腐男子で副会長の俺が会長に恋をした

かしあ

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デートです?10.

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「足大丈夫か?」

「靴擦れしてるだけなので大丈夫ですよ」

「とりあえずベンチ座っとけ」


水族館からの帰り道、寮の門限にはまだ余裕があったので夜ご飯を食べてから帰る事になった。

何を食べるか街をぶらぶらしながら話していたら、慣れないヒールを履いていた俺の足は限界をむかえていたらしい。
気がついたらかかとの上の方から血が出ていて靴下に滲んでいた。

どうりで足がジンジンすると思ったんだよな…。自覚した途端痛みが増した。

靴下を脱いで、怪我を確認する。
うへーなんか水ぶくれ?みたいになってね?俺のかかとら辺地獄絵図みたいになってるわ…痛い。

それなのに拓実は濡らしたハンカチで俺の足の血を優しく拭いてくれた。


「ったく、怪我してるんだったらもっと早く言えよ。痛かっただろう?」

「ジンジンしてますね」

「はぁー、もう少し自分を大切にしろよ」

「気をつけます」


ため息をつきながらも持っていた絆創膏を貼って手当してくれる。
手際いいし、優しいよなー手当してくれたあと軽くデコピンされたけど。


「これでよし、歩けそうか?」

「少し痛みますがなんとか歩けそうです」


夜ご飯食べて帰るだけだしこれぐらいの痛みなら少し我慢すればきっと大丈夫だろう。

拓実には本当に大丈夫なのか?って顔をされたが適当に誤魔化しといた。


「じゃあ行くか。ちゃんと掴まってろよ?危ないからな」


手当が終わった拓実はベンチに座っていた俺をおんぶして歩き出した。

…は?え、まままって俺今拓実におんぶされてんだけど!?なんで!?ひぇ…人前でこんなの無理…ドキドキ止まらんし恥ずかしい、顔あっつ。
あ、でも拓実の首元からムスクのいい匂いがする…じゃなくて。


「あ、あの拓実、私一人でも歩けるので下ろしてください」

「でもさっき立ち上がった時、痛そうな顔してたぞ?無理すんなって」

「無理とかではなくてですね」


恥ずかしさもあるけど周りからの視線が。
すっごく見られてんのよ、気づいてるか?ほら、女の子達がキャーキャー言ってる。
王子様とお姫様がいるとか言われて写真まで撮られてるし…。注目されすぎて俺の顔はさらに熱くなった。

てかイケメンな拓実が王子様は認めるが、俺は本当にお姫様に見えてんのか?
こんなごつくて大柄のお姫様普通いなくね?そう思うの俺だけじゃないよな?確かに見た目は女の子だが…女装っバレてない?大丈夫?…うーん、疲れたしもう考えるのやめよう。色々と気にしすぎよくないな。

八つ当たりとして拓実の背中に頭をグリグリ押し付けた。
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