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[Worldtrace]
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少し時間を遡り3人が隔離された直後。
ジン「今度は何処だよ。」
エレナ「門の中だろうな。」
アイリス「入り口も消えてる。」
ただ何も無い地平線で上空には青い空が広がっていた。足下は薄っすら水が張ってあり、その水には空が反射していた。まるで地球にある何処かの塩湖に似ている場所だった。物語で飛ばされた先の空間が、こういう景色の場所だというのはたまに見る光景だ。
アーサー「ようこそ。英雄達よ。以前に会った覚えのある者は1人だけか。俺が魔族の王をしているアーサーだ。」
ジン「あんたが?」
エレナ「こいつを倒せば勝ちか!」
アイリス「うん。ここまで来たらやるしか無い。とは言っても。」
先程から3人共魔力が練れない。これだと魔法が使えない。
アーサー「ハッキリ言おう。この空間では魔力が扱い辛い状態にしてある。欲を言えば完全に消去したかったがそれは流石に出来なかったがな。」
ジン「ん?どういう事だ?」
エレナ「時間を掛ければ使えるとは思う。だけど消費量も増えてかなりキツい状況だ。」
ジン「良し、分かった!アイリス!エレナを守ってくれ!」
アイリス「え!ジンは!」
ジン「俺はこいつと決着を付ける。」
アイリス「無茶よ!こんな魔力も使えない状態で!」
アイリスの腕をエレナが掴む。
エレナ「待て!仕方ないんだ。使おうと思えば使える。つまりは使う為の時間を稼がなきゃならない。魔王を倒すにはどちらにせよ誰かが戦わないと駄目だ。」
アイリス「それは、そうかも知れないけど。」
ジンは2人から離れアーサーに話し掛ける。
ジン「なぁ、お互い散々戦ったろ?いい加減止めにしないか?」
アーサー「フッ、奴にも同じ事を言われた。だが今更退く事は出来ん。まだ俺達は存在を認められていないからな。しかし不思議だ。部下の話だとこの空間の景色は俺の心象風景だそうだ。こんなに澄んだ気持ちでこの場にはいないんだがな。」
ジンとアーサーは互いに睨み合いながら剣を抜く。
ジン「何か王様って感じしないなあんた。」
アーサー「一部の族長は気にしているが、血筋で王を決めた訳では無い。俺が王になったのは純粋に己の鍛えた力だけだ。」
"自分の実力で王になった。"
アーサーのその話を聞くと相当な努力の上で王になったのだろうと感じる。そんなアーサーに勝てるか不安になるが、ここまで来て退く訳には行かない。シリウスに鍛えられ、聖剣を手にし生き延びて来た。今は勝つ事だけ考える。自分に言い聞かせジンは走り出す。ジンとアーサーの剣がぶつかり合う。
アーサー「報告にあった通り我々が確保した聖剣だな?どうやって手に入れた?」
ジン「悪いね。俺にもよく分からないんだ。だから説明出来ない!」
近距離の睨み合いから離れ、アーサーは剣を振り下ろすがジンは右に受け流す。
アーサー「ほう。」
今度はジンが右腕を狙って剣を振り下ろす。だがその位置には腕が無かった。ジンの狙いを知って、既に右手を離していた。アーサーは今一度構え直し剣を振り下ろす。
ジン「うぉ!」
2度目の振り下ろしはジンも考えて無かった。踏ん張って受け止める。
アーサー「フッ、これで決まると思ったぞ。」
ジン「まだ・・・籠手調べだ!」
それを見ていたアイリスは深呼吸をする。意を決してエレナを見た。
エレナ「分かってる。私の事は気にするなジンを頼む。やっぱり1人じゃ無理だ。だけど気を付けろよ。」
アイリス「うん。行って来る。」
アイリスは一気に距離を詰め、アーサーに横から突き放つ。アーサーは後ろに身を引きながらアイリスの剣を弾きアイリスの方を向く。
ジン「俺を忘れるなよ!」
アーサー「ぬぅ!」
アーサーはジンの攻撃を躱す。続けてアイリスの連撃を左右に捌く。
アイリス「く!」
アーサー「早く正確だな。だがそれ故に捉えるのは簡単だ。」
アイリスの渾身の突きを躱し右側に回り込み剣を振り上げる。そこへ後ろからジンが斬り掛かる。アーサーは振り上げた剣をそのまま防御に使う。
アーサー「フッ、惜しかったな?」
ジン「アイリスが斬られるよりはマシだ!」
アーサーは剣を振りジンを弾き飛ばすと一気に距離を詰める。ジンは素早く体勢を立て直そうとするが、アーサーの剣が首に迫る。それを躱す為にまた転ぶ。ジンを助ける為、今度はアイリスが仕掛ける。
アーサー「チッ!」
舌打ちの後、振り向くと同時にアイリス剣を弾く。そして振り上げこれで1人目だと確信しながらアーサーは攻撃するだが軌道を逸らされる。アイリスは左手にも剣を持っていた。母の形見の宝石が付いている昔から使っているレイピアだ。当然お守り代わりに今日も持っていた。
アーサー「何!」
流石に驚いたのか少し反応が遅れる。アーサーの右頬に刺突のかすり傷が出来る。下から振り上げアイリスを押し返す。その瞬間ジンが詰め寄る。堪らず急いで振り下ろした剣はジンに受け流される。そして今度はジンの剣がアーサーの左頬にかすり傷を負わせる。
アイリス「ジン、下がって!」
アイリスは魔法を唱え、足下の水を風魔法で少し巻き上げる。そこへ聖剣・アイスクリエイトで氷にする。
アーサー「これに何の意味がある!」
一瞬で氷は砕かれる。だがそれで良い。注意をこっち引ければ。そして放つ。
エレナ「Airpiercing!」
エレナの風魔法のライフルが決まる。そう思った瞬間だった。アーサーの前髪が弾ける。外した!いや、避けられた!
