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[Worldtrace]
ジン
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平凡な少年であるジンは、大人になっても故郷の町で父親の家業のパン屋を継ぎ、ずっと幼馴染の友と一緒に過ごす。そんな人生が続くと思っていた。始まりは遊び感覚で受けた『職業選定』と言う余興だった。地元の人間からすれば完全に余興であったが、神父や国の貴族達にとっては違う意味があった。
ジンは少し浮かれていた。貴族の様に親からの遺伝では無く、いきなり授かるのは珍しいと聞いたからだ。彼は子供ながらに自分は凄いのではないか?と感じていた。
しかし、その『職業』という物が原因で町から出て行く事になってしまった。両親は共に王都へ向かう事になり、寂しくは無かったが友人とは別れる事となった。
王都へ移り住むと、今度は学園へ通う様になる。学園にはジン以外にも平民が入学していた。入学している事情は様々だった。ジンと同じく突然変異で『職業』を授かった者もいれば、自分の子供に箔を付けさせたいと親が多額のお金を注ぎ込んで入学した者もいる。
ジンはいつまでも落ち込んでいられないと努力し、入学当初の頃は同級生達と仲良くしていた。しかし、ある事が原因でジンの環境は大きく変わる。
学園に入りしばらくしたある日、学生同士の諍いに巻き込まれたのだ。片方は平民の学生、もう片方は貴族の子息だった。関わらないという選択肢は勿論あったが、ジンには放って置く事が出来無かった。それが原因で貴族の子息との決闘が決まった。
小さい頃から研鑽を積んだお陰か決闘には勝った。しかし身分の差も気にせず貴族に喧嘩を売り、更にその試合にも勝った事実はジンを孤立させてしまった。
だが、ジンは起きた事は仕方ないと割り切りそれからも勉学や鍛錬に励んでいた。今回の課外授業も1人で頑張ろうと気合いを入れていた。しかしそんなジンにも朗報が訪れた。
幼馴染との再会だ。彼はジンにとって友であり、兄貴分の様な存在だった。物知りで大抵の事は何でも出来る。そして困ってる時は助けてくれた。失敗した時は一緒に怒られてくれた事もある。
会わなくなってから5年程経ち、見た目は変わった。だが中身は変わって無い様子にジンはホッとしていた。
課題を手伝うと申し出てくれたシリウスに協力して貰う為、移動を開始した。しかしその矢先に面倒事が起きる。決闘相手の貴族の取り巻き達が喧嘩を売ってきたのだ。自分が何かを言われるのは構わない。だが、シリウスを悪く言われるのは嫌だった。ふと、シリウスが大丈夫か気になり顔を見る。シリウスは目を細め、呆れている様な表情をしていた。
その表情を見た時、ある日の出来事を思い出す。ジンが[聖騎士]に選ばれる前の時の話だ。
シリウスは悪ガキ4組に絡まれていた。相手は4人、勝ち目は無い。しかし、ここで逃げる訳には行かない。助けなければと意を決してジンが飛び込んだ瞬間だった。
マット「へぶ!」
マットは右手の平手打ちを左頬に喰らい張り倒させる形で地面に叩き付けられ、白目を剥いて気絶する。
カイル「な、何すぎゅ!」
言い終える前にシリウスの左の平手打ちがカイルの右頬を打ち抜く。
スレイ「お、お前ぇ!・・・ぷぎゅ!」
スレイがシリウスを殴ろうと右腕を振るが、それを潜る様に躱す。そして回避と同時に右の張り手をスレイの顔に叩き込む。
最後に残ったクライドは泣きながら後退りする。
クライド「・・・い、いや、違う!ぶば!」
左の張り手がクライドの顔面に直撃する。
シリウス「一緒にいるんだからお前も共犯だろ?って聞いてないか。・・・おう、ジン。どうした?」
助けようと勢いで向かったが何もせずに終わった。
ジン「いや、大丈夫かな?ってさ。」
シリウス「ん?・・ああ、大丈夫だ。行こうぜ。」
この時からシリウスの事は怒らせない様にしようとジンは心に誓う。
そのシリウスがあの時と同じ顔で貴族達を見ている。危険な予感はあった。しかし顔を見た途端、回想に入ってしまった。そのお陰で気付いた時にはシリウスが拳骨で貴族の子息を殴っていた。シリウスはジンに向かって笑顔を作る。
ジン「そんなんじゃ誤魔化せないぞ。」
坊ちゃん左「貴様!何をする!」
シリウス「ごめん。つい腹が立って殴っちまった。」
坊ちゃん右「平民が"つい"で貴族を殴るな!」
