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[Worldtrace2]
舞台裏
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魔物の森、北側の忘れられた遺跡。その入り口に冒険者5人とアダモス侯爵、そしてその執事の7人がいた。
冒険者1「ここあまり魔物がいなかったから楽に行けたけど、中にはこんな石コロしかなかったぞ?」
冒険者2「光ってはいるが宝石では無い様だしな。」
冒険者3「それに直接触れると手が荒れるんだ。回復薬を使えば直ぐ治るから、呪いの類いじゃないとは思うがな。布に包んでようやく触れたんだ。」
執事がその石を受け取る。
アダモス「それが・・・・神獣か?」
執事「ええ。まぁ、正確には依り代ですが。」
アダモス「何か言ったか?」
執事「いいえ。」
執事は布を捲る。
冒険者4「その石は何だ?見た事が無いぞ?」
執事「魔石と言う物です。この大陸は、魔力の総量が少ないのであまり形成される事はありませんが。」
冒険者1「どう使うんだよ?」
執事「中々に扱いが難しい物でしてね。このバナート大陸の南にある帝国ならこの魔石を加工し、魔法の依り代にする魔導具を作る事が出来ますよ。」
冒険者5「帝国って?」
冒険者2「この大陸の南、少し離れた所に諸島があるだろ?あそこを拠点とした国があるんだ。それが帝国さ。」
冒険者5「ああ、なんか7つだかの島で出来てる。何でそんなに小さい国が帝国なんて名乗ってるんだ?」
アダモス「知らんのか?帝国は元々このバナート大陸に領地が・・・。まぁ、庶民には関係の無い話だったな。それで?どうする?まさか帝国に持ち込むのか?」
執事「魔石の使用法は加工し術式を施した魔導具に埋め込み、使用者の魔力を呼び水に魔法を行使します。ですが、この石の使い方は違います。」
執事は石に直接、手を触れる。
冒険者3「あ!おい!何してる!」
執事「大丈夫ですよ。私は特別ですから。」
執事は自らの魔力を魔石へ流す。そしてその場にいる全員が心音の様な音を聞く。
アダモス「な、何だ?」
冒険者1「おい!その石から何か出てるぞ!」
執事「ええ、そうですね。」
冒険者2「何でそんなに冷静なんだ!」
執事「分かっていてやっている事ですから。」
石から何か黒い液体の様な物が現れ、辺りが一瞬で暗くなる。夜になった訳では無い。何か大きな物が日の光を遮り、影を作った訳でも無い。その場の全員が黒い布で覆われた様に外と隔離される。
冒険者3「おい!何だこりゃ!どうなってる!」
冒険者2「は!おい!いないぞ!」
気が付くと仲間2人の姿が消える。
冒険者3「じ、冗談じゃねぇよ!」
冒険者1「え?お、おい!」
更に仲間が消える。残るは冒険者が1人とアダモス侯爵、そして執事だけだった。
アダモス「何がどうなっている!お、おい!スコルアス!残っていた1人がいないぞ!」
アダモス侯爵はスコルアスと言われた執事に問い掛ける。
スコルアス「そろそろ話すくらいの力は手に入れた筈ですが。」
アダモス「な、何?」
?『まだ足りぬな。』
アダモス「へ?」
アダモス侯爵が声のした方を見る。虚空の筈の空間に2つの目らしき光が浮かんでいる。
スコルアス「それは追々。今は先の冒険者達とこの侯爵で我慢して下さい。侯爵、この方が貴方が探していた神獣様です。」
アダモス「何!・・・しかし、神獣と言うには少し邪悪では無いか?」
スコルアス「無礼ですよ。」
アダモス「な、何!」
ここに来て自分の執事の豹変に気付く。
アダモス「貴様の主人は儂だぞ!」
スコルアス「使用人としての私の主人は確かに貴方ですが、私が主と認める方はあの方のみ。そしてこちらの神獣様はその方の御子息。貴方とは比べられません。」
アダモス「何だと!」
?『そろそろ良いか?』
スコルアス「ええ。どうぞ。」
アダモス「何の話だ!」
先程の目の様な光を中心に空間が歪む。光は均等に移動し影から狼が現れる。大きさはかなりの物だった。もしかすると自分の屋敷以上かも知れない。そんな狼が大口を開ける。
アダモス「は?ま、待て!待てぇ!」
そしてアダモス侯爵は1呑みにされる。
スコルアス「お初にお目にかかります。フェンリル様。」
フェンリル『お前は我が眷属か?』
スコルアス「は!」
フェンリル『ふぅ、まだ喰い足りないな。しかし、親父殿にも困った物だ。こんな道楽に付き合わされるとは。我が本体は別の所にある故、本来の力も出ない。』
スコルアス「ですが、この『世界』ならば何をしても咎める神はおりませんよ。」
フェンリル『まぁ、良い。で?直ぐ動くのか?』
スコルアス「いえ、まだ少し時間が掛かります。」
フェンリル『良いだろう。しばらくは大人しく腹ごしらえでもしている。』
