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[Worldtrace2]
急変
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?「僥倖だな。」
ランド「誰だ!」
ハッと気付き声の方を向く。
?「私はブロート・ハーベイ伯爵である。頭が高いぞ。小僧。」
ランド「な!」
ランドがその男の身分を聞くと身体は自然に動く。貴族として染み付いた習慣が片膝をつかせ頭を下げさせる。
ここに来て驚かされる事ばかり起きる。こんな森の奥に伯爵という地位の人間が自ら訪れるとは思わなかった。そして同時にこんな状況にも関わらず、自然と頭を下げた自分にも驚く。ただ、今はそれ所じゃない。
ランド「伯爵様とは知らず無礼を致しました。」
ブロート「フッ、良く躾けられているな。」
ランド「伯爵様!この者達は伯爵様の私兵にございますか?」
ブロート「そうだ。」
ランド「失礼ながらこの者達は洗脳されておりました。それにこの村には人族との争いを好む者はおりません!」
ブロート「安心しろ。全て承知している。」
ランド「は?・・・全て、とは?」
ブロート「"全て"だよ。その者達が洗脳されていたのも、この村の者に戦う意思が無かった事も。そして更に言うならば、その者達を洗脳したのは私だ。」
ランド「な、何だって!」
ランドは怒りが込み上げて来る。
ランド「何故だ!知っていたなら何故攻めた!」
ブロート「お前がいたからさ。」
ランド「え!」
ブロート「予測演算はあくまでも予測でしか無い。勿論、放って置けば勝手にその流れになる。」
ランド「何の話だ!」
ブロート「だが、この『世界』にはノルンの使徒がいる。奴は自分の気に入らない出来事は全て改ざんするだろう。それは容認出来ない。奴が現れる前にとにかくシナリオを進めなければならないと思ってな。」
ランド「?」
ブロート「つまりお前達は指示された通りに動く、ただの人形なのさ。」
ランド「だ、誰だ!誰の指示でこんな事をしたんだ!」
ブロート「誰、と言う話では無いが・・・そうだな。敢えて言うなら神だな。」
ランド「そんな!」
ランドは相手が神と聞き恐怖する。そんな途方も無い存在とは戦えない。
ランドが恐怖を覚えた理由はそれだけでは無い。今まで自分でどう行動するか決めていた筈だ。それすら本人の意思では無いのか?今感じている感情は?本物なのか?それとも偽物なのか?今ここにいる事も全て手の平の上なのか?
疑問が次から次へと押し寄せて来るが、ランドはある言葉を思い出す。
ランド「ノルンの使徒とは誰の事だ。」
その者だけが流れを変えられる。ならもし味方にする事が出来れば状況は大いに変わる。
ブロート「そいつはお前も知っている男だ。しかし、今は会えないぞ。」
ランド「何故だ!」
ブロート「お前にはその男と戦って貰う。安心しろ。あの女を救いたいなら勝てば良い。簡単だ。」
女と言われリディア事だと感じる。それと同時に自分のした事も思い出す。
ブロート「それにしてもあの女は良いタイミングで現れた。今回1番必要だったのはお前に騎士達を斬らせる事だったからな。」
ランド「な!どうして!」
ブロート「お前に魔族側の人間として戦場に立って貰う為だ。人を斬ったんだ。弁解の余地も無い。」
ランド「俺が伯爵の策略だと言えば済む筈だ。」
ブロート「分かっていないな。事実はどうであれ、廃嫡された元貴族の言葉と伯爵の言葉のどちらを信じるのか。結果は明らかだと思うがな。」
ランド「ぐ!」
確かに事情を知らない他人からすれば、廃嫡される様な失態を犯す人間だ。そんな男の話を普通は信じない。
ブロート「フン。お前の仲間の傭兵達は正確に判断するだろうが、この『世界』にいる他の人間は違う。お前の仲間以外は確実にお前を疑う。それが階級制度のあるこの『世界』の正義だ。それに私の部下達にも証言をさせる。」
ランド「どうやって?今は洗脳してる筈だ。覚えていない事を証言させるのは無理だ。」
ブロート「安心しろ。お前が"仲間の騎士を斬った。"という認識はちゃんと出来ている。」
ランド「な、ならこの会話も聞いている筈だ。」
ブロート「フッ、音声は記憶しない様にしてある。今、脳内にあるのはお前の戦闘時の映像だけだ。奴等は会話も無く仲間を斬るお前の姿しか記憶していないさ。」
