Worldtrace

mirror

文字の大きさ
上 下
91 / 187
[Worldtrace]

エンディング1

しおりを挟む
ジン「どわ!」

俺「うぉ!」

アイリス「きゃあ!」

アーサーの意識が無くなったのか魔法の鎖はいつの間にか消え、俺はアイリスと一緒に吹き飛ばされる。ジンはジンで吹き飛ばされている。俺はアイリスを抱えながら転がり、アイリスの下敷きになった状態で止まる。

俺「痛い。はぁ~、大丈夫か?」

アイリス「う、うん。あ!ごめん!」

俺との距離の近さに驚いたアイリスは直ぐに離れる。

アイリス「あ!」

アイリスの声から何かあった様だ。その視線を追うと、さっき結界を出して守ってくれた宝石が粉々に砕けていた。

アイリス「お母様が亡くなる前、この宝石に御呪いを掛けたって言ってたんだ。あの時は意味が分からなかったけど、あの結界の事だったんだ。」

今の話からすると形見って事になる。悪い事したな。

俺「なんか悪かったな。」

アイリス「ううん。大丈夫。それより、あの占いの通りになっちゃったね。」

占い?ああ、叔母さんの。どんなだっけ?

アイリス「あの時言っていた大事な物ってお母様の形見の事だったんだ。」

ああ、なるほど。

アイリス「まぁ、代わりに大切な者は守れたから良いかな。」

俺「うん?・・・お互い生きてるから、そういう意味で言えば確かに良かったな。」

アイリス「本気で言ってる?」

なんかアイリスがムッとしてる。これ以上話すと何かやぶ蛇な気がする。

俺「さて他の連中の様子を見て来るかな?」

アイリス「あ!逃げた!」

エレナを見ると笑顔でこっちに手を振っている。勝ったのは良いけど、俺達が死にかけたの分からないのか?ジンは・・・・少し離れた所にいる。

俺「無事か?」

ジン「何とかな。」

ジンの持つ聖剣を見ると真ん中から折れていた。

俺「おい、あいつどんな質量の攻撃したんだ?」

ジン「いや、多分エレナの魔法の所為じゃないよ。」

俺「そうなの?」

ジン「最後、なんとなくだけど。聖剣自身が自分に付いてる加護を全部攻撃に変えた感じがしたんだ。あそこで魔王を倒さないともう機会は無いと思ったんじゃないかな?」

俺「え?聖剣が?まさか!」

ジン「俺はそんな気がするんだ。」

ふ~む。よく分からない。まぁ、良いや。とにかく後1つ、ちゃんと確かめないと。

ジン「何処行くんだ?」

俺「改めてあいつが生きてるかどうか、確認して来る。」

ジン「俺も行くよ。」

俺「お前はもう戦えないだろ?」

隕石が落ち、当然の様にクレーターが出来ている跡地に近付く。肩にジンの聖剣による斬り口とそしてエレナの隕石による傷もあり、ガッツリ2つ分の攻撃を喰らってる。こりゃ死んでるな。そう思った。

