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[Worldtrace2]
VSランド3
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ランド「おおぉぉ!」
雄叫びと共に突進して来るランド。これ以上の時間は掛けられない。俺も突進する。鍔迫り合いになるか?ってタイミングでランドが俺の右手を掴む。
俺「あ!・・・・うぉ!」
俺の刀を抑え脇腹に突きを入れようとする。俺は咄嗟に躱し、今度は逆にランドの右腕を掴む。互いに睨み合いながら自分の右腕を抜こうと踠く。
ランド「ぐ、くそ!・・・うぐぁ!」
とにかく状況を打開する為に、ランドの額に頭突きを入れ引き剥がす。しかし当然の事ながら俺も痛い。痛みでしばらく止まる。
俺「お!う!・・くぅ!」
ランド「あ!か!・・ぬぉ!」
お互い痛みに耐え刀と剣を振り下ろす。
ランド「うぉぉ!」
鍔迫り合いの状態から俺を押し返し、剣を横薙ぎに振ろうと動くランド。俺はすかさずランドの腹に前蹴りを入れた。
ランド「ぐは!」
俺は続けて袈裟斬りを仕掛ける。当然峰打ちだ。
ランド「く!」
ランドは時計回りに回転をしながら躱し、遠心力を利用しつつ剣を振り下ろす。俺は後ろに退がって躱し、次の手を考える。
まぁ、隙が無いなら作るしかないけど。そういえば大分前だけどそんな話をしたな。
"俺「隙が無い時?」
ランド「ああ。どうすれば良いかな?って事なんだけど。」
ジーク「気にするな。ただ近付いて斬れば良い。」
俺「・・・。」
ランド「・・・。」
ジークは鼻をフンッと鳴らしながらドヤ顔をしている。とにかく話を進める。
俺「隙が無いなら作るのが一番だな。」
ランド「作る?」
ゲイツ「おう!ガキ共!難しい顔して何してる?」
ジーク「今、隙の無い奴の倒し方の話をしていた。だから叩っ斬れと教えた所だ。」
ゲイツ「・・・・。」
俺「・・・・。」
ランド「・・・・。」
ゲイツ「そういう時は無理矢理作るんだよ。」
俺「それは今、俺が言った。」
ゲイツ「相変わらず可愛げの無ぇガキ。」
この親父は俺に可愛げを求めてどうするのか。
俺「それで?具体的にはどうすんだよ?」
ゲイツ「ちょっと貸しな。」
ランドから木剣を借りると俺の方を向く。何か仕掛けて来るつもりだろう。俺は身構えて待つ。
ゲイツ「いや、駄目だな。」
俺「何が?」
ゲイツ「お前、身構えてるから効かなそう。・・・あ!ティーム!おい!ティム!ちょっと!ちょっと、こっち来てくれ!」
ティムが何だよこの忙しい時にみたいな顔で近付いて来る。
ゲイツ「来たぞ。良く見とけよ。」
ランド「?」
ティム「何だ?どうした・・・。」
ゲイツ「わぁ!」
ティム「のわ!」
ティムが声を上げた直後、そのティムの肩に木剣を当てる。
ゲイツ「な?」
ティム「いや、意味が分からん。」
俺「敵の隙が無い時にどう隙を作るかって話。」
ティム「成程。で、デカい声で驚かせて隙を作るって訳か。」
ゲイツ「そうさ。」
ティム「寄越せ!」
ティムがゲイツから木剣を引っ手繰ると脚、目掛けて木剣を振る。
ゲイツ「そりゃお前のいつも手だろうが。」
ティムはもう一度脚を狙い木剣を振る。2回目だからゲイツは振り始めから躱すモーションに入る。しかしティムはそこから一気に軌道を変え首まで持っていく。
ゲイツ「うお!」
ティム「こんなのはどうだ?」
要するに意識を1箇所に集めて、別の意識していない所を不意打ちするって作戦だ。悪くは無いなとか考えてるとランドが俺を見る。ついでにゲイツやティムも俺を見ている。
俺「何だよ。」
ゲイツ「お前はどうするんだ?」
ティム「俺達だけ披露するなんてつまらないだろ?」
そういう問題か?まぁ、良いや。
俺「俺なら、装備を投げるかな?」
ランド「装備?」
ランドは兜を外し始める。
俺「おい、戦いの最中にそんな事してる余裕無いだろ?それに外して頭を狙われたら危ないぞ。」
ゲイツ「じゃあどうすんだよ。」
近くを通った傭兵から盾を借りる。俺はその盾をランドへ放る。
ランド「うわ!・・・これでどうする・・・。」
ランドの注意が盾に向いてる間に距離を詰め、頭に木剣を当てる。
ランド「あ!」
俺「俺の勝ちだな。」
ゲイツ「卑怯だな。」
俺「あんたが言うなよ。確かに何かの試合で言えば卑怯な手かも知れないけど、命が掛かってるならこれくらいは普通だろ?後は逆に剣の方を投げて意識がそっちに向いてる間に盾で殴るとか。後はその場で考えるかな?」"
確かにそんな話をした。
ランドがこの時の話を元に攻めて来ると思う。ただの勘だけけど。でもどれかな?ジークのは論外。大声は微妙だよな?一点集中からの不意打ちか?