フェンリルは姿を消す。
スコルアス「さて、これで準備は整った。私も行くか。」
人族と魔族、そして"神"との戦いが始まる。
冒険者1「ここあまり魔物がいなかったから楽に行けたけど、中にはこんな石コロしかなかったぞ?」
冒険者2「光ってはいるが宝石では無い様だしな。」
冒険者3「それに直接触れると手が荒れるんだ。回復薬を使えば直ぐ治るから、呪いの類いじゃないとは思うがな。布に包んでようやく触れたんだ。」
執事がその石を受け取る。
アダモス「それが・・・・神獣か?」
執事「ええ。まぁ、正確には依り代ですが。」
アダモス「何か言ったか?」
執事「いいえ。」
執事は布を捲る。
冒険者4「その石は何だ?見た事が無いぞ?」
執事「魔石と言う物です。この大陸は、魔力の総量が少ないのであまり形成される事はありませんが。」
冒険者1「どう使うんだよ?」
執事「中々に扱いが難しい物でしてね。このバナート大陸の南にある帝国ならこの魔石を加工し、魔法の依り代にする魔導具を作る事が出来ますよ。」
冒険者5「帝国って?」
冒険者2「この大陸の南、少し離れた所に諸島があるだろ?あそこを拠点とした国があるんだ。それが帝国さ。」
冒険者5「ああ、なんか7つだかの島で出来てる。何でそんなに小さい国が帝国なんて名乗ってるんだ?」
アダモス「知らんのか?帝国は元々このバナート大陸に領地が・・・。まぁ、庶民には関係の無い話だったな。それで?どうする?まさか帝国に持ち込むのか?」
執事「魔石の使用法は加工し術式を施した魔導具に埋め込み、使用者の魔力を呼び水に魔法を行使します。ですが、この石の使い方は違います。」
執事は石に直接、手を触れる。
冒険者3「あ!おい!何してる!」
執事「大丈夫ですよ。私は特別ですから。」
執事は自らの魔力を魔石へ流す。そしてその場にいる全員が心音の様な音を聞く。
アダモス「な、何だ?」
冒険者1「おい!その石から何か出てるぞ!」
執事「ええ、そうですね。」
冒険者2「何でそんなに冷静なんだ!」
執事「分かっていてやっている事ですから。」
石から何か黒い液体の様な物が現れ、辺りが一瞬で暗くなる。夜になった訳では無い。何か大きな物が日の光を遮り、影を作った訳でも無い。その場の全員が黒い布で覆われた様に外と隔離される。
冒険者3「おい!何だこりゃ!どうなってる!」
冒険者2「は!おい!いないぞ!」
気が付くと仲間2人の姿が消える。
冒険者3「じ、冗談じゃねぇよ!」
冒険者1「え?お、おい!」
更に仲間が消える。残るは冒険者が1人とアダモス侯爵、そして執事だけだった。
アダモス「何がどうなっている!お、おい!スコルアス!残っていた1人がいないぞ!」
アダモス侯爵はスコルアスと言われた執事に問い掛ける。
スコルアス「そろそろ話すくらいの力は手に入れた筈ですが。」
アダモス「な、何?」
?『まだ足りぬな。』
アダモス「へ?」
アダモス侯爵が声のした方を見る。虚空の筈の空間に2つの目らしき光が浮かんでいる。
スコルアス「それは追々。今は先の冒険者達とこの侯爵で我慢して下さい。侯爵、この方が貴方が探していた神獣様です。」
アダモス「何!・・・しかし、神獣と言うには少し邪悪では無いか?」
スコルアス「無礼ですよ。」
アダモス「な、何!」
ここに来て自分の執事の豹変に気付く。
アダモス「貴様の主人は儂だぞ!」
スコルアス「使用人としての私の主人は確かに貴方ですが、私が主と認める方はあの方のみ。そしてこちらの神獣様はその方の御子息。貴方とは比べられません。」
アダモス「何だと!」
?『そろそろ良いか?』
スコルアス「ええ。どうぞ。」
アダモス「何の話だ!」
先程の目の様な光を中心に空間が歪む。光は均等に移動し影から狼が現れる。大きさはかなりの物だった。もしかすると自分の屋敷以上かも知れない。そんな狼が大口を開ける。
アダモス「は?ま、待て!待てぇ!」
そしてアダモス侯爵は1呑みにされる。
スコルアス「お初にお目にかかります。フェンリル様。」
フェンリル『お前は我が眷属か?』
スコルアス「は!」
フェンリル『ふぅ、まだ喰い足りないな。しかし、親父殿にも困った物だ。こんな道楽に付き合わされるとは。我が本体は別の所にある故、本来の力も出ない。』
スコルアス「ですが、この『世界』ならば何をしても咎める神はおりませんよ。」
フェンリル『まぁ、良い。で?直ぐ動くのか?』
スコルアス「いえ、まだ少し時間が掛かります。」
フェンリル『良いだろう。しばらくは大人しく腹ごしらえでもしている。』
フェンリルは姿を消す。
スコルアス「さて、これで準備は整った。私も行くか。」
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