エレナ「な!くそ!」
ジン「あれ避けんのかよ!」
アイリス「信じられない!」
アーサー「ゴメスが言っていた生き物には五感と言うのがあると。俺の特殊能力・・・確か"すきる"とか言ったか俺のは複数の事を同時に考えられるという物だ。自分の思考を3つに分けそれぞれを視覚、聴覚、触覚に繋いでいる。」
ジン「だから何だよ。」
アイリス「どれか1つでも感じ取れれば躱せるって事。」
ジン「そんなのアリかよ!」
アーサー「フッ、しかしお前達も神の恩恵でそれ以上の物を持っているだろう?」
エレナ「2人共!行くぞ!Lightsquall!」
エレナの光魔法だ。この空間の所為か威力が下がっている様だが動きを鈍らせるには十分だった。
アーサー「チッ、鬱陶しい。」
ジンとアイリスにはダメージが無いらしくこの中でも平気な様だ。ジンは正面から斬り掛かる。アーサーは鍔迫り合いの状態になった後ジンを押し返す。続けて突きを繰り出す。
エレナ「"ロックウォール"。」
土壁で突きを防ぐ。ジンは右から回り込み、アーサーは剣を引き抜く。その引き抜いた穴から今度はアイリスが攻撃する。
アイリス「"ファイアランス"!」
アーサー「ふん!」
直ぐに叩き落とすと、ジンの攻撃に反応し防ぐ。
エレナ「"ロックバレット"!」
ジンが離れると石の弾丸が迫る。だがアーサーはその尽くを打ち落とす。光魔法の効果が消えアーサーは悠然と立ちはだかる。
エレナ「強い!」
アーサーは王と言うに相応しい強さだと実感する。そして戦いは最終局面に移行する。
ジン「今度は何処だよ。」
エレナ「門の中だろうな。」
アイリス「入り口も消えてる。」
ただ何も無い地平線で上空には青い空が広がっていた。足下は薄っすら水が張ってあり、その水には空が反射していた。まるで地球にある何処かの塩湖に似ている場所だった。物語で飛ばされた先の空間が、こういう景色の場所だというのはたまに見る光景だ。
アーサー「ようこそ。英雄達よ。以前に会った覚えのある者は1人だけか。俺が魔族の王をしているアーサーだ。」
ジン「あんたが?」
エレナ「こいつを倒せば勝ちか!」
アイリス「うん。ここまで来たらやるしか無い。とは言っても。」
先程から3人共魔力が練れない。これだと魔法が使えない。
アーサー「ハッキリ言おう。この空間では魔力が扱い辛い状態にしてある。欲を言えば完全に消去したかったがそれは流石に出来なかったがな。」
ジン「ん?どういう事だ?」
エレナ「時間を掛ければ使えるとは思う。だけど消費量も増えてかなりキツい状況だ。」
ジン「良し、分かった!アイリス!エレナを守ってくれ!」
アイリス「え!ジンは!」
ジン「俺はこいつと決着を付ける。」
アイリス「無茶よ!こんな魔力も使えない状態で!」
アイリスの腕をエレナが掴む。
エレナ「待て!仕方ないんだ。使おうと思えば使える。つまりは使う為の時間を稼がなきゃならない。魔王を倒すにはどちらにせよ誰かが戦わないと駄目だ。」
アイリス「それは、そうかも知れないけど。」
ジンは2人から離れアーサーに話し掛ける。
ジン「なぁ、お互い散々戦ったろ?いい加減止めにしないか?」
アーサー「フッ、奴にも同じ事を言われた。だが今更退く事は出来ん。まだ俺達は存在を認められていないからな。しかし不思議だ。部下の話だとこの空間の景色は俺の心象風景だそうだ。こんなに澄んだ気持ちでこの場にはいないんだがな。」
ジンとアーサーは互いに睨み合いながら剣を抜く。
ジン「何か王様って感じしないなあんた。」
アーサー「一部の族長は気にしているが、血筋で王を決めた訳では無い。俺が王になったのは純粋に己の鍛えた力だけだ。」
"自分の実力で王になった。"
アーサーのその話を聞くと相当な努力の上で王になったのだろうと感じる。そんなアーサーに勝てるか不安になるが、ここまで来て退く訳には行かない。シリウスに鍛えられ、聖剣を手にし生き延びて来た。今は勝つ事だけ考える。自分に言い聞かせジンは走り出す。ジンとアーサーの剣がぶつかり合う。
アーサー「報告にあった通り我々が確保した聖剣だな?どうやって手に入れた?」
ジン「悪いね。俺にもよく分からないんだ。だから説明出来ない!」
近距離の睨み合いから離れ、アーサーは剣を振り下ろすがジンは右に受け流す。