俺の装備を投げるは無い。今、パッと見で投げられるのは剣だけだ。この状況で、武器を投げるとか無いだろう。
そう考えたから"フラグ"が立ったのか、状況が変わる。ランドは槍投げの選手の様に構える。
俺「まさか!」
ランド「うおぉぉー!」
ランドが剣を投げた。
俺が提案した事だけど、武器を失う訳にはいかないこの状況で実際にやるとは思わなかった。俺は飛んで来た聖剣を躱す。今のは流石に驚いた。
ただ悠長にはしていられなかった。ランドは俺が動揺してる間に距離を詰め、剣を振り被っていた。
剣?・・・しまった!忘れてた!例のいわく付きの剣!あいつが以前から愛用してた物だ!聖剣を使ってる間も帯刀していた。俺はなんとかその剣を左へ払い除ける。
ランド「くっ!まだまだ!」
ランドは払い除けられた位置から横薙ぎに振る。俺は退がって躱し、更に振り下ろされた剣を刀で受け止める。
ランドは俺を上から押し込む様に力を入れる。しかし、両手で力を込める必要があるこのタイミングで左手を放し天井に向ける。
ランド「来い!」
伏兵か!そう思ったが誰も来ない。警戒していると途端にランドの左手が光に包まれる。え?魔法?こいつ、使えたっけ?とか考えていた時だった。ジンが聖剣を手に入れたあの日、ジンは眩い光に包まれた。なんとなくあの時の光に似てる。
あ!そういえばランドが投げたのは聖剣だ!光が収まるとその左手には聖剣が握られている。
俺「な!そんなのアリか!」
ランドはそのまま聖剣を振り下ろす。俺は後ろに倒れる様に回避したが、一歩遅かった。
ランド「フッ。」
俺「何だよ。」
ランド「やっとだ。やっと一撃入れたぞ!」
俺「掠っただけだっての!」
ランドの攻撃が俺の顎を少し斬っていた。
ランドが持っている2本の剣は大剣と言う程デカくは無いけどそれなりのサイズだ。そんな剣をそれぞれ両手に持ち、二刀流の構えになる。
ランド「確かに一撃とは言えないかも知れない。でも、俺にとっては十分な・・・・前進だ!」
ランドは両腕をクロスさせながら突進して来る。俺の間近に迫るとバツの字に斬り掛かって来る。すかさず2本の剣の中央に突きを打ち、動きを止める。
ランド「ぐっ!」
腕と脚に力を込めランドを押し返す。
ただその反動から立て直すのに少し時間が掛かった。先に体勢を立て直し、動いたのはランドだった。
右の剣が振り下ろされ、それを受け流すと今度は左の剣で突きを放つ。俺は躱すと直ぐに峰打ちを仕掛ける。
ランドは右の剣で受け止めると、左の剣で俺の胴を狙う。俺はスウェーで躱すが、流れる様な動きで2本の剣を同時に振り下ろす。
ランドは2本の剣を巧みに使い分け、片方を防御にもう片方を攻撃にと次々動きを変えて仕掛けて来る。だが更に厄介な事があった。隙あらば肘鉄や蹴りも飛んで来る。傭兵共の攻撃と二刀流、全く面倒で仕方ない。これは賭けだ。一気に仕掛けるしかない。
ランド「あ!」
俺はランド目掛け全力で刀を投げる。狙うはランドの右手の剣だ。あれはいわく付きってだけで聖剣じゃない。回収するとなると自ら拾いに行かなきゃならない。
ランド「ぐぁ!」
俺「良し!ビンゴ!」
自分で言うのも変だけど物理に限り何でも出来る特異体質で見事、ランドの右手の剣を弾き飛ばす。これでランドの攻撃力は半減だ!
