鬼ごっこ

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 それからしばらく2人で下の様子を見ていた。
 
 もう既にほとんどの生徒が人面蜘蛛になった。

 この屋上は不思議と誰も来ない。

 と考えた瞬間後ろのドアが開いた。

「見つけた!文波!」

 濡羽だった。まだ生きてたんだって思ったけどそれだけ。

「やっほー」

とだけ言って視線を下に戻す。

「やっほーって何?助けてよ!!みんな蜘蛛になっちゃった、、

 文波なら助けられたでしょ?なんで助けてくれなかったの?」

 あー、うるさい。だって他人だし。誰だって他人の命より自分の方が大事でしょう?

 でももう喋ることすら面倒でガン無視。

 そしたら濡羽が標的をメガネに変えた。

「お前は何?1人だけ文波に守ってもらって!男なら戦いなさいよ!!

 あー、無理か!貧弱そうだもんね?」

 それを聞いてメガネはイラついたらしい。

「それじゃやってやるよ」

 そう言ってメガネは屋上から蜘蛛達の中へと飛び込んだ。

 濡羽がギョッとして下を覗き込む。

 メガネは、、無事だった。無事どころか、真下にいた蜘蛛の半分は気絶させている。

 濡羽が化け物でも見るような顔で下を見ているけど、これは蜘蛛を見ているのか、メガネを見ているのか。

 戻ってきたメガネを濡羽が質問攻めにしている。

「なんでお前そんなに強いわけ?そんなヒョロッヒョロの体して!」

「別に」

としかメガネは答えないが、さっきのを見てそれで納得するやつはいないだろう。
 少なくとも濡羽はしない。
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