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[Worldtrace2]
運命
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夜襲が発生して直ぐ家を飛び出した。聖剣が折れてから新調して無かった。その折れた聖剣もいつの間にか消えていた。
それにこの村に戻ってからも戦う事がほとんど無かった。だから余計忘れてた。
とりあえず鍬を持って向かった。敵の攻撃を躱し、頭が下がった瞬間に首を狩る。時には膝に一撃を当て体勢を崩した所で首を斬る。村にいる自警団に村人を教会へ避難させる様に頼み敵を倒す。途中からエリスが合流して大分楽になった。シリウスがいてくれると助かるけど、今は何処にいるか分からない。
とにかく自分達だけでなんとかしようと努力はした。でもしばらく戦いから離れていた所為か感覚が鈍っていたみたいだ。隙を突かれて傷を負った。
エリス「ジン!」
ジン「うぐっ!」
攻撃を喰らった時に鍬も壊れた。素手でも戦えない事はない。けど、傷を治さないと立ち上がれない。
ジン「く!」
エリス「動くな!ジン!」
魔族「久しぶりだな。エリス・ブライト。」
エリス「お前は。」
ジン「知り合いか?」
エリス「誰だ?」
思わせぶりな言い方するから知り合いかと思ったけど違うみたいだ。
魔族「ふ、ふん。相変わらずふざけた女だ。私達は魔王軍に入った時は同じ時期だった。だが先に出世したのは貴様だったな!」
エリス「そ、そうだったか?すまん。色々な奴がいたからお前が誰か全く分からない。」
魔族も大変なんだな。俺も友達出来なくて苦労したからな。あいつの気持ち、なんとなく分かる。
魔族「べ、別に友がいなかった訳では無いからな!勘違いするなよ!」
エリス「それで?何の要だ。会話だけで今から退くなら考えてやるが?」
魔族「フンッ!まさか!・・・エリス!そいつにトドメを刺すなら貴様の復帰を王子様達に頼んでも良いぞ!」
エリスが驚いて俺を見る。そして敵に向き直るとフッと笑う。
エリス「復帰?今の私は魔王軍に対する未練は無い。それにジンを殺す気は無い。」
魔族「何故だ?」
エリスが息を吐く。何か覚悟を決めている様に意を決した感じで深呼吸している。
エリス「私はジンを愛している!そこに嘘偽りは無い!」
ジン「エリス!」
魔族「それは明確な反逆だ!そいつは魔王様を殺し、我等魔王軍を壊滅寸前まで追い込んだ男だぞ!」
エリス「壊滅寸前?師団長が討たれ、神の使徒も死に、魔王様すら失った我等は既に壊滅しているだろう!」
魔族「違う!まだだ!まだ王子達がいる!そうだ!ここで魔王様を殺した英雄を討ち、王子達とこの大陸を支配する!私は貴様を超えるのだ!」
最後は嫉妬か。ただこいつの発言も凄く気になるけど、それよりエリスの告白の方が気になる。ずっと気持ちがふわふわしてる。
エリス「そんな事はさせん!」
さっきから話してる魔族が何かに気がついた顔をする。
魔族「フッ、そうだ!その男、助けてやろうか?」
エリス「何?」
魔族「代わりに貴様がここで死ね!」
エリス「!」
ジン「な!だ、駄目だ!」
エリス「それで、ジンを助けてくれるのか?」
魔族「ああ。勿論だ。」
ジン「エリス!あいつが約束を守る保証が無い!」
エリス「ああ、それは分かってる。だが時間を稼げばここで2人同時に死ぬ事は無くなる。」
ジン「何言ってるんだ!」
エリス「間に合えばお前は助かる。多分あいつは私を助ける事はないだろうが、お前の事は絶対に助けてくれる。」
ジン「だから!何の話だよ!」
エリス「気にするなジン。ただ魔族が1人いなくなるだけだ。お前は生き延びていつもの普通の日を過ごせ。私の事は忘れて良い。」
ジン「ふざけるなよ!そんな事出来るか!」
魔族「さぁ!どうする!」
エリス「今行く。・・・じゃあなジン。生きてくれ。」
ジン「止めろ!行くな!エリス!」
エリス「フン。覚悟ならとっくに出来ている。やれ!」
エリスは剣を鞘に仕舞い目を閉じる。俺は本当に馬鹿だ。この時はすっかり忘れていた。エリスの言葉の意味さえ分からなかった。
魔族「大した覚悟だ!」
ジン「エリス!」
タッタッタッと地面を蹴る音がする。何かが、と言うか誰かが近付いていた。
本当に姿を見るまで忘れていた。そいつは一気に距離を詰め、エリスに迫る凶刃を弾き飛ばす。
魔族「な・・・・!」
エリス「お前!」
ジン「シリウス!」
そう、この村には俺の親友でこの世界で1番信頼出来る奴がいた。俺は運命だと思った。
それにこの村に戻ってからも戦う事がほとんど無かった。だから余計忘れてた。
とりあえず鍬を持って向かった。敵の攻撃を躱し、頭が下がった瞬間に首を狩る。時には膝に一撃を当て体勢を崩した所で首を斬る。村にいる自警団に村人を教会へ避難させる様に頼み敵を倒す。途中からエリスが合流して大分楽になった。シリウスがいてくれると助かるけど、今は何処にいるか分からない。
とにかく自分達だけでなんとかしようと努力はした。でもしばらく戦いから離れていた所為か感覚が鈍っていたみたいだ。隙を突かれて傷を負った。
エリス「ジン!」
ジン「うぐっ!」
攻撃を喰らった時に鍬も壊れた。素手でも戦えない事はない。けど、傷を治さないと立ち上がれない。
ジン「く!」
エリス「動くな!ジン!」
魔族「久しぶりだな。エリス・ブライト。」
エリス「お前は。」
ジン「知り合いか?」
エリス「誰だ?」
思わせぶりな言い方するから知り合いかと思ったけど違うみたいだ。
魔族「ふ、ふん。相変わらずふざけた女だ。私達は魔王軍に入った時は同じ時期だった。だが先に出世したのは貴様だったな!」
エリス「そ、そうだったか?すまん。色々な奴がいたからお前が誰か全く分からない。」
魔族も大変なんだな。俺も友達出来なくて苦労したからな。あいつの気持ち、なんとなく分かる。
魔族「べ、別に友がいなかった訳では無いからな!勘違いするなよ!」
エリス「それで?何の要だ。会話だけで今から退くなら考えてやるが?」
魔族「フンッ!まさか!・・・エリス!そいつにトドメを刺すなら貴様の復帰を王子様達に頼んでも良いぞ!」
エリスが驚いて俺を見る。そして敵に向き直るとフッと笑う。
エリス「復帰?今の私は魔王軍に対する未練は無い。それにジンを殺す気は無い。」
魔族「何故だ?」
エリスが息を吐く。何か覚悟を決めている様に意を決した感じで深呼吸している。
エリス「私はジンを愛している!そこに嘘偽りは無い!」
ジン「エリス!」
魔族「それは明確な反逆だ!そいつは魔王様を殺し、我等魔王軍を壊滅寸前まで追い込んだ男だぞ!」
エリス「壊滅寸前?師団長が討たれ、神の使徒も死に、魔王様すら失った我等は既に壊滅しているだろう!」
魔族「違う!まだだ!まだ王子達がいる!そうだ!ここで魔王様を殺した英雄を討ち、王子達とこの大陸を支配する!私は貴様を超えるのだ!」
最後は嫉妬か。ただこいつの発言も凄く気になるけど、それよりエリスの告白の方が気になる。ずっと気持ちがふわふわしてる。
エリス「そんな事はさせん!」
さっきから話してる魔族が何かに気がついた顔をする。
魔族「フッ、そうだ!その男、助けてやろうか?」
エリス「何?」
魔族「代わりに貴様がここで死ね!」
エリス「!」
ジン「な!だ、駄目だ!」
エリス「それで、ジンを助けてくれるのか?」
魔族「ああ。勿論だ。」
ジン「エリス!あいつが約束を守る保証が無い!」
エリス「ああ、それは分かってる。だが時間を稼げばここで2人同時に死ぬ事は無くなる。」
ジン「何言ってるんだ!」
エリス「間に合えばお前は助かる。多分あいつは私を助ける事はないだろうが、お前の事は絶対に助けてくれる。」
ジン「だから!何の話だよ!」
エリス「気にするなジン。ただ魔族が1人いなくなるだけだ。お前は生き延びていつもの普通の日を過ごせ。私の事は忘れて良い。」
ジン「ふざけるなよ!そんな事出来るか!」
魔族「さぁ!どうする!」
エリス「今行く。・・・じゃあなジン。生きてくれ。」
ジン「止めろ!行くな!エリス!」
エリス「フン。覚悟ならとっくに出来ている。やれ!」
エリスは剣を鞘に仕舞い目を閉じる。俺は本当に馬鹿だ。この時はすっかり忘れていた。エリスの言葉の意味さえ分からなかった。
魔族「大した覚悟だ!」
ジン「エリス!」
タッタッタッと地面を蹴る音がする。何かが、と言うか誰かが近付いていた。
本当に姿を見るまで忘れていた。そいつは一気に距離を詰め、エリスに迫る凶刃を弾き飛ばす。
魔族「な・・・・!」
エリス「お前!」
ジン「シリウス!」
そう、この村には俺の親友でこの世界で1番信頼出来る奴がいた。俺は運命だと思った。
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