とは言っても俺の方は刀を投げたから半分通り過ぎて0だけど。
それにしてもこの能力、狙って出来るのは良いけど相手の運すら改変してる気がする。なんか気になるけど、今はそんな事を気にしてる場合じゃないな。
俺は一気にランドとの距離を詰める。
ランド「ぐ!」
流石に躊躇するランド。こいつは真面目な奴だ。丸腰の相手に構わず剣を振る様な奴じゃない。俺はさっきと同じく握り拳を見せつつ、剣道の踏み込みの様に脚で地面を打ち鳴らす。
ランドは脚を踏まれた事を思い出しのか、避ける為に脚を浮かせる。俺はそこですかさずボディブローを入れた。
ランド「かは!・・・・ぐは!」
そして間髪を入れずにランドの左頬を拳で打ち抜く。ランドが地面に倒れ込むと聖剣も手から放れる。俺はその聖剣を蹴り、ランドから引き離す。
ランド「く、くそ!」
俺「もう終わりだ。」
ランド「だが!このままでは!」
俺「分かってる!だから・・・手を貸してくれ。」
ランド「な!何を・・・!」
俺「今まで色々考えた。だけど俺だけじゃ何も出来ない。知識が無いから知恵も浮かばない。だから助けてくれ。人族と魔族が和解する為に。頼むよ、相棒。」
ランド「シリウス。」
俺の出した手をランドが掴む。俺はそのまま引っ張り上げた。立たせた瞬間、ランドが反応する。
ランド「リディア!」
俺「へ?何?」
ランドが走り出す。何か聞こえた?
外で何かあったのか?ただ外が見える窓は小さい。そんな小窓から見ても状況がよく分からない。状況確認するなら外を見渡せる屋上の方が良いかも知れない。
同じ事を考えたのか、ランドは一目散に屋上へ向かう。俺もランドの剣を拾いつつ追い掛け、屋上へと駆け上がる。
雄叫びと共に突進して来るランド。これ以上の時間は掛けられない。俺も突進する。鍔迫り合いになるか?ってタイミングでランドが俺の右手を掴む。
俺「あ!・・・・うぉ!」
俺の刀を抑え脇腹に突きを入れようとする。俺は咄嗟に躱し、今度は逆にランドの右腕を掴む。互いに睨み合いながら自分の右腕を抜こうと踠く。
ランド「ぐ、くそ!・・・うぐぁ!」
とにかく状況を打開する為に、ランドの額に頭突きを入れ引き剥がす。しかし当然の事ながら俺も痛い。痛みでしばらく止まる。
俺「お!う!・・くぅ!」
ランド「あ!か!・・ぬぉ!」
お互い痛みに耐え刀と剣を振り下ろす。
ランド「うぉぉ!」
鍔迫り合いの状態から俺を押し返し、剣を横薙ぎに振ろうと動くランド。俺はすかさずランドの腹に前蹴りを入れた。
ランド「ぐは!」
俺は続けて袈裟斬りを仕掛ける。当然峰打ちだ。
ランド「く!」
ランドは時計回りに回転をしながら躱し、遠心力を利用しつつ剣を振り下ろす。俺は後ろに退がって躱し、次の手を考える。
まぁ、隙が無いなら作るしかないけど。そういえば大分前だけどそんな話をしたな。
"俺「隙が無い時?」
ランド「ああ。どうすれば良いかな?って事なんだけど。」
ジーク「気にするな。ただ近付いて斬れば良い。」
俺「・・・。」
ランド「・・・。」
