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[Worldtrace]
ランド
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シリウスが目線だけで頑張れと伝える。ランドは頷き、目の前の戦士とガンクと名乗った魔法使いの男、2人と対峙する。
ランドは深呼吸をし、改めて集中する。普段から気を抜いたりはしない。しかし今日は普段よりも落ち着いていた。理由はシリウスだった。背中を預けられる人間がいる。その事実が、彼の集中力を底上げしていた。
彼は隊長という役職を賜り、戦場では常に状況を見て援護に周っている。敵を躱し仲間を助ける。それが今のランドの仕事だった。
最近では部下達も成長し、ランドのフォローに入れる程にはなった。だが、今日の様にただ目の前の敵に全力で集中出来る状況は中々無い。
ガンク「くそ!他の援護はどうした!」
戦士「あの傭兵が邪魔してるみたいだな。」
ガンク「何だあいつは!」
ランド「フッ、俺の友達さ。」
ガンク「それで説明になるか!」
ランド「確かに、他にもあいつに対しての情報はある。けれどそれをお前達に伝える義理は無い。」
ガンク「何を!」
戦士「確かにな。俺はギル・バースだ。」
ランド「前から気になっていたが、魔族は皆んな姓があるのか?」
ギル「ああ、魔王様の考えさ。"我々は人族とは違う。敢えて平民だ貴族だと分ける必要は無い。皆が平等にあるべきだ。"とな。」
客観的にその発想は素晴らしいと感じる。ランドは素直に感想を伝えた。
ランド「それは素晴らしい志だな。」
ギル「ふん。人族にもそんな考え方をする人間がいるとは思わなかったぞ。」
ランド「理解は出来る。だが俺にも護りたい家族や仲間がいる。」
ギル「分かっている。俺達は相容れない。お互いの信条をかけて戦おうじゃないか。」
ランドはその考え方は嫌いでは無いと少し共感する。不意にそのギルの後ろから火の玉が放たれる。ランドは素早く打ち落とし、追撃を警戒しながら構え直す。
ギル「貴様!」
ガンク「馬鹿か?これは戦争だぞ!」
当然だ。それを卑怯とは言えないだろう。それにシリウスは、どんな状況でも彼等を討つだろうとランドは思う。
ランド「気にするな。この程度なら大した事は無い。」
ギル「フッ、そうか。」
ガンク「何だと!」
ギル「なら俺も遠慮せず行くぞ!」
振り下ろされる剣を受け止めると、鍔迫り合いになる。押し合いから離れた瞬間、ランドの首を刎ねようと横薙ぎに剣が迫る。頭を下げて回避し、直ぐに下から斬り上げる。一連の流れで放ったカウンターだが、ギルは容易く躱していく。
ランドはギルを相手にしながらもガンクの魔法を警戒する。常にギルが射線へ入る様に『鑑定士』の能力を使い、立ち位置も考えて動く。
ガンク「くそ!邪魔だぞ!」
ギル「それならお前が動けば良い。」
2人の仲は良くない様だ。その隙を突いて接近するがギルもちゃんとランドの位置を把握していた。向き直り剣を振る。
ギル「甘いな。その程度では俺は討てんぞ。」
ランド「そうだな。だけどこっちもここからさ。」
ギル「フッ、行くぞ!」
ガンク「何を悠長に会話をしている!さっさとそいつの動きを止めろ!」
ギル「ただ見ているだけで、何もしていないお前が何を言う!」
またも2人が会話を始めた。状況を見ながら狙いを定めていると、凄い振動と音がする。音の方へ視線を向けると巨大な魔獣が現れる。ベヒーモスだった。
ガンク「おお!来たか!」
ギル「チッ、あんな物まで出すとは。」
確かに普段なら窮地と言える。しかし今日のランドは気にならかった。
シリウス「おい!ほら、こっち来い!」
シリウスがベヒーモスを引き付ける。
ガンク「あの傭兵を殺したら直ぐにこっちの援護に来させるぞ。」
ギル「そうなればもう終わりか。ならばその前に決着を付けるぞ!」
ランド「フッ。」
ガンク「何を笑っている!」
ランド「いや、今日は運が無かったなと思っただけさ。」
ガンク「フン。今更後悔しても遅いぞ。」
ランド「いや、運が無いのはお前達の方さ。」
ガンク「はぁ?」
ギル「あの傭兵がベヒーモスに勝てると思ってるのか?」
ランド「ああ、あいつなら勝てる。そう感じるんだ。だから俺はお前達だけに集中すれば良い。」
ギル「大した信頼だな。」
ガンク「馬鹿め!ベヒーモスに単独で勝てる人間など世界広しと言えど魔王様だけだ!」
ランド「魔王はそんなに強いのか?」
ギル「魔法は使わず剣のみでな。と言っても魔王様は魔法がほとんど使えないがな。」
ランド「そんな情報、俺に流して良いのか?」
ガンク「そうだ!何故話す!」
ギル「あの方はその程度の情報では揺るがない。それにここで倒せば他に漏れる事はない。」
ガンク「チッ、やるぞ!」
ガンクが炎の槍を作り、ギルはランドを睨み付ける。声を荒げ仲違いをしている様子を見せていたが、意外と2人は冷静だった様でそのまま協力をしながら戦うつもりの様だ。ランドは向かって来る炎の槍を『鑑定士』で見極め砕き、一気に距離を詰めた。
ガンク「のわ!」
ギル「そうは行かんぞ!」
ランドの剣は受け止められ、そのまま押し返される。ランドが反撃の横薙ぎを躱すと続けて剣の振り下ろしが迫る。ランドはシリウスの動きを思い出し、迫る刃に合わせて打ち落とす。
ギル「ぬお!」
ドンッとギルの剣は地面に刺さり、完全に無防備になる。そして更なる追撃の為に一歩踏み込む。
ガンク「甘い!」
火の玉が接近し、ランドは咄嗟に打ち落としながら回避する。その間にギルが剣を抜き、体勢を整え直す。ランドも仕切り直す為、呼吸を整える。
ガンク「ベヒーモスはまだか!」
ギル「あまり期待出来そうに無いな。」
シリウスは突進を躱しながらベヒーモスを斬り付ける。そして危な気無く戦う姿にやる気を取り戻すランド。
ランド「さぁ、そろそろ終わらせよう。」
ギル「良いだろう。決着を着けるぞ!」
ガンク「ベヒーモス!今直ぐそいつを殺してこっちに来い!」
ガンクはこっちを見てない。勝負は既にランドとギルの一騎打ちだった。ギルが剣を振り下ろし、ランドは受け流す。直ぐに反撃するもギルがそれを躱し、鍔迫り合いに持ち込む。
だが次の瞬間にはドンッと大きな音がする。ガンクとギルの2人は、音の発生源を見ると驚愕し固まる。ランドは隙を突き、ギルを袈裟斬りで斬り付ける。
ギル「ぐぁ!馬鹿なベヒーモスを倒せる人族がいるとは!」
ランドが状況を確認する為に振り返る。シリウスがベヒーモスを倒していた。
ガンク「こ、こんな化け物がいるなんて聞いてないぞ!ひ、ひゃ~!」
ガンクが逃げていく。追撃のチャンスではあったが流石に体力の限界であった。シリウスの方へ歩き出す。
ランド「流石だな。」
シリウス「そっちは大丈夫なのか?」
ランド「ああ、戦士は倒した。だけど魔法使いの方には逃げられた。」
シリウス「じゃあこの歓声はランドか。」
ランド「いや、君だろ。」
シリウス「え!」
相変わらず自分に無頓着な男だった。説明の意味を込めシリウスが倒した巨獣を指差す。その死骸には他の傭兵達が集まり何かしら会話をしている。そして団長達もシリウスの事で色々話していた。それを見たシリウスは多少、状況を理解出来た様だ。
ゲイツ「野郎共!引き上げるぞ!」
団長の号令で全員が都市に戻る。
シリウス「なぁ、何か悩みがあるんだろう?」
出撃前のランドと団長の会話から気になっていた事を聞くシリウス。
ランド「実は鑑定士の能力である鑑定眼なんだが、君の魔力線のお陰か成長したらしくて分かる情報が増えたんだ。そこは良いんだけど。補足で入る情報の方に問題があるんだ。」
シリウス「何があったんだ?」
ランド「鑑定眼が発動中に人を見るとその人の好きな人が分かる様になったんだ。」
シリウス「はぁ?」
理解が追い付かず言葉が出ないシリウス。
ランド「都市の方で話そう。」
シリウス「お、おう。」
ランドは深呼吸をし、改めて集中する。普段から気を抜いたりはしない。しかし今日は普段よりも落ち着いていた。理由はシリウスだった。背中を預けられる人間がいる。その事実が、彼の集中力を底上げしていた。
彼は隊長という役職を賜り、戦場では常に状況を見て援護に周っている。敵を躱し仲間を助ける。それが今のランドの仕事だった。
最近では部下達も成長し、ランドのフォローに入れる程にはなった。だが、今日の様にただ目の前の敵に全力で集中出来る状況は中々無い。
ガンク「くそ!他の援護はどうした!」
戦士「あの傭兵が邪魔してるみたいだな。」
ガンク「何だあいつは!」
ランド「フッ、俺の友達さ。」
ガンク「それで説明になるか!」
ランド「確かに、他にもあいつに対しての情報はある。けれどそれをお前達に伝える義理は無い。」
ガンク「何を!」
戦士「確かにな。俺はギル・バースだ。」
ランド「前から気になっていたが、魔族は皆んな姓があるのか?」
ギル「ああ、魔王様の考えさ。"我々は人族とは違う。敢えて平民だ貴族だと分ける必要は無い。皆が平等にあるべきだ。"とな。」
客観的にその発想は素晴らしいと感じる。ランドは素直に感想を伝えた。
ランド「それは素晴らしい志だな。」
ギル「ふん。人族にもそんな考え方をする人間がいるとは思わなかったぞ。」
ランド「理解は出来る。だが俺にも護りたい家族や仲間がいる。」
ギル「分かっている。俺達は相容れない。お互いの信条をかけて戦おうじゃないか。」
ランドはその考え方は嫌いでは無いと少し共感する。不意にそのギルの後ろから火の玉が放たれる。ランドは素早く打ち落とし、追撃を警戒しながら構え直す。
ギル「貴様!」
ガンク「馬鹿か?これは戦争だぞ!」
当然だ。それを卑怯とは言えないだろう。それにシリウスは、どんな状況でも彼等を討つだろうとランドは思う。
ランド「気にするな。この程度なら大した事は無い。」
ギル「フッ、そうか。」
ガンク「何だと!」
ギル「なら俺も遠慮せず行くぞ!」
振り下ろされる剣を受け止めると、鍔迫り合いになる。押し合いから離れた瞬間、ランドの首を刎ねようと横薙ぎに剣が迫る。頭を下げて回避し、直ぐに下から斬り上げる。一連の流れで放ったカウンターだが、ギルは容易く躱していく。
ランドはギルを相手にしながらもガンクの魔法を警戒する。常にギルが射線へ入る様に『鑑定士』の能力を使い、立ち位置も考えて動く。
ガンク「くそ!邪魔だぞ!」
ギル「それならお前が動けば良い。」
2人の仲は良くない様だ。その隙を突いて接近するがギルもちゃんとランドの位置を把握していた。向き直り剣を振る。
ギル「甘いな。その程度では俺は討てんぞ。」
ランド「そうだな。だけどこっちもここからさ。」
ギル「フッ、行くぞ!」
ガンク「何を悠長に会話をしている!さっさとそいつの動きを止めろ!」
ギル「ただ見ているだけで、何もしていないお前が何を言う!」
またも2人が会話を始めた。状況を見ながら狙いを定めていると、凄い振動と音がする。音の方へ視線を向けると巨大な魔獣が現れる。ベヒーモスだった。
ガンク「おお!来たか!」
ギル「チッ、あんな物まで出すとは。」
確かに普段なら窮地と言える。しかし今日のランドは気にならかった。
シリウス「おい!ほら、こっち来い!」
シリウスがベヒーモスを引き付ける。
ガンク「あの傭兵を殺したら直ぐにこっちの援護に来させるぞ。」
ギル「そうなればもう終わりか。ならばその前に決着を付けるぞ!」
ランド「フッ。」
ガンク「何を笑っている!」
ランド「いや、今日は運が無かったなと思っただけさ。」
ガンク「フン。今更後悔しても遅いぞ。」
ランド「いや、運が無いのはお前達の方さ。」
ガンク「はぁ?」
ギル「あの傭兵がベヒーモスに勝てると思ってるのか?」
ランド「ああ、あいつなら勝てる。そう感じるんだ。だから俺はお前達だけに集中すれば良い。」
ギル「大した信頼だな。」
ガンク「馬鹿め!ベヒーモスに単独で勝てる人間など世界広しと言えど魔王様だけだ!」
ランド「魔王はそんなに強いのか?」
ギル「魔法は使わず剣のみでな。と言っても魔王様は魔法がほとんど使えないがな。」
ランド「そんな情報、俺に流して良いのか?」
ガンク「そうだ!何故話す!」
ギル「あの方はその程度の情報では揺るがない。それにここで倒せば他に漏れる事はない。」
ガンク「チッ、やるぞ!」
ガンクが炎の槍を作り、ギルはランドを睨み付ける。声を荒げ仲違いをしている様子を見せていたが、意外と2人は冷静だった様でそのまま協力をしながら戦うつもりの様だ。ランドは向かって来る炎の槍を『鑑定士』で見極め砕き、一気に距離を詰めた。
ガンク「のわ!」
ギル「そうは行かんぞ!」
ランドの剣は受け止められ、そのまま押し返される。ランドが反撃の横薙ぎを躱すと続けて剣の振り下ろしが迫る。ランドはシリウスの動きを思い出し、迫る刃に合わせて打ち落とす。
ギル「ぬお!」
ドンッとギルの剣は地面に刺さり、完全に無防備になる。そして更なる追撃の為に一歩踏み込む。
ガンク「甘い!」
火の玉が接近し、ランドは咄嗟に打ち落としながら回避する。その間にギルが剣を抜き、体勢を整え直す。ランドも仕切り直す為、呼吸を整える。
ガンク「ベヒーモスはまだか!」
ギル「あまり期待出来そうに無いな。」
シリウスは突進を躱しながらベヒーモスを斬り付ける。そして危な気無く戦う姿にやる気を取り戻すランド。
ランド「さぁ、そろそろ終わらせよう。」
ギル「良いだろう。決着を着けるぞ!」
ガンク「ベヒーモス!今直ぐそいつを殺してこっちに来い!」
ガンクはこっちを見てない。勝負は既にランドとギルの一騎打ちだった。ギルが剣を振り下ろし、ランドは受け流す。直ぐに反撃するもギルがそれを躱し、鍔迫り合いに持ち込む。
だが次の瞬間にはドンッと大きな音がする。ガンクとギルの2人は、音の発生源を見ると驚愕し固まる。ランドは隙を突き、ギルを袈裟斬りで斬り付ける。
ギル「ぐぁ!馬鹿なベヒーモスを倒せる人族がいるとは!」
ランドが状況を確認する為に振り返る。シリウスがベヒーモスを倒していた。
ガンク「こ、こんな化け物がいるなんて聞いてないぞ!ひ、ひゃ~!」
ガンクが逃げていく。追撃のチャンスではあったが流石に体力の限界であった。シリウスの方へ歩き出す。
ランド「流石だな。」
シリウス「そっちは大丈夫なのか?」
ランド「ああ、戦士は倒した。だけど魔法使いの方には逃げられた。」
シリウス「じゃあこの歓声はランドか。」
ランド「いや、君だろ。」
シリウス「え!」
相変わらず自分に無頓着な男だった。説明の意味を込めシリウスが倒した巨獣を指差す。その死骸には他の傭兵達が集まり何かしら会話をしている。そして団長達もシリウスの事で色々話していた。それを見たシリウスは多少、状況を理解出来た様だ。
ゲイツ「野郎共!引き上げるぞ!」
団長の号令で全員が都市に戻る。
シリウス「なぁ、何か悩みがあるんだろう?」
出撃前のランドと団長の会話から気になっていた事を聞くシリウス。
ランド「実は鑑定士の能力である鑑定眼なんだが、君の魔力線のお陰か成長したらしくて分かる情報が増えたんだ。そこは良いんだけど。補足で入る情報の方に問題があるんだ。」
シリウス「何があったんだ?」
ランド「鑑定眼が発動中に人を見るとその人の好きな人が分かる様になったんだ。」
シリウス「はぁ?」
理解が追い付かず言葉が出ないシリウス。
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