130 / 187
[Worldtrace2]
七転八倒
しおりを挟む
毎度の事だから、今更言う事では無いと皆んな分かっている。しかしあの状況を見ると言いたくなる。
ゲイツ「あいつ、本当に馬鹿だな。」
ダン「いや、生粋の阿呆ですよ。」
ジーク「だが2人共、そう言いながら笑っているぞ。」
ティム「はぁ、しかしこんな状況で武器は捨てないだろ?普通。しかも座ってるしよ。」
ゲイツ「おい、皆んなに伝えろ。魔物と傭兵に貴族も、誰1人ガキ共に近付けさせるな!ってな。あいつ等の邪魔はさせるなよ。」
ティム「分かってるよ。今、伝えてる。」
ゲイツ「全く、後は上手くやれよ。」
皆がそれぞれ動く。そしてシリウスの行動で予定を狂わされた者が他にもいる。その内の1人。
ブロート「くそ!あの男!何を考えている!狂ってるのか!チッ、仕方ない。シナリオを多少変更しよう。」
それともう1人。
ランド「く!・・・・何故だ。」
ランドも予定を狂わされていた。制圧後、直ぐにブロートの所へ向かう筈だった。作戦会議の時、シリウスを抑えられるのは自分だけだと言ったが、今はシリウスの作った流れに乗せられている。情け無い事だが、やはり自分よりシリウスの方が上手だった。
ただ考えると確かにこの機会を逃せばシリウスと話す事はもう出来ないかも知れない。
ランド「済まないリディア。俺の剣を預かってくれないか?」
リディア「な!正気!」
ランド「シリウスは武器を捨ててまで俺と話したいと言ってくれたんだ。人としてここで受けない訳には行かないよ。」
リディア「なら預かる。でも私も一緒に行く。」
ランド「・・・・ああ!」
ランドとリディアは共に頷き、シリウスの前に座る。
俺「で?そいつは?」
リディア「はぁ!あんたこそ誰よ!」
ランド「落ち着け。彼女はリディア。」
ランドは目を閉じ深呼吸をする。そして覚悟を決めて言葉を紡ぐ。
ランド「俺の婚約者だ。」
リディア「ぷっ!」
いきなりリディアが吹き出す。あまりの内容だったのかシリウスは今まで、見た事が無い程の間の抜けた顔をして固まっていた。
ランド「お、おい、大丈夫か?」
シリウス「お前もかよぉ~!」
シリウスが何に驚いていたのかは分からない。しかし話さなければならない事が沢山ある。
ランド「聞いて欲しい事がある。何から話せば良いのか分からないけど。」
シリウス「はぁ~、良いよ。1から全部話せ。聞くから。」
ここ数日で自分に起きた事を全て話す。出会いから騒動。牢屋に泊まった事と初めて釣りをした事。結果は散々で集落の子供にからかわれた事、人を斬った事。
魔族の王子に連れられ魔族の都市に向かった事。外の大陸の話を聞き、見知らぬ道具まで見せて貰った事。
ランドはその初めての体験を父親と話しているかの様に夢中で語った。
シリウス「なんか俺の知らない間に、色々体験してたんだな。」
ランド「ああ!あれは凄かったぞ!それと・・・。は!あ、いや、済まないつい夢中になってしまった。」
シリウス「フッ、別に良いさ。お前もやっぱり人の子だな。少し安心したよ。」
リディア「ねぇ、この人。」
ランド「ん?」
リディア「おじさんみたい。」
シリウス「はぁ!何処がだよ!」
リディア「私は思った事言っただけよ!」
シリウス「いや、今はどうでも良いか。それで?お前はこれからどうするんだよ?」
ランド「今直ぐに皆んなの所に戻るのは無理だ。とにかく俺はこれから奴を討つ。」
シリウス「奴?」
ランド「ブ・・・。」
そこまで言い掛けて止まる。気が付くとランドの左肩に氷の塊が刺さっていた。
ゲイツ「あいつ、本当に馬鹿だな。」
ダン「いや、生粋の阿呆ですよ。」
ジーク「だが2人共、そう言いながら笑っているぞ。」
ティム「はぁ、しかしこんな状況で武器は捨てないだろ?普通。しかも座ってるしよ。」
ゲイツ「おい、皆んなに伝えろ。魔物と傭兵に貴族も、誰1人ガキ共に近付けさせるな!ってな。あいつ等の邪魔はさせるなよ。」
ティム「分かってるよ。今、伝えてる。」
ゲイツ「全く、後は上手くやれよ。」
皆がそれぞれ動く。そしてシリウスの行動で予定を狂わされた者が他にもいる。その内の1人。
ブロート「くそ!あの男!何を考えている!狂ってるのか!チッ、仕方ない。シナリオを多少変更しよう。」
それともう1人。
ランド「く!・・・・何故だ。」
ランドも予定を狂わされていた。制圧後、直ぐにブロートの所へ向かう筈だった。作戦会議の時、シリウスを抑えられるのは自分だけだと言ったが、今はシリウスの作った流れに乗せられている。情け無い事だが、やはり自分よりシリウスの方が上手だった。
ただ考えると確かにこの機会を逃せばシリウスと話す事はもう出来ないかも知れない。
ランド「済まないリディア。俺の剣を預かってくれないか?」
リディア「な!正気!」
ランド「シリウスは武器を捨ててまで俺と話したいと言ってくれたんだ。人としてここで受けない訳には行かないよ。」
リディア「なら預かる。でも私も一緒に行く。」
ランド「・・・・ああ!」
ランドとリディアは共に頷き、シリウスの前に座る。
俺「で?そいつは?」
リディア「はぁ!あんたこそ誰よ!」
ランド「落ち着け。彼女はリディア。」
ランドは目を閉じ深呼吸をする。そして覚悟を決めて言葉を紡ぐ。
ランド「俺の婚約者だ。」
リディア「ぷっ!」
いきなりリディアが吹き出す。あまりの内容だったのかシリウスは今まで、見た事が無い程の間の抜けた顔をして固まっていた。
ランド「お、おい、大丈夫か?」
シリウス「お前もかよぉ~!」
シリウスが何に驚いていたのかは分からない。しかし話さなければならない事が沢山ある。
