にある程度の力を抜く。
シリウス「!」
刃の上を走らせ下に落とした筈だった。
しかし、下から素早く引き戻された聖剣はシリウスの刀を跳ね上げる。アイリスと初めて会った頃、彼女が使ったアレンジの"燕返し"だ。すっかり忘れていた技。そして彼女の攻撃はそれだけで終わらない。
アイリス「はぁぁぁ!」
空いた左手でもう1本の剣を引き抜く。アイリスの母が、アイリスに送った形見のレイピアだ。もう結界の魔力は無い。だがお守りとしていつも持ち歩いている。その剣が聖剣の影からシリウスへ迫る。
シリウス「おっと!」
上半身を後ろに反らし最小限の動きで躱す。
アイリス「外した!・・・この!」
アイリスが聖剣を振り下ろし、レイピアで突きを繰り出す。シリウスは聖剣を払い除け鎬でレイピアの突きの軌道を逸らす。
今度はレイピアを袈裟斬りに振り下ろし、続けて聖剣で突きを放つ。シリウスは伏せて袈裟斬りを躱すと防御体勢に入る。刀で聖剣の突きの軌道を変えると刃同士が擦れ火花を散らす。そしてそのまま鍔迫り合いになる。
アイリス「流石に正面から闘うのはキツいわね。でもここからよ!」
シリウス「まだやんのかよ。いい加減、終わらせよう?」
アイリス「駄目よ!ちゃんと本気で決着を付けるの!私は今の自分がこの国の"最強"とどれだけ闘えるか確かめたい!」
シリウス「何言ってんだよ。」
互いに右脚へ力を入れ距離を取る。アイリスが聖剣を振り被りつつ踏み込み、シリウスは迎え打つ為に構える。シリウスは真上、聖剣に向いている。すると風切り音、下からレイピアの斬り上げが迫る。
シリウス「ぬぉ!」
シリウスは意表を突かれたが、ギリギリでなんとか躱す。アイリスは読んでいたのか、気にする事無く、斬り上げたレイピアを今一度振り下ろす。シリウスは受け流す為に刀を構える。しかし、状況はシリウスの思っていた様にはならなかった。
アイリスがレイピアの軌道を変え、刀の鍔に当てると弾き落とす。
シリウス「な!マジか!」
アイリス「はっ!」
ここで最初に振り被った聖剣を振り下ろすアイリス。シリウスの動きを予測しつつ流れを組み立てる。
シリウス「チッ!」
シリウスは身体を半身にし、左の掌底でアイリスの右手を弾く。
アイリス「くっ!」
アイリスは更に踏み込み、今度は聖剣を下から振り上げる。シリウスは聖剣の下に刀を当てて刃の上を走らせる。そしてそのまま聖剣の下を潜り躱す。
アイリス「まだまだ!」
アイリスの左手にあるレイピアが真っ直ぐシリウスへと向かう。
シリウス「くそっ!」
シリウスは堪らず後ろに倒れ込み回避する。そして、いつの間にかリングの端に立っていた。
アイリス「ちょっと!防戦一方じゃない!このまま負ける気?」
シリウス「いや、ここが戦場で相手が明確に敵なら戦うけど。それに刀を峰に返しても、それで婚約者を叩くって何か違くないか?」
アイリス「はぁ、何ごちゃごちゃ言ってんのよ。さぁ、続けるわよ!」
不味いなとシリウスは思う。正直勝ち負けはどうでも良い。しかしここで何もしないで負けるのは後が怖い。だけど刀でアイリスを叩くの嫌だ。考えた末、シリウスの出した結論は刀を使わずに勝つ。どう勝つか、もうプランは出来ていた。
アイリスが深く踏み込んだ瞬間だった。シリウスは刀を関係の無い方へと投げる。
アイリス「な!嘘っ!」
シリウスが何の前触れも無く丸腰になる。勢いが付いた身体を無理矢理止め様とするアイリス。シリウスがスッと横に躱すと今度はアイリスがリングの端に立つ。
アイリス「うわ!ちょ、ちょっと!あ!」
シリウスがアイリスの背中を軽く押し、彼女を場外に押し出した。そこで観衆の歓声と共に試合の決着が付いた。
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