ジークは鼻をフンッと鳴らしながらドヤ顔をしている。とにかく話を進める。
俺「隙が無いなら作るのが一番だな。」
ランド「作る?」
ゲイツ「おう!ガキ共!難しい顔して何してる?」
ジーク「今、隙の無い奴の倒し方の話をしていた。だから叩っ斬れと教えた所だ。」
ゲイツ「・・・・。」
俺「・・・・。」
ランド「・・・・。」
ゲイツ「そういう時は無理矢理作るんだよ。」
俺「それは今、俺が言った。」
ゲイツ「相変わらず可愛げの無ぇガキ。」
この親父は俺に可愛げを求めてどうするのか。
俺「それで?具体的にはどうすんだよ?」
ゲイツ「ちょっと貸しな。」
ランドから木剣を借りると俺の方を向く。何か仕掛けて来るつもりだろう。俺は身構えて待つ。
ゲイツ「いや、駄目だな。」
俺「何が?」
ゲイツ「お前、身構えてるから効かなそう。・・・あ!ティーム!おい!ティム!ちょっと!ちょっと、こっち来てくれ!」
ティムが何だよこの忙しい時にみたいな顔で近付いて来る。
ゲイツ「来たぞ。良く見とけよ。」
ランド「?」
ティム「何だ?どうした・・・。」
ゲイツ「わぁ!」
ティム「のわ!」
ティムが声を上げた直後、そのティムの肩に木剣を当てる。
ゲイツ「な?」
ティム「いや、意味が分からん。」
俺「敵の隙が無い時にどう隙を作るかって話。」
ティム「成程。で、デカい声で驚かせて隙を作るって訳か。」
ゲイツ「そうさ。」
ティム「寄越せ!」
ティムがゲイツから木剣を引っ手繰ると脚、目掛けて木剣を振る。
ゲイツ「そりゃお前のいつも手だろうが。」
ティムはもう一度脚を狙い木剣を振る。2回目だからゲイツは振り始めから躱すモーションに入る。しかしティムはそこから一気に軌道を変え首まで持っていく。
ゲイツ「うお!」
ティム「こんなのはどうだ?」
要するに意識を1箇所に集めて、別の意識していない所を不意打ちするって作戦だ。悪くは無いなとか考えてるとランドが俺を見る。ついでにゲイツやティムも俺を見ている。
俺「何だよ。」
ゲイツ「お前はどうするんだ?」
ティム「俺達だけ披露するなんてつまらないだろ?」
そういう問題か?まぁ、良いや。
俺「俺なら、装備を投げるかな?」
ランド「装備?」
ランドは兜を外し始める。
俺「おい、戦いの最中にそんな事してる余裕無いだろ?それに外して頭を狙われたら危ないぞ。」
ゲイツ「じゃあどうすんだよ。」
近くを通った傭兵から盾を借りる。俺はその盾をランドへ放る。
ランド「うわ!・・・これでどうする・・・。」
ランドの注意が盾に向いてる間に距離を詰め、頭に木剣を当てる。
ランド「あ!」
俺「俺の勝ちだな。」
ゲイツ「卑怯だな。」
俺「あんたが言うなよ。確かに何かの試合で言えば卑怯な手かも知れないけど、命が掛かってるならこれくらいは普通だろ?後は逆に剣の方を投げて意識がそっちに向いてる間に盾で殴るとか。後はその場で考えるかな?」"
確かにそんな話をした。
ランドがこの時の話を元に攻めて来ると思う。ただの勘だけけど。でもどれかな?ジークのは論外。大声は微妙だよな?一点集中からの不意打ちか?