アーサー「がふ!・・これで・・・終わりとはな。」

俺「うぉ!喋った!まだ生きてたのか。」

アーサー「フッ、・・・しかし貴様との勝負は・・中々楽しかったぞ。」

俺「はぁ、言ったろ。退けって。あそこで退いてれば勝負くらい誰とでも、いくらでも出来たのに。」

アーサー「フフッ・・・俺も言った筈だ。もう既に退ける状況では無いと。」

全く不器用というか何というか。

アーサー「地獄で待っているぞ。シリウス。」

俺「ああ、勝負の続きはあの世でしよう。アーサー。」

アーサーは息を引き取る。俺は少し開いてる瞼に手をやり閉じる。

俺「命を奪った側の俺が言うべきかは分からないけど、安らかにな。」

エレナ「おい!魔王は?」

俺「逝っちまったよ。」

エレナ「そうか。」

俺「・・・・さて、帰るぞ。」

アイリス「でも出口は?」

辺りを見渡すと四角い形で光が現れる。

ジン「あそこか!」

俺「多分な。」

4人で光に入ると王都の広場に出る。

トリッシュ「エレナ!」

シャノン「エレナさん!」

クロード「お嬢様!」

エレナ「皆んな!無事か?」

フリード「アイリス!」

アイリス「お父様!」

フリード「良かった!無事で!くぅぅ~。」

アイリス「あ、あの、泣かないで下さい。私は大丈夫ですから。」

ジン「皆んな無事で良かったな。シリウス?・・・あれ?シリウス?いない。」

俺はさっさと王都の外に出ていた。スマホが鳴り、画面を見るとノルンからだった。

ヴェルダンディ「良いんですか?これから凱旋じゃないですか。」

俺「は?俺、あがり症だからそんな人前に出たら気絶しちまうよ。」

ヴェルダンディ「後で怒られますよ。」

俺「俺としては怒られる方がマシだな。それにこの国は傭兵には、優しく無いだろ?傭兵の活躍なんて誰も認めないさ。」

ヴェルダンディ「全く。それでこの後はどうするんですか?」

俺「どうするかな?地球には俺の本体がいるから帰れないし、この『世界』の故郷は焼け野原だし、"イージス"にでも行くかな。」

ヴェルダンディ「そうですか。」

俺「これで[Worldtrace]・・・予測演算の通りに世界を辿る、俺の旅は終わりだろ?」

ヴェルダンディ「そうですね。お疲れ様でした。また何かありましたら連絡します。」

俺「おう。」

電話を切る。・・・・ん?また?まさかまだ何かあるんじゃないだろうな。いや、確か俺の知る限り[Worldtrace]は続編なんか無い。筈。あっても俺には情報が無い。どうするんだ?まぁ、良いか。その時はその時だな。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スコップ1つで異世界征服

葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。 その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。 怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい...... ※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。 ※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。 ※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。 ※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。

王女殿下の死神

三笠 陣
ファンタジー
 アウルガシア大陸の大国、ロンダリア連合王国。  産業革命を成し遂げ、海洋発展の道を進もうとするこの王国には、一人の王女がいた。  エルフリード・ティリエル・ラ・ベイリオル、御年十六歳の少女は陸軍騎兵中尉として陸軍大学校に籍を置く「可憐」とはほど遠い、少年のような王族。  そんな彼女の隣には、いつも一人の少年の影があった。  リュシアン・エスタークス。  魔導貴族エスタークス伯爵家を継いだ魔術師にして、エルフリード王女と同い年の婚約者。  そんな彼に付けられた二つ名は「黒の死神」。  そんな王女の側に控える死神はある日、王都を揺るがす陰謀に遭遇する。  友好国の宰相が来訪している最中を狙って、王政打倒を唱える共和主義者たちが動き出したのである。  そして、その背後には海洋覇権を巡って対立するヴェナリア共和国の影があった。  魔術師と諜報官と反逆者が渦巻く王都で、リュシアンとエルフリードは駆ける。 (本作は、「小説家になろう」様にて掲載した同名の小説を加筆修正したものとなります。)

無法の街-アストルムクロニカ-(挿し絵有り)

くまのこ
ファンタジー
かつて高度な魔法文明を誇り、その力で世界全てを手中に収めようとした「アルカナム魔導帝国」。 だが、ある時、一夜にして帝都は壊滅し、支配者を失った帝国の栄華は突然の終焉を迎えた。 瓦礫の山と化した帝都跡は長らく忌み地の如く放置されていた。 しかし、近年になって、帝都跡から発掘される、現代では再現不可能と言われる高度な魔法技術を用いた「魔導絡繰り」が、高値で取引されるようになっている。 物によっては黄金よりも価値があると言われる「魔導絡繰り」を求める者たちが、帝都跡周辺に集まり、やがて、そこには「街」が生まれた。 どの国の支配も受けない「街」は自由ではあったが、人々を守る「法」もまた存在しない「無法の街」でもあった。 そんな「無法の街」に降り立った一人の世間知らずな少年は、当然の如く有り金を毟られ空腹を抱えていた。 そこに現れた不思議な男女の助けを得て、彼は「無法の街」で生き抜く力を磨いていく。 ※「アストルムクロニカ-箱庭幻想譚-」の数世代後の時代を舞台にしています※ ※サブタイトルに「◆」が付いているものは、主人公以外のキャラクター視点のエピソードです※ ※この物語の舞台になっている惑星は、重力や大気の組成、気候条件、太陽にあたる恒星の周囲を公転しているとか月にあたる衛星があるなど、諸々が地球とほぼ同じと考えていただいて問題ありません。また、人間以外に生息している動植物なども、特に記載がない限り、地球上にいるものと同じだと思ってください※ ※固有名詞や人名などは、現代日本でも分かりやすいように翻訳したものもありますので御了承ください※ ※詳細なバトル描写などが出てくる可能性がある為、保険としてR-15設定しました※ ※あくまで御伽話です※ ※この作品は「ノベルアッププラス」様、「カクヨム」様、「小説家になろう」様でも掲載しています※

健太と美咲

廣瀬純一
ファンタジー
小学生の健太と美咲の体が入れ替わる話

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

入れ替わった恋人

廣瀬純一
ファンタジー
大学生の恋人同士の入れ替わりの話

処理中です...