ランド「く!・・・彼等は仲間だろう!何故洗脳した!」
ブロート「理由は色々ある。途中で恐怖に負けて退かれても困る。それとは逆に、激昂し攻めに転じてお前にもしもの事があっても駄目だ。人間は匙加減が難しいのさ。ならば元から感情が無い映像記録媒体として使えば良い。そう思ったのだ。さて、これで私の用事は済んだ。そろそろ帰るとしよう。」
ランド「俺もこのまま"イージス"に帰る事は出来るぞ!」
ブロート「その場合はあの女を八つ裂きにすれば良い。」
ランド「お、お前!」
ブロート「それではな。後の事は任せるぞ。」
ブロートは語るだけ語ると騎士を連れて退却して行った。
リディア「ランド!大丈夫?」
ランド「リディア。・・ああ、大丈夫だ。」
村の現状を把握する為、リディアと共に生き残った村人の所へ向かう。村の子供達と戦闘に参加していない女性達は無事だった。他には村の警備をしていた兵士、数名が生きていた。亡くなった者はリディアの父の族長、それと村で戦闘訓練をしていた若者数名だった。その中には何度となく衝突して来たあの村人もいた。何故こんな事態になったのか?皆、理由も分からず途方に暮れる。だが1人の魔族が声を上げる。
男「おい!あんた!何か知ってるんじゃないのか!」
ランド「え!」
男「あんたがここに来た時から嫌な予感がしてたんだ!」
リディア「ちょっと!何言ってるの!」
ランド「いや、待ってくれリディア。それに皆んなも聞いてくれ。」
ランドは知っている事を全て包み隠さず話す。
男「はっ!神だって!何を言ってるんだ!」
兵士「それに突然、"人形だ"とか言われて納得出来るか!」
女「それにあんたが嘘付いてる事も考えられるじゃないか!」
ランド「確かに証明は出来ない。だけど俺にも分からないんだ。何が事実か。」
男「しかし、昨日今日知り合った人間を簡単に信じる事は出来ん!」
リディア「彼は私を助ける為に同族を斬ったのよ!そんな人が敵な訳無いじゃない!」
リディアはランドを庇う。しかし実際の所どこまでが事実で、何が真実か分からない現状では誰もが正しく判断出来なかった。その時、外を警戒していた兵士が走って来る。
兵士「おい!誰か来たぞ!・・・・リディア、どうする?」
リディア「え!・・・ああ、そうか。どうしよう。」
ランド「来たのは何者だ?種族は?」
兵士「見た限りでは魔族だが、何か身なりが良いんだ。もしかしたら魔王軍の人かも知れない。」
ランド「魔王軍は壊滅したんじゃないのか?」
男「正確な情報は分からない。噂では魔王の息子達が魔族を集め、戦いの準備をしているらしい。」
女「ちょっと!その事、言って良いの?」
男「今更だろ。」
ランドは考える。魔王に息子がいた事も驚きだが、軍が再編されているという話にも驚く。本来なら急いで仲間に伝えるべきだが、今はそれ所では無い。それにもし自分が"イージス"に戻ればこの村の魔族、リディア達がどうなるか分からない。考えれば考える程、答えが出ない。その内に馬に乗った魔族達が現れた。恐らく例の魔王軍の連中だろう。
男「あんたら何者だ。」
側近と思われる男が前に出る。
側近「お前達!頭が高いぞ!このお方こそ、魔王アーサー様の第一子、アレクサンダー王太子殿下であるぞ!」
兵士「は!ははぁ!」
その場にいた魔族達は皆んな平伏する。ランドも片膝をつき頭を下げる。王太子と言われた魔族の歳は、恐らくランドより少し若い様に見える。ただ魔王の息子と言うだけの風格はある様に思える。
アレクサンダー「落ち着け。国も無いのに王太子と呼ぶ必要は無い。」
側近「そうは参りません!」
アレクサンダー「はぁ、それより気になる事がある。そこの人族は何だ?奴隷では無いな。捕虜とも違う様に見えるが?」
ランド「お、俺は!」
リディア「わ、私の婚約者です!」
村人一同「え!」
側近「ふざけるな!人族が婚約者だと!」
アレクサンダー「フッ、面白い。娘、その言葉に偽りは無いんだな。」
リディア「はい!」
アレクサンダー「男、間違いは無いか?」
ランド「は、はい。」
ここで違うとは言えない。それを言えばリディアが不敬罪に問われるかも知れない。
アレクサンダー「では、その男に関する事象は全てその娘に責任を取って貰う。分かったな。」
アレクサンダーがランドの目を見て確認して来る。実質、彼女の命が惜しければ何もするなと言う脅しだった。それを理解した上でランドは頷く。
