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[2]の後日談
エンディング
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嫌な予感はしてたけど、こんな結果になるとは思わなかった。『地球』のお袋なら「出世じゃん!」とか言いそうだけど楽が出来ないとなると嬉しく無い。
クリス「どうしたんですか?顔が暗いですけど。」
全ては目の前にいるこのクリスの策略だった。魔族とは停戦協定を結んだ。大陸の東にある魔族の都市と魔物の森、その全てを公爵家の監視下に入れ特別自治区『魔族領』として収まる形にした。王子や魔族軍の幹部はお咎め無しで魔族領の土地なら何処に住んでも良いという事になった。そこだけ見ると破格の待遇だけど勿論条件がある。
魔族達、全員の所在や行動の管理。そして魔族はその所在地から許可無く出てはいけない事と必ず何かある度に魔族領の領主の許可を取る等、幾つかの条件が付いている。しかしスワロウ公爵は既に領地がある。となると他の貴族が領主になる必要があった。それが俺の顔が暗い理由に繋がる。
俺「はぁ、何でいきなり"傭兵"が"伯爵"になって、しかも"領主"って事になんだよ。」
クリス「"義兄上"の功績を考えれば当然じゃないですか?」
クリスと他の連中の見事な連携により俺はあっと言う間に伯爵となっていた。しかもマットが戦場で醜態を晒したお陰で剥奪された"剣聖"の称号まで俺に付いて来た。そう。俺は魔族領を納める領主の伯爵になった。信じられない。
ついでにクリスが"義兄上"と呼んでいる件だけど。今まで何もしなかった貴族共が傭兵なんぞ信用出来るか!って言い出した。当然だろう。ただクリスの策略はまだ続く。要するに俺が公爵家の縁戚なら問題ないって事にしたんだ。つまりは。
クリス「そう言えば姉上との式はいつになさるんですか?」
俺「お前、自分の姉を政略結婚に使って良く平気な顔していられるね。」
クリス「そんな!下手な貴族と結婚するより義兄上と結婚した方が姉上も幸せになれると思いますよ。それに王国の貴族達もその方が安心でしょうから。」
アイリス「それ、どういう意味?」
クリス「は!姉上!いらしたんですね?」
クリスが慌てて立ち上がる。畏まった時点で良い意味じゃない事が相手に伝わるだろう?もうちょい面の皮を厚くした方が良いな。
アイリス「貴方は妙に落ち着いてるわね?」
俺「ん?別に変な事は言ってないよ。クリス以外は。」
クリス「は!ちょ、義兄上!」
俺「それより良かったの?」
アイリス「何が?」
俺「俺と結婚なんて?」
アイリス「何?私じゃ不満?」
俺「いえ!私としては大変名誉ですよ!ありがたいと思ってます!」
アイリス「まぁ、お父様やクロードは考え直せって言ってたけどね。」
まぁ、美人と結婚出来るんだから俺としてはありがたい。そう言えば気になる事があった。
俺「話は変わるけど。フェンリル・・あのデカい狼が出た時、アレックスに頭下げたって?」
アイリス「そう。驚いたわ。」
クリス「ああ、その話ですか。もしあの時アレックスに頭を下げさせたら戦争に負けた事と合わせて魔族は人族に対して借りが2つになってしまう。それだと人族に抑圧され今までと同じになるか、もしかすると以前より酷い事になるかも知れないと考えたからですよ。」
アイリス「だから半々になるようにしたって事?」
クリス「はい。」
俺「お前。それ戦争終わる前の段階だよな?負けてたらどうする気だったんだ?逆にお前の条件を突き返されてたぞ。」
クリス「え?義兄上ならば戦争に勝つと信じていましたから、心配はしていませんでしたよ?」
