Worldtrace

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王都にて

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フリード「クロード!」

クロード「公爵閣下!」

フリード「娘は!アイリスは何処だ!」

クロード「済みません。未だ中にいます。」

フリード「く!」

フリードが中に入ろうとする。

アルフレッド「お待ち下さい!閣下!」

フリード「放せ!中にいるなら助けねば!」

クロード「失礼を承知で申しますが、我々では恐らくあの男の足手纏いになるかと。」

フリード「な!くそ!」

フリードは仕方無く待つ事にした。クロードがキース達に話し掛ける。

クロード「戻ってきますか?」

キース「大丈夫ですよ。」

ザック「あいつ等が負ける絵が浮かばん。」

トリッシュ「そうね。多分、平気な顔して帰って来るわよ。」

シャノン「はい。皆さん強い人ばかりですから。」

クロード「それにしてもあの時はやはり本気では無かったんだな。」

シャノン「何の事ですか?」

クロード「以前の遺跡探索の時です。彼と初めて会った時に勝負を挑みました。ですが、負けてしまった。」

トリッシュ「あれ本当にクロードさんが吹っ掛けたんだ。」

クロード「フッ、そうです。ただ先程の魔族との戦い。我々では勝てなかったあの魔族に勝った。彼の実力は確かだった。私は本気で相手をされていなかった。」

ザック「あまり深く考え無い方が良いぞ。あいつは元々そういう奴だ。」

キース「ええ。」

クロード「皆さん、思考が停止してませんか?」

皆んな気楽に話しているが、この状況がどうなるか分からない。相手は敵の総大将だ。不安を拭う為かそれとも普通に勝利を信じているのか。本人達でさえ自分の気持ちが分からなかった。そして結果がどうであれ決着の時は近いと誰しもが思っていた。
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