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[Worldtrace2]
主人公ランド
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先程確かにリディアの声がした。何かあったのだ。ランドはそう思うと身体が勝手に走り出した。少し時間は掛かるが遠くまで見渡せる屋上へ向かう。
ランド「な、何だ?これは?」
砦に入る前と明らかに様子が違っていた。人族と魔族が共に狼の姿をした何かに襲われている。そして少し離れた所にかなりの大きさの狼が立っていた。ランドは思う。恐らくあれが予言の神獣だと。その時、後ろから声が掛かる。
シリウス「あれは・・・・まさか!フェンリル?」
振り向くとシリウスが立っていた。両手にはランドが使っていた剣を握っている。しかし、今はシリウスの言った事の方が気になっていた。
ランド「あれを知っているのか?」
シリウス「いや、そうじゃないけど。俺の知ってる中で、大きな狼っていうと当てはまる名前はそれしか無いんだよ。」
とにかくあの狼が予言の神獣ならば倒せるのは聖剣に選ばれた自分だけだ。覚悟を決め、向かおうとすると悲鳴が聞こえた。リディアだ。
不意を突かれ襲われた様だが、一緒にいた仲間が対応して辛うじて無事らしい。しかしここからでも確認出来る程、リディア達は追い詰められている。今直ぐ助けに行かなければ間に合わない!だが直後に考え直す。今あの神獣を倒せるのは自分だ。向かうべきは神獣の方では無いのか?と。
ランドは迷う。愛する者を救うか、神獣を倒し世界を救うか。今のランドにはどう判断すれば良いか分からなかった。考えるだけで、心臓の鼓動が早くなり息が苦しくなる。だが、悠長に構えている時間も無い。
ランド「シ、シリウス・・・。」
追い詰められたランドはシリウスを見る。こんな時に人に頼るのは間違いだ。自分で決めるべき事柄と分かっている。しかしランドには何が最善か判断出来なかった。
シリウスは神獣とリディア達の方を交互に見た後ランドと目を合わせ、溜め息を吐く。
シリウス「今更・・・・何を迷ってんだよ!」
ランド「え!」
シリウスは持っていた剣の柄をランドに向ける。
シリウス「行ってこいよ!彼女の所!」
ランド「だ、だが俺が行かないと世界が・・・!」
シリウス「馬鹿野郎!惚れた女も守れない様な奴に世界が救えるかよ!大体、友達より女選んだお前が今更迷うなよ!それで彼女に何かあったら俺は殴られ損じゃないか!」
ランド「シリウス。・・・あれ?殴られたのは俺の方じゃないか?」
シリウス「・・・・。」
ランド「・・・・。」
シリウス「・・・とにかく。後は俺が何とかする。だから・・・行ってこい。」
ランド「シリウス・・・分かった。頼む!」
シリウス「フッ。任せろ!・・・ああ、ランド。怪我、するなよ。」
ランド「・・・・ああ、君もな。」
ランドは剣を受け取り階段を駆け降りる。すると途中で男女の2人組とすれ違う。あっちが挨拶をして来るのでランドも会釈を返す。誰だろうか?ただ男の方は見覚えがあった。
ランド「今の確かシリウスの・・・?」
いや、今はそれよりもリディアだ!ランドは走る。砦を出てリディアの元へ一直線に走る。途中、冒険者らしき人を襲う狼を聖剣で両断する。途端に狼は砂の如く粉々になる。聖剣の特効は事実の様だ。ランドは他にも人を助けながら進み、リディアの所に辿り着く。
だが安心したのも束の間、狼がリディアへと飛び掛かる。ランドは聖剣を投げ、狼の胴体へ命中させ粉々にする。
ランド「リディア!」
リディア「ランド!」
リディアに向かっていた別の狼が今度はランドに飛び掛かる。すかさず剣を抜き、牙と爪を受け止める。直後に聖剣を呼び戻し、下から狼を両断する。
ランド「無事か!」
リディア「ランド。」
2人は抱き合い、互いの無事を確かめる。
ランド「・・・・・・。」
リディア「・・・・・・。」
リディアの温もりが自分は助ける事が出来たのだと実感させる。
ランド「・・・・・。」
リディア「・・・・・。」
魔族「・・・・なぁ。」
ランド「え?」
リディア「何?」
魔族「長くないか?抱き合うの。まだ、戦闘中だぞ。」
2人は、ハッと気付くと直ぐに離れる。
ランド「いや、何か姿を見たら堪らず。」
リディア「安心したくてつい。」
魔族「はぁ、しっかりしてくれよ!ほら!来たぞ!」
すかさず左手の聖剣を振り下ろす。狼は聖剣が危険な物と理解しているのか数秒で射程外に出る。
ランド「くっ!」
リディア「ランド、来るわ!左よ!」
口を大きく開けた狼が左側から襲い掛かる。ランドは右手の剣で突きを放つと、狼の開いた口に刺さる。しかし普通の剣で位置も致命傷にならない為、狼は絶命する事無く唸り声を上げバタバタと暴れている。そうこうしている内に最初の狼が正面から向かって来た。
ランド「チッ!」
ランドは狼が咥えたままの状態の剣を振り被る。そして向かって来た狼に叩きつけるとそのまま抑え付け、すかさず聖剣で2頭を突き刺す。
ランドは霧散する狼を眺めながら[鑑定眼]を発動する。
ランド「皆んな!中途半端な攻撃では駄目だ!首を落とすか胴体を斬れ!生命維持が出来ない状態にすれば倒せる!」
魔族「とにかく動かなくなるまでやれって事だな?分かった!」
リディア「ラ、ランド!」
先程から倒している狼より一回り大きい個体が現れる。砦の屋上から見た親玉よりは小さい様だ。見た目から恐らくこの辺りの指揮官だろう。
魔族「おい!不味くないか?やれるのか?」
その場にいる全員が不安だった。しかし何故かランドだけは冷静だった。リディアが無事だった事も理由の1つだろう。だがもう1つ理由がある。
不意に何処からか声がした気がする。
"シリウス「さて!稼ぎ時だ!背中は任せるぜ!相棒!」"
ランド「ああ!任せろ!」
今のランドは負ける気がしなかった。
ランド「な、何だ?これは?」
砦に入る前と明らかに様子が違っていた。人族と魔族が共に狼の姿をした何かに襲われている。そして少し離れた所にかなりの大きさの狼が立っていた。ランドは思う。恐らくあれが予言の神獣だと。その時、後ろから声が掛かる。
シリウス「あれは・・・・まさか!フェンリル?」
振り向くとシリウスが立っていた。両手にはランドが使っていた剣を握っている。しかし、今はシリウスの言った事の方が気になっていた。
ランド「あれを知っているのか?」
シリウス「いや、そうじゃないけど。俺の知ってる中で、大きな狼っていうと当てはまる名前はそれしか無いんだよ。」
とにかくあの狼が予言の神獣ならば倒せるのは聖剣に選ばれた自分だけだ。覚悟を決め、向かおうとすると悲鳴が聞こえた。リディアだ。
不意を突かれ襲われた様だが、一緒にいた仲間が対応して辛うじて無事らしい。しかしここからでも確認出来る程、リディア達は追い詰められている。今直ぐ助けに行かなければ間に合わない!だが直後に考え直す。今あの神獣を倒せるのは自分だ。向かうべきは神獣の方では無いのか?と。
ランドは迷う。愛する者を救うか、神獣を倒し世界を救うか。今のランドにはどう判断すれば良いか分からなかった。考えるだけで、心臓の鼓動が早くなり息が苦しくなる。だが、悠長に構えている時間も無い。
ランド「シ、シリウス・・・。」
追い詰められたランドはシリウスを見る。こんな時に人に頼るのは間違いだ。自分で決めるべき事柄と分かっている。しかしランドには何が最善か判断出来なかった。
シリウスは神獣とリディア達の方を交互に見た後ランドと目を合わせ、溜め息を吐く。
シリウス「今更・・・・何を迷ってんだよ!」
ランド「え!」
シリウスは持っていた剣の柄をランドに向ける。
シリウス「行ってこいよ!彼女の所!」
ランド「だ、だが俺が行かないと世界が・・・!」
シリウス「馬鹿野郎!惚れた女も守れない様な奴に世界が救えるかよ!大体、友達より女選んだお前が今更迷うなよ!それで彼女に何かあったら俺は殴られ損じゃないか!」
ランド「シリウス。・・・あれ?殴られたのは俺の方じゃないか?」
シリウス「・・・・。」
ランド「・・・・。」
シリウス「・・・とにかく。後は俺が何とかする。だから・・・行ってこい。」
ランド「シリウス・・・分かった。頼む!」
シリウス「フッ。任せろ!・・・ああ、ランド。怪我、するなよ。」
ランド「・・・・ああ、君もな。」
ランドは剣を受け取り階段を駆け降りる。すると途中で男女の2人組とすれ違う。あっちが挨拶をして来るのでランドも会釈を返す。誰だろうか?ただ男の方は見覚えがあった。
ランド「今の確かシリウスの・・・?」
いや、今はそれよりもリディアだ!ランドは走る。砦を出てリディアの元へ一直線に走る。途中、冒険者らしき人を襲う狼を聖剣で両断する。途端に狼は砂の如く粉々になる。聖剣の特効は事実の様だ。ランドは他にも人を助けながら進み、リディアの所に辿り着く。
だが安心したのも束の間、狼がリディアへと飛び掛かる。ランドは聖剣を投げ、狼の胴体へ命中させ粉々にする。
ランド「リディア!」
リディア「ランド!」
リディアに向かっていた別の狼が今度はランドに飛び掛かる。すかさず剣を抜き、牙と爪を受け止める。直後に聖剣を呼び戻し、下から狼を両断する。
ランド「無事か!」
リディア「ランド。」
2人は抱き合い、互いの無事を確かめる。
ランド「・・・・・・。」
リディア「・・・・・・。」
リディアの温もりが自分は助ける事が出来たのだと実感させる。
ランド「・・・・・。」
リディア「・・・・・。」
魔族「・・・・なぁ。」
ランド「え?」
リディア「何?」
魔族「長くないか?抱き合うの。まだ、戦闘中だぞ。」
2人は、ハッと気付くと直ぐに離れる。
ランド「いや、何か姿を見たら堪らず。」
リディア「安心したくてつい。」
魔族「はぁ、しっかりしてくれよ!ほら!来たぞ!」
すかさず左手の聖剣を振り下ろす。狼は聖剣が危険な物と理解しているのか数秒で射程外に出る。
ランド「くっ!」
リディア「ランド、来るわ!左よ!」
口を大きく開けた狼が左側から襲い掛かる。ランドは右手の剣で突きを放つと、狼の開いた口に刺さる。しかし普通の剣で位置も致命傷にならない為、狼は絶命する事無く唸り声を上げバタバタと暴れている。そうこうしている内に最初の狼が正面から向かって来た。
ランド「チッ!」
ランドは狼が咥えたままの状態の剣を振り被る。そして向かって来た狼に叩きつけるとそのまま抑え付け、すかさず聖剣で2頭を突き刺す。
ランドは霧散する狼を眺めながら[鑑定眼]を発動する。
ランド「皆んな!中途半端な攻撃では駄目だ!首を落とすか胴体を斬れ!生命維持が出来ない状態にすれば倒せる!」
魔族「とにかく動かなくなるまでやれって事だな?分かった!」
リディア「ラ、ランド!」
先程から倒している狼より一回り大きい個体が現れる。砦の屋上から見た親玉よりは小さい様だ。見た目から恐らくこの辺りの指揮官だろう。
魔族「おい!不味くないか?やれるのか?」
その場にいる全員が不安だった。しかし何故かランドだけは冷静だった。リディアが無事だった事も理由の1つだろう。だがもう1つ理由がある。
不意に何処からか声がした気がする。
"シリウス「さて!稼ぎ時だ!背中は任せるぜ!相棒!」"
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今のランドは負ける気がしなかった。
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