勝つって、俺は最後ジェイドと殴り合ってただけなんだけど。
クリス「義兄上が最後に戦った方は魔族軍の大幹部。いや、総大将と言っても差し支え無い人ですよね?それに結局あの人に勝ったお陰で戦争は終結した訳ですから。」
お前それは結果論だろ?全く、恐い賭けに出て。まぁ、良いか。それとは別にまだ気になる事がある。ある意味こっちの方が俺としては重要だ。
俺「ついでに聞くけど、俺が領主になっても経営なんて出来ないぞ。貴族社会ってのも分からないし。」
クリス「そこは代官を立てるから大丈夫ですよ。」
俺「代官って別の貴族だろ?魔族の事を考え無い貴族なんか据えたら結局揉めるぞ?どうすんだよ。」
クリス「フッフッフ。そこは大丈夫です。魔族と貴族、双方を理解している人に頼めば良いんですよ。」
俺「そんな都合の良い奴、いないだろ?」
クリス「いますよ。義兄上の近くに。」
俺「え?魔族と仲が良くて貴族に関わりのある奴?う~ん?・・・・あ!いた!1人。」
クリス「ええ。彼に押し付け・・。じゃなかった。彼に任せれば全て上手く片付きますよ。」
俺「それなら俺も苦労せずに済みそうだな。クリスよ。お主も悪よのう。」
クリス「いえ、義兄上程では。」
2人で笑い合う。
アイリス「え?何この変な雰囲気。・・・所で、クリス?その笑い方は辞めなさい。」
クリス「え?義兄上を参考にしているのですが?」
アイリス「だから辞めなさいって言ってるの。」
俺「・・・・え?俺あんな笑い方してる?」
アイリス「偶にね。」
クリス「はい。」
自分の事はある程度分かってるつもりでも、人から見た自分ってのは中々分からない。それにそれを知ったから直ぐに変えようっていうのも難しい。
アイリス「あまり考えても仕方ないわよ。」
クリス「はい。」
俺の思っている事は丸分かりらしい。これ以上悩んでも仕方ない。
とにかく近い内に正式に伯爵になる。その式とは別にアイリスとの結婚式。それとあいつにも代官を頼みに行かないとな。やる事が山積みだ。
クリス「どうしたんですか?顔が暗いですけど。」
全ては目の前にいるこのクリスの策略だった。魔族とは停戦協定を結んだ。大陸の東にある魔族の都市と魔物の森、その全てを公爵家の監視下に入れ特別自治区『魔族領』として収まる形にした。王子や魔族軍の幹部はお咎め無しで魔族領の土地なら何処に住んでも良いという事になった。そこだけ見ると破格の待遇だけど勿論条件がある。
魔族達、全員の所在や行動の管理。そして魔族はその所在地から許可無く出てはいけない事と必ず何かある度に魔族領の領主の許可を取る等、幾つかの条件が付いている。しかしスワロウ公爵は既に領地がある。となると他の貴族が領主になる必要があった。それが俺の顔が暗い理由に繋がる。
俺「はぁ、何でいきなり"傭兵"が"伯爵"になって、しかも"領主"って事になんだよ。」
クリス「"義兄上"の功績を考えれば当然じゃないですか?」
クリスと他の連中の見事な連携により俺はあっと言う間に伯爵となっていた。しかもマットが戦場で醜態を晒したお陰で剥奪された"剣聖"の称号まで俺に付いて来た。そう。俺は魔族領を納める領主の伯爵になった。信じられない。
ついでにクリスが"義兄上"と呼んでいる件だけど。今まで何もしなかった貴族共が傭兵なんぞ信用出来るか!って言い出した。当然だろう。ただクリスの策略はまだ続く。要するに俺が公爵家の縁戚なら問題ないって事にしたんだ。つまりは。
クリス「そう言えば姉上との式はいつになさるんですか?」
俺「お前、自分の姉を政略結婚に使って良く平気な顔していられるね。」
クリス「そんな!下手な貴族と結婚するより義兄上と結婚した方が姉上も幸せになれると思いますよ。それに王国の貴族達もその方が安心でしょうから。」
アイリス「それ、どういう意味?」
クリス「は!姉上!いらしたんですね?」
クリスが慌てて立ち上がる。畏まった時点で良い意味じゃない事が相手に伝わるだろう?もうちょい面の皮を厚くした方が良いな。
アイリス「貴方は妙に落ち着いてるわね?」
俺「ん?別に変な事は言ってないよ。クリス以外は。」
クリス「は!ちょ、義兄上!」
俺「それより良かったの?」
アイリス「何が?」
俺「俺と結婚なんて?」
アイリス「何?私じゃ不満?」
俺「いえ!私としては大変名誉ですよ!ありがたいと思ってます!」
アイリス「まぁ、お父様やクロードは考え直せって言ってたけどね。」
まぁ、美人と結婚出来るんだから俺としてはありがたい。そう言えば気になる事があった。
俺「話は変わるけど。フェンリル・・あのデカい狼が出た時、アレックスに頭下げたって?」
アイリス「そう。驚いたわ。」
クリス「ああ、その話ですか。もしあの時アレックスに頭を下げさせたら戦争に負けた事と合わせて魔族は人族に対して借りが2つになってしまう。それだと人族に抑圧され今までと同じになるか、もしかすると以前より酷い事になるかも知れないと考えたからですよ。」
アイリス「だから半々になるようにしたって事?」
クリス「はい。」
俺「お前。それ戦争終わる前の段階だよな?負けてたらどうする気だったんだ?逆にお前の条件を突き返されてたぞ。」
クリス「え?義兄上ならば戦争に勝つと信じていましたから、心配はしていませんでしたよ?」
勝つって、俺は最後ジェイドと殴り合ってただけなんだけど。
クリス「義兄上が最後に戦った方は魔族軍の大幹部。いや、総大将と言っても差し支え無い人ですよね?それに結局あの人に勝ったお陰で戦争は終結した訳ですから。」
お前それは結果論だろ?全く、恐い賭けに出て。まぁ、良いか。それとは別にまだ気になる事がある。ある意味こっちの方が俺としては重要だ。
俺「ついでに聞くけど、俺が領主になっても経営なんて出来ないぞ。貴族社会ってのも分からないし。」
クリス「そこは代官を立てるから大丈夫ですよ。」
俺「代官って別の貴族だろ?魔族の事を考え無い貴族なんか据えたら結局揉めるぞ?どうすんだよ。」
クリス「フッフッフ。そこは大丈夫です。魔族と貴族、双方を理解している人に頼めば良いんですよ。」
俺「そんな都合の良い奴、いないだろ?」
クリス「いますよ。義兄上の近くに。」
俺「え?魔族と仲が良くて貴族に関わりのある奴?う~ん?・・・・あ!いた!1人。」
クリス「ええ。彼に押し付け・・。じゃなかった。彼に任せれば全て上手く片付きますよ。」
俺「それなら俺も苦労せずに済みそうだな。クリスよ。お主も悪よのう。」
クリス「いえ、義兄上程では。」
2人で笑い合う。
アイリス「え?何この変な雰囲気。・・・所で、クリス?その笑い方は辞めなさい。」
クリス「え?義兄上を参考にしているのですが?」
アイリス「だから辞めなさいって言ってるの。」
俺「・・・・え?俺あんな笑い方してる?」
アイリス「偶にね。」
クリス「はい。」
自分の事はある程度分かってるつもりでも、人から見た自分ってのは中々分からない。それにそれを知ったから直ぐに変えようっていうのも難しい。
アイリス「あまり考えても仕方ないわよ。」
クリス「はい。」
俺の思っている事は丸分かりらしい。これ以上悩んでも仕方ない。
とにかく近い内に正式に伯爵になる。その式とは別にアイリスとの結婚式。それとあいつにも代官を頼みに行かないとな。やる事が山積みだ。
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