アーサー「ほう。」
今度はジンが右腕を狙って剣を振り下ろす。だがその位置には腕が無かった。ジンの狙いを知って、既に右手を離していた。アーサーは今一度構え直し剣を振り下ろす。
ジン「うぉ!」
2度目の振り下ろしはジンも考えて無かった。踏ん張って受け止める。
アーサー「フッ、これで決まると思ったぞ。」
ジン「まだ・・・籠手調べだ!」
それを見ていたアイリスは深呼吸をする。意を決してエレナを見た。
エレナ「分かってる。私の事は気にするなジンを頼む。やっぱり1人じゃ無理だ。だけど気を付けろよ。」
アイリス「うん。行って来る。」
アイリスは一気に距離を詰め、アーサーに横から突き放つ。アーサーは後ろに身を引きながらアイリスの剣を弾きアイリスの方を向く。
ジン「俺を忘れるなよ!」
アーサー「ぬぅ!」
アーサーはジンの攻撃を躱す。続けてアイリスの連撃を左右に捌く。
アイリス「く!」
アーサー「早く正確だな。だがそれ故に捉えるのは簡単だ。」
アイリスの渾身の突きを躱し右側に回り込み剣を振り上げる。そこへ後ろからジンが斬り掛かる。アーサーは振り上げた剣をそのまま防御に使う。
アーサー「フッ、惜しかったな?」
ジン「アイリスが斬られるよりはマシだ!」
アーサーは剣を振りジンを弾き飛ばすと一気に距離を詰める。ジンは素早く体勢を立て直そうとするが、アーサーの剣が首に迫る。それを躱す為にまた転ぶ。ジンを助ける為、今度はアイリスが仕掛ける。
アーサー「チッ!」
舌打ちの後、振り向くと同時にアイリス剣を弾く。そして振り上げこれで1人目だと確信しながらアーサーは攻撃するだが軌道を逸らされる。アイリスは左手にも剣を持っていた。母の形見の宝石が付いている昔から使っているレイピアだ。当然お守り代わりに今日も持っていた。
アーサー「何!」
流石に驚いたのか少し反応が遅れる。アーサーの右頬に刺突のかすり傷が出来る。下から振り上げアイリスを押し返す。その瞬間ジンが詰め寄る。堪らず急いで振り下ろした剣はジンに受け流される。そして今度はジンの剣がアーサーの左頬にかすり傷を負わせる。
アイリス「ジン、下がって!」
アイリスは魔法を唱え、足下の水を風魔法で少し巻き上げる。そこへ聖剣・アイスクリエイトで氷にする。
アーサー「これに何の意味がある!」
一瞬で氷は砕かれる。だがそれで良い。注意をこっち引ければ。そして放つ。
エレナ「Airpiercing!」
エレナの風魔法のライフルが決まる。そう思った瞬間だった。アーサーの前髪が弾ける。外した!いや、避けられた!
エレナ「な!くそ!」
ジン「あれ避けんのかよ!」
アイリス「信じられない!」
アーサー「ゴメスが言っていた生き物には五感と言うのがあると。俺の特殊能力・・・確か"すきる"とか言ったか俺のは複数の事を同時に考えられるという物だ。自分の思考を3つに分けそれぞれを視覚、聴覚、触覚に繋いでいる。」
ジン「だから何だよ。」
アイリス「どれか1つでも感じ取れれば躱せるって事。」
ジン「そんなのアリかよ!」
アーサー「フッ、しかしお前達も神の恩恵でそれ以上の物を持っているだろう?」
エレナ「2人共!行くぞ!Lightsquall!」
エレナの光魔法だ。この空間の所為か威力が下がっている様だが動きを鈍らせるには十分だった。
アーサー「チッ、鬱陶しい。」
ジンとアイリスにはダメージが無いらしくこの中でも平気な様だ。ジンは正面から斬り掛かる。アーサーは鍔迫り合いの状態になった後ジンを押し返す。続けて突きを繰り出す。
エレナ「"ロックウォール"。」
土壁で突きを防ぐ。ジンは右から回り込み、アーサーは剣を引き抜く。その引き抜いた穴から今度はアイリスが攻撃する。
アイリス「"ファイアランス"!」
アーサー「ふん!」
直ぐに叩き落とすと、ジンの攻撃に反応し防ぐ。
エレナ「"ロックバレット"!」
ジンが離れると石の弾丸が迫る。だがアーサーはその尽くを打ち落とす。光魔法の効果が消えアーサーは悠然と立ちはだかる。
エレナ「強い!」
アーサーは王と言うに相応しい強さだと実感する。そして戦いは最終局面に移行する。
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