148 / 187
[Worldtrace2]
主人公クリストファー・スワロウ
しおりを挟む
突然、戦場に遠吠えが響き渡ると事態は急変した。何処からか狼達が現れ、その場にいた者達へ襲い掛かった。
クロード「な!魔族の増援か!」
クリス「いや、違う!あそこを見ろ!」
確認すると魔族も狼に襲われていた。
アイリス「じゃあこれは、第三勢力?」
クリス「恐らく。」
皆が必死で敵を蹴散らす。しかし次々と現れる狼達は全員の体力と精神力を削って行く。
クロード「く!こんな時にあの男は何をしている!」
クリス「フッ。クロードでも先生を頼る事があるんだね?」
クロード「ち、違います!ただ殲滅するだけなら少しは役に立つという話です!」
だが確かにこのままでは全滅してしまう。クリスは何か打開策は無いか?と辺りを見渡した。すると魔族の代表、王子アレクサンダーと目が合った。クリスは直感する。彼は自分と同じ事を考えていると。
アイリス「クリス?」
クロード「クリス様!」
クリスは王子に近付くと同じく王子もクリスへと歩み寄る。
クリス「僕は次期公爵、クリストファー・スワロウです。恐らくこの場にいる人族の中で1番身分の高い人間です。」
アレクサンダー「私は魔族の王、アーサーの第一子アレクサンダーだ。今現在、魔族の代表をさせて貰っている。」
双方共に向かい合う。
アレクサンダーは目閉じ何かを考える。そして意を決し、話掛け様とした時だった。
クリス「お願いします!僕達に力を貸して下さい!」
アイリス「クリス!」
クロード「クリス様!」
アレクサンダー「な、何故、お前が頭を下げる!」
クリスは考えていた。この一件が片付けば魔族と和解する。しかしここでアレクサンダーに頭を下げさせれば、魔族は人族に借りを作る事になる。クリスの考えた和解の条件とこれからの事を考えるとそれは都合が悪かったからだ。
アレクサンダー「代表のお前が頭を下げる意味が分かっているのか?」
クリス「ええ。ハッキリ言えば全て計算尽くです。」
クリスはそう言うとニコリと笑う。
アレクサンダー「フッ、良いだろう。お前のその計算が何処まで合ってるか見届けてやる。その申し出、受けるぞ。」
魔族「な!王子!よろしいのですか?」
アレクサンダー「ならばどうする?このまま死者を出すのか?私はこれ以上、同胞に死んで欲しくない。」
魔族「!・・・分かりました。」
アレクサンダー「皆の者!これより人族と停戦し、目の前の脅威に共に立ち向かう!」
クリス「皆さん!私はスワロウ公爵家、嫡男のクリストファーです!」
クリスとアレクサンダーはそれぞれ戦いを止め、相手と協力して狼達と戦うと伝える。
だがその時、狼の1頭がアレクサンダーに不意打ちを仕掛ける。
魔族「王子!」
アレクサンダー「くそっ!こんな時に!」
しかしその牙はアレクサンダーに届く事は無かった。飛び掛かった狼は複数の線に撃ち抜かれた。
クリス「隙だらけですよ。」
アレクサンダー「お前・・・。」
アイリス「クリス!」
クリス「うわ!」
だが、今度はクリスに狼が襲い掛かる。
それを見たアレクサンダーは弓矢で狼の頭を撃ち抜いた。
アレクサンダー「お前も人の事は言えないぞ。」
クリス「はぁ、全くその通りですね。」
アレクサンダー「皆の者!見たな!あの男は私を助けた!」
クリス「皆さん!ご覧の通り、彼等は味方です!今討つべきは・・・。」
アレクサンダー「あの狼だ!・・・・全軍、我に続けぇ!」
クリス「さぁ、・・・行くぞぉ!」
人族と魔族関係なく雄叫びを上げ全員で狼へと向かって行く。
アイリス「ふぅ、皆んな何とか纏まったみたいね。・・・・どうしたの?」
クロード「いえ。お嬢様の後ろを歩いていた筈の坊っちゃまが、いつの間にか立派になられていたんだなと少し感動を・・・。」
アイリス「まだ終わってないのに泣くのは早いわよ。」
クロード「ええ。そうですね。」
少し状況を持ち直しアイリスの心も若干落ち着いた所で着信音が鳴る。
アイリス「シリウス?・・・・アテナ様!」
スマホの画面を見ると自分をこの『世界』に送った神、アテナからだった。内容は、あるアプリを入れたから活用して欲しいという物だった。こんな時に何だろう?とは思うがとにかく確認する。
アイリス「これは!」
クロード「お嬢様?」
クリス「姉上?」
アイリス「ここ、お願い。」
クリス「え!どちらへ?」
アイリス「使徒を討つ!」
クロード「な!魔族の増援か!」
クリス「いや、違う!あそこを見ろ!」
確認すると魔族も狼に襲われていた。
アイリス「じゃあこれは、第三勢力?」
