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[Worldtrace]
アイリス
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アイリスが記憶を取り戻したのは5歳の時だった。彼女は記憶を取り戻す前から活発で、公爵家の庭を走り回っていた。そんなアイリスに取って、木登りは遊びの一環であった。そんな遊びの最中、突如事件が起きる。木登りをしていた時に足を滑らせ地面に落ちた。そこで頭を打ったのがきっかけで前世を思い出す。小説とかではよくある話だろう。
自分がどういう存在なのか?それを改めて知ったのは7歳の時に届いた差出人不明の手紙からだった。手紙の差出人・・・人と表現して良いかは分からない存在だがそれはギリシャの神、アテナだった。アイリスはその手紙からこの『世界』の概要と自分がどうしてここにいるのかを知る。
手紙の内容にはこの『世界』がとあるゲームの元になった『世界』だという事、自分がアテナの使徒としてこの『世界』に送られた事、そして何より『地球』での人生が終わりを迎えたと知らされた。ただアイリスはそこで落ち込む人では無かった。勿論、人生の終わりを聞かされ残念とは思いながらも今いるのは異世界だ。多少の期待はする。
アイリスは先ず自分の状況を確認する。爵位は並の貴族の家では無い公爵だった。その公爵家の長女として産まれ、中々の高い能力を備えた職業[戦乙女]も授かった。剣技の上達に対する補助、攻撃魔法に関しては上級と回復は中級まで使えた。
アイリスが『地球』で生きていた時はフェンシングをしていた。この『世界』の貴族が習う剣術のスタンダードだった。周りの人々には天才と褒められた事もある。
順風満帆と言って良い状況だった。しかし、ある日ここは物語とは違うと知る事になる。アイリスが弟と数人の使用人を連れ王都に向かっていた時、盗賊に襲撃された。
アイリスは執事のアルフレッドに弟を頼み飛び出す。自分なら何とかなると信じ行動した。だが、何の経験も無い彼女1人では何も出来なかった。アイリスは捕まり殺されると思った時、助けが現れる。
助けたのはアイリスと同じく『地球』から来たシリウスだった。話を聞くとシリウスは北欧神話で運命を司る神、ノルン達の使徒と知った。2人は互いの情報を擦り合わせシリウスは最前線、アイリスは学園にてジンのサポートをするという事に決まった。
どんな状況であれ仲間がいるのは悪くない。そしてこれから上手く立ち回り、シナリオの予定通りに進めて行こうと考えていた。あの瞬間までは。
ジンがシナリオとは違う結果を出す。負ける筈だった決闘に勝ち、あまりの強さに孤立してしまった。
アイリス「あいつ!どんだけ鍛えたのよ!」
自室で叫ぶアイリス。あのイベントはアイリスも調べた事があった。情報の通りならあの勝負に勝ったという話は聞かなかった。
そのイベントに勝った。それは相当な異常事態だと感じる。その後、アイリスの努力も虚しくジンに仲間は出来なかった。
その後のイベントにも若干の違いが出る。ジンと魔王軍との初戦闘だ。通常なら例の第一師団長とはジンが戦う筈だったが何故かそのままシリウスが戦っていた。予定と違う事はそれだけでは無い。魔将という今まで聞いた事の無い敵まで現れた。色々と違うとは言えこの状況を乗り切らないといけない。アイリスは学友やジン、そしてシリウスとも協力し何とか事態を収集させる。
それからも学園で生活しつつジンのフォローをするアイリス。ただジンはシリウスの影響か予定と違う行動を取り続けた。気が付けばベヒーモスを単独撃破出来る程強くなった。その為、ジンの孤立度合いが増していく。
次のメインイベントは遺跡調査で聖剣を手に入れる事だ。アイリスはシリウスを絶対に参加させる為に指名依頼を出す。これ以上、自分だけ貧乏くじを引くのは嫌だったからだ。何より文句も言いたいと考えていた。
アイリス「瞬撃の狂犬って?」
クロード「アイリス様が入れたいと言っていた男が何故かその様に呼ばれていました。失礼ながらそんな男を信用して大丈夫なのですか?」
アイリス「た、多分、大丈夫。」
ただ結局、このクロードの懸念していた通り今回のイベントも失敗に終わる。聖剣をジンに渡し損ねた。失敗の原因はシリウスでは無いが、何故か上手く噛み合わない。そして今回の災難はこれだけでは無かった。王都が魔王軍に襲撃され、シリウスは魔王との一騎打ちで負けるという結果に終わる。
このままでは駄目だ。アイリスは自身も強くなると心に決め、先ずは戦力強化に取り組む事にする。幸いと言うべきか、次のイベントは聖剣集めだった。
アイリスは父、フリードを通し王に進言する。それにより王国の支援を得て、聖剣集めが開始された。メインキャラとなるエレナ達やジン、公爵家の私兵も引き連れ船団を組む。目指すは北西の離れ小島だ。シリウスは要件を片付けてから合流するという事になっていた。ただ、不思議な事にそういう時に限り事件が起きる。
