162 / 187
[Worldtrace2]
喧嘩の決着
しおりを挟む
壁を破壊して2人揃って外に飛び出した。何とか着地すると体勢を整え、俺は右ストレートを繰り出す。それと同時にジェイドも右ストレートを放つ。
俺「うぐ!」
ジェイド「ぐは!・・・くそ!」
相打ちになり俺は堪らず後ろに退がる。だが、ジェイドは怯む事も無く俺の方へと向かって来る。
ジェイドが右脚でローキックを繰り出す。俺が躱すとジェイドは途中で軌道を変え、今度は内回し蹴りでミドルキックを放つ。俺は蹴りを躱し、流石にもう攻撃は来ないと1歩前に踏み込んだ。その矢先だ。内回し蹴りの軌道を更に変え、外回し蹴りでハイキックを放って来た。
俺「くっ!」
咄嗟にガードするがそのまま蹴り飛ばされる。
中々の長丁場だ。疲れたけど自分から言った手前、流石にここで俺から止めようとは言えない。ジェイドが一言「止めよう。」と言ってくれれば、これ以上痛い思いをしなくて済む。ただここで止めても不完全燃焼だろう。
ごちゃごちゃ考えていると、ジェイドが突進して来る。・・・・集中しよう。
距離を詰めたジェイドは、さっきと逆の左脚で蹴りを繰り出して来た。俺はその蹴りが勢いに乗る前に左拳で打ち落とす。
ジェイド「ぐぁ!」
打ち落とした反動で前屈みになるジェイド。そのジェイドの顎を狙い、今度は俺が右アッパーを繰り出す。
ジェイド「チッ!・・はぁ!」
俺「うぉ!」
ジェイドからのカウンター、右の打ち下ろしが迫る。俺とジェイドがそれぞれ拳を躱す。俺達の拳はお互いの右頬を掠める。俺はジェイドの右腕を掴み引き剥がそうと動く。しかし、そこからの反応はジェイドの方が早かった。俺が剥がした瞬間にジェイドの前蹴りが腹に当たる。
俺「ぐふ!」
俺は何とか踏ん張るが、今一度距離を詰めたジェイドは右腕を振り上げる。
俺は息を整え左腕で攻撃を防ぐと直ぐに右腕を広げフックを打つ動きをする。ジェイドはすかさず左腕を顔の側面に移動させ防御の姿勢を取る。
俺はそれを確認すると攻撃の種類をフックからボディブローへと変更した。
ジェイド「かは!・・・が!」
俺はボディブローが決まり、ジェイドの動きが止まった所で右頬に左ストレートを打ち込む。だが、尚もその場に踏み止まるジェイドは返す刀で左アッパーを放って来た。
俺は左ストレートに腰を入れて放った。当然、回避する余裕も無く直撃した。しかしここまで押し負ける訳にはいかない。直ぐ反撃に出た俺は、右ストレートをジェイドの顔面に当てる。
俺「ぐぁ!」
だが、それと同時にジェイドの右のボディブローが腹に刺さっていた。
ジェイド「がふ!」
互いに少し後退するが負けじと左のアッパーでジェイドの顎を跳ね上げる。
ジェイド「はぁ!はぁ!」
俺「ぐっ!ふぅ!ふぅ!」
もう俺達はフラフラだった。
残りの体力を振り絞り、前触れも無く右ストレートを打ちに行く。だが弾かれ逆にジェイドの右ストレートを喰らう。続けて左ストレートを繰り出すジェイドに対し再び右ストレートを打つ。これがカウンターなら良かったが結果は相打ちだった。俺の右はジェイドの左頬に。ジェイドの左は俺の右の顳顬に当たる。顳顬に当たったお陰で俺の意識は飛んだ。
俺「お?・・・・は?・・う?」
ジェイド「おぉぉぉ!」
はぁ、何か聞き覚えのある声が幾つか聞こえる気がした。しかし何を言ってるのか全く分からない。自分が今、何しているかも忘れる程だった。
アイリス「シリウス!前!来てる!右の回し蹴りが来てる!」
何故かアイリスの声が聞こえ、意識がハッキリと戻って来る。
俺「あ!がぁぁぁ!」
俺は左腕を上げる。ガキン!と音を立て蹴りを受け止める。その直後だった。ガチっと音がすると腕に激痛が走る。ヤバ!折れたかも!だが痛いとか言っていられない。俺は思いっ切りジェイドの軸脚である左脚を蹴り上げる。
ジェイド「な、何!」
右脚はジェイド自身が蹴りに使っていた。そして、軸足の左脚は俺が蹴り上げた。ジェイドは空中に浮いた状態になる。
もう後先は考え無い。残った体力と気力の全てを右腕に集める。
ジェイド「く、くそ!・・・ぐっ!」
ジェイドが腹に力を入れる。
俺の渾身の一撃!これで本当にラストだ!
俺「うおぉぉ!」
ジェイド「ぐっ!ぐはぁ!」
ジェイドの腹に拳を打ち込み、地面へと叩き付ける。炸裂音と共に大地が抉れ土煙りを上げた。
俺「はぁ、はぁ、はぁ。」
俺は空を見上げる。俺の最終戦に決着が付いた。
俺「うぐ!」
ジェイド「ぐは!・・・くそ!」
相打ちになり俺は堪らず後ろに退がる。だが、ジェイドは怯む事も無く俺の方へと向かって来る。
ジェイドが右脚でローキックを繰り出す。俺が躱すとジェイドは途中で軌道を変え、今度は内回し蹴りでミドルキックを放つ。俺は蹴りを躱し、流石にもう攻撃は来ないと1歩前に踏み込んだ。その矢先だ。内回し蹴りの軌道を更に変え、外回し蹴りでハイキックを放って来た。
俺「くっ!」
咄嗟にガードするがそのまま蹴り飛ばされる。
中々の長丁場だ。疲れたけど自分から言った手前、流石にここで俺から止めようとは言えない。ジェイドが一言「止めよう。」と言ってくれれば、これ以上痛い思いをしなくて済む。ただここで止めても不完全燃焼だろう。
ごちゃごちゃ考えていると、ジェイドが突進して来る。・・・・集中しよう。
距離を詰めたジェイドは、さっきと逆の左脚で蹴りを繰り出して来た。俺はその蹴りが勢いに乗る前に左拳で打ち落とす。
ジェイド「ぐぁ!」
打ち落とした反動で前屈みになるジェイド。そのジェイドの顎を狙い、今度は俺が右アッパーを繰り出す。
ジェイド「チッ!・・はぁ!」
俺「うぉ!」
ジェイドからのカウンター、右の打ち下ろしが迫る。俺とジェイドがそれぞれ拳を躱す。俺達の拳はお互いの右頬を掠める。俺はジェイドの右腕を掴み引き剥がそうと動く。しかし、そこからの反応はジェイドの方が早かった。俺が剥がした瞬間にジェイドの前蹴りが腹に当たる。
俺「ぐふ!」
俺は何とか踏ん張るが、今一度距離を詰めたジェイドは右腕を振り上げる。
俺は息を整え左腕で攻撃を防ぐと直ぐに右腕を広げフックを打つ動きをする。ジェイドはすかさず左腕を顔の側面に移動させ防御の姿勢を取る。
俺はそれを確認すると攻撃の種類をフックからボディブローへと変更した。
ジェイド「かは!・・・が!」
俺はボディブローが決まり、ジェイドの動きが止まった所で右頬に左ストレートを打ち込む。だが、尚もその場に踏み止まるジェイドは返す刀で左アッパーを放って来た。
俺は左ストレートに腰を入れて放った。当然、回避する余裕も無く直撃した。しかしここまで押し負ける訳にはいかない。直ぐ反撃に出た俺は、右ストレートをジェイドの顔面に当てる。
俺「ぐぁ!」
だが、それと同時にジェイドの右のボディブローが腹に刺さっていた。
ジェイド「がふ!」
互いに少し後退するが負けじと左のアッパーでジェイドの顎を跳ね上げる。
ジェイド「はぁ!はぁ!」
俺「ぐっ!ふぅ!ふぅ!」
もう俺達はフラフラだった。
残りの体力を振り絞り、前触れも無く右ストレートを打ちに行く。だが弾かれ逆にジェイドの右ストレートを喰らう。続けて左ストレートを繰り出すジェイドに対し再び右ストレートを打つ。これがカウンターなら良かったが結果は相打ちだった。俺の右はジェイドの左頬に。ジェイドの左は俺の右の顳顬に当たる。顳顬に当たったお陰で俺の意識は飛んだ。
俺「お?・・・・は?・・う?」
ジェイド「おぉぉぉ!」
はぁ、何か聞き覚えのある声が幾つか聞こえる気がした。しかし何を言ってるのか全く分からない。自分が今、何しているかも忘れる程だった。
アイリス「シリウス!前!来てる!右の回し蹴りが来てる!」
何故かアイリスの声が聞こえ、意識がハッキリと戻って来る。
俺「あ!がぁぁぁ!」
俺は左腕を上げる。ガキン!と音を立て蹴りを受け止める。その直後だった。ガチっと音がすると腕に激痛が走る。ヤバ!折れたかも!だが痛いとか言っていられない。俺は思いっ切りジェイドの軸脚である左脚を蹴り上げる。
ジェイド「な、何!」
右脚はジェイド自身が蹴りに使っていた。そして、軸足の左脚は俺が蹴り上げた。ジェイドは空中に浮いた状態になる。
もう後先は考え無い。残った体力と気力の全てを右腕に集める。
ジェイド「く、くそ!・・・ぐっ!」
ジェイドが腹に力を入れる。
俺の渾身の一撃!これで本当にラストだ!
