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幻影
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おとうさんとおかあさんがケンカを始めたから、こっそり家を出て公園まで歩いた。
家の外に出ても、おとうさんとおかあさんの大声が聞こえる。
となりのおばさんがこっちを見てたけど、ぼくを見るとあわてて家に入っていった。
ぼくが公園に行くのは5回目。
おとうさんとおかあさんが毎日ケンカしてるから、5日前から公園に行くようになった。
きのうと同じに公園に行ったら女の子がいた。
多分ぼくよりちょっと大きいから7才くらい?
赤色のワンピースを着てて、髪を二つ結びにしてた。
1人だとつまんないから、あの子と遊びたいなぁと思った。
「キミだぁれ?」
って聞いてみたら、ちょっと考えたあと
「ふゆ。」
って言われた。
「ぼくはるいだよ!ふゆちゃんは何してるの?」
「えっと、特になにも?」
何もしてないんだって!遊べるじゃん!
「じゃあ一緒に遊ぼ!」
でも女の子はすごく困った顔しちゃった。
「えっと、でもるいくん、は?帰らないの?」
「だって家帰ってもおとうさんとおかあさんがケンカしてるだけだもん。しばらく遊ぶの!」
「そっ、か。じゃあ一緒に遊ぼう!」
ふゆちゃんが笑ってくれた!
いっぱい遊んでもっと笑わせよう!
それからは毎日ふゆちゃんと遊んだ。
おとうさんとおかあさんはぼくが家を出てることにまだ気づいてない。
「ねぇねぇふゆちゃん!今日はお城作ろう!」
「いいね!作ろう!おっきいの!」
「ふゆちゃん、おかあさんに怒られちゃった。」
「そっか。大丈夫だよ。次頑張ろう!」
「うわぁーーん、ふゆちゃーーん。おとうさんにッヒグ殴られたぁグスッ。うえぁーーん。」
「大丈夫?泣かないで、痛いの痛いの飛んで行けー!」
毎日ふゆちゃんは遊んでくれて、ぼくが怒られたりしたらなぐさめてくれて。
ふゆちゃんといるとすごく楽しかった。
怒られたりしても、大丈夫って思えた。
それなのに、ある日急に、ふゆちゃんはいなくなった。
公園に行っても誰もいないのが3回続いた。
「ふゆちゃん、どこ行っちゃったの?」
ふゆちゃんがいなくなって5回目。
「ふゆちゃん、今日もいない。っうっうわぁーーん。」
ついにぼくは泣いてしまった。
公園のまわりを歩いてた人が近寄ってきて、
「どうしたの?大丈夫?」
って言ってくれる。
でもぼくが欲しいのはこの人じゃない。
ふゆちゃんに会いたかった。
家の外に出ても、おとうさんとおかあさんの大声が聞こえる。
となりのおばさんがこっちを見てたけど、ぼくを見るとあわてて家に入っていった。
ぼくが公園に行くのは5回目。
おとうさんとおかあさんが毎日ケンカしてるから、5日前から公園に行くようになった。
きのうと同じに公園に行ったら女の子がいた。
多分ぼくよりちょっと大きいから7才くらい?
赤色のワンピースを着てて、髪を二つ結びにしてた。
1人だとつまんないから、あの子と遊びたいなぁと思った。
「キミだぁれ?」
って聞いてみたら、ちょっと考えたあと
「ふゆ。」
って言われた。
「ぼくはるいだよ!ふゆちゃんは何してるの?」
「えっと、特になにも?」
何もしてないんだって!遊べるじゃん!
「じゃあ一緒に遊ぼ!」
でも女の子はすごく困った顔しちゃった。
「えっと、でもるいくん、は?帰らないの?」
「だって家帰ってもおとうさんとおかあさんがケンカしてるだけだもん。しばらく遊ぶの!」
「そっ、か。じゃあ一緒に遊ぼう!」
ふゆちゃんが笑ってくれた!
いっぱい遊んでもっと笑わせよう!
それからは毎日ふゆちゃんと遊んだ。
おとうさんとおかあさんはぼくが家を出てることにまだ気づいてない。
「ねぇねぇふゆちゃん!今日はお城作ろう!」
「いいね!作ろう!おっきいの!」
「ふゆちゃん、おかあさんに怒られちゃった。」
「そっか。大丈夫だよ。次頑張ろう!」
「うわぁーーん、ふゆちゃーーん。おとうさんにッヒグ殴られたぁグスッ。うえぁーーん。」
「大丈夫?泣かないで、痛いの痛いの飛んで行けー!」
毎日ふゆちゃんは遊んでくれて、ぼくが怒られたりしたらなぐさめてくれて。
ふゆちゃんといるとすごく楽しかった。
怒られたりしても、大丈夫って思えた。
それなのに、ある日急に、ふゆちゃんはいなくなった。
公園に行っても誰もいないのが3回続いた。
「ふゆちゃん、どこ行っちゃったの?」
ふゆちゃんがいなくなって5回目。
「ふゆちゃん、今日もいない。っうっうわぁーーん。」
ついにぼくは泣いてしまった。
公園のまわりを歩いてた人が近寄ってきて、
「どうしたの?大丈夫?」
って言ってくれる。
でもぼくが欲しいのはこの人じゃない。
ふゆちゃんに会いたかった。
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