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[Worldtrace]
忘れていたイベント
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俺達は4つの辺境都市の中で、魔族に落とされた辺境都市の1つに来ていた。落とされたのは2つだがその北の方にある都市だ。ここも元は傭兵達が作った都市で功績をそこそこ挙げていたからゲイツ団長の次に辺境伯になったらしい。
俺「ちらほら傭兵がいるな。」
周りを見ると傭兵が何人かいる。顔は見た事がないから"イージス"の傭兵じゃないだろう。ここを拠点にしてた傭兵かな?
キース「奪われた都市を奪還して戦線を押し返す訳ですから。ここで生活していた傭兵達が自分達の都市を取り戻そうと集まるのは普通じゃないですか?」
エレナ「だけど奪還って言っても魔族が1人もいないぞ。」
俺「この都市に興味がないんじゃないか?」
ザック「それにしても無防備すぎるだろ?ここ取られたら、今度は自分達が攻められるんだ。」
俺「う~ん。陽動作戦とか?」
ザック「陽動って、何処狙うんだよ。」
俺「普通に考えれば本丸・・・かな?」
キース「本丸・・・王都、ですか?」
トリッシュ「他の所でそんな動きがあった。なんて話聞いて無いわよ。」
俺「後はここで待ち伏せ・・・みたいな?」
ジン「周り見て来たけど、魔族や魔物なんかもいないぞ。」
俺「ふ~ん。」
そんな話をしていると俺は不意に豊臣秀吉の事を思い出した。木下藤吉郎の頃つまりは織田信長の部下だった時に一夜城を建てたって話だ。事実かどうか分からないみたいな事が書いてあったけど、何故かその話を思い出していた。
そういえばそれに近い事を前に見た気がする。あ!そうだ!イベント!
まだ戦争前にイベントがあった!思い出した途端に空が光る。そして何かガラスの様な物が砕ける音がする。そして次の瞬間、事件が起きた。
傭兵1「おい!何だあれ!」
傭兵2「さっきまで無かったぞあんな物!」
エレナ「おい!あれは!」
俺「フッ、一夜城だ。」
ジン「え!」
俺「まぁ、正確には一晩で建てたんじゃないだろうけど。」
キース「ど、どうするんですか?」
俺「どうするって撤退するに決まってるだろ?何の準備も無しに敵の本丸に行く訳にはいかないし。だろ?」
キース「た、確かに。」
トリッシュ「相変わらず冷静ね。」
シャノン「お陰で私達も慌てずに済んでますけど。」
ザック「そうだな。」
しかし一夜城かぁ。あいつ本当に凄いな。俺はたまたま知識として知ってたけど、知らないのに秀吉と同じ考えに至るなんて凄いとしか言えない。冗談抜きで尊敬するよ。
俺「それにしてもマジで凄いなあいつ。大した者だよ。本当。」
ジン「いや、笑ってる場合か!何が楽しいんだよ?」
俺「笑わずにはいられないだろ?俺とは段違いだな。」
エレナ「私はお前の方が凄いと思う。」
ジン「俺もそう思ってる。」
俺「フッ、ありがとよ。さぁ、報告に戻るぞ。」
一方、魔王城内、謁見の間。
ゴメス「流石ですな。隠蔽魔法で存在を隠したまま城を建造し、ここぞという瞬間に顕現させる。そのお陰で人族は皆んな城に注目する。」
アーサー「ああ、これで奴等があれに気付く事はまず無いだろう。・・・これで我々は勝てるのか?」
ゴメス「このまま予定通りに進むならですが。少し気になる事はあります。」
アーサー「やはり使徒か?貴様の知る未来にはいなかったのか?」
ゴメス「ええ。いませんでした。しかしあの程度の剣士はこの国に掃いて捨てる程いますよ。貴方は"我が主"の為に勝つ事だけ考えれば良い。」
アーサーは少し顔を歪める。
アーサー「貴様の目的の為に戦う訳では無い。だが我々が勝つ為なら良いだろう。利用されてやるさ。しかしその分こちらも利用させてもらうぞ。しっかり働けよ。」
ゴメス「フフフ。貴方のご友人達より遥かに良い結果を出しますよ。」
アーサーは思う。何故魔族側の使徒がこいつなのか。奴の言う主である神は我々に協力するというが、それ程魔族に興味が無いのだろう。ただ楽しむ為に我々・・・いや、俺を利用しているのだ。だがそれでも良い。俺は戦う。己や仲間、そして一族の存在意義を確かめる為に。
俺「ちらほら傭兵がいるな。」
周りを見ると傭兵が何人かいる。顔は見た事がないから"イージス"の傭兵じゃないだろう。ここを拠点にしてた傭兵かな?
キース「奪われた都市を奪還して戦線を押し返す訳ですから。ここで生活していた傭兵達が自分達の都市を取り戻そうと集まるのは普通じゃないですか?」
エレナ「だけど奪還って言っても魔族が1人もいないぞ。」
俺「この都市に興味がないんじゃないか?」
ザック「それにしても無防備すぎるだろ?ここ取られたら、今度は自分達が攻められるんだ。」
俺「う~ん。陽動作戦とか?」
ザック「陽動って、何処狙うんだよ。」
俺「普通に考えれば本丸・・・かな?」
キース「本丸・・・王都、ですか?」
トリッシュ「他の所でそんな動きがあった。なんて話聞いて無いわよ。」
俺「後はここで待ち伏せ・・・みたいな?」
ジン「周り見て来たけど、魔族や魔物なんかもいないぞ。」
俺「ふ~ん。」
そんな話をしていると俺は不意に豊臣秀吉の事を思い出した。木下藤吉郎の頃つまりは織田信長の部下だった時に一夜城を建てたって話だ。事実かどうか分からないみたいな事が書いてあったけど、何故かその話を思い出していた。
そういえばそれに近い事を前に見た気がする。あ!そうだ!イベント!
まだ戦争前にイベントがあった!思い出した途端に空が光る。そして何かガラスの様な物が砕ける音がする。そして次の瞬間、事件が起きた。
傭兵1「おい!何だあれ!」
傭兵2「さっきまで無かったぞあんな物!」
エレナ「おい!あれは!」
俺「フッ、一夜城だ。」
ジン「え!」
俺「まぁ、正確には一晩で建てたんじゃないだろうけど。」
キース「ど、どうするんですか?」
俺「どうするって撤退するに決まってるだろ?何の準備も無しに敵の本丸に行く訳にはいかないし。だろ?」
キース「た、確かに。」
トリッシュ「相変わらず冷静ね。」
シャノン「お陰で私達も慌てずに済んでますけど。」
ザック「そうだな。」
しかし一夜城かぁ。あいつ本当に凄いな。俺はたまたま知識として知ってたけど、知らないのに秀吉と同じ考えに至るなんて凄いとしか言えない。冗談抜きで尊敬するよ。
俺「それにしてもマジで凄いなあいつ。大した者だよ。本当。」
ジン「いや、笑ってる場合か!何が楽しいんだよ?」
俺「笑わずにはいられないだろ?俺とは段違いだな。」
エレナ「私はお前の方が凄いと思う。」
ジン「俺もそう思ってる。」
俺「フッ、ありがとよ。さぁ、報告に戻るぞ。」
一方、魔王城内、謁見の間。
ゴメス「流石ですな。隠蔽魔法で存在を隠したまま城を建造し、ここぞという瞬間に顕現させる。そのお陰で人族は皆んな城に注目する。」
アーサー「ああ、これで奴等があれに気付く事はまず無いだろう。・・・これで我々は勝てるのか?」
ゴメス「このまま予定通りに進むならですが。少し気になる事はあります。」
アーサー「やはり使徒か?貴様の知る未来にはいなかったのか?」
ゴメス「ええ。いませんでした。しかしあの程度の剣士はこの国に掃いて捨てる程いますよ。貴方は"我が主"の為に勝つ事だけ考えれば良い。」
アーサーは少し顔を歪める。
アーサー「貴様の目的の為に戦う訳では無い。だが我々が勝つ為なら良いだろう。利用されてやるさ。しかしその分こちらも利用させてもらうぞ。しっかり働けよ。」
ゴメス「フフフ。貴方のご友人達より遥かに良い結果を出しますよ。」
アーサーは思う。何故魔族側の使徒がこいつなのか。奴の言う主である神は我々に協力するというが、それ程魔族に興味が無いのだろう。ただ楽しむ為に我々・・・いや、俺を利用しているのだ。だがそれでも良い。俺は戦う。己や仲間、そして一族の存在意義を確かめる為に。
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