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アイリス2

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時間は少し遡り魔族襲撃前
村長をしているという女性"カーラ"の案内で森の中を進む。地球で見たレトロゲームの動画みたいに森を歩いていく。

カーラ「ここに魔物は出ないから警戒しなくても大丈夫だよ。」

シャノン「場所は分かっているのですか?」

カーラ「ああ、しっかり把握しているよ。」

しばらく歩くと開けた場所に辿り着く。その数メートル先に聖剣が安置されている。

エレナ「これが聖剣か。」

カーラ「実は昔、娘達を連れてここに来たのさ。そしたらアイリーンが"話し声が聞こえる"って言い出してね。」

え?怖っ!軽くホラーじゃん!どう言う事?

カーラ「アイリーンが聞いた話だと、この聖剣を抜けるのはアイリーンの分身だって言ったらしいよ。姉の方は聞こえなかったから嘘だと言っていたけど。私はそれを聞いて確信したのさ。」

アイリス「な、何をです?」

カーラ「この聖剣に選ばれたのはアイリーンの子供だと。息子か、娘かは分からないけどあの子は別に双子とかじゃないからね。なら分身に該当するのは子供だとね。」

アイリス「な、成程。」

ある意味ただの勘な気はするけど今は黙ってよ。

カーラ「そして今日、それは証明された。エレナが結界の中にいるのが証拠だよ。」

私達も中にいるけど?

トリッシュ「私達もいるけど?」

シャノン「はい。今の状況だとまだ断定はできないのでは?」

私が思った事をサラッと言う2人。

カーラ「・・・・・。さぁ、行くよ。ついておいで。」

あ!誤魔化した!大丈夫かな?

カーラ「大丈夫だよ。ほら、行くよ。」

え!心を読まれた?それとも顔に出てた?
聖剣の台座の所に来たけど、個人的には触りたく無い。あの時の事を思い出し心の中で祈る。エレナお願いだから抜いて!と。
エレナは聖剣の柄を掴む。そしてスッと抜かれ、途端に形が変わる。聖剣が杖に、そう聖杖になったのだ。

カーラ「ほら見ろ!私の言った通りじゃないか!私の見立てに間違いは無いんだよ。」

"かっかっか"っと笑う。自分の考えが正しかったと分かった途端にマウントを取る。そしてトリッシュやシャノン、もしかしたら私も同じかも知れないけど微妙な顔をしていた。

エレナ「母さん。これで良かった?」

アイリス「大丈夫よ。これからどうなるか分からないけど私達は世界を救うんだから、必ず誇りに思ってくれるわ。」

エレナ「そうかな?」

シャノン「ええ、これから結果で証明すれば問題無いですよ。」

トリッシュ「私もそう思う。」

エレナ「フッ、そうだな。良し!頑張るぞ!」

その時、ドン!っと大きい音が鳴る。あ!そういえば今日、魔王軍が攻めて来るんだ!なんか色々あるから忘れてた!まぁ、あっちはシリウスがいる。よっぽどの事が無い限りは大丈夫だと思うけど。

カーラ「さて、そろそろ戻るかい。」

そして森の入り口に戻り魔族の剣聖との戦いが起きていた。最終的に追い返せたけど、魔族の剣聖なんて聞いた事が無い。また初めて見るキャラ。それに負けないくらいのエレナのオリジナル魔法。かなり前からだけど地球のゲームとはもう別物ね。よし!考えるのはやめよ!どうせなる様にしかならないし。そんな事を考えてふと思う。あれ?私、考え方があいつと同じじゃない?まさか影響受けてる?ジンやエレナもあいつ影響で性格が大分違うと思う。え~、嫌だ~。気を付けよう。
とりあえずシリウスが来て敵の相手をしてくれている。今の内に被害状況を確認しよう。

クロード「お嬢様。残念ながら騎士の中に3名程の犠牲者が出ました。」

アイリス「そう。他の人は?」

クロード「シャノンさんのお陰で他の者は無事です。」

ホッと胸を撫で下ろすと同時に犠牲になった人に申し訳なく思う。

クロード「お嬢様の所為ではありませんよ。」

アイリス「どういう状況でも今この場の責任者は私だよ。」

辛いけど立ち止まってはいられない。その時、笛の音が聞こえた。見ると魔物に捕まりながら剣聖が去って行く。よくあんな風圧の中で捕まっていられるな。とか考えながらシリウスに近付く。

アイリス「大丈夫?」

俺「ん?ああ。大丈夫だ。そういえばアイリーンの姉さんが終わったら自分の所に来いって言ってたぞ。」

アイリス「え?何で?何かしたの?」

シリウス「は?何でそうなる?」

アイリス「自覚無いの?」

シリウスは微妙な顔をしていたけど、どうなんだろう?とにかく村に戻る。

ルイーゼ「アイリーンの姉のルイーゼです。実は皆さんの事を占っていたのでその結果を伝えようと思いまして。」

占いかぁ~、この『世界』でそういうの気にした事無かったな。そもそも魔法のある『世界』だから地球の占いより当たりやすいかな?

ルイーゼ「先ずはジンさん。貴方は近い将来、大きな分岐点に差し掛かります。愛か憎しみか、辛い事にこの分岐点において貴方に選択権はありません。」

ジン「え!無いの!」

ルイーゼ「ですが貴方の"友"が貴方の望む結果へ導いてくれるでしょう。大切にして下さい。」

ジンがシリウスを見る。

シリウス「ん?何だよ?」

ジン「いや、シリウスの事かな?って思って。俺、他に友達いないし。」

ルイーゼ「と、とりあえず貴方はそれだけ。続いてエレナ。貴女に死の危険が迫っているわ。」

エレナ「え!」

ルイーゼ「ただこの感じだと貴女の場合、今回の戦争とは関係ない出来事みたい。でも安心して、貴女を剣となり盾となり守ってくれる存在が必ず貴女を助けるわ。」

エレナ「そ、そうなのか?」

エレナもシリウスを見る。

シリウス「どうした?」

エレナ「いや、私も該当するのはシリウスだけだなって思って。」

ルイーゼ「そしてスワロウ公爵令嬢様。」

わ!来た!私だ。久しぶりの占いに少し緊張する。良い結果だと嬉しいけど。

ルイーゼ「貴女は今回の魔王軍との戦いで何か大事な物を失う事になるわ。」

アイリス「え!」

ルイーゼ「だけど代わりに大切な人を守る事が出来るわ。だから気を落とさないで。」

大切な人?誰?家族かな?目を閉じて考えてみる。何故か最初に浮かんだのはシリウスの顔だ。え!ビックリして自然とシリウスを見る。

シリウス「ん?どうした?」

いやいや、無い無い。今までそんな風に感じた事が無い。まぁ、確かにいざって時は頼りになるし、助けてもらった事もある。でもそんなロマンチックな事は・・・。思い返すと一度だけあるな。それでもどうなんだろう?

シリウス「占い師って皆んな同じ事しか言わないな。」

シリウスがいきなり喰ってかかる。

ルイーゼ「はぁ?どう言う意味よ!」

シリウス「何か失くすけど何か手に入れるとか、よくその程度で金取るよな。」

アイリス「ち、ちょっと!」

ルイーゼ「あんた本当に妹と血が繋がって無いの?そういう所そっくりじゃない!なら私の全魔力を使ってあんたの未来を当ててやるわよ!」

シリウス「やってみろよ!」

何でこんな喧嘩腰なの?占いに何か思う所でもあった?
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