クリス「恐らく。」
皆が必死で敵を蹴散らす。しかし次々と現れる狼達は全員の体力と精神力を削って行く。
クロード「く!こんな時にあの男は何をしている!」
クリス「フッ。クロードでも先生を頼る事があるんだね?」
クロード「ち、違います!ただ殲滅するだけなら少しは役に立つという話です!」
だが確かにこのままでは全滅してしまう。クリスは何か打開策は無いか?と辺りを見渡した。すると魔族の代表、王子アレクサンダーと目が合った。クリスは直感する。彼は自分と同じ事を考えていると。
アイリス「クリス?」
クロード「クリス様!」
クリスは王子に近付くと同じく王子もクリスへと歩み寄る。
クリス「僕は次期公爵、クリストファー・スワロウです。恐らくこの場にいる人族の中で1番身分の高い人間です。」
アレクサンダー「私は魔族の王、アーサーの第一子アレクサンダーだ。今現在、魔族の代表をさせて貰っている。」
双方共に向かい合う。
アレクサンダーは目閉じ何かを考える。そして意を決し、話掛け様とした時だった。
クリス「お願いします!僕達に力を貸して下さい!」
アイリス「クリス!」
クロード「クリス様!」
アレクサンダー「な、何故、お前が頭を下げる!」
クリスは考えていた。この一件が片付けば魔族と和解する。しかしここでアレクサンダーに頭を下げさせれば、魔族は人族に借りを作る事になる。クリスの考えた和解の条件とこれからの事を考えるとそれは都合が悪かったからだ。
アレクサンダー「代表のお前が頭を下げる意味が分かっているのか?」
クリス「ええ。ハッキリ言えば全て計算尽くです。」
クリスはそう言うとニコリと笑う。
アレクサンダー「フッ、良いだろう。お前のその計算が何処まで合ってるか見届けてやる。その申し出、受けるぞ。」
魔族「な!王子!よろしいのですか?」
アレクサンダー「ならばどうする?このまま死者を出すのか?私はこれ以上、同胞に死んで欲しくない。」
魔族「!・・・分かりました。」
アレクサンダー「皆の者!これより人族と停戦し、目の前の脅威に共に立ち向かう!」
クリス「皆さん!私はスワロウ公爵家、嫡男のクリストファーです!」
クリスとアレクサンダーはそれぞれ戦いを止め、相手と協力して狼達と戦うと伝える。
だがその時、狼の1頭がアレクサンダーに不意打ちを仕掛ける。
魔族「王子!」
アレクサンダー「くそっ!こんな時に!」
しかしその牙はアレクサンダーに届く事は無かった。飛び掛かった狼は複数の線に撃ち抜かれた。
クリス「隙だらけですよ。」
アレクサンダー「お前・・・。」
アイリス「クリス!」
クリス「うわ!」
だが、今度はクリスに狼が襲い掛かる。
それを見たアレクサンダーは弓矢で狼の頭を撃ち抜いた。
アレクサンダー「お前も人の事は言えないぞ。」
クリス「はぁ、全くその通りですね。」
アレクサンダー「皆の者!見たな!あの男は私を助けた!」
クリス「皆さん!ご覧の通り、彼等は味方です!今討つべきは・・・。」
アレクサンダー「あの狼だ!・・・・全軍、我に続けぇ!」
クリス「さぁ、・・・行くぞぉ!」
人族と魔族関係なく雄叫びを上げ全員で狼へと向かって行く。
アイリス「ふぅ、皆んな何とか纏まったみたいね。・・・・どうしたの?」
クロード「いえ。お嬢様の後ろを歩いていた筈の坊っちゃまが、いつの間にか立派になられていたんだなと少し感動を・・・。」
アイリス「まだ終わってないのに泣くのは早いわよ。」
クロード「ええ。そうですね。」
少し状況を持ち直しアイリスの心も若干落ち着いた所で着信音が鳴る。
アイリス「シリウス?・・・・アテナ様!」
スマホの画面を見ると自分をこの『世界』に送った神、アテナからだった。内容は、あるアプリを入れたから活用して欲しいという物だった。こんな時に何だろう?とは思うがとにかく確認する。
アイリス「これは!」
クロード「お嬢様?」
クリス「姉上?」
アイリス「ここ、お願い。」
クリス「え!どちらへ?」
アイリス「使徒を討つ!」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
スコップ1つで異世界征服
葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。
その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。
怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい......