ランド「はい!心得ました!」
リディア「貴方が言うの?」
ランド「誰だ!」
ハッと気付き声の方を向く。
?「私はブロート・ハーベイ伯爵である。頭が高いぞ。小僧。」
ランド「な!」
ランドがその男の身分を聞くと身体は自然に動く。貴族として染み付いた習慣が片膝をつかせ頭を下げさせる。
ここに来て驚かされる事ばかり起きる。こんな森の奥に伯爵という地位の人間が自ら訪れるとは思わなかった。そして同時にこんな状況にも関わらず、自然と頭を下げた自分にも驚く。ただ、今はそれ所じゃない。
ランド「伯爵様とは知らず無礼を致しました。」
ブロート「フッ、良く躾けられているな。」
ランド「伯爵様!この者達は伯爵様の私兵にございますか?」
ブロート「そうだ。」
ランド「失礼ながらこの者達は洗脳されておりました。それにこの村には人族との争いを好む者はおりません!」
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ランド「は?・・・全て、とは?」
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ランド「な、何だって!」
ランドは怒りが込み上げて来る。
ランド「何故だ!知っていたなら何故攻めた!」
ブロート「お前がいたからさ。」
ランド「え!」
ブロート「予測演算はあくまでも予測でしか無い。勿論、放って置けば勝手にその流れになる。」
ランド「何の話だ!」
ブロート「だが、この『世界』にはノルンの使徒がいる。奴は自分の気に入らない出来事は全て改ざんするだろう。それは容認出来ない。奴が現れる前にとにかくシナリオを進めなければならないと思ってな。」
ランド「?」
ブロート「つまりお前達は指示された通りに動く、ただの人形なのさ。」
ランド「だ、誰だ!誰の指示でこんな事をしたんだ!」
ブロート「誰、と言う話では無いが・・・そうだな。敢えて言うなら神だな。」
ランド「そんな!」
ランドは相手が神と聞き恐怖する。そんな途方も無い存在とは戦えない。
ランドが恐怖を覚えた理由はそれだけでは無い。今まで自分でどう行動するか決めていた筈だ。それすら本人の意思では無いのか?今感じている感情は?本物なのか?それとも偽物なのか?今ここにいる事も全て手の平の上なのか?
疑問が次から次へと押し寄せて来るが、ランドはある言葉を思い出す。
ランド「ノルンの使徒とは誰の事だ。」
その者だけが流れを変えられる。ならもし味方にする事が出来れば状況は大いに変わる。
ブロート「そいつはお前も知っている男だ。しかし、今は会えないぞ。」
ランド「何故だ!」
ブロート「お前にはその男と戦って貰う。安心しろ。あの女を救いたいなら勝てば良い。簡単だ。」
女と言われリディア事だと感じる。それと同時に自分のした事も思い出す。
ブロート「それにしてもあの女は良いタイミングで現れた。今回1番必要だったのはお前に騎士達を斬らせる事だったからな。」
ランド「な!どうして!」
ブロート「お前に魔族側の人間として戦場に立って貰う為だ。人を斬ったんだ。弁解の余地も無い。」
ランド「俺が伯爵の策略だと言えば済む筈だ。」
ブロート「分かっていないな。事実はどうであれ、廃嫡された元貴族の言葉と伯爵の言葉のどちらを信じるのか。結果は明らかだと思うがな。」
ランド「ぐ!」
確かに事情を知らない他人からすれば、廃嫡される様な失態を犯す人間だ。そんな男の話を普通は信じない。
ブロート「フン。お前の仲間の傭兵達は正確に判断するだろうが、この『世界』にいる他の人間は違う。お前の仲間以外は確実にお前を疑う。それが階級制度のあるこの『世界』の正義だ。それに私の部下達にも証言をさせる。」
ランド「どうやって?今は洗脳してる筈だ。覚えていない事を証言させるのは無理だ。」
ブロート「安心しろ。お前が"仲間の騎士を斬った。"という認識はちゃんと出来ている。」
ランド「な、ならこの会話も聞いている筈だ。」
ブロート「フッ、音声は記憶しない様にしてある。今、脳内にあるのはお前の戦闘時の映像だけだ。奴等は会話も無く仲間を斬るお前の姿しか記憶していないさ。」
ランド「く!・・・彼等は仲間だろう!何故洗脳した!」