ランド「聞いて欲しい事がある。何から話せば良いのか分からないけど。」
シリウス「はぁ~、良いよ。1から全部話せ。聞くから。」
ここ数日で自分に起きた事を全て話す。出会いから騒動。牢屋に泊まった事と初めて釣りをした事。結果は散々で集落の子供にからかわれた事、人を斬った事。
魔族の王子に連れられ魔族の都市に向かった事。外の大陸の話を聞き、見知らぬ道具まで見せて貰った事。
ランドはその初めての体験を父親と話しているかの様に夢中で語った。
シリウス「なんか俺の知らない間に、色々体験してたんだな。」
ランド「ああ!あれは凄かったぞ!それと・・・。は!あ、いや、済まないつい夢中になってしまった。」
シリウス「フッ、別に良いさ。お前もやっぱり人の子だな。少し安心したよ。」
リディア「ねぇ、この人。」
ランド「ん?」
リディア「おじさんみたい。」
シリウス「はぁ!何処がだよ!」
リディア「私は思った事言っただけよ!」
シリウス「いや、今はどうでも良いか。それで?お前はこれからどうするんだよ?」
ランド「今直ぐに皆んなの所に戻るのは無理だ。とにかく俺はこれから奴を討つ。」
シリウス「奴?」
ランド「ブ・・・。」
そこまで言い掛けて止まる。気が付くとランドの左肩に氷の塊が刺さっていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
スコップ1つで異世界征服
葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。
その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。
怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい......
※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。
※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。
※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。
※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。

王女殿下の死神
三笠 陣
ファンタジー
アウルガシア大陸の大国、ロンダリア連合王国。
産業革命を成し遂げ、海洋発展の道を進もうとするこの王国には、一人の王女がいた。
エルフリード・ティリエル・ラ・ベイリオル、御年十六歳の少女は陸軍騎兵中尉として陸軍大学校に籍を置く「可憐」とはほど遠い、少年のような王族。
そんな彼女の隣には、いつも一人の少年の影があった。
リュシアン・エスタークス。
魔導貴族エスタークス伯爵家を継いだ魔術師にして、エルフリード王女と同い年の婚約者。
そんな彼に付けられた二つ名は「黒の死神」。
そんな王女の側に控える死神はある日、王都を揺るがす陰謀に遭遇する。
友好国の宰相が来訪している最中を狙って、王政打倒を唱える共和主義者たちが動き出したのである。
そして、その背後には海洋覇権を巡って対立するヴェナリア共和国の影があった。
魔術師と諜報官と反逆者が渦巻く王都で、リュシアンとエルフリードは駆ける。
(本作は、「小説家になろう」様にて掲載した同名の小説を加筆修正したものとなります。)
無法の街-アストルムクロニカ-(挿し絵有り)
くまのこ
ファンタジー
かつて高度な魔法文明を誇り、その力で世界全てを手中に収めようとした「アルカナム魔導帝国」。
だが、ある時、一夜にして帝都は壊滅し、支配者を失った帝国の栄華は突然の終焉を迎えた。
瓦礫の山と化した帝都跡は長らく忌み地の如く放置されていた。
しかし、近年になって、帝都跡から発掘される、現代では再現不可能と言われる高度な魔法技術を用いた「魔導絡繰り」が、高値で取引されるようになっている。
物によっては黄金よりも価値があると言われる「魔導絡繰り」を求める者たちが、帝都跡周辺に集まり、やがて、そこには「街」が生まれた。
どの国の支配も受けない「街」は自由ではあったが、人々を守る「法」もまた存在しない「無法の街」でもあった。
そんな「無法の街」に降り立った一人の世間知らずな少年は、当然の如く有り金を毟られ空腹を抱えていた。
そこに現れた不思議な男女の助けを得て、彼は「無法の街」で生き抜く力を磨いていく。
※「アストルムクロニカ-箱庭幻想譚-」の数世代後の時代を舞台にしています※
※サブタイトルに「◆」が付いているものは、主人公以外のキャラクター視点のエピソードです※
※この物語の舞台になっている惑星は、重力や大気の組成、気候条件、太陽にあたる恒星の周囲を公転しているとか月にあたる衛星があるなど、諸々が地球とほぼ同じと考えていただいて問題ありません。また、人間以外に生息している動植物なども、特に記載がない限り、地球上にいるものと同じだと思ってください※
※固有名詞や人名などは、現代日本でも分かりやすいように翻訳したものもありますので御了承ください※
※詳細なバトル描写などが出てくる可能性がある為、保険としてR-15設定しました※
※あくまで御伽話です※
※この作品は「ノベルアッププラス」様、「カクヨム」様、「小説家になろう」様でも掲載しています※
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる