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[Worldtrace2]
悩み
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オバさん「気を付けてね?」
オジさん「またいつでも帰っておいで。」
マリア「待ってるわ。シリウス君。」
俺は3人に見送られながらアストに向かう。別にそこまで気にしてる訳じゃないけど、ジンとの違いに少しショックを受けている。まぁ、ジンはここの領主で英雄だ。見送る人の人数に違いがあっても不思議じゃないさ。でも一応事件を解決した功労者の1人として、少しは気にして欲しいとか思う。ただ俺はあがり症で、下手に注目されると緊張で動けなくなる。だから正直このくらいが丁度良いとも思う。我ながら面倒臭いな。やめよう。考えるの。
気持ちを切り替えてとにかく向かう事にしよう。村から離れた所で俺はバイクを出す。バイクを手に入れてから移動はかなり楽になった。良い事なんだけどメンテナンスとかしてないし、そもそもガソリンは?って自分でも疑問に思う。仕様は聖剣と同じらしくメンテナンス不用でエネルギーも使用してない間に自動充電みたいだ。凄いなこのバイク!って、現実逃避してる場合じゃないな。そろそろ本題に戻るか。
さて、なんと切り出すか?ただの傭兵がフラっと行って、公爵家の仕事に連れてってと言っても、何言ってんだこいつ?ってなるだろう。視察先で賊に襲われるって言っても情報の出所を聞かれる。神様の御告げじゃ通らないだろう。俺としては事実だけど人からするとただの戯言だし。ただ追い出されるだけなら良い。変な奴って事で逮捕されたら目も当てられない。
ふ~む。良し!ここは正面突破だ!
俺「と言う訳で君の視察に連れてって。」
クリストファー「あ、あの、1つ伺っても良いですか?」
俺「ん?どうした?」
クリストファー「こちらにいらっしゃって直ぐに"と言う訳で"と仰られても話が分からないのですが?どういう事ですか?」
う~ん。とにかく説明せずに勢いと流れで"うん"と言わせて、押し切る作戦だったが駄目か。
クロード「前々から可笑しな男だと思ってはいたがまさかここまでとはな。」
俺「何が?」
クロード「なんの説明も無く許可される訳が無い。」
クリストファー「それに姉上には話したのですか?」
俺「え?何で?」
クリストファー「シリウスさんは常に姉上と一緒に行動していたと感じていましたから、それに何か姉上に頼まれてここに来たのかもと思いまして。」
俺「いや、アイリスは関係無い。」
クロード「おい!」
俺「何だよ?」
クロード「お嬢様を呼び捨てにするな!」
俺「いや、今更だろ。」
クリストファー「落ち着いてくれ、クロード。父上の名代として視察に向かうだけですから必要はありませんが、護衛として共に行きますか?シリウスさん。」
俺「おう!行く行く!」
クロード「な!よろしいのですか!」
クリストファー「ここまで仰るのは何か理由があると思う。それに人には中々話せない事もあるじゃないか。」
クロード「何か裏があるかも知れません!」
クリストファー「しかし姉上の大事な人だ。そんな人が僕に危害を加えないさ。」
少し気になるフレーズが聞こえたけど話は続いてる。ここで遮るとまた厄介だ。
クロード「分かりました。くれぐれもお気を付けて。」
やっぱり来ないか。ゲームでも近くにいなかった。
俺「何?来ないの?」
クロード「お嬢様発案の新魔導具、その調整実験がある。その補佐に向かわねばならない。」
俺「そういえば魔導発電機だっけ?あれ凄いな!どうしたの?」
クロード「そうだろう?お嬢様の発想、そして構想は素晴らしい。王国の文明が100年は進んだ。」
その着想が何処から来てるかは敢えて言うまい。その辺の話を詳しく聞きたかったけど今回は別件だ。次回に期待するとして先ずは仕事を片付けよう。
俺「それで?いつ行くんだ?」
クリストファー「今日はまだしなければならない事があるので明日向かいます。今日は離れに滞在して下さい。シリウスさん。」
俺「お!有り難い!そうするよ。」
クロード「悪さするなよ!叩き出すぞ!」
俺を何だと思ってるのか。とにかくこれで後はクリストファーに起きる事件を防げば、万事解決だ。今回は魔王の時と比べてかなり楽だな。俺は言われた通り離れに泊まった。
朝になり部屋の扉をノックされる。扉を開けると知らない奴がいた。いや、見た事はある。ゲームに出てたキャラだ。
?「おい!朝だ!クリストファー様がお待ちだ早く支度しろ!」
えっと名前は確か・・・マークだっけ?
俺は準備すると食堂に通され、クリストファーと朝食を摂る事になった。
クリストファー「おはようございます。この後、東にある砦に向かいます。そしてその先にある新たに建築された辺境都市の視察に向かいます。1日や2日で行ける距離では無いので少々長旅になりますが。」
俺「あれ?そういえばお前、学校は?」
マーク「貴様!何だその口の聞き方は!」
クリストファー「まぁまぁ、落ち着いて。魔王軍との戦争で学園が閉鎖されていたんですが、最近になって再開したんです。でも父にどういう状況であっても勉学に励んで欲しいと言われ、家庭教師を呼んで戦争中はずっと勉強していたんです。」
俺「ふ~ん。それで?」
マークが俺を睨む。
クリストファー「自慢ではありませんが、3年間で学ぶべき事を全て終えてしまったんです。他にする事も無かったので当然と言えば当然ですが。」
凄いな。天才か!
俺「だから学校行かないで親父さんの手伝い?」
クリストファー「後は来年の卒業までは自由なので父に次期公爵としての心構えや領地に関する色々な物事を学ぶ事にしたのです。」
俺「君は立派な公爵様になるよきっと。」
マーク「どの立場で物を言っている!当然だろう!クリストファー様を愚弄しているのか!」
まぁ、捉え方によってはそう聞こえるかも知れないが俺としては最大の賛辞だ。
クリストファー「大丈夫だよ。シリウスさんは僕に期待してくれているのさ。」
一緒に朝飯を食った後、俺達は予定通り馬車で以前戦争で砦として使っていた街に向かう。そこから更に東に移動し、新しく出来た辺境都市に向かう事になる。けど移動手段は馬車だ。中々の長時間を馬車で揺られる事になる。憂鬱だ。
俺「クリストファーは・・・。」
クリストファー「"クリス"で良いですよ。長いですし、家族や親しい者達は皆んなそう呼んでくれています。」
俺「クリスは、今16?」
クリス「はい。今年で17になります。シリウスさんは18ですか?」
また言われて気付く、この『世界』に来て今年で19年目。早いなとか年寄りみたいな事を思う。
俺「そうね、今年で19だ・・・。はぁ。」
クリス「大丈夫ですか?とにかく姉上と同じですね。あまり大きな声では言えないんですが、姉上の年齢で婚約していないのは大変珍しいんです。」
ん?途端に何の話だ?
クリス「シリウスさんはご結婚は?」
俺「は?・・してないよ。」
クリス「姉上にも良いお相手がいないんですよ。」
そう言いながら俺をチラ見する。
俺「俺、爵位とか無いよ。第一、親父さんや周りの貴族やら何やら納得しないだろ?」
クリス「姉上はシリウスさんと一緒の方が良い様な気がしていたので。それに話を聞く限りシリウスさんなら爵位は直ぐに戴けますよ?かなりの功績をあげていますよね?」
俺「そんな大した事はしてないと思うぞ。ただ生き延びる為に必死に足掻いてたら活躍したって感じだし。」
クリス「目的や理由は別としても、功績という結果があるのは事実ですから問題はありませんよ?」
俺「そういう物かね?」
クリス「フフッ。姉上は優しい方です。ですが相手が失礼な態度を取ると手を上げる事もありまして、中々話が纏まらないのです。」
へぇ~、なんだかんだであいつもやらかしてるのか。改めて地球の人間だなと安心する。
クリス「それでも良い雰囲気で縁談が纏まりそうな時もあったのですが、今度は父上が姉上の心配を始めて。そうなると父上が身辺調査をするんです。」
なんとなくあの親父ならやるな。と確信出来る。
クリス「調べると何故か皆んな裏のある人ばかりでして。それを知った姉上に皆さん、告発されたんです。いつしか姉上との縁談話が来なくなりました。」
成程、貴族は裏で色々やって利益出してるから人より裕福に暮らせる。大なり小なりの悪事を抱えてる奴はアイリスと関わると自分が潰されるって事で逃げたのか。
悪事を気にしない奴は態度が悪い。逆に態度に気を遣う奴は悪事がバレるのを恐れる。仕方ないと言えばそれまでだけどなんとも言えないな。
クリス「父上もそんなつもりで調べた訳では無い様なのですが。その点シリウスさんは姉上を傷付け無いでしょうし、隠す事も無いですよね?」
まぁ、確かに俺は普段の自分であいつと接してる。それに俺は隠し事というか隠す事すら無い。何か自分で言ってて悲しくなる。これが持たざる者か。
クリス「あれ!どうしたんですか?」
