11 / 64
転校生も非王道6.
しおりを挟む
「どうせ凪が寝てる時にでも頭撫でてんだろ?」
「ふっ、バレたか?」
…まじかー俺が寝てる時拓実は俺の頭撫でてたんかー。なんでそんな幸せな体験してる時に寝てんだよ俺。
いや、それよりも生徒会室で週3回も居眠りしてる方が問題あるな。自覚してなかったけど寝すぎじゃん、何で誰も起こしてくれなかったんだ…。
「これからは凪が起きてる時に頭撫でてやれよ」
「そうだな、よしよし」
「…拓実のその撫で方は人ではなく犬ですよね?」
「まぁまぁいいじゃん、素直に撫でてもらっとけよ凪」
「楽しんでません?」
「それはもちろん!!」
俺の質問にめちゃくちゃいい笑顔を返してきた夏目。
くそ、お前に好きな人ができたら絶対俺もからかってやるからな、覚えておけよ?
髪の毛がグチャグチャになるまで拓実に撫でられて、夏目に大笑いされた。
好きな人に頭撫でられるのは嬉しいがここまでボサボサにされたらさすがにイラッとした。
手鏡である程度髪の毛を整えていると真横に座っていた拓実と目が合い、思わず息も飲む。
何か言いたげな顔をしてジーッとこちらを見てくるが、見られている俺はどうすればいいのかわからず目が泳ぐ。
え、俺何かした?そんなに見られたら恥ずかしいんですが?俺の顔、また赤くなってたりしないよな?
とにかく俺の顔を見続けるのやめろや。
「なんかいつも通りの凪だな」
「それはどういう事でしょうか?」
「ん~いや?別に?」
口を尖らせて拓実が不貞腐れている。かわいっ。こんな拓実初めて見た。
生徒会ではリーダーとしてのカリスマ性があってカッコイイのに今は小さい子供みたいだ。これがギャップ萌えってやつか。
「あ、やべっ」
「うおっ!?」
「っ…」
拓実を眺めていたら急に夏目の声が拓実の後ろから聞こえて俺は誰かとぶつかった。
その時、ガチンと音がして唇にピリッとした痛みが走った。
…口の中が血の味がする。
「いって…おい、夏目危ないだろうが」
「わりぃ、ちょっと双子と遊んでたらバランス崩したわ。って凪!?どうした、唇から血が出てるぞ!?」
「はっ?大丈夫か凪?わりぃ俺の歯が唇に当たったんだよな、とりあえず手当しに保健室行くぞ」
「これぐらいならタオル当てておけば大丈夫じゃないですか?」
「俺が良くない、手当するから来い」
拓実に手を掴まれ、夏目達には見送られながら俺は保健室へと連れて行かれた。
拓実には「2回もキスしてごめんな、唇痛かったろ?」と手当しながら謝られたが事故とはいえ俺は今日、好きな人と2回もキスできたことが幸せで唇の痛みなんて感じなかった。
こうして食堂イベントは俺と拓実の事故キス2回で幕を閉じたのだった。
「ふっ、バレたか?」
…まじかー俺が寝てる時拓実は俺の頭撫でてたんかー。なんでそんな幸せな体験してる時に寝てんだよ俺。
いや、それよりも生徒会室で週3回も居眠りしてる方が問題あるな。自覚してなかったけど寝すぎじゃん、何で誰も起こしてくれなかったんだ…。
「これからは凪が起きてる時に頭撫でてやれよ」
「そうだな、よしよし」
「…拓実のその撫で方は人ではなく犬ですよね?」
「まぁまぁいいじゃん、素直に撫でてもらっとけよ凪」
「楽しんでません?」
「それはもちろん!!」
俺の質問にめちゃくちゃいい笑顔を返してきた夏目。
くそ、お前に好きな人ができたら絶対俺もからかってやるからな、覚えておけよ?
髪の毛がグチャグチャになるまで拓実に撫でられて、夏目に大笑いされた。
好きな人に頭撫でられるのは嬉しいがここまでボサボサにされたらさすがにイラッとした。
手鏡である程度髪の毛を整えていると真横に座っていた拓実と目が合い、思わず息も飲む。
何か言いたげな顔をしてジーッとこちらを見てくるが、見られている俺はどうすればいいのかわからず目が泳ぐ。
え、俺何かした?そんなに見られたら恥ずかしいんですが?俺の顔、また赤くなってたりしないよな?
とにかく俺の顔を見続けるのやめろや。
「なんかいつも通りの凪だな」
「それはどういう事でしょうか?」
「ん~いや?別に?」
口を尖らせて拓実が不貞腐れている。かわいっ。こんな拓実初めて見た。
生徒会ではリーダーとしてのカリスマ性があってカッコイイのに今は小さい子供みたいだ。これがギャップ萌えってやつか。
「あ、やべっ」
「うおっ!?」
「っ…」
拓実を眺めていたら急に夏目の声が拓実の後ろから聞こえて俺は誰かとぶつかった。
その時、ガチンと音がして唇にピリッとした痛みが走った。
…口の中が血の味がする。
「いって…おい、夏目危ないだろうが」
「わりぃ、ちょっと双子と遊んでたらバランス崩したわ。って凪!?どうした、唇から血が出てるぞ!?」
「はっ?大丈夫か凪?わりぃ俺の歯が唇に当たったんだよな、とりあえず手当しに保健室行くぞ」
「これぐらいならタオル当てておけば大丈夫じゃないですか?」
「俺が良くない、手当するから来い」
拓実に手を掴まれ、夏目達には見送られながら俺は保健室へと連れて行かれた。
拓実には「2回もキスしてごめんな、唇痛かったろ?」と手当しながら謝られたが事故とはいえ俺は今日、好きな人と2回もキスできたことが幸せで唇の痛みなんて感じなかった。
こうして食堂イベントは俺と拓実の事故キス2回で幕を閉じたのだった。
112
お気に入りに追加
483
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

転生したら乙女ゲームのモブキャラだったのでモブハーレム作ろうとしたら…BLな方向になるのだが
松林 松茸
BL
私は「南 明日香」という平凡な会社員だった。
ありふれた生活と隠していたオタク趣味。それだけで満足な生活だった。
あの日までは。
気が付くと大好きだった乙女ゲーム“ときめき魔法学院”のモブキャラ「レナンジェス=ハックマン子爵家長男」に転生していた。
(無いものがある!これは…モブキャラハーレムを作らなくては!!)
その野望を実現すべく計画を練るが…アーな方向へ向かってしまう。
元日本人女性の異世界生活は如何に?
※カクヨム様、小説家になろう様で同時連載しております。
5月23日から毎日、昼12時更新します。

俺の義兄弟が凄いんだが
kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・
初投稿です。感想などお待ちしています。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

Q.親友のブラコン兄弟から敵意を向けられています。どうすれば助かりますか?
書鈴 夏(ショベルカー)
BL
平々凡々な高校生、茂部正人«もぶまさと»にはひとつの悩みがある。
それは、親友である八乙女楓真«やおとめふうま»の兄と弟から、尋常でない敵意を向けられることであった。ブラコンである彼らは、大切な彼と仲良くしている茂部を警戒しているのだ──そう考える茂部は悩みつつも、楓真と仲を深めていく。
友達関係を続けるため、たまに折れそうにもなるけど圧には負けない!!頑張れ、茂部!!
なお、兄弟は三人とも好意を茂部に向けているものとする。
7/28
一度完結しました。小ネタなど書けたら追加していきたいと思います。

風紀委員長様は王道転校生がお嫌い
八(八月八)
BL
※11/12 10話後半を加筆しました。
11/21 登場人物まとめを追加しました。
【第7回BL小説大賞エントリー中】
山奥にある全寮制の名門男子校鶯実学園。
この学園では、各委員会の委員長副委員長と、生徒会執行部が『役付』と呼ばれる特権を持っていた。
東海林幹春は、そんな鶯実学園の風紀委員長。
風紀委員長の名に恥じぬ様、真面目実直に、髪は七三、黒縁メガネも掛けて職務に当たっていた。
しかしある日、突如として彼の生活を脅かす転入生が現われる。
ボサボサ頭に大きなメガネ、ブカブカの制服に身を包んだ転校生は、元はシングルマザーの田舎育ち。母の再婚により理事長の親戚となり、この学園に編入してきたものの、学園の特殊な環境に慣れず、あくまでも庶民感覚で突き進もうとする。
おまけにその転校生に、生徒会執行部の面々はメロメロに!?
そんな転校生がとにかく気に入らない幹春。
何を隠そう、彼こそが、中学まで、転校生を凌ぐ超極貧ド田舎生活をしてきていたから!
※11/12に10話加筆しています。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる