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異空間にて

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シリウスが現れ多少の休憩が取れていた。回復薬も飲んだ。後は作戦だけだ。

エレナ「さて、これからどうする?」

アイリス「最終的に皆んなで協力出来れば行けると思うけど。」

ジン「俺は今回復した分の魔力を全部、剣に込めてる。それで全力の一撃を魔王に叩き込む。」

アイリス「ち、ちょっと!」

エレナ「あのな!今そんな事したらこの後何も出来ないぞ!」

ジン「2人共、分かってるだろ?多分、俺達の所にこれ以上の援軍は来ない。シリウスが勝つか負けるか・・・。まぁ、勝つだろうけど。俺達が勝つ為の機会は後にも先にもその時の1回きりだ。」

エレナ「だから最後の一撃に賭けるのか?」

ジン「おう!」

アイリス「はぁ、分かった。けど、ならどうするの?その一撃、絶対外せないよ?」

エレナ「なら私が大技の魔法を連続で発動する。」

アイリス「この状況で出来るの?」

エレナ「少し前に発動を遅らせる術式を考えたんだ。それで発動寸前で止めて2発か、3発溜めておいて一気に撃ち出す。」

アイリスはまたぶっつけ本番かと思うが今の状況だ。文句を言ってる場合じゃない。それに賭ける。後はタイミングを見て倒すしかない。チャンスは1度だ。
ここでただ待つしかないのは歯痒いが、さっきまでの戦闘で自分が疲れているのも確か。今はただシリウスが無事である事を祈るのと作戦と言って良いか分からない作戦に賭けるだけだ。
その時不意に炸裂音の様な音がする。なんとシリウスが使っていた剣が折れていた。

アイリス「シリウス!」

エレナ「くそ!」

ジン「シリウス!」

皆んな叫んでいたが、シリウスは慌てる事なく隙を作り自分の刀を抜く。
アイリスは毎回シリウスのお陰でハラハラする。だがそれとは別に近くにいると安心出来る所もある。
初めて会った時から不思議な奴だと感じていた。自分と同じく地球の記憶があり世代は違うが、感覚は近い為に自然と仲良くなったと思う。それに何よりその境遇で腐る事なく生きている事が好ましいとさえ感じる。これが恋の様な感情なのかは分からない。
ただ初めて会ったあの時、助けてもらったその瞬間から何かしらの感情があるのも確かであり、今は死なないで欲しいと切に願っている。

エレナ「落ち着け!あいつは負けない!ここで魔王を倒して皆んなで帰るんだ!」

エレナは思う。もしここでシリウスが負ければまた家族がいなくなると。最近父親という人が現れたけど、今まで会った事の無い人間を事実がどうであれ簡単には受け入れられない。なんとなく悪い人では無いと思う。
ただそれとこれとは別だ。今はシリウスの無事を祈り、急いで魔法の準備する。

ジン「シリウスは負けない。大丈夫だ。」

そうは言っても魔王とはさっきまで自分も戦っていた。正直、正面から戦っても勝てる気がしなかった。しかし流石はシリウスだ。そんな奴を相手に互角に渡り合っている。そのシリウスが負ける筈が無い。だが楽観視は出来無い。いざという時はどんな状態でも飛び出す覚悟だ。それでもシリウスなら大丈夫と信じたい。
ジンはただ力を剣に集める。ごちゃごちゃ難しい事を考えても自分には分からない。シリウスとアーサーの勝負に決着が付いた瞬間に仕掛けて勝つ。ジンはシリウスの勝利を信じてその時を待つ。
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