船旅の途中で襲撃を受けた。だが、相手は人では無い。アイリス達を襲ったのはクラーケン、巨大なイカだった。
騎士1「クラーケンだ!」
騎士2「こんなにデカい魔物見た事ないぞ!」
騎士3「慌てるな!攻撃用意!」
合図と掛け声で大砲が火を吹く。当たりはすれどサイズの為かあまり効いてはいない様子だった。
エレナ「チッ、あれをやるぞ!皆んな時間を稼げ!」
キース「はぁ?こんな密集してる時にあんなの使ったらどうなるか分からないですよ!」
トリッシュ「じゃあどうするの!」
ジン「動きを止めてくれ!」
ジンには何かしらの秘策がある様で自信満々に言う。だが、動きを封じろと言われて簡単に出来る訳では無い。とにかく攻撃をして抑える。
アイリス「大砲は?撃てる?」
クロード「準備は出来ています。」
アイリス「撃って!」
ドンッ、ドンッと一斉に撃ち、クラーケンを退がらせる。しかし、次の攻撃をする前にクラーケンが動き出す。
エレナ「よし!行くぞ!」
エレナが右手に持つ杖と左手を光らせる。杖を振り、4つの竜巻を発生させると海の水を巻き上げる。左手の魔法でそのまま水柱を凍らせ、クラーケンの動きを封じた。
エレナ「ほら、止めたぞ。」
ジン「よっしゃ!任せろ!どりゃ!」
ジンが剣に凄い量の魔力を流し大きな刃を作る。そして氷で動けないクラーケンをバツの字に斬り海へと沈めた。
あの巨大な魔物を2人で倒す。アイリスはこの2人がいれば大丈夫じゃない?と思う。ただその反面、冷静に考えてあの化け物を普通に倒せるというのはどうなのか?と疑問も浮かぶ。
アイリス「私、特に要らないよね?」
クロード「いえ、あのお2人が特殊なんだと思いますよ。」
とにかく無事に島へと到着したアイリスは、シリウスと合流し今までの経緯を説明する。
シリウス「へぇ~、クラーケン!見たかったなぁ。」
アイリス「何、呑気な事言ってるのよ!2度とごめんよ!あんなヌメヌメ!」
シリウス「え?イカ嫌い?」
アイリス「別に食べるのは良いわ。でも食べられるのは嫌よ。」
シリウス「確かに。」
シリウスとの会話は楽しいが、たまに自分の常識が変なのかと錯覚してしまうアイリス。しかしシリウスの存在がアイリスを安心させている事も事実だった。
何はともあれシリウスと合流した。これから聖剣を手に入れる為、本格的にダンジョンの攻略を行う。
アイリス「さて、何にせよ。ここから本気で行くわよ!」
シリウス「気合い入ってるな。」
アイリス「フフッ、当然!」
そして遺跡へ向かう。
自分がどういう存在なのか?それを改めて知ったのは7歳の時に届いた差出人不明の手紙からだった。手紙の差出人・・・人と表現して良いかは分からない存在だがそれはギリシャの神、アテナだった。アイリスはその手紙からこの『世界』の概要と自分がどうしてここにいるのかを知る。
手紙の内容にはこの『世界』がとあるゲームの元になった『世界』だという事、自分がアテナの使徒としてこの『世界』に送られた事、そして何より『地球』での人生が終わりを迎えたと知らされた。ただアイリスはそこで落ち込む人では無かった。勿論、人生の終わりを聞かされ残念とは思いながらも今いるのは異世界だ。多少の期待はする。
アイリスは先ず自分の状況を確認する。爵位は並の貴族の家では無い公爵だった。その公爵家の長女として産まれ、中々の高い能力を備えた職業[戦乙女]も授かった。剣技の上達に対する補助、攻撃魔法に関しては上級と回復は中級まで使えた。
アイリスが『地球』で生きていた時はフェンシングをしていた。この『世界』の貴族が習う剣術のスタンダードだった。周りの人々には天才と褒められた事もある。
順風満帆と言って良い状況だった。しかし、ある日ここは物語とは違うと知る事になる。アイリスが弟と数人の使用人を連れ王都に向かっていた時、盗賊に襲撃された。
アイリスは執事のアルフレッドに弟を頼み飛び出す。自分なら何とかなると信じ行動した。だが、何の経験も無い彼女1人では何も出来なかった。アイリスは捕まり殺されると思った時、助けが現れる。
助けたのはアイリスと同じく『地球』から来たシリウスだった。話を聞くとシリウスは北欧神話で運命を司る神、ノルン達の使徒と知った。2人は互いの情報を擦り合わせシリウスは最前線、アイリスは学園にてジンのサポートをするという事に決まった。
どんな状況であれ仲間がいるのは悪くない。そしてこれから上手く立ち回り、シナリオの予定通りに進めて行こうと考えていた。あの瞬間までは。
ジンがシナリオとは違う結果を出す。負ける筈だった決闘に勝ち、あまりの強さに孤立してしまった。
アイリス「あいつ!どんだけ鍛えたのよ!」
自室で叫ぶアイリス。あのイベントはアイリスも調べた事があった。情報の通りならあの勝負に勝ったという話は聞かなかった。
そのイベントに勝った。それは相当な異常事態だと感じる。その後、アイリスの努力も虚しくジンに仲間は出来なかった。
その後のイベントにも若干の違いが出る。ジンと魔王軍との初戦闘だ。通常なら例の第一師団長とはジンが戦う筈だったが何故かそのままシリウスが戦っていた。予定と違う事はそれだけでは無い。魔将という今まで聞いた事の無い敵まで現れた。色々と違うとは言えこの状況を乗り切らないといけない。アイリスは学友やジン、そしてシリウスとも協力し何とか事態を収集させる。
それからも学園で生活しつつジンのフォローをするアイリス。ただジンはシリウスの影響か予定と違う行動を取り続けた。気が付けばベヒーモスを単独撃破出来る程強くなった。その為、ジンの孤立度合いが増していく。
次のメインイベントは遺跡調査で聖剣を手に入れる事だ。アイリスはシリウスを絶対に参加させる為に指名依頼を出す。これ以上、自分だけ貧乏くじを引くのは嫌だったからだ。何より文句も言いたいと考えていた。
アイリス「瞬撃の狂犬って?」
クロード「アイリス様が入れたいと言っていた男が何故かその様に呼ばれていました。失礼ながらそんな男を信用して大丈夫なのですか?」
アイリス「た、多分、大丈夫。」
ただ結局、このクロードの懸念していた通り今回のイベントも失敗に終わる。聖剣をジンに渡し損ねた。失敗の原因はシリウスでは無いが、何故か上手く噛み合わない。そして今回の災難はこれだけでは無かった。王都が魔王軍に襲撃され、シリウスは魔王との一騎打ちで負けるという結果に終わる。
このままでは駄目だ。アイリスは自身も強くなると心に決め、先ずは戦力強化に取り組む事にする。幸いと言うべきか、次のイベントは聖剣集めだった。
アイリスは父、フリードを通し王に進言する。それにより王国の支援を得て、聖剣集めが開始された。メインキャラとなるエレナ達やジン、公爵家の私兵も引き連れ船団を組む。目指すは北西の離れ小島だ。シリウスは要件を片付けてから合流するという事になっていた。ただ、不思議な事にそういう時に限り事件が起きる。
船旅の途中で襲撃を受けた。だが、相手は人では無い。アイリス達を襲ったのはクラーケン、巨大なイカだった。
騎士1「クラーケンだ!」
騎士2「こんなにデカい魔物見た事ないぞ!」
騎士3「慌てるな!攻撃用意!」
合図と掛け声で大砲が火を吹く。当たりはすれどサイズの為かあまり効いてはいない様子だった。
エレナ「チッ、あれをやるぞ!皆んな時間を稼げ!」
キース「はぁ?こんな密集してる時にあんなの使ったらどうなるか分からないですよ!」
トリッシュ「じゃあどうするの!」
ジン「動きを止めてくれ!」
ジンには何かしらの秘策がある様で自信満々に言う。だが、動きを封じろと言われて簡単に出来る訳では無い。とにかく攻撃をして抑える。
アイリス「大砲は?撃てる?」
クロード「準備は出来ています。」
アイリス「撃って!」
ドンッ、ドンッと一斉に撃ち、クラーケンを退がらせる。しかし、次の攻撃をする前にクラーケンが動き出す。
エレナ「よし!行くぞ!」
エレナが右手に持つ杖と左手を光らせる。杖を振り、4つの竜巻を発生させると海の水を巻き上げる。左手の魔法でそのまま水柱を凍らせ、クラーケンの動きを封じた。
エレナ「ほら、止めたぞ。」
ジン「よっしゃ!任せろ!どりゃ!」
ジンが剣に凄い量の魔力を流し大きな刃を作る。そして氷で動けないクラーケンをバツの字に斬り海へと沈めた。
あの巨大な魔物を2人で倒す。アイリスはこの2人がいれば大丈夫じゃない?と思う。ただその反面、冷静に考えてあの化け物を普通に倒せるというのはどうなのか?と疑問も浮かぶ。
アイリス「私、特に要らないよね?」
クロード「いえ、あのお2人が特殊なんだと思いますよ。」
とにかく無事に島へと到着したアイリスは、シリウスと合流し今までの経緯を説明する。
シリウス「へぇ~、クラーケン!見たかったなぁ。」
アイリス「何、呑気な事言ってるのよ!2度とごめんよ!あんなヌメヌメ!」
シリウス「え?イカ嫌い?」
アイリス「別に食べるのは良いわ。でも食べられるのは嫌よ。」
シリウス「確かに。」
シリウスとの会話は楽しいが、たまに自分の常識が変なのかと錯覚してしまうアイリス。しかしシリウスの存在がアイリスを安心させている事も事実だった。
何はともあれシリウスと合流した。これから聖剣を手に入れる為、本格的にダンジョンの攻略を行う。
アイリス「さて、何にせよ。ここから本気で行くわよ!」
シリウス「気合い入ってるな。」
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そして遺跡へ向かう。
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