シリウス「え?お前等が悪のに?」
坊ちゃん達「何だと!」
ジン「相手は次期当主の貴族ばかりだぞ。てか、拳骨で殴るなよ。」
シリウス「すまん。つい加減を忘れた。」
坊ちゃん右「謝るべきはこっちだろう!」
?「おい、どうした?」
ジンは少し浮かれていた。貴族の様に親からの遺伝では無く、いきなり授かるのは珍しいと聞いたからだ。彼は子供ながらに自分は凄いのではないか?と感じていた。
しかし、その『職業』という物が原因で町から出て行く事になってしまった。両親は共に王都へ向かう事になり、寂しくは無かったが友人とは別れる事となった。
王都へ移り住むと、今度は学園へ通う様になる。学園にはジン以外にも平民が入学していた。入学している事情は様々だった。ジンと同じく突然変異で『職業』を授かった者もいれば、自分の子供に箔を付けさせたいと親が多額のお金を注ぎ込んで入学した者もいる。
ジンはいつまでも落ち込んでいられないと努力し、入学当初の頃は同級生達と仲良くしていた。しかし、ある事が原因でジンの環境は大きく変わる。
学園に入りしばらくしたある日、学生同士の諍いに巻き込まれたのだ。片方は平民の学生、もう片方は貴族の子息だった。関わらないという選択肢は勿論あったが、ジンには放って置く事が出来無かった。それが原因で貴族の子息との決闘が決まった。
小さい頃から研鑽を積んだお陰か決闘には勝った。しかし身分の差も気にせず貴族に喧嘩を売り、更にその試合にも勝った事実はジンを孤立させてしまった。
だが、ジンは起きた事は仕方ないと割り切りそれからも勉学や鍛錬に励んでいた。今回の課外授業も1人で頑張ろうと気合いを入れていた。しかしそんなジンにも朗報が訪れた。
幼馴染との再会だ。彼はジンにとって友であり、兄貴分の様な存在だった。物知りで大抵の事は何でも出来る。そして困ってる時は助けてくれた。失敗した時は一緒に怒られてくれた事もある。
会わなくなってから5年程経ち、見た目は変わった。だが中身は変わって無い様子にジンはホッとしていた。
課題を手伝うと申し出てくれたシリウスに協力して貰う為、移動を開始した。しかしその矢先に面倒事が起きる。決闘相手の貴族の取り巻き達が喧嘩を売ってきたのだ。自分が何かを言われるのは構わない。だが、シリウスを悪く言われるのは嫌だった。ふと、シリウスが大丈夫か気になり顔を見る。シリウスは目を細め、呆れている様な表情をしていた。
その表情を見た時、ある日の出来事を思い出す。ジンが[聖騎士]に選ばれる前の時の話だ。
シリウスは悪ガキ4組に絡まれていた。相手は4人、勝ち目は無い。しかし、ここで逃げる訳には行かない。助けなければと意を決してジンが飛び込んだ瞬間だった。
マット「へぶ!」
マットは右手の平手打ちを左頬に喰らい張り倒させる形で地面に叩き付けられ、白目を剥いて気絶する。
カイル「な、何すぎゅ!」
言い終える前にシリウスの左の平手打ちがカイルの右頬を打ち抜く。
スレイ「お、お前ぇ!・・・ぷぎゅ!」
スレイがシリウスを殴ろうと右腕を振るが、それを潜る様に躱す。そして回避と同時に右の張り手をスレイの顔に叩き込む。
最後に残ったクライドは泣きながら後退りする。
クライド「・・・い、いや、違う!ぶば!」
左の張り手がクライドの顔面に直撃する。
シリウス「一緒にいるんだからお前も共犯だろ?って聞いてないか。・・・おう、ジン。どうした?」
助けようと勢いで向かったが何もせずに終わった。
ジン「いや、大丈夫かな?ってさ。」
シリウス「ん?・・ああ、大丈夫だ。行こうぜ。」
この時からシリウスの事は怒らせない様にしようとジンは心に誓う。
そのシリウスがあの時と同じ顔で貴族達を見ている。危険な予感はあった。しかし顔を見た途端、回想に入ってしまった。そのお陰で気付いた時にはシリウスが拳骨で貴族の子息を殴っていた。シリウスはジンに向かって笑顔を作る。
ジン「そんなんじゃ誤魔化せないぞ。」
坊ちゃん左「貴様!何をする!」
シリウス「ごめん。つい腹が立って殴っちまった。」
坊ちゃん右「平民が"つい"で貴族を殴るな!」
シリウス「え?お前等が悪のに?」
坊ちゃん達「何だと!」
ジン「相手は次期当主の貴族ばかりだぞ。てか、拳骨で殴るなよ。」
シリウス「すまん。つい加減を忘れた。」
坊ちゃん右「謝るべきはこっちだろう!」
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