腐男子で副会長の俺が会長に恋をした

かしあ

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転校生も非王道6.

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「どうせ凪が寝てる時にでも頭撫でてんだろ?」

「ふっ、バレたか?」


…まじかー俺が寝てる時拓実は俺の頭撫でてたんかー。なんでそんな幸せな体験してる時に寝てんだよ俺。
いや、それよりも生徒会室で週3回も居眠りしてる方が問題あるな。自覚してなかったけど寝すぎじゃん、何で誰も起こしてくれなかったんだ…。


「これからは凪が起きてる時に頭撫でてやれよ」

「そうだな、よしよし」

「…拓実のその撫で方は人ではなく犬ですよね?」

「まぁまぁいいじゃん、素直に撫でてもらっとけよ凪」

「楽しんでません?」

「それはもちろん!!」


俺の質問にめちゃくちゃいい笑顔を返してきた夏目。
くそ、お前に好きな人ができたら絶対俺もからかってやるからな、覚えておけよ?

髪の毛がグチャグチャになるまで拓実に撫でられて、夏目に大笑いされた。
好きな人に頭撫でられるのは嬉しいがここまでボサボサにされたらさすがにイラッとした。

手鏡である程度髪の毛を整えていると真横に座っていた拓実と目が合い、思わず息も飲む。

何か言いたげな顔をしてジーッとこちらを見てくるが、見られている俺はどうすればいいのかわからず目が泳ぐ。

え、俺何かした?そんなに見られたら恥ずかしいんですが?俺の顔、また赤くなってたりしないよな?

とにかく俺の顔を見続けるのやめろや。


「なんかいつも通りの凪だな」

「それはどういう事でしょうか?」

「ん~いや?別に?」


口を尖らせて拓実が不貞腐れている。かわいっ。こんな拓実初めて見た。
生徒会ではリーダーとしてのカリスマ性があってカッコイイのに今は小さい子供みたいだ。これがギャップ萌えってやつか。


「あ、やべっ」

「うおっ!?」

「っ…」


拓実を眺めていたら急に夏目の声が拓実の後ろから聞こえて俺は誰かとぶつかった。
その時、ガチンと音がして唇にピリッとした痛みが走った。

…口の中が血の味がする。


「いって…おい、夏目危ないだろうが」

「わりぃ、ちょっと双子と遊んでたらバランス崩したわ。って凪!?どうした、唇から血が出てるぞ!?」

「はっ?大丈夫か凪?わりぃ俺の歯が唇に当たったんだよな、とりあえず手当しに保健室行くぞ」

「これぐらいならタオル当てておけば大丈夫じゃないですか?」

「俺が良くない、手当するから来い」


拓実に手を掴まれ、夏目達には見送られながら俺は保健室へと連れて行かれた。

拓実には「2回もキスしてごめんな、唇痛かったろ?」と手当しながら謝られたが事故とはいえ俺は今日、好きな人と2回もキスできたことが幸せで唇の痛みなんて感じなかった。


こうして食堂イベントは俺と拓実の事故キス2回で幕を閉じたのだった。

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