推しを眺めていたら推しが近づいてきた

かしあ

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「そっかーすばるん悩んでる顔してたから宇都宮君と何かあったのかな~って思っちゃった。すばるんと宇都宮君が最近よく一緒に帰って行く姿みかけたからさ~」


そうなのだ、桜ちゃんは僕が裏庭でうなだれている姿を見て声をかけてくれたのだ。
しかも宇都宮君が関係してるんじゃないかと推測して。

悩み事とは違うんだけど、とりあえず僕は宇都宮君とのカラオケでの出来事を少し省略して桜ちゃんに話す事にしたのだ。それが数分前の会話である。


「2人が仲良よさそうでよかった~すばるんが宇都宮君の事を(恋愛感情で)好きになるまであと少しね」


「ん?僕宇都宮君の事(推しとして)好きだよ?」


「そっちの好きじゃないよすばるん」


「そっちって?桜ちゃんどういう意味?」


「すばるんにももうすぐその意味が理解できると思うよ~(宇都宮君×すばるん最高にキュンキュンしそうなカップルになりそうな予感!!)」


うーん、桜ちゃんの言葉には理解できなかったけど宇都宮君との事を聞いてもらえるだけでなんだか心がスッキリした。
僕気づかないうちに宇都宮君との距離感にモヤモヤしていたのかもしれない。


「あ、噂をすればすばるん宇都宮君いるよ?」


「本当だ、女の子達沢山いるね~」


さすが僕の推し、今日も女の子達にモテモテみたいです。笑顔が爽やかだ~。
あ、あの子前まで宇都宮君と仲良さげに笑いあっていた女の子だ。手作りクッキーかな??可愛くラッピングされた何かを宇都宮君に渡している。


「すばるん…何してるの?」


「はっ!ごめん桜ちゃん、僕いつも陰ながら宇都宮君を眺めてたから壁に隠れる癖がついちゃってて」


は、恥ずかしい…僕の変な行動に桜ちゃんが怪訝な顔してるよ~。
でもこれはもう無意識に体が動いちゃってるから僕自身どうすることもできないんです。


「…なるほど(え、何それ可愛い)友達なんだから話しかけに行かないの?」


「うーん、用事ないのに推しに話しかけるのは僕には無理だよ」


「そっか…(要約すると推しが好きすぎて恥ずかしくて話しかけれないって事ね、すばるん可愛すぎ!え、もうこの2人早く付き合ってほしいわ)」


「桜ちゃん??えっと…この手は?」


「ん?ちょっとすばるんあっち行かない?」


「え?あっちは宇都宮君達がいる場所だよ?」


桜ちゃんは僕の腕を掴みながら宇都宮君と女の子達がいる場所までズンズン歩いていく。

え、待って待って、このまま歩いていくと宇都宮君の顔がドアップで見れちゃう。
それは嬉しいけどまだ心の準備ができてないよ。

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