Worldtrace

［Worldtrace２］

状況整理と最終目標

短剣を持った男を蹴り飛ばしクリスを助ける。今回、結果としては良い方だ。
そういえば、支部長のガルマンがさっき叫んでいた。やっと意識を取り戻したんだろう。これで奴が解散宣言をして今回の騒動はお開きだな。

ガルマン「ぶくぶく・・・。」

また気絶してる。３回目は無いだろう？
はぁ、仕方ない。

俺「ほら！解散！解散！もう流石に何も起きないぞ！」

俺は野次馬を追い払う。

クリス「メリアさんどうぞ。」

クリスが手を差し伸べる。

メリア「メリアで良い。"さん"は要らない。」

クリス「なら僕もクリスで構いません。」

メリア「・・・おう！クリス！」

メリアはクリスの手を掴み立ち上がる。

マーク「クリス様！駄目です！そんな荒くれ者に愛称で呼ばせるなんて！そもそも、この女はクリス様を愚弄したのですよ！」

メリア「それは悪かったよ。全く、五月蝿い小間使いだ。」

２人は喧嘩を始める。いや、もう終わりにしよう？流石に疲れたよ。

野次馬１「それにしても貴族様って皆んなあんなに強いの？」

野次馬２「馬鹿言え、貴族は基本は鍛えない見掛け倒ししかいないよ。」

野次馬１「え？じゃあ何であんなに強いの？」

野次馬２「そりゃあ・・・・鍛えたんじゃないか？」

確かにゲームの方のクリスはこんなに強く無かった筈。俺がまた無駄に強くしたのか？
でもこれから色々と大変な事が起きる。力はあった方が良い。それに主人公が強くなるのに何の間違いも無い筈だ。俺のしている事は正しい。そう思い込む事にしよう。
結局メリア達は依頼を受けてくれる事にはなったけど、ガルマンが気絶していたから正式な契約は出来なかった。それにもう日が暮れ始めていたし、森への調査は後日に改めて向かうという事にして今日は宿で１泊する。
それにしても俺がこの『世界』に来てから今年で約１９年だ。人類滅亡を防ぐ為に魔王討伐の依頼を強制受注させられ、この『世界』に放り出された。なんとかその依頼は達成出来たけど、また新しい依頼が来た。今度のは"人族に多大な被害を出しながら魔族を全滅させる。"ＥＮＤと、"魔族が革命を成功させ国を滅ぼす"ＥＮＤの２つを回避して和解ＥＮＤを探すって依頼だ。でも１人だとキツいなぁ。やっぱりちゃんと話して協力を頼んだ方が良かったかな？でもなぁ。ほとんど確定して無い情報ばかりだ。見切り発車で変な事になっても困る。それに無駄骨でも疲れるのが俺だけなら良いけど、人を付き合わせて無駄骨だとなんか申し訳ない。
因みにジンのルートに関しては復讐がメインだから、どっちが勝とうがあまり意味が無い。復讐フラグもへし折ったし、もうこっちは気にしなくても良いだろう。とにかく今、重要なのはクリスとランドだ。
次のイベントの森で起きる騒動をクリアして、それからの事は後で考えよう。
さて次のイベントの内容は森に入ると、魔族に奇襲される。そしてクリスを庇いマークが撃たれる。正直に言って五月蝿いだけの小間使いだ。イライラする事もある。ただここまで一緒に旅をして来た奴だ。簡単に死なれても気分が悪い。マークの位置と魔族の動きに注意をしないと。俺は本体の記憶を思い出しながら明日に備える。