ブロート「理由は色々ある。途中で恐怖に負けて退かれても困る。それとは逆に、激昂し攻めに転じてお前にもしもの事があっても駄目だ。人間は匙加減が難しいのさ。ならば元から感情が無い映像記録媒体として使えば良い。そう思ったのだ。さて、これで私の用事は済んだ。そろそろ帰るとしよう。」
ランド「俺もこのまま"イージス"に帰る事は出来るぞ!」
ブロート「その場合はあの女を八つ裂きにすれば良い。」
ランド「お、お前!」
ブロート「それではな。後の事は任せるぞ。」
ブロートは語るだけ語ると騎士を連れて退却して行った。
リディア「ランド!大丈夫?」
ランド「リディア。・・ああ、大丈夫だ。」
村の現状を把握する為、リディアと共に生き残った村人の所へ向かう。村の子供達と戦闘に参加していない女性達は無事だった。他には村の警備をしていた兵士、数名が生きていた。亡くなった者はリディアの父の族長、それと村で戦闘訓練をしていた若者数名だった。その中には何度となく衝突して来たあの村人もいた。何故こんな事態になったのか?皆、理由も分からず途方に暮れる。だが1人の魔族が声を上げる。
男「おい!あんた!何か知ってるんじゃないのか!」
ランド「え!」
男「あんたがここに来た時から嫌な予感がしてたんだ!」
リディア「ちょっと!何言ってるの!」
ランド「いや、待ってくれリディア。それに皆んなも聞いてくれ。」
ランドは知っている事を全て包み隠さず話す。
男「はっ!神だって!何を言ってるんだ!」
兵士「それに突然、"人形だ"とか言われて納得出来るか!」
女「それにあんたが嘘付いてる事も考えられるじゃないか!」
ランド「確かに証明は出来ない。だけど俺にも分からないんだ。何が事実か。」
男「しかし、昨日今日知り合った人間を簡単に信じる事は出来ん!」
リディア「彼は私を助ける為に同族を斬ったのよ!そんな人が敵な訳無いじゃない!」
リディアはランドを庇う。しかし実際の所どこまでが事実で、何が真実か分からない現状では誰もが正しく判断出来なかった。その時、外を警戒していた兵士が走って来る。
兵士「おい!誰か来たぞ!・・・・リディア、どうする?」
リディア「え!・・・ああ、そうか。どうしよう。」
ランド「来たのは何者だ?種族は?」
兵士「見た限りでは魔族だが、何か身なりが良いんだ。もしかしたら魔王軍の人かも知れない。」
ランド「魔王軍は壊滅したんじゃないのか?」
男「正確な情報は分からない。噂では魔王の息子達が魔族を集め、戦いの準備をしているらしい。」
女「ちょっと!その事、言って良いの?」
男「今更だろ。」
ランドは考える。魔王に息子がいた事も驚きだが、軍が再編されているという話にも驚く。本来なら急いで仲間に伝えるべきだが、今はそれ所では無い。それにもし自分が"イージス"に戻ればこの村の魔族、リディア達がどうなるか分からない。考えれば考える程、答えが出ない。その内に馬に乗った魔族達が現れた。恐らく例の魔王軍の連中だろう。
男「あんたら何者だ。」
側近と思われる男が前に出る。
側近「お前達!頭が高いぞ!このお方こそ、魔王アーサー様の第一子、アレクサンダー王太子殿下であるぞ!」
兵士「は!ははぁ!」
その場にいた魔族達は皆んな平伏する。ランドも片膝をつき頭を下げる。王太子と言われた魔族の歳は、恐らくランドより少し若い様に見える。ただ魔王の息子と言うだけの風格はある様に思える。
アレクサンダー「落ち着け。国も無いのに王太子と呼ぶ必要は無い。」
側近「そうは参りません!」
アレクサンダー「はぁ、それより気になる事がある。そこの人族は何だ?奴隷では無いな。捕虜とも違う様に見えるが?」
ランド「お、俺は!」
リディア「わ、私の婚約者です!」
村人一同「え!」
側近「ふざけるな!人族が婚約者だと!」
アレクサンダー「フッ、面白い。娘、その言葉に偽りは無いんだな。」
リディア「はい!」
アレクサンダー「男、間違いは無いか?」
ランド「は、はい。」
ここで違うとは言えない。それを言えばリディアが不敬罪に問われるかも知れない。
アレクサンダー「では、その男に関する事象は全てその娘に責任を取って貰う。分かったな。」
アレクサンダーがランドの目を見て確認して来る。実質、彼女の命が惜しければ何もするなと言う脅しだった。それを理解した上でランドは頷く。
ランド「はい!心得ました!」
リディア「貴方が言うの?」
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