俺「いや、世の中って色々大変だなとか思ってね。」
オジさん「またいつでも帰っておいで。」
マリア「待ってるわ。シリウス君。」
俺は3人に見送られながらアストに向かう。別にそこまで気にしてる訳じゃないけど、ジンとの違いに少しショックを受けている。まぁ、ジンはここの領主で英雄だ。見送る人の人数に違いがあっても不思議じゃないさ。でも一応事件を解決した功労者の1人として、少しは気にして欲しいとか思う。ただ俺はあがり症で、下手に注目されると緊張で動けなくなる。だから正直このくらいが丁度良いとも思う。我ながら面倒臭いな。やめよう。考えるの。
気持ちを切り替えてとにかく向かう事にしよう。村から離れた所で俺はバイクを出す。バイクを手に入れてから移動はかなり楽になった。良い事なんだけどメンテナンスとかしてないし、そもそもガソリンは?って自分でも疑問に思う。仕様は聖剣と同じらしくメンテナンス不用でエネルギーも使用してない間に自動充電みたいだ。凄いなこのバイク!って、現実逃避してる場合じゃないな。そろそろ本題に戻るか。
さて、なんと切り出すか?ただの傭兵がフラっと行って、公爵家の仕事に連れてってと言っても、何言ってんだこいつ?ってなるだろう。視察先で賊に襲われるって言っても情報の出所を聞かれる。神様の御告げじゃ通らないだろう。俺としては事実だけど人からするとただの戯言だし。ただ追い出されるだけなら良い。変な奴って事で逮捕されたら目も当てられない。
ふ~む。良し!ここは正面突破だ!
俺「と言う訳で君の視察に連れてって。」
クリストファー「あ、あの、1つ伺っても良いですか?」
俺「ん?どうした?」
クリストファー「こちらにいらっしゃって直ぐに"と言う訳で"と仰られても話が分からないのですが?どういう事ですか?」
う~ん。とにかく説明せずに勢いと流れで"うん"と言わせて、押し切る作戦だったが駄目か。
クロード「前々から可笑しな男だと思ってはいたがまさかここまでとはな。」
俺「何が?」
クロード「なんの説明も無く許可される訳が無い。」
クリストファー「それに姉上には話したのですか?」
俺「え?何で?」
クリストファー「シリウスさんは常に姉上と一緒に行動していたと感じていましたから、それに何か姉上に頼まれてここに来たのかもと思いまして。」
俺「いや、アイリスは関係無い。」
クロード「おい!」
俺「何だよ?」
クロード「お嬢様を呼び捨てにするな!」
俺「いや、今更だろ。」
クリストファー「落ち着いてくれ、クロード。父上の名代として視察に向かうだけですから必要はありませんが、護衛として共に行きますか?シリウスさん。」
俺「おう!行く行く!」
クロード「な!よろしいのですか!」
クリストファー「ここまで仰るのは何か理由があると思う。それに人には中々話せない事もあるじゃないか。」
クロード「何か裏があるかも知れません!」
クリストファー「しかし姉上の大事な人だ。そんな人が僕に危害を加えないさ。」
少し気になるフレーズが聞こえたけど話は続いてる。ここで遮るとまた厄介だ。
クロード「分かりました。くれぐれもお気を付けて。」
やっぱり来ないか。ゲームでも近くにいなかった。
俺「何?来ないの?」
クロード「お嬢様発案の新魔導具、その調整実験がある。その補佐に向かわねばならない。」
俺「そういえば魔導発電機だっけ?あれ凄いな!どうしたの?」
クロード「そうだろう?お嬢様の発想、そして構想は素晴らしい。王国の文明が100年は進んだ。」
その着想が何処から来てるかは敢えて言うまい。その辺の話を詳しく聞きたかったけど今回は別件だ。次回に期待するとして先ずは仕事を片付けよう。
俺「それで?いつ行くんだ?」
クリストファー「今日はまだしなければならない事があるので明日向かいます。今日は離れに滞在して下さい。シリウスさん。」
俺「お!有り難い!そうするよ。」
クロード「悪さするなよ!叩き出すぞ!」
俺を何だと思ってるのか。とにかくこれで後はクリストファーに起きる事件を防げば、万事解決だ。今回は魔王の時と比べてかなり楽だな。俺は言われた通り離れに泊まった。
朝になり部屋の扉をノックされる。扉を開けると知らない奴がいた。いや、見た事はある。ゲームに出てたキャラだ。
?「おい!朝だ!クリストファー様がお待ちだ早く支度しろ!」
えっと名前は確か・・・マークだっけ?
俺は準備すると食堂に通され、クリストファーと朝食を摂る事になった。
クリストファー「おはようございます。この後、東にある砦に向かいます。そしてその先にある新たに建築された辺境都市の視察に向かいます。1日や2日で行ける距離では無いので少々長旅になりますが。」
俺「あれ?そういえばお前、学校は?」
マーク「貴様!何だその口の聞き方は!」
クリストファー「まぁまぁ、落ち着いて。魔王軍との戦争で学園が閉鎖されていたんですが、最近になって再開したんです。でも父にどういう状況であっても勉学に励んで欲しいと言われ、家庭教師を呼んで戦争中はずっと勉強していたんです。」
俺「ふ~ん。それで?」
マークが俺を睨む。
クリストファー「自慢ではありませんが、3年間で学ぶべき事を全て終えてしまったんです。他にする事も無かったので当然と言えば当然ですが。」
凄いな。天才か!
俺「だから学校行かないで親父さんの手伝い?」
クリストファー「後は来年の卒業までは自由なので父に次期公爵としての心構えや領地に関する色々な物事を学ぶ事にしたのです。」
俺「君は立派な公爵様になるよきっと。」
マーク「どの立場で物を言っている!当然だろう!クリストファー様を愚弄しているのか!」
まぁ、捉え方によってはそう聞こえるかも知れないが俺としては最大の賛辞だ。
クリストファー「大丈夫だよ。シリウスさんは僕に期待してくれているのさ。」
一緒に朝飯を食った後、俺達は予定通り馬車で以前戦争で砦として使っていた街に向かう。そこから更に東に移動し、新しく出来た辺境都市に向かう事になる。けど移動手段は馬車だ。中々の長時間を馬車で揺られる事になる。憂鬱だ。
俺「クリストファーは・・・。」
クリストファー「"クリス"で良いですよ。長いですし、家族や親しい者達は皆んなそう呼んでくれています。」
俺「クリスは、今16?」
クリス「はい。今年で17になります。シリウスさんは18ですか?」
また言われて気付く、この『世界』に来て今年で19年目。早いなとか年寄りみたいな事を思う。
俺「そうね、今年で19だ・・・。はぁ。」
クリス「大丈夫ですか?とにかく姉上と同じですね。あまり大きな声では言えないんですが、姉上の年齢で婚約していないのは大変珍しいんです。」
ん?途端に何の話だ?
クリス「シリウスさんはご結婚は?」
俺「は?・・してないよ。」
クリス「姉上にも良いお相手がいないんですよ。」
そう言いながら俺をチラ見する。
俺「俺、爵位とか無いよ。第一、親父さんや周りの貴族やら何やら納得しないだろ?」
クリス「姉上はシリウスさんと一緒の方が良い様な気がしていたので。それに話を聞く限りシリウスさんなら爵位は直ぐに戴けますよ?かなりの功績をあげていますよね?」
俺「そんな大した事はしてないと思うぞ。ただ生き延びる為に必死に足掻いてたら活躍したって感じだし。」
クリス「目的や理由は別としても、功績という結果があるのは事実ですから問題はありませんよ?」
俺「そういう物かね?」
クリス「フフッ。姉上は優しい方です。ですが相手が失礼な態度を取ると手を上げる事もありまして、中々話が纏まらないのです。」
へぇ~、なんだかんだであいつもやらかしてるのか。改めて地球の人間だなと安心する。
クリス「それでも良い雰囲気で縁談が纏まりそうな時もあったのですが、今度は父上が姉上の心配を始めて。そうなると父上が身辺調査をするんです。」
なんとなくあの親父ならやるな。と確信出来る。
クリス「調べると何故か皆んな裏のある人ばかりでして。それを知った姉上に皆さん、告発されたんです。いつしか姉上との縁談話が来なくなりました。」
成程、貴族は裏で色々やって利益出してるから人より裕福に暮らせる。大なり小なりの悪事を抱えてる奴はアイリスと関わると自分が潰されるって事で逃げたのか。
悪事を気にしない奴は態度が悪い。逆に態度に気を遣う奴は悪事がバレるのを恐れる。仕方ないと言えばそれまでだけどなんとも言えないな。
クリス「父上もそんなつもりで調べた訳では無い様なのですが。その点シリウスさんは姉上を傷付け無いでしょうし、隠す事も無いですよね?」
まぁ、確かに俺は普段の自分であいつと接してる。それに俺は隠し事というか隠す事すら無い。何か自分で言ってて悲しくなる。これが持たざる者か。
クリス「あれ!どうしたんですか?」
俺「いや、世の中って色々大変だなとか思ってね。」
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