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[Worldtrace2]
七転八倒
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毎度の事だから、今更言う事では無いと皆んな分かっている。しかしあの状況を見ると言いたくなる。
ゲイツ「あいつ、本当に馬鹿だな。」
ダン「いや、生粋の阿呆ですよ。」
ジーク「だが2人共、そう言いながら笑っているぞ。」
ティム「はぁ、しかしこんな状況で武器は捨てないだろ?普通。しかも座ってるしよ。」
ゲイツ「おい、皆んなに伝えろ。魔物と傭兵に貴族も、誰1人ガキ共に近付けさせるな!ってな。あいつ等の邪魔はさせるなよ。」
ティム「分かってるよ。今、伝えてる。」
ゲイツ「全く、後は上手くやれよ。」
皆がそれぞれ動く。そしてシリウスの行動で予定を狂わされた者が他にもいる。その内の1人。
ブロート「くそ!あの男!何を考えている!狂ってるのか!チッ、仕方ない。シナリオを多少変更しよう。」
それともう1人。
ランド「く!・・・・何故だ。」
ランドも予定を狂わされていた。制圧後、直ぐにブロートの所へ向かう筈だった。作戦会議の時、シリウスを抑えられるのは自分だけだと言ったが、今はシリウスの作った流れに乗せられている。情け無い事だが、やはり自分よりシリウスの方が上手だった。
ただ考えると確かにこの機会を逃せばシリウスと話す事はもう出来ないかも知れない。
ランド「済まないリディア。俺の剣を預かってくれないか?」
リディア「な!正気!」
ランド「シリウスは武器を捨ててまで俺と話したいと言ってくれたんだ。人としてここで受けない訳には行かないよ。」
リディア「なら預かる。でも私も一緒に行く。」
ランド「・・・・ああ!」
ランドとリディアは共に頷き、シリウスの前に座る。
俺「で?そいつは?」
リディア「はぁ!あんたこそ誰よ!」
ランド「落ち着け。彼女はリディア。」
ランドは目を閉じ深呼吸をする。そして覚悟を決めて言葉を紡ぐ。
ランド「俺の婚約者だ。」
リディア「ぷっ!」
いきなりリディアが吹き出す。あまりの内容だったのかシリウスは今まで、見た事が無い程の間の抜けた顔をして固まっていた。
ランド「お、おい、大丈夫か?」
シリウス「お前もかよぉ~!」
シリウスが何に驚いていたのかは分からない。しかし話さなければならない事が沢山ある。
ランド「聞いて欲しい事がある。何から話せば良いのか分からないけど。」
シリウス「はぁ~、良いよ。1から全部話せ。聞くから。」
ここ数日で自分に起きた事を全て話す。出会いから騒動。牢屋に泊まった事と初めて釣りをした事。結果は散々で集落の子供にからかわれた事、人を斬った事。
魔族の王子に連れられ魔族の都市に向かった事。外の大陸の話を聞き、見知らぬ道具まで見せて貰った事。
ランドはその初めての体験を父親と話しているかの様に夢中で語った。
シリウス「なんか俺の知らない間に、色々体験してたんだな。」
ランド「ああ!あれは凄かったぞ!それと・・・。は!あ、いや、済まないつい夢中になってしまった。」
シリウス「フッ、別に良いさ。お前もやっぱり人の子だな。少し安心したよ。」
リディア「ねぇ、この人。」
ランド「ん?」
リディア「おじさんみたい。」
シリウス「はぁ!何処がだよ!」
リディア「私は思った事言っただけよ!」
シリウス「いや、今はどうでも良いか。それで?お前はこれからどうするんだよ?」
ランド「今直ぐに皆んなの所に戻るのは無理だ。とにかく俺はこれから奴を討つ。」
シリウス「奴?」
ランド「ブ・・・。」
そこまで言い掛けて止まる。気が付くとランドの左肩に氷の塊が刺さっていた。
ゲイツ「あいつ、本当に馬鹿だな。」
ダン「いや、生粋の阿呆ですよ。」
ジーク「だが2人共、そう言いながら笑っているぞ。」
ティム「はぁ、しかしこんな状況で武器は捨てないだろ?普通。しかも座ってるしよ。」
ゲイツ「おい、皆んなに伝えろ。魔物と傭兵に貴族も、誰1人ガキ共に近付けさせるな!ってな。あいつ等の邪魔はさせるなよ。」
ティム「分かってるよ。今、伝えてる。」
ゲイツ「全く、後は上手くやれよ。」
皆がそれぞれ動く。そしてシリウスの行動で予定を狂わされた者が他にもいる。その内の1人。
ブロート「くそ!あの男!何を考えている!狂ってるのか!チッ、仕方ない。シナリオを多少変更しよう。」
それともう1人。
ランド「く!・・・・何故だ。」
ランドも予定を狂わされていた。制圧後、直ぐにブロートの所へ向かう筈だった。作戦会議の時、シリウスを抑えられるのは自分だけだと言ったが、今はシリウスの作った流れに乗せられている。情け無い事だが、やはり自分よりシリウスの方が上手だった。
ただ考えると確かにこの機会を逃せばシリウスと話す事はもう出来ないかも知れない。
ランド「済まないリディア。俺の剣を預かってくれないか?」
リディア「な!正気!」
ランド「シリウスは武器を捨ててまで俺と話したいと言ってくれたんだ。人としてここで受けない訳には行かないよ。」
リディア「なら預かる。でも私も一緒に行く。」
ランド「・・・・ああ!」
ランドとリディアは共に頷き、シリウスの前に座る。
俺「で?そいつは?」
リディア「はぁ!あんたこそ誰よ!」
ランド「落ち着け。彼女はリディア。」
ランドは目を閉じ深呼吸をする。そして覚悟を決めて言葉を紡ぐ。
ランド「俺の婚約者だ。」
リディア「ぷっ!」
いきなりリディアが吹き出す。あまりの内容だったのかシリウスは今まで、見た事が無い程の間の抜けた顔をして固まっていた。
ランド「お、おい、大丈夫か?」
シリウス「お前もかよぉ~!」
シリウスが何に驚いていたのかは分からない。しかし話さなければならない事が沢山ある。
ランド「聞いて欲しい事がある。何から話せば良いのか分からないけど。」
シリウス「はぁ~、良いよ。1から全部話せ。聞くから。」
ここ数日で自分に起きた事を全て話す。出会いから騒動。牢屋に泊まった事と初めて釣りをした事。結果は散々で集落の子供にからかわれた事、人を斬った事。
魔族の王子に連れられ魔族の都市に向かった事。外の大陸の話を聞き、見知らぬ道具まで見せて貰った事。
ランドはその初めての体験を父親と話しているかの様に夢中で語った。
シリウス「なんか俺の知らない間に、色々体験してたんだな。」
ランド「ああ!あれは凄かったぞ!それと・・・。は!あ、いや、済まないつい夢中になってしまった。」
シリウス「フッ、別に良いさ。お前もやっぱり人の子だな。少し安心したよ。」
リディア「ねぇ、この人。」
ランド「ん?」
リディア「おじさんみたい。」
シリウス「はぁ!何処がだよ!」
リディア「私は思った事言っただけよ!」
シリウス「いや、今はどうでも良いか。それで?お前はこれからどうするんだよ?」
ランド「今直ぐに皆んなの所に戻るのは無理だ。とにかく俺はこれから奴を討つ。」
シリウス「奴?」
ランド「ブ・・・。」
そこまで言い掛けて止まる。気が付くとランドの左肩に氷の塊が刺さっていた。
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