俺の装備を投げるは無い。今、パッと見で投げられるのは剣だけだ。この状況で、武器を投げるとか無いだろう。
そう考えたから"フラグ"が立ったのか、状況が変わる。ランドは槍投げの選手の様に構える。
俺「まさか!」
ランド「うおぉぉー!」
ランドが剣を投げた。
俺が提案した事だけど、武器を失う訳にはいかないこの状況で実際にやるとは思わなかった。俺は飛んで来た聖剣を躱す。今のは流石に驚いた。
ただ悠長にはしていられなかった。ランドは俺が動揺してる間に距離を詰め、剣を振り被っていた。
剣?・・・しまった!忘れてた!例のいわく付きの剣!あいつが以前から愛用してた物だ!聖剣を使ってる間も帯刀していた。俺はなんとかその剣を左へ払い除ける。
ランド「くっ!まだまだ!」
ランドは払い除けられた位置から横薙ぎに振る。俺は退がって躱し、更に振り下ろされた剣を刀で受け止める。
ランドは俺を上から押し込む様に力を入れる。しかし、両手で力を込める必要があるこのタイミングで左手を放し天井に向ける。
ランド「来い!」
伏兵か!そう思ったが誰も来ない。警戒していると途端にランドの左手が光に包まれる。え?魔法?こいつ、使えたっけ?とか考えていた時だった。ジンが聖剣を手に入れたあの日、ジンは眩い光に包まれた。なんとなくあの時の光に似てる。
あ!そういえばランドが投げたのは聖剣だ!光が収まるとその左手には聖剣が握られている。
俺「な!そんなのアリか!」
ランドはそのまま聖剣を振り下ろす。俺は後ろに倒れる様に回避したが、一歩遅かった。
ランド「フッ。」
俺「何だよ。」
ランド「やっとだ。やっと一撃入れたぞ!」
俺「掠っただけだっての!」
ランドの攻撃が俺の顎を少し斬っていた。
ランドが持っている2本の剣は大剣と言う程デカくは無いけどそれなりのサイズだ。そんな剣をそれぞれ両手に持ち、二刀流の構えになる。
ランド「確かに一撃とは言えないかも知れない。でも、俺にとっては十分な・・・・前進だ!」
ランドは両腕をクロスさせながら突進して来る。俺の間近に迫るとバツの字に斬り掛かって来る。すかさず2本の剣の中央に突きを打ち、動きを止める。
ランド「ぐっ!」
腕と脚に力を込めランドを押し返す。
ただその反動から立て直すのに少し時間が掛かった。先に体勢を立て直し、動いたのはランドだった。
右の剣が振り下ろされ、それを受け流すと今度は左の剣で突きを放つ。俺は躱すと直ぐに峰打ちを仕掛ける。
ランドは右の剣で受け止めると、左の剣で俺の胴を狙う。俺はスウェーで躱すが、流れる様な動きで2本の剣を同時に振り下ろす。
ランドは2本の剣を巧みに使い分け、片方を防御にもう片方を攻撃にと次々動きを変えて仕掛けて来る。だが更に厄介な事があった。隙あらば肘鉄や蹴りも飛んで来る。傭兵共の攻撃と二刀流、全く面倒で仕方ない。これは賭けだ。一気に仕掛けるしかない。
ランド「あ!」
俺はランド目掛け全力で刀を投げる。狙うはランドの右手の剣だ。あれはいわく付きってだけで聖剣じゃない。回収するとなると自ら拾いに行かなきゃならない。
ランド「ぐぁ!」
俺「良し!ビンゴ!」
自分で言うのも変だけど物理に限り何でも出来る特異体質で見事、ランドの右手の剣を弾き飛ばす。これでランドの攻撃力は半減だ!
とは言っても俺の方は刀を投げたから半分通り過ぎて0だけど。
それにしてもこの能力、狙って出来るのは良いけど相手の運すら改変してる気がする。なんか気になるけど、今はそんな事を気にしてる場合じゃないな。
俺は一気にランドとの距離を詰める。
ランド「ぐ!」
流石に躊躇するランド。こいつは真面目な奴だ。丸腰の相手に構わず剣を振る様な奴じゃない。俺はさっきと同じく握り拳を見せつつ、剣道の踏み込みの様に脚で地面を打ち鳴らす。
ランドは脚を踏まれた事を思い出しのか、避ける為に脚を浮かせる。俺はそこですかさずボディブローを入れた。
ランド「かは!・・・・ぐは!」
そして間髪を入れずにランドの左頬を拳で打ち抜く。ランドが地面に倒れ込むと聖剣も手から放れる。俺はその聖剣を蹴り、ランドから引き離す。
ランド「く、くそ!」
俺「もう終わりだ。」
ランド「だが!このままでは!」
俺「分かってる!だから・・・手を貸してくれ。」
ランド「な!何を・・・!」
俺「今まで色々考えた。だけど俺だけじゃ何も出来ない。知識が無いから知恵も浮かばない。だから助けてくれ。人族と魔族が和解する為に。頼むよ、相棒。」
ランド「シリウス。」
俺の出した手をランドが掴む。俺はそのまま引っ張り上げた。立たせた瞬間、ランドが反応する。
ランド「リディア!」
俺「へ?何?」
ランドが走り出す。何か聞こえた?
外で何かあったのか?ただ外が見える窓は小さい。そんな小窓から見ても状況がよく分からない。状況確認するなら外を見渡せる屋上の方が良いかも知れない。
同じ事を考えたのか、ランドは一目散に屋上へ向かう。俺もランドの剣を拾いつつ追い掛け、屋上へと駆け上がる。
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