※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。
※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。
※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。
※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。

王女殿下の死神
三笠 陣
ファンタジー
アウルガシア大陸の大国、ロンダリア連合王国。
産業革命を成し遂げ、海洋発展の道を進もうとするこの王国には、一人の王女がいた。
エルフリード・ティリエル・ラ・ベイリオル、御年十六歳の少女は陸軍騎兵中尉として陸軍大学校に籍を置く「可憐」とはほど遠い、少年のような王族。
そんな彼女の隣には、いつも一人の少年の影があった。
リュシアン・エスタークス。
魔導貴族エスタークス伯爵家を継いだ魔術師にして、エルフリード王女と同い年の婚約者。
そんな彼に付けられた二つ名は「黒の死神」。
そんな王女の側に控える死神はある日、王都を揺るがす陰謀に遭遇する。
友好国の宰相が来訪している最中を狙って、王政打倒を唱える共和主義者たちが動き出したのである。
そして、その背後には海洋覇権を巡って対立するヴェナリア共和国の影があった。
魔術師と諜報官と反逆者が渦巻く王都で、リュシアンとエルフリードは駆ける。
(本作は、「小説家になろう」様にて掲載した同名の小説を加筆修正したものとなります。)
無法の街-アストルムクロニカ-(挿し絵有り)
くまのこ
ファンタジー
かつて高度な魔法文明を誇り、その力で世界全てを手中に収めようとした「アルカナム魔導帝国」。
だが、ある時、一夜にして帝都は壊滅し、支配者を失った帝国の栄華は突然の終焉を迎えた。
瓦礫の山と化した帝都跡は長らく忌み地の如く放置されていた。
しかし、近年になって、帝都跡から発掘される、現代では再現不可能と言われる高度な魔法技術を用いた「魔導絡繰り」が、高値で取引されるようになっている。
物によっては黄金よりも価値があると言われる「魔導絡繰り」を求める者たちが、帝都跡周辺に集まり、やがて、そこには「街」が生まれた。
どの国の支配も受けない「街」は自由ではあったが、人々を守る「法」もまた存在しない「無法の街」でもあった。
そんな「無法の街」に降り立った一人の世間知らずな少年は、当然の如く有り金を毟られ空腹を抱えていた。
そこに現れた不思議な男女の助けを得て、彼は「無法の街」で生き抜く力を磨いていく。
※「アストルムクロニカ-箱庭幻想譚-」の数世代後の時代を舞台にしています※
※サブタイトルに「◆」が付いているものは、主人公以外のキャラクター視点のエピソードです※
※この物語の舞台になっている惑星は、重力や大気の組成、気候条件、太陽にあたる恒星の周囲を公転しているとか月にあたる衛星があるなど、諸々が地球とほぼ同じと考えていただいて問題ありません。また、人間以外に生息している動植物なども、特に記載がない限り、地球上にいるものと同じだと思ってください※
※固有名詞や人名などは、現代日本でも分かりやすいように翻訳したものもありますので御了承ください※
※詳細なバトル描写などが出てくる可能性がある為、保険としてR-15設定しました※
※あくまで御伽話です※
※この作品は「ノベルアッププラス」様、「カクヨム」様、「小説家になろう」様でも掲載しています※
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる