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剣聖VS剣聖

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数分でジェイド達を片付けて木々の間を抜ける。あの色白の背後に出た。俺は直ぐに刀を振り下ろすが見事に防がれた。今は皆んな怪我人の安全確保と回復で走り回ってる。こっちのフォローはしばらく無いだろうな。奴は二刀流で構えている。村の所で見かけた時は剣を持ってる様には見えなかった。何処から出したんだ?

魔族「そういえば自己紹介がまだだったな。私は魔王軍最強の剣士、剣聖ゴメス・ベルドーだ。貴様は名乗らなくて良いぞ。どうせこの場で死ぬのだ。そんな者の名は聞いても仕方がない。」

俺「あっそう。」

名乗らなくて良いならいいか。それにしても大した自信だな。
ゴメスが俺を睨み付ける。不意にゴメスが動き左手の剣で突きを繰り出す。俺は腰を落とし兜割りで剣を粉砕する。なんか脆いな。

ゴメス「む!」

ゴメスが続けて右手の剣を振り下ろす。それを受け流すと今度は俺が頭を狙い刀を振り下ろす。

ゴメス「甘い!」

俺の刀を左手の剣で受け止める。あれ?さっき砕いたよな?まぁ、考えるのは後だ。追撃がくる。俺が離れると同時に奴の右手の剣が腹の辺りを掠める。避けた勢いでそのまま距離を取り、呼吸を整え今度はこっちから仕掛ける。
俺は諸手突きを繰り出す構えで突っ込む。奴は剣をクロスさせて防御態勢に入る。俺は右手の剣に当て叩き落とす。奴の気が逸れたタイミングで左の剣を跳ね上げる。

ゴメス「チッ!」

奴はその剣を取ろうと手を伸ばす。俺はハイキックでその剣を森の方へ蹴り飛ばす。これで奴は丸腰だ。そう思っていたが、奴は距離を取ると直ぐに剣を構え直していた。
ん?確か最初に1本目を破壊して2本目は叩き落とし、その上3本目もさっき蹴り飛ばしたよな?何でもう両手に剣を持ってるんだ?

俺「何でそこに剣があるんだ?」

ゴメス「ふん。愚かな。聞かれて正直に答えると思っているのか?」

何!こいつ今までのと違って割りと普通なのか?今まであった魔王軍の奴等は聞くとあっさり答えたのに。空間魔法みたいな収納とは違う様だな。若干だけど魔力は感じた。何かの魔法だとは思うけど。

俺「錬金術か?」

ゴメス「フッ、錬金術は良い。その場にある物の構成を瞬時に別の物に組み換える事ができるからな。ただ見た目をいくら換えても使われている素材は同じだ。そして無から有は作れない。」

俺「成程。陶器の壺を剣に出来ても剣の形をした陶器の置き物にしかならないか。」

ゴメス「そうだ。陶器から鉄の剣は出来ない。確かにこの大地から鉄を取り出す事は出来る。だがそれを剣に換えるとなると相当な面積の大地が必要だ。そして作る為の大きさや形、それがどれだけの量かを考える必要がある。相当な知識と技術そして感性が必要だ。」

それだと違うと白状してる様な物だけど。ヒントをくれたのか?案外良い奴?

キース「シリウスさんその男の剣は恐らく闇属性の魔法で作った剣だと思います。エレナさんの新技の光魔法で消えていました。」

俺は闇属性という重要な証言よりエレナの新技が気になった。え!また知らない魔法?どんなだ?内容が分からないと今後が不安なんだけど。

ゴメス「少し本気を出すか・・・。と言いたい所だが流石にこの数は骨が折れる。それに聖剣も奪われた。ならここに要は無い。」

周りを見るとほとんどの奴が回復した様だ。キース達も戦えるし、エレナとアイリスの聖剣持ちまでいるとなると俺達の方が有利だ。ゴメスが指笛を吹くと空にデカい鳥の魔物が現れる。その足に捕まるとこっちを一瞥しながら去って行く。あのサイズの鳥が羽ばたくから凄い風圧だけどよく捕まってられるな。結界とか張ってんのかな。

ゴメス「次は無いぞ。フハハハ。」

何で最後笑ったんだ?そんな疑問は残るがとにかく今は良いや。

俺「皆んな無事か?」

ザック「全員では無いがなんとかな。」

騎士達の中に死者は出たがパーティメンバーは無事だった。村に戻るとジェイドや第三師団長もいなくなっていた。

ジン「撤退命令が出たとかで帰って行ったぞ。」

とりあえずあの"ジョー"とか言うゴブリンのお陰で被害はそこまで大きく無かった。
そういえばアイリーンの姉のルイーゼに話があるとか言われたな。面倒だけど行くか。
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