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キャパオーバーだわ6.

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一息つくために給湯室でお茶を入れていると生徒会室からガタガタと変な音がした。

…ここには今俺しかいないはずなのになんで音なんかすんだよ。
もしかして幽霊?俺心霊とか無理なんだけど。


「誰ですか?」


ビビりながらも声をかければドア付近に東雲が立っていた。

なんでここにいんだよ、拓実と帰ったはずだよな?
無視したいところだが放っておけば俺が怒られるので一応声をかける。


「こんな所で何をしているんですか東雲さん」

「ふん、あんたのせいで今日は最悪の気分よ。そこで反省してれば?」


そんな東雲の声とともにドアノブからガチャリと音が聞こえた。

まさかと思い、ドアノブを回したがガチャガチャと音が鳴るだけでドアは開かなかった。
俺は生徒会室に閉じ込められたみたいだ。

最悪、あの女なんで他校の生徒会室の鍵持ってんだよ。鍵の管理しっかりしとけよ先生…。

うだうだ言っててもしょうがないのでとりあえず仕事を先に終わらせることにした。



「やっと終わった」


時計を見れば7時。
もうそんな時間かと思いながらお腹をさする。集中して仕事をしたからかお腹が空いた。

予算はまとめ終えたので今日はもう帰ろう。警備室に連絡して鍵を開けてもらわないとなー。

そんな事を思いながら時計を眺めてボーっとしていると鍵が開く音がした。


「まだ帰ってなかったのか」

「拓実」


俺がいるとは思っていなかった拓実が驚いた顔をして生徒会室に入ってきた。


「ん?凪がいんのになんで生徒会室の鍵閉まってんだ?」

「それは…」


お前の幼なじみに閉じ込められたんだわと言いたい。
でもそれで拓実に迷惑がかかるのも嫌だしな。

誤魔化すために話題を変えることにした。


「拓実は忘れ物ですか?」

「あーちょっとな。…仕事が終わってるなら凪も一緒に帰るか?」

「はい」


拓実からの誘いが嬉しくて俺は急いで帰る支度をした。

誰もいない廊下に俺と拓実の足音だけが響く。


「凪と2人で話すの久しぶりな感じがするな」

「そ、うですね」

「聞きたかったんだが凪は好きな奴いるのか?」

「な、なんですかいきなり…そんな人いませんよ」

「そうか」


びっくりくしたー急に聞かれたから焦った。
好きな人はお前って言いそうになった。

拓実は1人焦る俺を無言で見つめてくる。恥ずかしくなった俺は拓実に質問を聞き返した。


「…そういう拓実はいるんですか?…好きな人」

「俺か?俺は」


どうしよう、好きな人がいると言われたら…あーあ、聞くんじゃなかったなー。

後悔した俺は拓実が答えようとするタイミングで自分の部屋に到着したので何も聞かずに逃げることにした。


「部屋に着いたので失礼します。おやすみなさい拓実」

「は?おい、凪」


俺は拓実の声を無視して自分の部屋へと逃げた。

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