短編集

純愛

1

(女の子視点)

　好きな人がいます。クラスで1番頭が良くて、顔もそこそこで、誰にでも気さくに話しかけてくれる人。
　選択授業で隣の席になったのがきっかけでした。
　友達は別の教科だったから、教室内には誰も話せる人がいなくて、、黙って自分の席に座っていました。
　だから急に話しかけられて、びっくりしたけど、すごく嬉しかった。

　よく笑う人で、ずっと笑顔でいてくれた。でも授業中とかに悩んでる時はすごく真剣な顔で、かっこよかった。
　真面目なだけじゃなくて、たまに先生への文句とかも言ってて、親しみやすかった。
　授業中にも話しかけてきて、面白くて笑ってしまって、先生に注意されないかハラハラしてた。

　HR教室でも話しかけてくれるようになって、ほかの教科のノート貸してとかも言われて、、仲良くなれてるって、頼られてるって嬉しかった。

　自分に自信が無いわけじゃない。でも、告白して振られたらって、こんな人だったんだって思われたらって、気まずくなっちゃったらどうしようって、そればっかり考えて、何も出来なかった。

　話しかけてくれるだけで、笑いかけてくれるだけで幸せで、でも他の子と話してるともやもやして、
　片思いは楽しいって言うけど、私には辛い部分の方が多かったかもしれない。

　でも、大好きすぎて、何も出来なかった。