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後日談

密会

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白い空間の中央にテーブルが1つ、挟む様に向かい合わせで椅子が2つ用意してある。その内の1つに腰掛けているのは今回の戦争で魔族に加担していた神だ。
地球では神という扱いでは無い。しかし、力を持っているというだけでも神と言って良いかも知れない。その時、虚空から別の神が現れる。

神2「いやいや、ごめんごめん。遅くなった。」

神1「ふんっ、呼び出して遅れるとは相変わらず適当だな。もう帰るぞ。」

神2「うわ!せっかち!話くらい聞いてくれよ。どうせ暇だろう?フリーランスなんだから。いや、今はニートか?」

神1「はぁ!馬鹿か!この私に相応しい世界が無いだけだ。」

神2「えぇ!でもあんたは親父さんから地獄の管理任されてたのに逃げたじゃないか。だから今、閻魔が管理してるんだろ?」

神1「あれは閻魔がやりたいって言ったから譲ったんだ。第一、お前はオーディンと兄弟の癖に奴を手伝わずに、遊び回ってるじゃないか!それでよくそんな事が言えるな!」

神2「あれは兄貴が"お前がやるとややこしくなるから手を出すな!"って言うから、仕方なく何もしてないんだ!これはこれで立派な協力だよ!」

睨み合う2柱。

神1「止めよう。このままだとお互い惨めになるだけだ。」

神2「確かにこの少しの会話だけでかなりのダメージを受けたよ。これ以上の言い争いは不毛だな。本題に入るよ。」

神1「ふぅ、・・・それで何の様だ?」

神2「僕もあんたとノルン達のゲームに参加したいんだ。」

神1「フッ、・・・断る。話はそれだけだな。それでは私は失礼する。」

神2「・・・・。はっ!待て待て!今凄く自然な流れで言うから驚いた。断るって何だよ!」

神1「もう既に次の段階に進んでいる。それに今回は手を出さず見守ることにしたんだ。ここで貴様に引っ掻き回されたく無い。そもそも貴様はもう横槍を入れているだろう?」

神2「何の事?」

神2としては確かに思い当たる所がある。だがここで認める理由は無い。

神1「予言と称して使徒の事を広めたな。」

神2「助かったろ?」

神1「魔族だけなら文句は言わない。だが人間にも伝えたろ!」

神2「片方だけじゃフェアじゃないだろ?ゲームはフェアプレイが大事だ。」

神1「ふん、フェアプレイ?その割にはノルンの使徒から魔力袋を抜き取っているじゃないか。それでフェアプレイと言えるのか?」

神2「どっちの味方だよ。」

神1「それに大して意味は無かったしな。」

神2「いや~、あれには驚いた。まさかあんな手であの『世界』を生き延びるとはね。」

神1「まぁ、お陰で楽しかったが。」

神2「だろ?感謝しろよ。」

神1「とにかく遊ぶなら他の大陸にしろ。あの大陸はもう私とノルンの使徒との勝負の場だ。純粋にあの使徒と"奴"との勝負を楽しみたい。それなのにお前がいては迷惑だ。」

神2「"奴"っていうのは生き残った魔王の親友か?」

神1「そうだ。奴の仕掛ける最後の勝負だ。」

神2「そんなの上手く行くのか?それにノルンの使徒がその勝負、受けて立つか?」

神1「それは知らない。だが恐らくは参加せざるを得ないと思う。何しろ今度のゲームのメインイベンターは使徒の身内だ。」

神2「どういう意味だ?」

神1「それは見てからのお楽しみだな。とりあえず今回の事には参加禁止だ。」

神2「チッ!分かったよ。じゃあ別の大陸で好きにやってるさ。そっちが終わったら招待して良いんだろ?」

神1「フッ、好きにしろ。今まで通り観察は続けるがな。」

神2「あんたも良い趣味してるよな。ルシフェル。」

ルシフェル「貴様程じゃないさ。ロキ。」

今後起こるであろうイベントに心を躍らせながら2柱はそれぞれ笑い合う。

ルシフェル「さて、私は行くぞ。くれぐれも手は出すなよ。」

ルシフェルは部屋を出る。それを見届けると椅子に座りながら伸びをする。

ロキ「フッ、"手は出すな"ね。なら口は出しても良いよな?」

ロキは小さく笑う。そしてどう行動するか思案する。

ロキ「あの『世界』には、ルシフェルやノルン達がまだ知らない別のシステムがある。アレを使えば手を出した事にはならないし、それと欲の皮の突っ張った人間にお告げを言えば良いかな?しかし創造主は面白い物を作ったよな。"ギシンシステム"か。フフッ、面白くなるぞ。」

ロキは次なる企みを思い浮かべて更に笑う。
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