俺「うおぉぉ!」
ジェイド「ぐっ!ぐはぁ!」
ジェイドの腹に拳を打ち込み、地面へと叩き付ける。炸裂音と共に大地が抉れ土煙りを上げた。
俺「はぁ、はぁ、はぁ。」
俺は空を見上げる。俺の最終戦に決着が付いた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
スコップ1つで異世界征服
葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。
その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。
怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい......
※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。
※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。
※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。
※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。

王女殿下の死神
三笠 陣
ファンタジー
アウルガシア大陸の大国、ロンダリア連合王国。
産業革命を成し遂げ、海洋発展の道を進もうとするこの王国には、一人の王女がいた。
エルフリード・ティリエル・ラ・ベイリオル、御年十六歳の少女は陸軍騎兵中尉として陸軍大学校に籍を置く「可憐」とはほど遠い、少年のような王族。
そんな彼女の隣には、いつも一人の少年の影があった。
リュシアン・エスタークス。
魔導貴族エスタークス伯爵家を継いだ魔術師にして、エルフリード王女と同い年の婚約者。
そんな彼に付けられた二つ名は「黒の死神」。
そんな王女の側に控える死神はある日、王都を揺るがす陰謀に遭遇する。
友好国の宰相が来訪している最中を狙って、王政打倒を唱える共和主義者たちが動き出したのである。
そして、その背後には海洋覇権を巡って対立するヴェナリア共和国の影があった。
魔術師と諜報官と反逆者が渦巻く王都で、リュシアンとエルフリードは駆ける。
(本作は、「小説家になろう」様にて掲載した同名の小説を加筆修正したものとなります。)
無法の街-アストルムクロニカ-(挿し絵有り)
くまのこ
ファンタジー
かつて高度な魔法文明を誇り、その力で世界全てを手中に収めようとした「アルカナム魔導帝国」。
だが、ある時、一夜にして帝都は壊滅し、支配者を失った帝国の栄華は突然の終焉を迎えた。
瓦礫の山と化した帝都跡は長らく忌み地の如く放置されていた。
しかし、近年になって、帝都跡から発掘される、現代では再現不可能と言われる高度な魔法技術を用いた「魔導絡繰り」が、高値で取引されるようになっている。
物によっては黄金よりも価値があると言われる「魔導絡繰り」を求める者たちが、帝都跡周辺に集まり、やがて、そこには「街」が生まれた。
どの国の支配も受けない「街」は自由ではあったが、人々を守る「法」もまた存在しない「無法の街」でもあった。
そんな「無法の街」に降り立った一人の世間知らずな少年は、当然の如く有り金を毟られ空腹を抱えていた。
そこに現れた不思議な男女の助けを得て、彼は「無法の街」で生き抜く力を磨いていく。
※「アストルムクロニカ-箱庭幻想譚-」の数世代後の時代を舞台にしています※
※サブタイトルに「◆」が付いているものは、主人公以外のキャラクター視点のエピソードです※
※この物語の舞台になっている惑星は、重力や大気の組成、気候条件、太陽にあたる恒星の周囲を公転しているとか月にあたる衛星があるなど、諸々が地球とほぼ同じと考えていただいて問題ありません。また、人間以外に生息している動植物なども、特に記載がない限り、地球上にいるものと同じだと思ってください※
※固有名詞や人名などは、現代日本でも分かりやすいように翻訳したものもありますので御了承ください※
※詳細なバトル描写などが出てくる可能性がある為、保険としてR-15設定しました※
※あくまで御伽話です※
※この作品は「ノベルアッププラス」様、「カクヨム」様、「小説家になろう」様でも掲載しています※
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる