36 / 187
[Worldtrace]
臨機応変、又は
しおりを挟む
色々あったがとりあえず次の日、遺跡調査という名のピクニックが始まる。別に上の階だとか、下の階だとかの広い遺跡ではなくてただ礼拝堂の様な広間とその奥に開かずの扉があるだけの遺跡だ。
調査内容は文化遺産と言うべき遺跡に魔物がいないか?いた場合は協力して速やかに退治というだけの内容で、経験浅い人からすれば緊張する案件だが経験者からすると特に気にする事がない仕事だ。今回がシナリオでなければだけど。
あの扉どうやって開けたっけな?大分昔の情報だからうろ覚えなんだよな。スマホで検索かければ出るかな?でも人前であんまり使いたくないし、そもそも地球のインターネットに繋がってるのか、調べてないからその辺は分からないんだよな。
アイリス「ねぇ、あの扉どうやって開けたっけ?」
俺「アイリスも覚えてないか。俺もイマイチ覚えてないんだよな。」
アイリス「私も大分前だからなぁ~、家族の事は覚えてるけどゲームの事はほとんど覚えてない。」
俺「分かる。案外ゲームより家族との記憶の方が大事だったんだなって。今になって思うよ。」
アイリス「本当だね。もう戻れないけど。」
若干空気がしんみりした。そう言えばあまり地球での話は聞いてないな。
俺「そう言や地球ではどうだったんだ。家族とか。」
アイリス「う~ん。妹が1人に父さんと母さんの4人家族よ。父さんは普通の会社員だったけどそれなりに幸せだったわ。そっちは?」
俺「俺は親父とお袋に姉貴だけど親父の収入は低かったからどっちかつうと貧乏だったな。でも今の俺よりはマシだったかも。」
アイリス「そ、そう。」
俺「地球にいた時のアイリスは?見た目とか。」
アイリス「え?まぁ、地球の"私"の面影は少し残ってる気がするけど、どっちかと言うと今の方が美人かな?」
俺「それ自分で言う?」
アイリス「な!貴方が聞くから客観的に感想を言ったんでしょ!」
俺は軽く肘打ちを喰らう。
俺「痛!」
アイリス「そう言う貴方はどうなの?」
俺「見た目?傭兵やってるからか、本体より筋肉があるだけで後は一緒だよ。顔とか目の色や髪の色も。」
アイリス「折角異世界に来たのに魔法は使えないし、見た目も一緒なんてツイてない所じゃないわね。」
俺「まぁ、俺の場合は今更気にしても仕方ないし。開き直ってやれる事をやるだけさ。」
アイリス「貴方は相変わらずへこたれないのね。」
俺「俺だって落ち込む事はあるさ。でも俺が凹んでも意味は無いだろ?時間だって勝手に過ぎていくからな。となると今出来る事を全力でやるしか無いだろ?そう思って俺は行動してる。」
アイリス「フフッ」
俺「何だよ。」
アイリス「いや、貴方が味方で良かったなって思っただけ。」
果たして今の話の中で笑う所があったのか?俺には分からなかった。
アイリスから離れ扉をどう開けるのか考えていたが、やはり中々思い出せない。因みにここの剣は手に入る聖剣の中で2番目に威力の高い剣だ。1番が別にあるならここにこだわる必要無くね?とか言われそうだが、ここで手に入る聖剣は仲間の力を底上げしてくれる能力がある。仲間と協力するロールプレイングとしては役に立つ力だ。だけどそれを踏まえると問題が1つある。今のジンには仲間がいない。軍の指揮官くらいになれば意味は出て来るけど。そんな状態にはならなそうだし、いっそ他の奴が使った方が良い気がする。だけど勇者の肩書きがあれば仲間が出来るかもと思わなくもない。
マット「やっぱり、お前。あの生意気だったシリウスだな。」
カイル「本当だ。何でお前がここにいるんだ?」
久しぶりの悪ガキ共との再会で出た言葉は酷い物だった。他に言う事ないのか?
スレイ「それよりお前、スワロウ嬢と話してたな。俺達に紹介しろよ。」
俺「あ?」
スレイ「い、いや、だから紹介・・・。」
俺「冗談でもしねぇ。というかあいつに手を出すなよ。平手打ちだけじゃ済まさないぞ!」
マット「ふ、ふん。いずれそんな事言えなくなるぞ。」
俺「笑えないぞ。」
最後に睨み付けると
カイル「お、覚えてろよぉ。」
よく聞く捨て台詞だ。たく全然直らないな性格。見るとクライドだけ残ってる。
クライド「ぼ、僕は・・・。」
俺「はぁ、あいつ等に今更言っても仕方ないと思うからこれ以上言わないけど。お前はどうするんだ?」
クライド「どうって?」
俺「いつまであんな連中と一緒にいる?いくら言っても変わらない連中に付き合ってどうする?まぁ、あいつ等が怖いのは何となく分かるけど。」
クライド「君に僕の気持ちは分からないさ。」
俺の経験はこの『世界』と地球の2つ分ある。2つもあるからか、こいつの気持ちはある程度理解している。
俺「酷い目に遭うのが怖いから騒がない様に隠れてるんだろ?でもこのままって訳には行かないのも自分で分かってる。だから周りが変わる事を期待して耐え忍ぶ事にしてる。そうだろ?」
クライド「そ、それは。」
俺「なぁ、もう充分だろ。あいつ等はこのままなら変わらない。周りが変わらないならもう自分が変わらないと変化なんて起きないぞ。どう変わるかはお前の自由で良い。そろそろ自分から動かないと駄目だ。」
クライド「僕は・・・。」
俺「ただ、あいつ等と組むのは金輪際やめろ。あいつ等とは付き合うな。」
クライド「・・・・。」
これで少しは真っ当に生きてくれれば良いけど。
ジン「あいつ等何だって?」
俺「アイリスを紹介しろってさ。断ったけど。」
ジン「だよな。大事にしろよ。」
ジンがそんな事を言いながら俺の肩を叩く。
俺「ん?何を?」
ジン「分かってるくせによく言うよ。」
何かニヤニヤしてる。何か勘違いしてないか?別にそういう関係では無いし、お互いそんな感情も無いと思うけど。
数分後
マット「この扉は何だ?」
カイル「それは今まで開いた事の無い扉だそうですよ。」
スレイ「開けられたら大手柄ですかね?」
悪ガキ共が何か企んでる様だ。そういえばクライドは?探すと別のところで他の奴と話している。あいつ等といるのはやめたのかな?でもそれが良い。少しホッとする。
そんな時いわゆるフラッシュバックが起きた。地球でゲームしてた時だ。悪ガキ共が扉に触れると罠が起動し魔物、この場合はガーディアンとでも言うべきか、動く甲冑が現れ襲ってきた。
俺「ああ、思い出した。扉を触って出てきた魔物を退治するだけだったな。」
マット「お!何か扉が光り出したぞ!」
エレナ「おい!何をしてる!」
キース「罠でも起動したのでは!」
俺「とりあえず皆んなはいつも通り片付けろ。」
ジン「シリウス!」
俺「おう。」
ジン「何か手伝うか?」
俺「こっちは大丈夫だ。お前は困ってる奴を優先して助けてやれ。」
上手くいけば仲間か、友達が出来るかも。
ジン「分かった。」
俺「アイリス。」
アイリス「シリウス!思い出したけどこの罠って。」
俺「ああ、あの扉の鍵に連動してるやつだ。」
アイリス「やっぱり。じゃあこいつ等を倒せば。」
俺「そうだ。」
いきなりで皆んな慌てたがなんとか立て直し、甲冑のガーディアン達を倒していく。一体だけ他の奴より一回りデカいのが現れた。斧と槍がくっついたハルバードを持っている個体だ。それに気付いてジンが向かう。
動く鎧は頭の上でハルバードを回転させる。昔映像で見たなそんな事を考える。しばらくすると鎧はそのハルバードを振り下ろす。ジンは斜め上から打ち落とし、すかさず距離を詰める。剣を横薙ぎに振るが、鎧もスウェーで攻撃を躱す。今度はハルバードの槍で突きを出す。それを剣で弾くと次はジンが振り下ろす。鎧が柄で攻撃を受け止めるとそのまま力比べをするかの様に鍔迫り合いが始まる。ジンは確かに前より強くなっている。ちょっと感動するな。
それはそれとして騒ぎの発端の悪ガキ共が見当たらない。何処に行った?嫌な予感がする。まぁ、別にあいつ等に取られても良いけどちょっと面倒くさそうだから大人しくしていて欲しい。その時、俺はある気配を察知する。
俺「ジン!退がれ!」
ジン「ん?お、おう!」
ジンが退がった瞬間、炎の刃が動く鎧を吹き飛ばす。
マット「ははは!良いぞ!凄い!」
うわ!嫌な予感が当たった。マットの奴が聖剣持ってる。刃物の使い方を知らない子供が、振り回してる時くらいの衝撃が俺の心の中に広がる。
アイリス「ちょっと!あれジンが手に入れる筈じゃないの?」
俺「聖剣は使う相手を選ぶらしいからな。こっちは現実だし、多少の違いは今までもあった。仕方ないんじゃないか?」
アイリス「それにしても。」
アイリスの視線の先には同級生達がいる。皆んなはマットを勇者だとか、英雄だとか言いながらザワつき出した。逆に使えるかも。
俺「いっそこのまま勇者になってもらうか。」
アイリス「はぁ?何でよ!」
俺「あいつに勇者として雑魚の相手をしてもらって、ジンが魔王とサシで戦える状況を作ってもらうんだよ。後はジンが倒せば解決だろ?」
アイリス「そんなざっくりした感じで大丈夫?」
俺「正直分かんないけど何とかなるんじゃないか?」
アイリス「こいつ本当に大丈夫かな?」
小声でアイリスに何か言われた気がするけど何て言ったんだ?
俺「とにかく聖剣なら他にもあるし、それに必要なのは勇者じゃなくて魔王を倒す事だから、結果的にそこに辿り着けば良い。・・・うん。」
アイリス「知らないからね。細かい調整は全部そっちでやってよ。」
確かにズレが生じたのは俺の所為だ。それくらいはやるか。それくらいって言う程、小さいズレか分からないけど。まぁ、今考えても仕方ない。その時はその時で臨機応変に行こう。
調査内容は文化遺産と言うべき遺跡に魔物がいないか?いた場合は協力して速やかに退治というだけの内容で、経験浅い人からすれば緊張する案件だが経験者からすると特に気にする事がない仕事だ。今回がシナリオでなければだけど。
あの扉どうやって開けたっけな?大分昔の情報だからうろ覚えなんだよな。スマホで検索かければ出るかな?でも人前であんまり使いたくないし、そもそも地球のインターネットに繋がってるのか、調べてないからその辺は分からないんだよな。
アイリス「ねぇ、あの扉どうやって開けたっけ?」
俺「アイリスも覚えてないか。俺もイマイチ覚えてないんだよな。」
アイリス「私も大分前だからなぁ~、家族の事は覚えてるけどゲームの事はほとんど覚えてない。」
俺「分かる。案外ゲームより家族との記憶の方が大事だったんだなって。今になって思うよ。」
アイリス「本当だね。もう戻れないけど。」
若干空気がしんみりした。そう言えばあまり地球での話は聞いてないな。
俺「そう言や地球ではどうだったんだ。家族とか。」
アイリス「う~ん。妹が1人に父さんと母さんの4人家族よ。父さんは普通の会社員だったけどそれなりに幸せだったわ。そっちは?」
俺「俺は親父とお袋に姉貴だけど親父の収入は低かったからどっちかつうと貧乏だったな。でも今の俺よりはマシだったかも。」
アイリス「そ、そう。」
俺「地球にいた時のアイリスは?見た目とか。」
アイリス「え?まぁ、地球の"私"の面影は少し残ってる気がするけど、どっちかと言うと今の方が美人かな?」
俺「それ自分で言う?」
アイリス「な!貴方が聞くから客観的に感想を言ったんでしょ!」
俺は軽く肘打ちを喰らう。
俺「痛!」
アイリス「そう言う貴方はどうなの?」
俺「見た目?傭兵やってるからか、本体より筋肉があるだけで後は一緒だよ。顔とか目の色や髪の色も。」
アイリス「折角異世界に来たのに魔法は使えないし、見た目も一緒なんてツイてない所じゃないわね。」
俺「まぁ、俺の場合は今更気にしても仕方ないし。開き直ってやれる事をやるだけさ。」
アイリス「貴方は相変わらずへこたれないのね。」
俺「俺だって落ち込む事はあるさ。でも俺が凹んでも意味は無いだろ?時間だって勝手に過ぎていくからな。となると今出来る事を全力でやるしか無いだろ?そう思って俺は行動してる。」
アイリス「フフッ」
俺「何だよ。」
アイリス「いや、貴方が味方で良かったなって思っただけ。」
果たして今の話の中で笑う所があったのか?俺には分からなかった。
アイリスから離れ扉をどう開けるのか考えていたが、やはり中々思い出せない。因みにここの剣は手に入る聖剣の中で2番目に威力の高い剣だ。1番が別にあるならここにこだわる必要無くね?とか言われそうだが、ここで手に入る聖剣は仲間の力を底上げしてくれる能力がある。仲間と協力するロールプレイングとしては役に立つ力だ。だけどそれを踏まえると問題が1つある。今のジンには仲間がいない。軍の指揮官くらいになれば意味は出て来るけど。そんな状態にはならなそうだし、いっそ他の奴が使った方が良い気がする。だけど勇者の肩書きがあれば仲間が出来るかもと思わなくもない。
マット「やっぱり、お前。あの生意気だったシリウスだな。」
カイル「本当だ。何でお前がここにいるんだ?」
久しぶりの悪ガキ共との再会で出た言葉は酷い物だった。他に言う事ないのか?
スレイ「それよりお前、スワロウ嬢と話してたな。俺達に紹介しろよ。」
俺「あ?」
スレイ「い、いや、だから紹介・・・。」
俺「冗談でもしねぇ。というかあいつに手を出すなよ。平手打ちだけじゃ済まさないぞ!」
マット「ふ、ふん。いずれそんな事言えなくなるぞ。」
俺「笑えないぞ。」
最後に睨み付けると
カイル「お、覚えてろよぉ。」
よく聞く捨て台詞だ。たく全然直らないな性格。見るとクライドだけ残ってる。
クライド「ぼ、僕は・・・。」
俺「はぁ、あいつ等に今更言っても仕方ないと思うからこれ以上言わないけど。お前はどうするんだ?」
クライド「どうって?」
俺「いつまであんな連中と一緒にいる?いくら言っても変わらない連中に付き合ってどうする?まぁ、あいつ等が怖いのは何となく分かるけど。」
クライド「君に僕の気持ちは分からないさ。」
俺の経験はこの『世界』と地球の2つ分ある。2つもあるからか、こいつの気持ちはある程度理解している。
俺「酷い目に遭うのが怖いから騒がない様に隠れてるんだろ?でもこのままって訳には行かないのも自分で分かってる。だから周りが変わる事を期待して耐え忍ぶ事にしてる。そうだろ?」
クライド「そ、それは。」
俺「なぁ、もう充分だろ。あいつ等はこのままなら変わらない。周りが変わらないならもう自分が変わらないと変化なんて起きないぞ。どう変わるかはお前の自由で良い。そろそろ自分から動かないと駄目だ。」
クライド「僕は・・・。」
俺「ただ、あいつ等と組むのは金輪際やめろ。あいつ等とは付き合うな。」
クライド「・・・・。」
これで少しは真っ当に生きてくれれば良いけど。
ジン「あいつ等何だって?」
俺「アイリスを紹介しろってさ。断ったけど。」
ジン「だよな。大事にしろよ。」
ジンがそんな事を言いながら俺の肩を叩く。
俺「ん?何を?」
ジン「分かってるくせによく言うよ。」
何かニヤニヤしてる。何か勘違いしてないか?別にそういう関係では無いし、お互いそんな感情も無いと思うけど。
数分後
マット「この扉は何だ?」
カイル「それは今まで開いた事の無い扉だそうですよ。」
スレイ「開けられたら大手柄ですかね?」
悪ガキ共が何か企んでる様だ。そういえばクライドは?探すと別のところで他の奴と話している。あいつ等といるのはやめたのかな?でもそれが良い。少しホッとする。
そんな時いわゆるフラッシュバックが起きた。地球でゲームしてた時だ。悪ガキ共が扉に触れると罠が起動し魔物、この場合はガーディアンとでも言うべきか、動く甲冑が現れ襲ってきた。
俺「ああ、思い出した。扉を触って出てきた魔物を退治するだけだったな。」
マット「お!何か扉が光り出したぞ!」
エレナ「おい!何をしてる!」
キース「罠でも起動したのでは!」
俺「とりあえず皆んなはいつも通り片付けろ。」
ジン「シリウス!」
俺「おう。」
ジン「何か手伝うか?」
俺「こっちは大丈夫だ。お前は困ってる奴を優先して助けてやれ。」
上手くいけば仲間か、友達が出来るかも。
ジン「分かった。」
俺「アイリス。」
アイリス「シリウス!思い出したけどこの罠って。」
俺「ああ、あの扉の鍵に連動してるやつだ。」
アイリス「やっぱり。じゃあこいつ等を倒せば。」
俺「そうだ。」
いきなりで皆んな慌てたがなんとか立て直し、甲冑のガーディアン達を倒していく。一体だけ他の奴より一回りデカいのが現れた。斧と槍がくっついたハルバードを持っている個体だ。それに気付いてジンが向かう。
動く鎧は頭の上でハルバードを回転させる。昔映像で見たなそんな事を考える。しばらくすると鎧はそのハルバードを振り下ろす。ジンは斜め上から打ち落とし、すかさず距離を詰める。剣を横薙ぎに振るが、鎧もスウェーで攻撃を躱す。今度はハルバードの槍で突きを出す。それを剣で弾くと次はジンが振り下ろす。鎧が柄で攻撃を受け止めるとそのまま力比べをするかの様に鍔迫り合いが始まる。ジンは確かに前より強くなっている。ちょっと感動するな。
それはそれとして騒ぎの発端の悪ガキ共が見当たらない。何処に行った?嫌な予感がする。まぁ、別にあいつ等に取られても良いけどちょっと面倒くさそうだから大人しくしていて欲しい。その時、俺はある気配を察知する。
俺「ジン!退がれ!」
ジン「ん?お、おう!」
ジンが退がった瞬間、炎の刃が動く鎧を吹き飛ばす。
マット「ははは!良いぞ!凄い!」
うわ!嫌な予感が当たった。マットの奴が聖剣持ってる。刃物の使い方を知らない子供が、振り回してる時くらいの衝撃が俺の心の中に広がる。
アイリス「ちょっと!あれジンが手に入れる筈じゃないの?」
俺「聖剣は使う相手を選ぶらしいからな。こっちは現実だし、多少の違いは今までもあった。仕方ないんじゃないか?」
アイリス「それにしても。」
アイリスの視線の先には同級生達がいる。皆んなはマットを勇者だとか、英雄だとか言いながらザワつき出した。逆に使えるかも。
俺「いっそこのまま勇者になってもらうか。」
アイリス「はぁ?何でよ!」
俺「あいつに勇者として雑魚の相手をしてもらって、ジンが魔王とサシで戦える状況を作ってもらうんだよ。後はジンが倒せば解決だろ?」
アイリス「そんなざっくりした感じで大丈夫?」
俺「正直分かんないけど何とかなるんじゃないか?」
アイリス「こいつ本当に大丈夫かな?」
小声でアイリスに何か言われた気がするけど何て言ったんだ?
俺「とにかく聖剣なら他にもあるし、それに必要なのは勇者じゃなくて魔王を倒す事だから、結果的にそこに辿り着けば良い。・・・うん。」
アイリス「知らないからね。細かい調整は全部そっちでやってよ。」
確かにズレが生じたのは俺の所為だ。それくらいはやるか。それくらいって言う程、小さいズレか分からないけど。まぁ、今考えても仕方ない。その時はその時で臨機応変に行こう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
スコップ1つで異世界征服
葦元狐雪
ファンタジー
超健康生活を送っているニートの戸賀勇希の元へ、ある日突然赤い手紙が届く。
その中には、誰も知らないゲームが記録されている謎のUSBメモリ。
怪しいと思いながらも、戸賀勇希は夢中でそのゲームをクリアするが、何者かの手によってPCの中に引き込まれてしまい......
※グロテスクにチェックを入れるのを忘れていました。申し訳ありません。
※クズな主人公が試行錯誤しながら現状を打開していく成長もののストーリーです。
※ヒロインが死ぬ? 大丈夫、死にません。
※矛盾点などがないよう配慮しているつもりですが、もしありましたら申し訳ございません。すぐに修正いたします。

王女殿下の死神
三笠 陣
ファンタジー
アウルガシア大陸の大国、ロンダリア連合王国。
産業革命を成し遂げ、海洋発展の道を進もうとするこの王国には、一人の王女がいた。
エルフリード・ティリエル・ラ・ベイリオル、御年十六歳の少女は陸軍騎兵中尉として陸軍大学校に籍を置く「可憐」とはほど遠い、少年のような王族。
そんな彼女の隣には、いつも一人の少年の影があった。
リュシアン・エスタークス。
魔導貴族エスタークス伯爵家を継いだ魔術師にして、エルフリード王女と同い年の婚約者。
そんな彼に付けられた二つ名は「黒の死神」。
そんな王女の側に控える死神はある日、王都を揺るがす陰謀に遭遇する。
友好国の宰相が来訪している最中を狙って、王政打倒を唱える共和主義者たちが動き出したのである。
そして、その背後には海洋覇権を巡って対立するヴェナリア共和国の影があった。
魔術師と諜報官と反逆者が渦巻く王都で、リュシアンとエルフリードは駆ける。
(本作は、「小説家になろう」様にて掲載した同名の小説を加筆修正したものとなります。)
無法の街-アストルムクロニカ-(挿し絵有り)
くまのこ
ファンタジー
かつて高度な魔法文明を誇り、その力で世界全てを手中に収めようとした「アルカナム魔導帝国」。
だが、ある時、一夜にして帝都は壊滅し、支配者を失った帝国の栄華は突然の終焉を迎えた。
瓦礫の山と化した帝都跡は長らく忌み地の如く放置されていた。
しかし、近年になって、帝都跡から発掘される、現代では再現不可能と言われる高度な魔法技術を用いた「魔導絡繰り」が、高値で取引されるようになっている。
物によっては黄金よりも価値があると言われる「魔導絡繰り」を求める者たちが、帝都跡周辺に集まり、やがて、そこには「街」が生まれた。
どの国の支配も受けない「街」は自由ではあったが、人々を守る「法」もまた存在しない「無法の街」でもあった。
そんな「無法の街」に降り立った一人の世間知らずな少年は、当然の如く有り金を毟られ空腹を抱えていた。
そこに現れた不思議な男女の助けを得て、彼は「無法の街」で生き抜く力を磨いていく。
※「アストルムクロニカ-箱庭幻想譚-」の数世代後の時代を舞台にしています※
※サブタイトルに「◆」が付いているものは、主人公以外のキャラクター視点のエピソードです※
※この物語の舞台になっている惑星は、重力や大気の組成、気候条件、太陽にあたる恒星の周囲を公転しているとか月にあたる衛星があるなど、諸々が地球とほぼ同じと考えていただいて問題ありません。また、人間以外に生息している動植物なども、特に記載がない限り、地球上にいるものと同じだと思ってください※
※固有名詞や人名などは、現代日本でも分かりやすいように翻訳したものもありますので御了承ください※
※詳細なバトル描写などが出てくる可能性がある為、保険としてR-15設定しました※
※あくまで御伽話です※
※この作品は「ノベルアッププラス」様、「カクヨム」様、「小説家になろう」様でも掲載しています※
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる